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桜色の着物を入学式とお花見に☆春の妄想コーデの巻

星わにこ
2022/03/30 00:00
今年の桜は去年に続き、早く満開を迎える様ですね。自転車を走らせてあちこちの桜を見にいきましたが、家の近所ではこの数年で老木の整備がかなり進んで、川沿いの桜並木が消えていたり、大きな桜が減ってちょっと寂しいです。 さて、今週は久しぶりに妄想コーデ! いち利モールのオンライン試着室で遊んでみました。 今回は桜色に四つ目結の絞りがまるで桜の花びらの様にも見える小紋で、お花見と入学式のふた通りのコーデを考えてみました。 このお着物は「小紋」ではありますが、控えめな絞り柄が大きく飛んでいるので、やわらかものですが色無地の地紋おこしのように見えなくもありません。入学式などで付き添いの立場で控えめに装うのにもよいと思います。 カジュアルコーデでは、名古屋帯とメリハリのきいた春色の帯締め・帯揚げ、レースの半襟をあわせてみました。 礼装コーデでは、西陣の袋帯、絞りの帯揚げに平組の帯締め、おめでたい七宝の刺繍半衿をあわせました。礼装では色の主張を抑えると、上品になります。 同じ着物なのに、随分イメージが変わりますよね。この着物にはこの帯、と決めてしまわないで、いろいろ組み合わせを考えてみると楽しいものです。 着物のルールに「格」というものがありますが、これも正解があるようでないいようなもの。例えば、この飛び柄のやわらかものの小紋と、紬の訪問着がどちらが礼装として着やすいかといえば、限りなく無地に近いこの小紋でしょう。柄付や色、やわらかものか紬か、などなど、訪問着・付け下げ・色無地・小紋という区分だけではジャッジできないものです。 また、着ていく場所のTPOにもよりますし、一概に訪問着のほうがいいとか小紋だからだめだとか、そういうものでもないのです。また、値段が高いから格が高いというものでもないのが、面白いところです。 カジュアルだったら基本自分の好きなものを着たらいいですし、そうでない場合は招かれた場にふさわしいかどうか、想像するとよいと思います。 そういう点では、着物は無地っぽいものや少し控えめな柄付のもののほうが帯でドレスアップ・ドレスダウンしやすいと言えるかもしれません。 そろそろ羽織やコートを脱いで、帯付き姿でおでかけできるシーズンになります。帯と着物のコーディネートを楽しみましょう!

女子の黒紋付袴もかっこいい!の巻

星わにこ
2022/03/16 00:00
春弥生、卒業シーズンですね。卒業式の袴姿の女性もちらほら街で見かけます。コロナ禍での学生生活、いろいろしんどいこともたくさんあったと思います。全然知らない学生さんに、よくがんばりましたね!ご卒業本当におめでとう!とか涙目で話しかけそうになるのをぐっとこらえている怪しいおばちゃんのわにこです。 仕事場でも、先週から袴の着付けをぼちぼちさせていただいています。振袖に続き、やはり袴姿にも個性が出ますね。今年はくすみカラーでグレイッシュトーンやレースが流行っていて、クールな着こなしも新鮮ですし、スタンダードな女の子らしい明るい色も、春らしくてとても素敵です。 成人式の記念写真を撮ってくれたお嬢さんたちが、卒業式でまたきてくれて、とても嬉しかったり。振袖姿がついこの間のことのようなのに、卒業となるとぐっと大人びて、びっくりです。また笑顔が見られて、本当に着付けのお仕事していてよかったなあ~と思う時期でもあります。 振袖写真のときも、自分らしいコーディネートでということでハットにブーツ、ネックレスとすごくカッコよかったお嬢さんが、美大の大学院卒業ということで袴の相談にきてくれたのですが、希望は「全部黒で!襦袢は赤で!」とのこと。おー! 袴で黒といえば、これしかない! 黒紋付!!! 女性の黒の五つ紋付の着物は、女性の第一礼装。昭和に入ってから喪服として定着しました。喪服以外では、和事の舞台や宝塚の卒業式などでしか見かけませんが、本来は最も格が高い礼装なのです。 黒紋付での袴というと、宝塚の卒業式の緑の袴を思い浮かべますが今回はあえての黒い袴。刺繍もなしです。 半幅帯は正絹の紫の塩瀬、ちょっとアンティークなもの。伊達襟はシルバーというクールな組み合わせ。襦袢は真っ赤で半衿は黒地に白い桜が満開の刺繍のものを選びました。 上に裏が赤いマントを羽織って、とってもかっこいい卒業式スタイルが出来上がりました。ヘアスタイルは帯と伊達襟に合わせて、美容師さんお手製の紫とシルバーの水引の飾りで、長い後ろ髪を尾長のように垂らして完成。 個性的な卒業袴スタイル、とってもとってもかっこよかったです!(語彙が‥‥) そして、黒紋付はやはりぴりっと締まりますねえ~~!  大学院の卒業式にはぴったりのセレクトではありませんか。さながらアカデミックガウンのようなフォーマル感がいいですね! もっと女性の黒紋付も、活躍の場が増えるといいなあ~。 そして、みんな同じではなく、自分の好きなスタイルができる世の中でありますようにと願う春の日でした。 PS これから卒業式を迎える袴姿のお嬢様がたへ。ご卒業おめでとうございます! 袴捌きの記事も参考にしてね。 関連記事:袴姿で美しく。座る時にはふわっと持ち上げて☆の巻
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春の帯締め花玉結び風の巻

