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夏の宿題?8月31日の浴衣と花火。の巻

星わにこ
2022/09/07 00:00
まだまだ暑い日はあれど確実に涼しくなってきて、あんなにしんどい夏だったのにちょっと寂しいと思ってしまうのはなぜでしょう。 我が家の高校生男子ですが、この夏のお盆に中学の同級生グループで花火をすることになったから浴衣を着せて、と言ってきました。 親の趣味で、小さい頃から着物を着せまくってきたけれど、小学校の卒業式は袴は嫌!とスーツを選んで以降、あんなに着物を着るのを嫌がっていたのに‥‥どういう心境の変化でしょうか。母嬉しい。 もちろん二つ返事で引き受けて、浴衣を用意しましたよ(親バカ)。友達も着せてというのでそれも二つ返事です。 いそいそ浴衣と帯、手ぬぐいと扇子を友達分も用意して待機。 しかし、当日。巨大低気圧が日本に向かっているということであえなく中止。あら残念、と思っていたら、なんと8月31日に再トライすることになったとか。 最終日、みんな宿題終わってないんじゃないの?と思いましたが、浴衣で花火をすることも夏の宿題みたいなものか、と。 コロナ禍でもう3年、お祭りも花火大会もなくおでかけもままならなくて。子どもたちが沢山の青春を楽しむ機会が失われてきたことを思うと、学校の宿題より優先かもねと思ったり。 お友達は浴衣が初めてだそうで「えっやばい!帯ってこんな下なんすか!やばい!足が!ハイキックするときはどうしたらいいんすか!」というので、着物を両手でめくってしてください、と言っときました(笑)「手ぬぐいってどうするんすか」「女子が座る時敷いてあげなよ」って言ったら「そんな80年代の少女漫画みたいなこと! え、かっこよ」って。さてハイキックはしたのか、てぬぐいは敷いてあげたのか。 男子は着せ甲斐がない、なんてよく言いますが、なになに男子の浴衣もとってもいいもんだ。 当日は無事お天気ももって、男子も女子も浴衣で集まり、手持ち花火を楽しんだ模様です。女子たちの浴衣はどうだった? 写真ないの?っていったら、見せてくれたけど暗くてなにもわかりませんでした(爆) 楽しかったっ!って笑顔で帰ってきた男子たち。また来年も浴衣で花火をしたり見れたりするといいねえ。そして浴衣も自分で着られるようになったらいいなあ。 当方浴衣でデート的な10代の思い出がないため(寂)、夏の終わりの浴衣と花火を想像しただけで、えらいエモい気持ちになりました。 できるなら、ちょっと無理をしてでもいろんなことをやってみるといい。人生ももう秋になってきた身としては、アオハル満喫の若者たちの姿が見られるだけでもほくほくした気持ちになったのでした。

