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夏はプチ帯留め&二分紐のすすめの巻

星わにこ
2023/07/26 00:00
気温が体温を超える日が続き、外に出たくない‥‥となってしまう今日この頃ですが、そこはひとつ、ぐっと気合を入れて着物でおでかけするとお褒めの言葉をいただけたりして気分があがりますよね~。 夏はお太鼓派の私でも暑さに負けて半幅帯にしたりするんですが、なんだか帯締めがないと物足りなくて、特に帯締めが必要ではない帯結びのときにも帯締めをします。 その時にここぞとばかりにするのが帯留め。名古屋帯や袋帯のときには自分が太っているせいもあり(爆)三分紐だと心許なくてあまり使わないのですが、飾りのような半幅帯で使うなら多少緩くてもいいやと俄然使いたくなります。 余談ですが一年中、かっこいい帯留めをしている方に伺ったら、やはり三分紐では心許ないとのことで、きちっと締めたいから金具も普通の帯締めが通るサイズのものにして、普通の冠帯締めの房を片方切り落としているのだとか! マイスタイルが確立しているってカッコいい‥‥‥。 と、話がそれました。そんなわけで夏は帯留めを使うのですが、おすすめしたいのがプチ帯留め&二分紐です。半幅帯にもゴージャスになりすぎず、小ぶり&細めの組み合わせが暑苦しくなく、さらりとおしゃれに決まります。 帯留め用の帯締めは少し短め。三分紐は幅約0.9~10cm。二分紐は0,6~0,7cm。最近は四分紐(1.2cm)なんかもあります。大きめの帯留めなどには四分紐がバランスがいいかもしれません。 ですがやっぱり夏は細めのほうが、すっきり見えます! 先日いち利モールのオリジナルのプチ帯留めをポチポチ(爆)してしまった私なのですが、最近の大きめの金具ではなく、三分紐&二分紐にジャストフィットなのが良き!! 三分紐でも、ちょっと厚め&しっかりめのものは通すのにちょっと苦労するくらいです。二分紐と相性がとてもいいかんじ。 特に、クリスタルガラス帯留めは、小さいけれど存在感抜群。ツインもいいし、同じシリーズで重ね付けしてもいいかも‥‥。 お手持ちの帯締めに金具が合わない場合は、ヘアゴムを使うといいですよ! 関連記事:透明のヘアゴムで帯留めをフィットさせるの巻 定石ですが、真田紐を使ったり、リボンや紐を通してもいいと思います。飾りと思うといろいろ遊べますよね。 夏こそ!お気に入りの帯留めで楽しんでみてはいかがでしょうか。

