うそつき
夏場や普段着に便利なうそつきは、長襦袢を着ているように見せかけられる和装小物です。長襦袢の衿は着物の衿から見えるものですし、袖もちょっとした所作で見えてしまうものです。そのため、夏の暑い時期でも長襦袢を省くことはできませんが、この衿や袖だけを肌着に付けたり、身頃のないパーツとして着用して長襦袢を着ているように見せかけられます。付け替えも簡単にできるものも多くありますので、気軽に着物を楽しんでいただけます。
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長襦袢のように見せかける『うそつき』
着物を着るときには肌着の上に長襦袢を着て、それから着物を着るのが基本です。しかし、普段着としても着物を着るときや夏場の暑い時期には長襦袢を着るのは手間になったり省きたい気分になることもあります。そんなときに便利なのが『うそつき』です。見せ掛けということでこのような名称となっているのが面白いですね。長襦袢の衿や袖は着物を着たあとでも人目に付くものなので省略することはできません。そこで、この長襦袢の衿や袖のみを肌着に付けて長襦袢を着ているように見せかけるのです。衿だけ、袖だけといった部分だけのものを肌着に取り付けるタイプや、肌着とは独立してベルトなどで衿を留めるタイプ、肌着の衿と袖が長襦袢の素材になっているものなどがあります。パーツをマジックテープでつけ外しできるものも多いので、気軽に手入れや付け替えができるのも魅力です。
うそつきの利点
うそつきの利点は大きく分けて2つあります。1つ目は、暑い時期に着る枚数を減らせるということです。少しでも涼しくしたいため着る枚数は減らしたいですが、肌着は着物を汚さないためにも必ず着たいものです。そこで、うそつき衿とうそつき袖を使うことで、長襦袢を着ているように見せかけます。2つ目は、着物の袖丈に合わせた長襦袢を用意する手間が減らせるという点です。長襦袢の袖は着物の袖口から見えてしまうものですが、見えすぎるのも不恰好になってしまいます。そのため袖丈や桁は着物に合わせた方が良いのですが、着物に合わせて長襦袢を何枚も用意するのは大変です。うそつき袖なら袖パーツを取り替えるだけで対応できるのでとても便利です。このように便利なうそつきですが、正装には使用しないのが一般的です。着物に詳しい人が見ると分かってしまいますので、正式な場には使用しないようにした方が無難です。