塩沢
塩沢は、新潟県南魚沼市でつくられている、シャリ感のある紬のことです。国の伝統的工芸品にも指定されており、日本三大紬の一つと称されることもあります。特徴的な蚊絣のような繊細な絣模様が特徴の一つで、渋く落ち着いた雰囲気があります。光沢をおさえた絹織物なので派手さは少ないですが、着物に詳しい人ほど風格や絶妙さが分かる逸品でもあります。特別な日や会合などのおでかけ時に着る、とっておきとして1枚持っておくと重宝します。
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塩沢紬の歴史
新潟県南魚沼市の塩沢地区で作られている塩沢紬は、江戸時代に織られ始めました。同じ地区の麻織物の歴史は長く、奈良時代に作られたものが正倉院に保管されています。この麻織物は越後上布と呼ばれ、越後上布の技術を絹織物に取り入れて織られたのが塩沢です。経糸に生糸や玉糸を使い、緯糸に手で紡いだ真綿の糸を使います。塩沢の特徴ともいえる絣に使われる糸は、手くくりや手摺り込みで作られた糸を1本ずつ手作業で合わせながら織り上げていきます。この地方は、越後縮の伝統的生産地でもあり、その技術を生かした手法で、結城紬と同じような落ち着いた渋さを感じられる仕上げとなっているものが多いです。図案から仕上げまで大まかに5つの工程で丁寧に作られており、1975年には国の伝統的工芸品にも指定されました。
単衣に向いた日本三大紬の一つ
塩沢はサラッとしたシャリ感のある肌触りで、蚊絣と呼ばれる繊細な絣模様は塩沢の特徴の一つで、他にも十字絣や亀甲絣と呼ばれる模様が使われているものあります。塩沢紬は、大島紬や結城紬と並んで日本三大紬の一つと言われることもあり、高級品というイメージがあります。しかし、それほどポピュラーではないこともあり、知る人ぞ知る逸品という見られ方をすることも少なくありません。それだけに、隠れた本格的なオシャレを満喫できます。着物に詳しい人ほど良さが分かるのが塩沢で、見た目の派手さは少ないですが、落ち着いたシックなコーディネートを贅沢に楽しめます。紺絣に名古屋帯や、白地に博多帯と合わせるなど、気品のある着こなしがおすすめです。