母の着物の処分に手をつけたの巻

星わにこ
2022/08/31 00:00
すっかり過ごしやすい気温になって、もう秋なのかな‥‥と思いきや、まだまだ暑さもぶりかえしたり、台風の様子が気になったり。着物も何に袖を通すか迷いますね。 今回はちょっと長い、着物の処分の話です。 さて今年の夏は、7年間放置していた実家の母の衣類の処分に乗り出しました。とはいっても、感染者数の急激な増加もあり、また自分の体調もイマイチだったことから直前まで帰れるのかどうなのかも悩んだりしていたため、予定も立てずに成り行きでGO。 実家は11LDK。大体「意味がわからない」と言われますが(笑)岐阜の山村にあり、私が子供の頃は7人家族で住んでいたため、まあそんな大きさに。田舎には珍しくない築70年ほどの古民家です。 父が亡くなってから母はずっと一人暮らしでしたが、その母も亡くなり空き家に。時々帰って空気を入れ替えたりしていましたが、岐阜なのでしょっちゅう帰るわけにもいかず、水回りからどんどん壊れていって困っていたところ、3年ほど前に地元の空き家対策委員会の方から連絡をいただき、賃貸物件に出すことに。 家の半分だけ借りてくれて、仏壇や荷物などそのまま置かせてくれて時々帰って泊まってもいい方がいれば、という虫のいい条件(笑)で出したところ、1年ほど経って借りてくださる方が見つかりました。そんなのってあり?という条件でしたが、言ってみるもんだなあ。 コロナ禍に入っていたので帰って片付けるということができず、借りてもらうエリアのものをとりあえず使わない部屋に押し込んでもらって、家を使ってもらうことに。なので、とにかく荷物がぎゅうぎゅうに詰め込まれた部屋が、見えないけどもう苦になって苦になって。 離れて暮らしているけれど、いつも心の片隅にそのことが気にかかっていました。 今回いつも東京から車を出して一緒に帰ってくれる友だちと子供と一緒に帰ったのですが、滝めぐりや花火見物の合間に手伝ってもらって、部屋にぎゅうぎゅうに詰め込まれていた母の衣類の処分ができました。 リサイクルや寄付、いろいろな選択肢があると思いますがとにかく大量で、分別する時間もないためもう今回は自治体のゴミ処分場に持ち込むことに。 どんどんと衣類、古いカバンや雑貨など70リットルの袋に友人と手分けして詰め込みました。 胸は痛みましたし、「おりょ~」という母の嘆きも聞こえてくる気がしましたが(笑)もうそんなことは言ってられない! 洋服箪笥2竿とハンガーラック3つにパンパンにかかっていた洋服、めぼしい着物はよけたあとの着物箪笥のウールの着物や小物など、どんどんと詰め込み。山のようなゴミ袋を処分場に持ち込んで、重量なんと170キロ! 処分場持ち込みの場合10キロ100円を支払うのですが、小物が入っていた箱を潰していた息子が「あっ!ばあちゃんのへそくり!」と7000円が入った封筒を発見。 処分代と、車で処分場まで捨てにいってくれた友人と息子のおやつ代にあててもらいました。ありがとう、お母さん。そして友人と息子に心より感謝(><) 時間があれば、いろいろと手間をかけたり使ってくださる方につないだりということもできたかと思うのですが、そして、それをどうしようかと思うあまりにずっと手をつけられずにきましたが、それもやりきれない量というものもあるなあと今回感じました。本当は業者さんにお願いレベルなので‥‥。 私の場合は、一気に手放せたことで本当に心からほっとして、開放された気持ちがしました。ここにくるまで7年かかってますが‥‥。 実はレスキューした着物はそのまま積んであるし、まだ屋根裏部屋や倉庫に山のような衣類や食器があるんですが‥‥それはおいおい(ため息) 着物に関しては、正絹のもので状態のいいものだけをとりあえずレスキューして保管。ウールの着物は、母がよく着ていたものを1枚だけ残しました。あと小物類は虫食いもあったりして、全部処分。 このあたりは、自分の着物の整理と処分で痛い目を見たので「ちょっともったいないと思う程度のものは残さない」という鬼の心で臨みました。ただ、ありがとう~と言いながらひたすら処分しました。 今回は衣類のみということで、まだ本や家具家電に手をつけてないせいか、そんなに捨てたのにあまりものが減ってないように見えるのが恐ろしい‥‥。どんだけの量が詰め込まれているのかっ!  でも薄暗かった部屋も窓が見えて光が入り、少し風通しはよくなった気が。そして心も少し軽くなりました。 いつか私が死んだとき。息子がしんどくないように自分のものも減らさないとな‥‥と反省もしました。家に帰ってから、再び断捨離に取り組んでいます。 捨てることにはずっと躊躇いと罪悪感を持っていましたが、量が多ければ全部まとめてゴミ扱いになってしまうことも。大事なものや使ってほしいものはそれなりに量もコントロールして厳選しておかなければいけないなと。 そんな死後の心配はさておいても(笑)、今現状、自分が使うものも同じこと。 そのためには、やっぱり処分もやむなしと、最近は割り切っています。 拙著『その着物、どうする?』にもこのあたりの葛藤は書いたのですが、一番自分の心が楽になる方法を選ぶしかないなと思います。 といいつつ、なかなか処分はできないのですが(だめだめ)。ちょっとでも、住まいと心の風通しをよくしたいなと思う今日このごろです。 <ちょっと宣伝> 9月には、久しぶりの「きものチャリティバザール」を開催予定です。私も、手放すものを持ち込み予定です! やっぱりまだ使えるものはどこかで役立ってほしいもの……。といいつつ、欲しいものと毎回出会ってしまうのですが、まあそれも幸せということで(笑) もし寄付を検討されている方がいらしたらどうぞよろしくお願いいたします。

