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セオアルファとカルキュロの浴衣を夏着物として着てみた。の巻

星わにこ
2020/06/24 00:00
暑くなってみたり寒くなってみたり、不安定な梅雨時期ですね。移動の自粛が解禁となり、まだまだ油断はできないとは思いますが、少しずつ日常が戻ってきた感じもします。 さて、いよいよ浴衣の季節がやってきますね。今年は花火大会やお祭りなどが軒並み中止なので、なかなか着る機会もないかとは思いますが、お洒落をするうきうき感は忘れないでいたいですね。 今日はそんな浴衣のお話です。愛用されている方も多いと思いますが、ポリエステルの浴衣ってどうかなと思っていらっしゃる方もいらっしゃると思いますので、個人の感想ですが参考にしていただければと思います。 去年の夏は吸汗速乾素材のセオアルファ(東レ)とカルキュロ(帝人)の浴衣を夏着物風にヘビロテしていました。一昔前はポリエステルの着物というと、洗えるのはいいけれど、暑いし肌触りは悪いし‥‥という印象があったかと思いますが、セオアルファなどはポリエステルでも吸湿性があるというのが特徴。通気性もいいです。着ていても、不快な感じはありません。 涼しさは麻のほうが涼しいと感じますし、絹のほうが肌触りがよかったり、いろいろよい点はいっぱいあると思いますが、これら新素材のよい点は、お手入れが楽ということ! 雨の日や、ゲリラ豪雨にあっても安心。速乾性もあるので、汗で濡れてベタベタにもなりづらい。洗濯機で洗えて、アイロンいらずですぐ乾きます。夏着物ののお手入れの悩みから解放されます! 肌あたりはセオアルファのほうが、ちょっとしっとり感があって優しい感じ。カルキュロはちょっとザラっとしていますが、爽やかな感じです。セオアルファのほうが天然繊維に近いかも。お値段はカルキュロのほうがお手頃です。どちらもちょっと滑りやすい生地なので、ちょっと気をつけて着ないと着崩れやすいかなと感じます。 あとはお仕立て上がりで浴衣として売られているのは華やかな柄展開が多いので、パっと目につきやすく、褒められやすいです。が、ちょっとアラフィフには恥ずかしかったりするので、もっとオーソドックスな色柄があればいいのに、と思っています。夏着物としてなら、やはり反物から仕立てたほうがいいかもしれません。カルキュロは、浴衣はプレタのものしか見たことがないので、サイズがあわないと厳しいかも。浴衣はバチ衿になるので、そのあたりも違ってきますよね。 というわけで去年は単衣にも夏着物にも使うつもりでセオアルファで1枚あつらえました。居敷当をつけているので、肌着とステテコにうそつき衿で、暑いときには長襦袢を省略しちゃったりもできてめっちゃ便利です。新商品のセオアルファの襦袢も気になる。。。 あと私は1ミリでも!ええ1ミリでも!細く見えたい(切実)ので、麻、絹紅梅などのほうが涼しいとは思うのですが、あの、しぼや張りで身体が膨れて見えるのがイヤンなのです。身体に沿う、新素材のほうが気に入ってヘビロテしています。お安い綿の浴衣よりは確実に涼しいです。 もしまだ、新素材体験していらっしゃらない方がいらしたら、ちょっと試してみていただきたいな~と思う気軽さ&便利さですヨ~! 梅雨時期にも薄羽織とあわせて着ても素敵です。夏は着物は着ない!とおっしゃる方もいらっしゃいますが、夏着物のハードルを一気に下げてくれること請け合いです。