星わにこ
2022/03/09 00:00
三寒四温と申しますが、寒い日と暖かい日を繰り返し、確実に春に向かっていますね。先日、木瓜の苔玉を購入したのですが、そのときは枝に小さな緑の芽のようなものがついているだけだったのに、八重の紅白咲き分けの花がぽんぽんに満開になってとても嬉しい気持ちになりました。 そしてもう桜の開花予想も出ましたね。今年は例年並みでしょうか。うちの庭の啓翁桜にも蕾がつきました。花が咲くのが待ち遠しい。 今日はそんな春の花をイメージした帯締めの結び方をご紹介します。友人が、長すぎる帯締めの長さを調整するのに編み出したという結び方、まるでお花のようなので花玉結びと名付けてみました。 やり方は簡単! まず普通に帯締めを結んで 上でひと結びして端を帯締めの下に通します 下でまたひと結びして端を帯締めの下に沿わせて始末します。これでもう出来上がり! ちょっと長さが必要なのと、丸ぐけか丸組、冠組がおすすめです。平組だとあまり綺麗に決まりません。 コツは結んだらぎゅっと引っ張りすぎず、帯の上で平に形を作ること。やってみるとすごく簡単なのでびっくりしますよ。 淡い色あわせで結べば、気分は春! これならあまり大袈裟すぎず、大人でも楽しめる上品な飾り結びではないでしょうか。普段は普通にしか結ばないけれど、お花見散歩のときとかにちょっとだけ遊んでもいいかな? なんてときにぜひどうぞ! 

ぶかぶかにならない両面テープ半衿付け研究の巻

星わにこ
2022/03/02 00:00
急に春めいてきましたね。今年は小さな雛飾りを出してみました。 さて今日は、両面テープでの半衿付けの話題です。半衿をつけるのに、針と糸を使わなくてもいいとか、神かと思う両面テープさん。ご愛用の方も多いのではないでしょうか。しかし、私はいまいちうまく扱えなくて緊急時しか使っていません。 両面テープでの半衿付けのコツは、一度にびゃーっと貼らないこと。基本縫い付けるのと同じように、衿の中心から左右に攻めて行くやり方がおすすめです。ただ、これでつけるとまあまあ綺麗につくんですが、中に入れる衿芯次第ではぶかぶかになってしまうことも。 細めの衿芯を入れると縫いつけた半衿のときより、両面テープは接着面がふわっとなりやすいので、中で衿芯が泳いでしまうのです。 半衿つけのセオリー通り内側の首元をひっぱりながらつけて、最後に表側を貼り付けると結構うまくいったな、と思っても衿芯を入れるとぶかぶか~となってしまいます。衿芯の幅が合わないことと、テープでつけるとどうしても接着したところの布がきっちり引っ張ることができず、ふわっとしかならないのでそれもぶかぶかの要因。 三河芯をつけて土台をしっかりしておいて衿芯をつける必要がないと両面テープでもうまくいくかも。そうすると今度は半衿つけより難しくて固い三河芯つけをしなくてはいけないということになるという意味のなさが生じてしまいますのでこれも現実的ではないですね。 いろいろやってみて、 襦袢の裏で片面貼り付けたら、半衿に衿芯を包んで表側を貼り付ける 首の内側の見えるところは、表側でひっぱって本体にすこし両面テープをはみださせてつける というやり方に落ち着きました。 あとから半衿を入れないのでシワができにくいのと、ちょっと両面テープを衿と本体にかかるようにつけて貼るとひっぱる力がアップしてシワが減ります。 さらに余裕があれば、半衿を折って接着する部分をアイロンをかけて折り目をつけておくと効果的。そんなことをするくらいなら両面テープとか使わんのよ、時間がないから使ってるのよという話もあるかもしれませんが、まとめて準備しておくというのもありかと思います。 あとは半衿の素材もぶかぶか感に深い関係が。 いろいろためしてみて、うまくいくのはコットンなどの柄半衿系。生地がすべらないので襦袢の地衿にも密着しやすくてあまりテクニックいらずです。ちりめんなども、シワが目立ちにくいのでまあ許容範囲。 一番ぶかぶかになるのはとろみのある厚手の正絹塩瀬‥‥ごまかしも効かないし、難しい! これは私的にはあきらめて手縫いかな、と思っていますがこのあたりは個人差ですね。 あと、両面テープは着終わったらすぐに剥がしておかないととれなくなってしまうことがあるので要注意です! 昔から針を持ちたくないという人の心は変わらぬようで、両面テープが普及する前からワンタッチ半衿という名前で粘着テープつきの半衿が売られていました。母の箪笥でテープつき半衿をつけた襦袢を発掘したことがありますがテープのところがセピア色に変色していて、だめになってしまっていました。キモトモもテープ付き半衿をお母様の箪笥で発見したことがあるらしく、やはり変色していたと言っていました。あくまでもインスタントなものだと思ったほうがよさそうです。 長所短所はありますが、どこまできれいにつけたいか、どれくらいのゆるみなら許容範囲か、テープか糸か、自分はこっちのほうがいいという落とし所を見つけてくださいね。 ちなみに私は、結構あとで剥がすのが面倒なので、半衿がすでについててそのまま洗えるうそつき衿派です!(どんだけ面倒くさがりなのだろうか