冷感汗ふきシートで夏着物も涼しく!の巻

星わにこ
2022/08/17 00:00
まだまだ残暑厳しい毎日ですが、この時期本当に汗が困りもの。何を着ても暑いこの時期、夏着物も少しでも涼しく着たいために、皆様さまざまな工夫をされているのではないでしょうか。 私も涙ぐましい努力を重ねてまいりました。麻のステテコや冷感肌着、保冷剤などなどいいと聞けばすぐ試す! そして着物を着るときには、エアコンを効かせた部屋で扇風機を回しながら、とにかく汗をかかないで着ます。 着てしまえば意外と大丈夫なのですが、着るときは動きますから、その時点で汗をかいてしまうともうなかなか汗がひかなくてしんどいし、またかいた汗が冷房で冷えたりすると体が冷たくなることも。 また、室内や移動交通機関内は冷房が効いていても、家から駅まで炎天下を歩くときが問題。日傘は必須で保冷剤を握りしめて移動していました。 先日、新宿津田家の女将さんに「ビオレの冷シートを衿肩あきや胸元に挟むと、すっとして外を歩いても気持ちいいわよ。ゴルフをする人が肌着の下に挟むと涼しいって教えてくれたの」と耳寄り情報を教えていただきました。 早速ドラッグストアに走ってゲット。汗ふきシートはあまり使ったことがなかったのですが、メントール配合ですーっとする感覚が確かにマイナス3度感覚。 着物を着る前にも、さっと胸元や腋の下、首元など拭いておくとスキッとして汗が出にくい気がします。また、取り出してそのまま挟むよりも、肌着が濡れにくいかもしれません。 今まで、制汗剤をしゅーっと吹きかけていましたが、個人的にスプレーにむせがちなのでちょっと苦手でした。それよりスッキリして気持ちがよいです。 着物を着たら、そっと首元や襟元の肌の上に直接あたるように挟むと、すーっとした冷感が続きます。いつもははふはふ言いながら歩く駅までの道(10分程度)も、しゃっきりと歩けました。 電車内などで冷房が効いていたら、もう取り外してしまってOK。捨ててもいいし、小さいジッパー付きポリ袋などに入れておけば、後からまた汗ふきにも使えます(せこい)。 今まで解けちゃった保冷剤、もう一回冷たくならないかな!とか思っていましたが、こちらはバッグに入れておいて、都度使えばよし。洋服のときにも、便利です。 メントールの冷感刺激に弱い方やアルコール過敏症の方、肌の弱い方、乳幼児は使わないでくださいとのことなので、成分を見て合わない方は注意してください。 あと、濡れた状態のものなので、肌着に挟む時、特に正絹の着物などに付かないように気をつけてくださいね。 この夏知った、新兵器!! ご興味のある方はお試しくださいませ。

軽くて扱いやすい!ポリの兵児帯の簡単結びの巻

星わにこ
2022/08/10 00:00
着ていて「暑さ」や「しんどさ」を感じる要素として、「重さ」というのがあると思います。この時期、少しでも薄くて軽いものが着たいもの。 そして、とにかく汗をかきますから、洗える素材だとなおよし。 そんなこんなで最近は、夏に普段に着るのはセオαか綿麻なのですが、骨太でガタイがいいので、半幅帯だとちょっとボリューム不足。ただでさえ大きい背中がますます大きく見えてしまいそうで、いつも名古屋帯を選んでしまいます。 でも半幅帯のほうが、断然軽いし涼しいのですよね。知ってるんですけど、やっぱり背中がどーん、お尻がどーんと見えてしまうと思うと、手が伸びない。いろんな結び方を試してみて、長めの帯であればいけなくもないと思うのですが、どうも苦手意識が消えません。 そんな時に、救世主で現れたのが最近よく見かける、織兵児帯です。胴に巻く部分は二つに折って、結んで後ろに回す部分は幅広で使えるので、ボリュームも出しやすい。 兵児帯という名前で検索すると、くしゅくしゅタイプの兵児帯もあります。そちらはボリュームがあって、ちょっと重いものです。ふわふわに結んだりするときにはよいのですが、大人は平らなタイプのほうが使いやすいと思います。 ふんわりと結ぶこともできますし、名古屋帯のようにお太鼓や銀座結び風にもできます。そして、名古屋帯よりダントツ軽くて、扱いやすいのです。半幅のように、前で結んで後ろに回すやり方でいけちゃいます。 大人っぽい色柄も多いので、いいだけ大人な人も大丈夫。また、ギラギラな個性派もあったりして、夏にピッタリ。 しつこいですが、軽いので体も楽なんです。 私が気に入ってるのは、仮紐(帯揚げでもOK)を使ったパタパタ結び。結び方も簡単だし、結び目が下がってこないし、帯枕を使わない分体もらくちんです。 ポイントは、「て」を最後に帯枕のようにパタパタした羽根の土台にすること。こうすると形が決まりやすいです。私は、ボリュームを出したくないので半分に畳んだままですが、畳んだ羽根を広げるとふわふわにもアレンジできますよ。 この結び方は半幅帯でもできます。「て」を横に広げることで、横に張りが出るのでバランスがよくなっておすすめです! 半幅帯よりも軽くて扱いやすい兵児帯、いろんな結び方にトライしてみてはいかがでしょうか。