フォーマル?カジュアル?紬の訪問着っていつ着るの?の巻

星わにこ
2020/06/17 00:00
 とうとう梅雨に入ってしまいましたねー。湿気のひどいこの季節は、きものをおいている部屋では除湿器を稼働しているわにこです。かなり効きますので、おすすめですよ!   さて、単衣の出番があまりないまま夏に突入してしまいそうな今日この頃ですが、先日「紬はジーンズのようなもの、フォーマルなものではないということだけど、訪問着はフォーマルなものだよね? 紬の訪問着ってどういうことなの?」と質問されました。  はい、私も着物初心者の頃、大変頭を悩ませた問題です。紬とは、そもそもなんでしょうか? 節の入った糸で織った先染めの織の着物で、普段着~ちょっとした外出着などに着用されます。やわらかものと呼ばれる後染めの絹の着物は、染めによって、小紋、色無地、付け下げ、訪問着などに別れて、それぞれ着用シーンがあります。  さて、そこでこれは?と思うのが「紬の訪問着」。素材は紬ですが、絵羽になっていて、訪問着の模様付けされています。織と染め、両方があります。特に織で訪問着にしようと思うと高度な技術が必要です。  私も、1枚持っていますけれど最初は「フォーマルではないと言われたのに、普段には華やかすぎる」というところで、悩んだものです。  結論からいくと、ザ☆フォーマルシーン、つまり第一礼装(女性なら、打掛、振袖、黒留袖)、準礼装(色留袖や紋付色無地)など紋付が望ましい場面などでは着用しないほうがいいと思われます。  ではどこで! となると、活躍するのがセミフォーマル(略礼装)シーン! パーティやお食事会、観劇など、しっかりお洒落をして行きたいシーン、個性を出したお洒落をしたいシーンなど。あんまり礼装っぽすぎるのもつまらない、と思うようなとき、セミフォーマルとして着やすいのではないでしょうか。  昔読んだ本で、林真理子の『着物の悦び』(1982年)に、きもの好きが集まるパーティに気合いをいれてザ☆礼装の訪問着で行ったら、皆さんが紬などよく見るとすごく高価!というような巧者な装いばかりで、浮いてしまったというエピソードがありましたが、確かに、式典などでの礼を尽くすフォーマルと自分や人を楽しませるセミフォーマルは、違うかも!とそのとき感じました。 洋服でも同じですよね。同じワンピースやスーツでも柔らかいイメージのものが好きな方とか、ハード系が好きな方とか、いろいろあると思います。着物だって、素材からそんな風に、好きなものは好き!と楽しめるとよいですよね。特に、普段着からちょとステップアップしてお洒落したい、なんてときにドンピシャなのが紬の訪問着ではないでしょうか。 ありきたりな訪問着や色無地に飽きたときにも、普段から着物を楽しまれる方にピッタリなのではないかなと思います。そして、色などにもよりますが、カッコイイ系が多いのも、紬の訪問着の特徴。柔らかい色使いでも、どこかキリっとした雰囲気があって、素敵です。 どちらかというと個性的、趣味性が高いお洒落もオッケーなセミフォーマルシーンやおでかけで活躍するもの。ここらへんが非常~にファジ~な存在なのですが、だがそれがいい。 ちなみに私の紬の訪問着は、友達との新年会とかホテルで会食とか、伝統芸能系の催しとかで活躍しています。着物好きさんにも「お☆やるね」とか「贅沢!」「本当に着物が好きなんだなあ~」などと思ってもらえるのがこの「紬の訪問着」かなと思います! 格や季節など、細かい決まり事がある着物の世界ですが、礼装としての役割以外でしたらやはりそこはファッション。自分らしさを大切に、好きなものを着たいですよね。 今はなかなかおでかけもままならぬ状態ですが、人は部屋着のみにて生くるものに非ず。着物の整理などをして、これはいつ着よう、あれはいつ着よう、あんなのも欲しい、こんなのも欲しいなんて考えるだけで結構楽しいものです。妄想をふくらませつつ、梅雨とコロナ渦を乗り切っていきたい今日この頃です。