夏風邪と『昭和元禄落語心中』の巻

星わにこ
2023/07/19 00:00
久々にやらかしました。なんだかんだで10年間ほぼ毎週続けて書かせていただいているこのコラムですが、先週は夏風邪を拗らせて1週間近く熱が下がらず無念のお休みをいただいてしまいました。本当にすみません。 微熱でも熱があるとやっぱり動けないもので、基本ごろごろしていたわけですが、頭が痛くて本を読もうにも目が泳ぐし、そうは言っても寝れないし‥‥という中、死んだ目をして動画を見るのが関の山。 そんな中Youtubeで『昭和元禄落語心中』のアニメが全話開放とのことでおすすめにあがってきたので、そういえばやたらと評判がよかったなと軽い気持ちで見始めたら、これがもうどうかしているほどの名作で、全部観てしまいました。終始泣きっぱなしで、熱とあいまって、寝てもうなされる始末。いやそれくらい、持っていかれました。 雲田はるこ先生による原作漫画は2010年~2016年『ITAN』で連載され、2017年には手塚治虫文化賞も受賞。2016年、2017年にアニメの第一期と二期が放映され、2018年にはNHK総合でドラマ化。とにかく面白い、名作と聞こえてはきたものの、ついぞ見る機会がなかったのですが、ここにきて邂逅。 いや~ほんとすごかったです(語彙) もうご存知の皆様には今更とは思いますが、昭和最後の落語の大名人、八代目有楽亭八雲の人生を軸に同じ名を受け継ぐ「八雲」と「助六」の三世代、そしてまた次の世代にわたる物語が紡がれていきます。 一期「与太郎放浪篇」では八雲師匠が語る若かりし日の輝きと悔恨、そして二期「助六再び篇」では八雲師匠の老いと死と真実が明らかに。合わせ鏡のように、取り戻すことはできない過去を映し出します。誰も悪くないのに、拗れていく人生と取り戻そうと足掻く心といっそなにもかもと心中してしまえという気持ち。 歳をとったからでしょうか。もう本当に泣けて泣けて‥‥。誰の気持ちも、痛いほどにわかるような。リアルタイムで知るよりも、今だからこそ、またまとめて観たから余計沁みる部分もあるのかもしれません。 そして、劇中の落語もまた素晴らしい。主人公の年代によって演じ分ける石田彰さんはじめ、声優さんたちの演技がすごすぎた‥‥。まだまだ下手っぴいな前座の落語も、真打になりたての勢いのある落語も、円熟してからの名人の落語も、わかる‥‥!!という説得力。「ひ」を「し」と発音する江戸言葉にもうっとり。素晴らしき声の芸。 『死神』『野ざらし』『芝浜』『居残り佐平次』などなど、物語に絡めて古典落語が生き生きとそれぞれのキャラクターで演じられて、鳥肌が立ちます。 そして、噺家さんが高座でついっと羽織を脱ぐのをはじめ、胸筋ばーん!などなど男子着物の所作や色気が満喫できます!!!もう八雲師匠なんか、おかしいから!じいさんなのに、誰より色っぽいてんですから(落ち着いて)なんだか真夏の夢のよう(まだ熱がある模様) 一期は7月24日まで、二期は8月17日まで公開されている模様です。一期の残りがわずかですが、みたことないわという方ももう一度見ようかなと思う方も、すでにチェック済みの方も、今一度いかがでしょうか。  関連動画:アニメタイムズ公式 昭和元禄落語心中 期間限定本編配信

夏は帯揚げなくてもいいのかも……の巻

星わにこ
2023/07/05 00:00
蒸し暑い日が続いていますね。暑くなってくるといかに涼しく着物を着るかに腐心するわけなのですが、普段着だったら半幅帯やへこ帯、名古屋帯でも銀座結びなんかにしちゃうと、帯枕がない分涼しいですよね。 涼しいって知ってるんですけど、これらの帯結びをすると背中の露出面積が大きくなります。だから涼しい。でも、私のこの成長した、大きな背中がですね、どーんと見えるのがですね。大変苦手なわけなのです。 お尻のほうは半幅などでもたれを作ればある程度隠せるんですけど、背中がねえ‥‥。というわけで夏でも名古屋帯派な私なのですが。 先日あまりの暑さに半幅で移動して、出先で名古屋帯にしようと帯を持って出かけたところ、まんまと忘れましたね、帯揚げを。 うーんなんか以前同じ様なことをしたかも?と記憶を辿ると4年前の今頃同じ様なことをしでかしていました。 関連記事:帯揚をし忘れて出かけたら!?の巻 このときは、帯枕は普通の白い枕紐だったんです。だから、横から見たら「あれ~帯枕が見えてる!」となったわけですが、今回はたかはしきもの工房の空芯才Crowという、枕紐が墨色の帯枕。 あれっ! 別にこれはこれでいいじゃん? となりました。 特に夏は半幅に帯締めとかしたりしますし、前から見て帯揚げがあろうとなかろうとそう関係ないではありませんか。 そして帯揚げは基本「帯枕を隠す」という役割以外は、基本装飾としての意味しかない。なくても成立するパーツです(だから忘れたりしたわけですが(自己弁護))。 そして、帯揚げがなければないで、涼しい‥‥。あと、着付けも早くできる‥‥。帯揚げってねえ、地味に結ぶの面倒くさいじゃないですか。。。 色付きの枕紐がなくても、見える部分だけ例えばレースを筒状にして被せちゃったりしてもいいのかも? 枕紐が白以外ならなくてもいけるんじゃないか? 夏はなくてもいいのかも! 別にずっといらなくね?という気持ちになりました。 夏でも名古屋帯派の皆様、一度試してみてください! 存外いいかもしれませんよ? 私は癖になりそうです‥‥。