楽しんだもの勝ち!浴衣つれづれ夏。の巻

星わにこ
2022/08/03 00:00
暑い日が続きますね。陽炎が立ちそうな街の中を、日傘の着物姿を見かけると涼しげな気持ちになりますね。と、同時に「すごい‥‥まじすごい」と尊敬の念を覚えます。 まあ夏着物はやっぱり気合いだなあ~と思う今日このごろです。だってね、涼しくはないですからね。夏は何着ても暑いし‥‥夏着物はほんと脱ぐ時が一番幸せだったりするし(笑)。それでもなぜ着るかといえば、着たいから! そして大きなお祭りはないものの、ちらちらと浴衣姿も見かけます。今回は今年浴衣について思ったこと徒然をつぶやきますね。 今年はファストファッションチェーンの発売した2部式浴衣が話題になりましたね。着付けの仕組みがわかってしまうと、普通に着付けた方が断然早くて調整がきくのでいらない、となると思いますが、まったく着付けとか知らん!という人には福音なのかもしれません。昔から二部式や羽織るだけ、みたいな便利着付け着物系はいろんなものが出ては消え、出ては消えていますが、やはり応用の効かなさなのかな~と拝察。 時々七五三とかでも、着付けをしらなくても子供に着せられる!みたいな便利仕立てのものを見かけますが、マジックテープとかボタンやホックとかまじで融通がきかなくて「普通に紐で結ばせて!」と言いたいこともしばしば。ジャストサイズならいいのかもしれませんが、逆に面倒にしているのではと思う商品も結構あります。 でも、二部式発売ということよりも衝撃だったのは商品見本の着付け写真。えもんは詰まってぶっかぶかの上半身に低い位置の帯、なんとなくゆるふわなワンピース調の着付けでした。 プリントも洋風で可愛い色柄なこともあり、えー‥‥こんな風に変わっていくの? とちょっと不安になりましたが、子供につきあって行った武蔵野美術大学のオープンキャンパスには、学生さん制作の浴衣が展示してあり、そのデザインが斬新で素晴らしいのはいうまでもなかったのですが、着付けは伝統的で、ちょっとほっとしたり。 今年は浴衣フェアものぞいたりしたのですが、昔ながらの注染や絞りだけでなく、アフリカンプリントの浴衣やアイヌモチーフの浴衣などいろんな文化を取り入れたものも素敵でした。 浴衣は昔から、着物ではできないような大胆な柄を楽しんだりしたものですから、自分がかっこいいと思うものを自由に楽しんだらいいですよね。 帯だって結ばないやり方、簡単なやり方がいっぱいYouTubeで見られるし、下駄がなければサンダルでいいじゃない。帽子をかぶっても素敵だし、浴衣ってだけでテンションもあがりますから。 昨日見かけた道ゆく10代だろう浴衣のカップルは、二人とも自分でYouTubeとか見て着付けたんだろうなあ~ってかんじで、女の子はえもん詰まってて、男の子はウエストに帯してて、以前の私なら「ああーもっとこうしたらいいのに!」なんて気にするところだったと思うのですが、もう令和の今はなんかもうそれはそれで「あらいいわね~~!!」って心から思うようになってきました。 だってもうね、そんな、二人で浴衣でデートなんてそれを実現させただけでブラボーですよ。スタンディングオベーションですよ。きっと一生の思い出になるのよね、なんて勝手にうんうん頷きながら後ろを歩くおばちゃん(私)。ちなみに私には浴衣デートの思い出はありません(寂)。 着たいなと思ったら、着たほうが絶対楽しいよね。浴衣を探したり、買ったり、着方を知ったり‥‥。そこに、誰かが間違ってる、という権利はないはず。 着付けも時代とともに変わっていくものだから、若い人は若い人がこれでいいなと思ったように着ればいいよね~なんてしみじみ思うわけでした。あ、若くない人も(笑)。 一方で、私も今年は浴衣を衝動買い。セオαの柄物の浴衣で、よくみると猫がいるという模様に一目惚れ‥‥単衣代わりにも着ちゃおうかなと思っています。 素材も綿、綿麻、ポリエステルといろいろありますが、ポリエステルの進化はめざましくセオαなんかは比較的涼しく、どんなに汗をかいても洗濯機で気兼ねなく洗えるし乾きも早いので、じわじわと夏物にセオαが増えてきている私です‥‥。 浴衣は着物よりも比較的チャレンジしやすい価格帯ということもあるので、いろいろ試してみるのもいいですよね。 暑い暑いと敬遠していましたが、気がついたら真夏も折り返し! ぐだぐだしてないで、気合いを入れてやっぱり浴衣、着なくっちゃ!