もう耳が痛くない!マスクバンドに羽織紐!?の巻

星わにこ
2020/06/10 00:00
 東京アラートは出続けているとはいえ、仕事もぼちぼち始まって日常が戻ってきた感がある今日このごろですが、着物でもなんでもとにかくマスクは必需品!  マスクを長時間していると、ゴムをかけている耳が痛い‥‥そんな声をちらほら聞きます。私も、いろいろ工夫をしてみました。まずやってみたのは、ヘアバンドの耳の位置あたりにボタンをつけてそこにマスクの紐をかけるという技。位置決めに仮で安全ピンをつけてみたら、もうそれでいいかーってなって、そのまま使っていました(ズボラすぎる)。  これは、ヘアバンドとマスクをお揃いにしたりすると、結構楽しいです。特にステイホームのときは美容院にもなかなか行く気になれず、ボサボサの髪の毛もカバーしてくれていいかんじでした。  ステイホームの間はそれでよかったんですけど、ちょっとその姿でお仕事にいくのは厳しいので、なにか他の方法はないものかと模索していたのですが、耳の後ろにつけるクッションや、首にかける補助ベルトなどいろいろなグッズが発売されているのですね。みんなお悩みですよね~。  あとは手作り系のショップサイトなどで、ビーズなどで手作りしたマスクキーパーが販売されていて、ちょっとキラキラしてヘアアクセサリーみたいに使えるものも。あれ~これどこかで見たことがあるな~‥‥と思って考えてみたら、Sカンで止めるタイプの羽織紐!  早速持っているビーズの羽織紐(私のものはカニカンでした)をマスクの紐に装着してみると、これが長さもばっちりー。まさにシンデレラフィット! 中央を磁石で止めるタイプの羽織紐などはとっても使いやすそうですよね!  つけ方は、先にマスクの紐にSカン、カニカンなど留め具を片方とめておいて、頭の後ろにまわしてもう片方の留め具をとめます。難しい場合は最初から両方留めておいてスポっと頭からかぶっても。磁石タイプのものは真ん中でつけはずしが楽でいいですよね。  つける位置ですが、頭の上の方につけるとマスクがめっちゃフィットします! 暑い時期、髪を結んだりハーフアップにしたりしたら、その上につけるとオシャレ感が! でもちょっと暑いかも。。。 首の後ろあたりに紐がくるようにすると、鼻の上がフィットして、あごのあたりは余裕が出ます。なので、ちょっと涼しく感じます! しかしこれは、マスクとしての効果はどうなのかなとちょっと疑念が残る部分ではありますが‥‥。 要するにマスクの紐をつなげて、さらに外すときには後ろで外せた方がよいので、Sカンのほうがつけはずしがラクです。羽織紐で代用してみましたが、自分の使いやすいように自作してもいいですよね。 私の頭囲は約55センチ。手持ちの羽織紐は金具まで含めて20センチ、15センチ、13センチでしたが、どれもそれなりにマスクのゴムで加減がつけられるのか、よい感じにフィットしました。あとはマスクのサイズもあると思いますので、付け感のよい長さを見つけてくださいね。 同様に使える商品がたくさん発売されていますし、ゼムクリップで留めたり身近なものを使ったライフハックも検索したらたくさん出てきました。工夫の余地はいっぱいですね。 手作りマスクだったら最初っから後ろで結ぶようにしちゃってもいいのでは? と思ったり、耳が痛ければゴムをなくせばいいじゃない!という頬にマスクを医療用テープで貼ってしまう商品もあったり(現在入手できるかはわかりません) ちなみに、サージカルテープでマスクを頬に固定する技は、美容室で髪を切ってもらうときにマスクができないというお悩みを解決してくれますよ! いろいろ勉強になりました。人生でこんなにマスクのことを考えたことはなかったこの数ヶ月。マスクのおかげでアイメイクだけで済むという楽さを覚えてしまった今、マスクなしの生活に戻れるのか!? そしてこれからどんどん暑くなるのにどうしたら? しばらくはお天気の話のように、マスク談義になりそうですよね。 予防などできることはしっかりやって、あのときは大変だったわよーと、いつか孫に語って聞かせられるような平和な時代を迎えたいものです。