帯留をネックレスでも楽しもうの巻

星わにこ
2022/07/27 00:00
いやー夏だけど、湿気がすごくてなんだかもう夏バテを起こしているわにこです。年々夏に弱くなっている気がする‥‥。 前回の帯留を透明ヘアゴムで安定させる技は、結構反響をいただきました。帯留と帯締めのマッチングやぐらぐら問題で悩んでいる人は多い! あと、帯締めを結んでしまってからなんかぐらぐらするなあ、っていう時も、帯留をつけた状態で金具のところに透明ヘアゴムをあとから8の字にかけるだけでもぐらぐらには効果があります。ほんとにいい仕事してくれるので、あ、と思ったときにはぜひお試しください。 コーデのアクセントに使いたい帯留ですが、皆様いくつくらい持ってらっしゃいますか? 私はこの間数えて見たら25個ありました。普段帯留をあまりしない派なんですが、一目惚れして買ったものやいただきものなど、気づけば結構な数に。 せっかくあるのに、めったにしないのでなんだかもったいない気も(貧乏性)。 でも先日、憧れの着物先輩が帯留をチョーカーにしているのを拝見。とっても素敵だったので真似してみました。 帯につけているときは小さく感じても、顔の近くに持ってくると結構大振りで、パンチのきいたアクセサリーになりました! チョーカーにうまく通らない金具のサイズのものでも、透明ヘアゴムの技を使えば大丈夫。 チョーカーだけでなく、ネックレスのチェーンの長さを変えることで印象も変化しますね。少し長めのチェーンだと、ボリュームがある帯留でも扱いやすく感じます。カジュアルめの帯留めは革の紐に通すと相性がいいです。 年齢を重ねてきて、大振りのアクセサリーも似合うようになってきたので、チャレンジしていきたいところ。あとは素肌の上もいいですが、タートルネックの上とかだと馴染みやすいかも。 和風だったりアンティーク風だったり、あまりネックレスにないモチーフのものだったりすると面白みが増しますよね。 若い頃はアクセサリーなんて全然興味がなかったけど、おばちゃ、いえマダムになってくるとちょっと大きなアクセサリーで華を添えたいなあと思うようになりました。キラキラが足りなくなってくるので補充したくなる自然の摂理(?)でしょうか。 帯留はうってつけの大きさとインパクトがあるのでぜひお手持ちのネックレスチェーンやチョーカーにあわせてみてくださいませ。革紐なんかでもかっこいいですよ!

透明のヘアゴムで帯留めをフィットさせるの巻

星わにこ
2022/07/20 00:00
今年は早々に梅雨があけたと思いきや、雨もまだまだ多くて蒸し蒸しする日が続いていますね。 でも、街で夏着物や浴衣を見かけると涼風が吹くような気持ちがします。着ている本人は暑いとは思うんですけどね。夏の着物姿は本当にいいものです。 最近は女性の浴衣の帯結びも多様化してきて、半幅帯も文庫や矢の字だけでなく、三重紐を使った変わり結びや結ばない帯結び、ベルト風の帯、大人のへこ帯などいろいろなバリエーションがありますね。思い思いに楽しむ浴衣姿はみているだけで楽しくなります! また最近は半幅帯にも帯締めやベルトをする方が増えています。夏用の帯締めはレース組のものがありますが、特にこだわる必要はなく、半幅帯に飾り的に使うのであれば細い紐を使ってもいいし(靴紐を使っている方も!)可愛いものを楽しめるチャンス! そして、ワンポイントに帯留めも楽しみたいですね。帯留めも本当にいろいろあって、プチプライスのものから、アンティークの工芸品までさまざまです。季節やおでかけ先、コーディネートにあわせてチョイスしたい! 帯留めを使うだけでなく手持ちのブローチを流用すると、プチプライスで好きなものをいろいろ楽しめてしまいます。ブローチ用の帯留め金具を使うと便利です。でも、結構金具の位置が合わなかったり金具が大きすぎてぐらぐらしたり。 あとは帯留めでも、帯締めの太さによって使えたり使えなかったり。帯締めが細くてぐらぐらしたり、帯締めが太くてこの帯留めをしたいのに! 通らない!いん!いん!ってなったことありませんか? そこで使えるのが、透明のからまないヘアゴム(ウレタンゴム、モビロンゴム、PU(ポリウレタン)ゴムなど呼び方はいろいろ)です。 1)帯締めが細くてブローチ用金具や帯留めがぐらぐらするとき 帯締めが細くて帯留めがぐらぐらしてしまうときは、帯留めに帯締めを通してから帯留めの金具に8の字にゴムをかけると、帯締めにフィットして安定します。 2)帯締めが太くて帯留めが通らないとき 逆に帯締めが太いとか、三分紐じゃない普通の帯締めに帯留めを通したいというときは、金具にゴムを通して、そのゴムに帯締めを通せばOK! とにかく使える透明のモビロンゴム、100均などで入手できます。劣化して帯留めが落ちるといけないので、こまめに取り替えましょう。輪ゴムや普通のゴム紐よりも目立たず丈夫でおすすめです。 帯留めと帯締めの組み合わせの可能性をぐっと広げてくれますよ。

着物に割烹着の歴史を調べてみたよの巻

星わにこ
2022/07/13 00:00
昨年春から、『ゴールデンカムイ』にどっぷりハマっている私なんですが、取材が非常にしっかりしていることで知られているこの漫画。建物も実在のものがモデルとなっており、ロケ地ではないけれど建物めぐりをするのもファンの楽しみとなっています。 建物のモデルの三大聖地と言われているのが「北海道開拓の村」(北海道)「明治村」(愛知県)そして「江戸東京たてもの園」(東京)です。なかなか北海道・愛知までは足を運べないのですが、江戸東京たてもの園に先日行ってまいりました。 ここには、尾形の父の花沢中将邸(外観)のモデルの三井八郎右衞門邸、鉄砲店や背景として使いまわされている小寺醤油店など、古い建物が多くあります。歴史的な建物としてはもちろんですが、ゴールデンカムイだけでなくいろんなアニメや漫画にもモデルとして登場するので、それを見て回るのも楽しみのひとつ。 <以下単行本派の方ネタバレ注意> たてもの園には最終回で主人公杉元の幼馴染、梅ちゃんが女将として働く生花店もあります。 ここに登場する梅ちゃんの姿は、蝶々の着物に割烹着。絵を見ると蝶々は臈纈染ぽいかんじ。蝶の文様は蛹から美しい蝶となり羽ばたいていくということから、成長を祝う吉祥文様として愛されています。彼女が選んだ道を象徴しているかのようです。流石、野田サトル先生です。 そして着物の上に割烹着を着ていますが、馴染み深い昭和時代のレースやフリルがついているタイプではなく、シンプルな丸首のものです。そしてちょっと丈も長めでした。 この衿の形に興味が湧いて、割烹着について調べてみました。割烹着のルーツは1902年(明治35年)に赤堀割烹教場(現赤堀料理学園)で女性が和服で調理しやすいように考案されたものと言われています。やがて日本女子大学の実験着や作業着としても取り入れられ、一般に普及していきました。1907年頃に東京・銀座の花屋の女将がしていてもなるほど、な装いですね。 形はさまざまだったようですが、明治時代に調理場や学校で働く女性が使う作業着として誕生し、その便利さから大正時代には一般家庭に普及しました。その頃は丸襟が多かったようです。 昭和初期にはカフェーの女給さんの制服として、袖なし変形にレースや裾にフリルがつけた可愛いものが誕生し、フリルやレースがついたものが流行しました。 やがて戦争中には、「国防婦人会」の制服として、「着物競争を防ぎ、かつ活動を便ならしむ」ものとして採用され、割烹着に襷掛けの姿は愛国婦人の象徴となった時代もあります。この頃の衿の形は三角で、着物の衿合わせの形にそっています。レースなども贅沢は敵だということで姿を消します。 戦後は「お母さんの作業着」として、和服だけでなく洋服の上からでも腕までカバーできるエプロンとして家庭で愛用されました。これがいわゆる今、昭和生まれの私が想像する、角衿にレースがついていて裾はフリルになっている大量生産型の割烹着です。 同時に小学校の給食の配膳着にも使われるようになり、こちらは今でも子供たちが使っているところが多いと思います。自分が着たことより、子供が月曜の朝洗ってない給食着を出してくる悪夢を時々思い出します(笑)。 昭和でも時代が下がると、着物が一般的でなくなり田舎のおばあちゃんがチェックの丸首でアップリケとかついたやつを農作業や家事のときに着用するイメージに変容していきます。袖までカバーできるから、汚れ防止には一番いい形なんでしょうね。 確かに着物で家事やなにか作業をするときは、ぱっと羽織れる割烹着や水屋着があると便利です。今のように、なんでも汚れたらすぐに洗濯できなかった時代に重宝されたものでしょうね。割烹着にもその時代の流行があり、現代では和服で着る場合は裾が長く、シンプルで汚れが目立ちにくい色のものが好まれているようです。 なんだか、普段に割烹着が着たくなってきました。もう少し涼しくなったらトライしてみようかな!と思う単純なわにこでありました。