実は涼しい!普段着物にレース筒袖がオススメ。の巻

星わにこ
2020/06/03 00:00
着物大好きコミックエッセイスト 星わにこ連載コラム「オトナの着物生活」 実は涼しい!普段着物にレース筒袖がオススメ。の巻  6月になりましたねー。そして東京でも緊急事態宣言が解除されましたが、すぐさま東京アラートが。マスク生活もまだまだ先が長そうですね。ずいぶん手に入りやすくなりましたが、不織布のマスクは暑くて厳しいので、最近は布用のマスクを愛用中です。でもやっぱり暑いですよね(汗)。布でも涼しい素材を追い求めたくなったりして、季節の移り変わりを感じます。  着物も、だんだん涼しさを追い求めたくなるシーズンです。夏になったら何を着ても暑い。絹物を着るときはがっつり汗対策をする私ですが、洗える普段着のときは、涼しさと楽さを優先します。  なにで対策するかというとズバリ、襦袢の省略です。うそつき襟を使って、長襦袢を着ません。1枚減るとマジで涼しい。それから裾除けも省略して、ステテコ。裾除け1枚のほうが風が通って涼しそうですが、実はステテコで足の間の汗を吸ってもらったほうが、涼しく快適に過ごせます。  あとは袖を筒袖にすることです。袖のことはあまり言われないような気がしますが、袖も、角袖ではなく、筒袖に。布の量が減るだけで、こんなに違うのかしら?と思うくらい涼しいです。なーんだ知ってるわよ、とおっしゃる方も多いかもしれませんが、今回はその便利な筒袖のお話です。  筒袖とは、その名の通り、筒型の、振りのないお袖のこと。だいたい幅は21~22尾センチ。ちゃんと身八ツ口が開いているのがキモです。自作するときもこの部分を忘れないで。これも涼しさの秘訣なんです!! せっかく着物に身八ツ口が開いているのに、肌着で閉じてしまっては意味がない。ここに風が通るのも大事です。  透ける着物のときは形が見えてしまいますが、普段着のあまり透けない素材のものや浴衣だったら大丈夫。ひじの裏の汗を着物につけないためにも、肌着の袖としてあるとよいものです。筒袖つきの半襦袢もいいですね。  昭和の昔は、レース袖口(レース替え袖)というものが売っていて、綿レースがついた袖だけが買えまして、それを肌着にちくちく縫い付けたりしたもの‥‥と思い、調べてみたら、今も売ってるんですね。しかもレトロなパッケージです。  あとは、お母さんおばあさんのタンスの中からよく発掘もされますし、歴史ある呉服屋さんのおつとめ品コーナーとか、リサイクルショップなどでも時々売られています。実は、見かけたら買う、ということにしていたため我が家には未使用在庫が3枚あります(意味不明)。おばあちゃんのたんす発掘品も1枚。なんかレトロなレースが可愛いのでつい。。。も、もちろん自作肌着につけたりつけ袖にしたのもありますよっ。  面白いのが、だいたいレースのデザインが同じだというところです。なんか決まりがあったのか?と思うくらい。レトロなパッケージも可愛いですね。  もちろん、自分で綿の筒袖を作ってレースを縫い付けたり、筒袖の半襦袢や肌襦袢にレースをぬいつけてもいいですね。わたしは、マジックテープをつけてつけ袖にしたりもしています。機能的に考えると、ひじをカバーできればいいので別にレースは縫い付けなくてもいいわけなんですが、そこが不思議な女心というやつでしょうか!   ひじを曲げたときに、ちょっと短めの裄の普段着物から、ちらっとレースが覗くと萌えますよね~。ふへへ(危険)   あと筒袖のいいところは、袖の長さが多少短くても長くても、関係ないところです。アンティーク好きの方に愛用者が多いのもうなずけますね。  筒袖にすると袂から襦袢がちらりというおしゃれはなくなってしまいますが、襦袢着てようが着てまいが、袖に襦袢の振りが見えなくても、多分誰も気にしません。私もなにも言われないので、今日は筒袖なの!と振りからレースを見せたり(見せるな)するくらいです。たかはしきもの工房のレース筒袖「花ちゃん」を愛用してるのですが、袖の部分はいろんな袖の部分は白だけでなく、いろいろな柄があって楽しいんです。夏の浴衣の下などに使うときは白や淡い色がおすすめです。  仕事にもよく筒袖で行くのですが、一度、つけ袖の筒袖を左右違う柄でつけていったことがありますね。。。もちろん誰も気づかないので、一緒に働いていた仕事仲間に見せたら「わにこさん、それはヒドイ!!!」と言われてしまいました。ですよねっ、あはははは! でもワタシ、左右違う草履で外出した先輩を知っているので、あんまりたいしたことじゃないと思うわ、と言ったら「そういうのを目くそ鼻くそっていうんです」と叱られました。  でも、左右違う柄の袖とかも、おしゃれで流行るかもよ!(流行らねえよ)  たかがお袖と侮るなかれ。涼しいレースの筒袖体験、ぜひ一度してみてください! あ、夏だけじゃなく、通年便利なので、普段着物にはとてもおすすめです!