岐阜の鮎菓子「若鮎」まるけの茶会をしたよの巻

星わにこ
2022/07/06 00:00
『若鮎』という和菓子をご存知でしょうか? カステラ生地に求肥を包んで鮎に見立てたもので、鮎漁が解禁される夏の時期に和菓子屋さんの店頭に並びます。 鵜飼で有名な岐阜が発祥と言われていて、この季節になると食べたくなるお味。阿佐ヶ谷のうさぎやさんで買った若鮎の写真をSNSに載せたら、岐阜の鮎菓子を持っていくからお茶会をやりましょう!と、岐阜の友人・鳴海彩詠さんから連絡が。 どうせなら、いろいろな若鮎を食べ比べしよう!ということになり、上京の日程にあわせて10匹の生鮎菓子を用意することに。 2人ではもったいないからと、友人たちにも声をかけて集まって、若鮎品評会兼お茶会を開くことになりました。題して「若鮎まるけ茶会」(まるけ、は岐阜弁で「だらけ」「尽くし」という意味です)。 我が家は和室でお茶の練習ができるようになんちゃってお茶室仕様にしてあって、コロナ前は先生に出稽古をしていただいてお茶を楽しんでいましたが、それもできなくなってはや二年以上。 単なる物置になっていたところを必死で片付けて、なんとか人をお招きできる状態に。茶道具も、どこになにを仕舞ったっけ? なにがいるんだっけ? という状態でしたが、なんとか風炉を設えました。 鮎がテーマということで、お軸も鵜飼、花入も鮎籠を用意してもらい、着物のコーディネートも水と鮎のイメージで。彩詠さんは鮎の帯揚げ(!)、私は一度もしたことがない鮎の帯をすることにしました。 当日はもちろん楽しいのですが、この用意する時間というのが、お茶の楽しみの一つなのですよね~。気の合う人とのやりとりも、本当に嬉しいものです。 そして迎えた当日は、お昼に本当の鮎と朴葉寿司、美濃の地酒『百春』をいただき、まずは干菓子で薄茶をいただきました。 その後、生の若鮎10種(!)を計測、美濃和紙の巻紙の上に並べて、みんなで食べ比べ。 どれもそんなに変わらないのではと思っていましたが、並べてみると意外とみんな個性的! 色も形も結構違います。 だいたい15センチ前後、40gくらいが中間値でしょうか。体長5センチのちび鮎から、特注で作ってもらったという、体長20センチの大鮎も(求肥は三倍!) お味も、結構お店によって違うのです。皮も洋菓子ぽいものからどら焼き風、固め、ふわふわと個性があり、求肥も硬さや風味にそれぞれ特徴が。たくさん食べすぎて、順位などすっかりわからなくなってしまいました(笑)。 いただいた鮎菓子は下記の通り(順不同) 奈良屋本店「あゆ 」←皮は硬め、求肥は甘めでミルキー 関市虎屋「小瀬の若鮎」 ←やわらかふかふか、生っぽい求肥、どら焼き感 玉井屋本舗「登り鮎 」←皮はもっちり、蜂蜜入り求肥はねっとり 此の花亭「若あゆ」 ←スポンジカステラっぽいふわふわな皮、求肥はさらっとしている 岐阜虎屋本店「長良川あゆ菓子 」←洋菓子っぽい皮、柔らかい求肥、頭に求肥が少ない 甘泉堂本店「小さな小さな鮎菓子」←紫蘇入りの求肥 いろんな味がある 末廣屋本店「鮎 」←求肥が四角く、皮と独立したかんじ 仁太郎「あゆ」←しっかりめの皮、丸い胴体にゆず入りのぷるぷる求肥 豊寿庵「あゆ川 」←固めの皮、求肥は四角っぽくもちっと弾力がある 亀甲屋本舗「うかい鮎 」「うかい鮎特注20cm」←瓦煎餅ぽい薄い皮、甘い求肥 (特注の皮は厚い) 干菓子は 玉井屋本舗「やき鮎 」←歯応えがいい 奈良屋本店「かがり焼」←素朴な美味しさ 甘泉堂本店「サブレ 鮎ビーナス」←パッケージもレトロな洋菓子風 田中屋せんべい総本家「鮎焼き」(みそ入り大垣せんべい)←この発想なかった!固い!! 岐阜虎屋本店「香ばしい干菓子あゆ 」←見た目がクッキーみたい 山本佐太郎商店「あゆピー」←柿の種が鮎の形に!! なんと贅沢な鮎尽くし!! ああでもないこうでもないとお味見するのが本当に楽しかったです。 食べきれずに自宅に持ち帰っていただいた分もあり、味の研究は宿題にも。ちなみに我が家では、高校生が丸呑みにして平げてしまいました(笑) ほとんどが岐阜市内のお店ですが、わにこの故郷中津川の仁太郎のものも。やはり馴染みがある分、美味しいと思いました。今回は求肥のものばかりでしたが、餡が入っていたり、求肥に肉桂やしそ、ゆずなどで風味づけしてあったり、いろんなものがあります。 岐阜では、鮎菓子を買いまわるためのタクシープランもあるそうです。5月に東京駅で岐阜の鮎菓子が買えるイベントもあったそう。 夏の間のお楽しみですので、岐阜にいかれる方はぜひ本物の鮎と鮎菓子をお楽しみいただきたいです。また、ぜひお近くの和菓子屋さんで見つけたらお味見してみてくださいね。 めちゃめちゃ暑い日でしたが、久々に着物を着てお抹茶をいただき、お菓子を楽しみ、本当によい1日でした。お茶も着物も、簡単にといっても準備はいろいろ面倒で大変。でもその面倒で大変なのが、やっぱり大好きなんだろうなあ~と再確認した1日でもありました。付き合ってくださった皆様、感謝です。 Special thanks! 鳴海彩詠 Photo by 渡部瑞穂

ご褒美着物をネットで誂えちゃった★その2 追いかけ仕立て?相対仕立て?の巻

星わにこ
2022/06/29 00:00
さて先週、牛首紬を清水の舞台から飛び降りてポチった話をしたわけですが、着るためには仕立てをお願いしなくてはいけません。 八掛はプロにお任せ、太ってしまった分寸法は自動計算という素晴らしいシステムに頼った私ですが、ここで反物の左右の向きを決めるという最終ミッションが課せられました。 追いかけ仕立てか相対仕立てか。「おっかけ」「ぶっつけ」などともいわれるのですが、要は反物が左右で色や柄が違う場合、それをどのように合わせて仕立てるかということです。 私の選んだ反物は、白から緑へのグラデーションになっているので、どう組み合わせるかでかなり印象が違うということになります。 まず、追いかけ仕立ては左右を同じ向きに繰り返していくので、リズミカルで大きな縞柄のようにも見えます。どちらかというとカジュアルなかんじがします。 相対仕立てとは、背中心を中心に、左右対称に仕立てるもの。色が広い面積で繋がるので、整った印象に。色などによっては難しいことも。 自分の持っているものは追いかけ仕立てのものが多いのですが、紬とはいっても今回選んだのはちょっとドレッシーな光沢のあるものなので、悩むところ‥‥。 衿の部分は、濃い色にすると締まった印象になりますが、今回は白にして顔写りがよいようにすることに。しかしその他が決めきれません‥‥。 そういえば! 銀座いち利の女将さんの動画で「おっかけ」と「相対」のお話をされていたような?と思い探してみるとありました! 参考動画:【女将解説】”おっかけ” ”相対” これで納得!お仕立て方法について すると、なんと!  右側は追いかけ仕立て、左側は相対仕立てという技があることを知りました!! こうすると、左右で袖口の色が同じになるため整った印象にもなりますし、左肩にグリーンの色が面積が広く入るので柔らかい印象にも。 これだ!! というわけで、いただいた図にはなかったのですが自分で塗り塗りして、可能か伺ってみました。 OKです、ということでこれでお仕立てしていただくことに!! はあ~めっちゃどきどきわくわくです! そして待つこと約50日。 出来上がって参りました! いち利モールの赤いトランク型の段ボール。久々です!! めっちゃ可愛くてテンション上がる!! 丁寧に梱包された中に、光輝くマイ牛首紬紬が~~! 写真で見たのと印象変わらず、地に入った曲線も美しい~♪♪  早速羽織ってみて、想像通りの仕上がりに大満足! 着ておでかけするのは秋以降ですが、今から楽しみすぎます!! こんなコーデを考えてみました。ふふふふふ。 コロナ禍で減らすことばかりを考えていてお買い物も控えていて、久しぶりに着物を誂えたのですが、なんというかもう気持ちが爆上がり。大袈裟ですが、生きる喜びだ!!とすら思ってしまいました。 大切に袖を通すから、素敵な思い出一緒に作っていこうね~!なんて語りかけてなでなで。普段から着る着物も楽しいけど、やっぱりここ一番のおめかし着物はテンションの上がり方が違います。 さてどこに着ていこうかな! 今から秋が楽しみです(気が早い)