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太くて短い帯締めをスッキリ結ぶ方法その2。の巻

星わにこ
2020/03/18 00:00
自粛というと、昭和の大喪の礼の頃を思い出す、昭和人間わにこです。平成では東日本大震災、いままた令和になってパンデミックに襲われようとは。そしてまたトイレットペーパーがなくなるとは。なんでそんなにパニック=トイレットペーパーなんでしょうね? さすがに、トイレットペーパーがなければ晒で!というのも‥‥。在庫はあるというニュースが流れてからもまだうちのあたりはまだちょっと買いづらい状況が続いていて、かくいう私はぼんやりしてたらあと2ロール、ってとこまできて、親切な友達がわけてくれました。ほんとにすみません。ありがたいことです。と余談はさておき。 先日どうしてもコーディネートに使いたい色の帯締があったんですが、これがアンティークなのか、太くて短い。普通に結ぶと房がめっちゃ前にきてしまいます。ミセスの礼装なので飾り結びというわけにもいかず。 以前ご紹介した、ひっくり返す裏ワザでもちょっとムリな長さ。 裏ワザ☆短い帯締めをスッキリ結ぶ方法の巻 そこでさらに短くてもイケる裏技を発動しました。 ズバリ、真ん中になんちゃって結び目を作って、実際は後ろで結んじゃうという方法です。 近くで見ると、あれ、真ん中の結び目がちょっと違う?と思うかもしれませんが、正直遠目ではわかりません。どうにもこうにもーという時にはぜひ使ってください。あと、裏表のあるものだとこの結びをすると、左右で帯締めの裏表が出てしまいますが、それも楽しめればOK!ちょっとV字ラインになりますが、後ろできゅっと結ぶとさほど気になりません。 それにしてもほんとうに、昔の人ってウエスト細かったんだわ~と思ったのですが、昔の写真や着物本などをみると、今の帯締めみたいに、ピシっと横一直線!というわけではなかったよう。結び目も左に輪がきていたり右にきていたり、結構アバウトです。まあ、帯がしっかり抑えられていればいいわけなので、短くても気にしなかったのかも。 ずいぶん「こうでなければいけない」というルールはなくなってきた気はしますが(個人が美しいと感じる黄金比は別です)、本に書いてあったから、Youtubeで見たから、先生にそういわれたから、という情報源を1つに絞らないで、いろーんなやり方を見たり聞いたり試したりすると自分なりの目指す姿と、それにたどり着く道筋(近道含め)がよく見えてくる。 いろんなやり方を知った上で選んだものと、それしか知らないというのでは全く違うと思うのでありました。 たっぷりと絹糸を使った、太いアンティークの帯締めは、色も鮮やかだったり。コーディネートのいいポイントになってくれることも。ちょっと一工夫して使ってみてはいかがでしょうか。

東日本大震災とチャリティとマンガのこと。の巻

星わにこ
2020/03/11 00:00
東日本大震災が起きて9年。もう9年、まだ9年。私は東京にいて、直接被災したわけではありませんが、今でも昨日のことのように、その日を思い出すことができます。NHKが行った調査で、東日本大震災が被災した人が「自分が被災者だと意識しなくなったのはいつか」という質問に対し、62%の人がまだ被災者であると感じているという結果が報じられていました。これは阪神淡路大震災の10年後に行った同様の調査に対する答えの約3倍だそうで、どれだけあの災害が大きく、また復興が困難であるかが感じられます。(NHK WEB ニュース『9年たっても復興しない~被災者2000人の「復興カレンダー」』
今日本を覆っている、新型ウイルスに対する不安な空気や自粛モードが当時感じていた息苦しさを思い出させます。何が起こっても、自分にできることをするしかないわけですが。しんどさに溺れないよう、自分と周りの人を大切に過ごすことが大切だと思い、生きるしかない。
震災後、同じ気持ちを抱えた働く母たちのクリエイター仲間でそれぞれが作品を作ってチャリティ販売をしました。その後、着物を寄付していただいて販売したり形を変えながら毎年この時期に続けられ、その時できる形で参加してきましたが、今年はそれもイベントの開催自粛ということで、延期となりました。まだいつになるかどうなるかもわからず、なんとも言えない気持ちでいっぱいです。
こちらのコラムでも何度も紹介させていただいた「きもチャリ」もその中の活動のひとつ。昨年と今年はきもののチャリティは会場の都合もありお休み、来年10年目の区切りには開催できたらと思っていますが‥‥。
このチャリティ活動については、石巻の石ノ森萬画館の復活にあわせて創刊された『石巻からのコミック&復興情報マガジン マンガッタン』でも、私のマンガで紹介させていただいたことがあります。当時の被災の様子や復興に向かう人々の姿をコミックで紹介するというマンガッタンの執筆陣はそうそうたるメンバーで、そんなところに私なんかが描かせてもらってもいいのかと今だにドキドキしていますが、いろんな角度からの震災への想いという点ではなにか伝えられるものがあるのではと思っています。
マンガの持つ力というのもやはりあると感じています。震災を風化させないよう続いてきたマガジンですが2016年からは発行されていませんでした。それが今回、「KADOKAWA」の漫画サイト「ComicWalker(コミックウォーカー)」内の特設サイト「マンガッタン=デジタル」が開設され、順次今までの掲載作品が紹介されていくとのこと。 
私は特に井上きみどり先生の描かれるシリーズが好きでした。起こっていることは大変で、どうしようもないことばかりなのに、可愛い絵でおおげさでなく事実を書きとめ、どんなときにもユーモアを忘れないでいたいなと思える救いがある。
マンガッタンは、石巻の石ノ森萬画館とアマゾンでの販売がメインだったため、あまり知られていないかもしれませんが、震災のことが様々なタッチのマンガで様々に表現されています。ぜひ、読んでいただきたいです。そのうち、わたしのマンガも掲載されるそうです(時期未定)。


辛いことしんどいことは忘れて、明るく前に進めればそれにこしたことはないですが、なかなかそうもいかないことってありますよね。なんで自分がこんな目にと思うことだっていっぱいあります。だけど、過去は変えられないし、そことはなんとか自分で折り合いをつけるしかない。前を向いたり後ろを向いたり、波のように繰り返し。終わったと思うと新しい波がやってきたり、そうしているうちに、人生の終わりがやってくるのでしょう。それはいつなのか、誰もわからないけれど。
人は忘れてしまう生き物ですが、辛い記憶も風化させず記録し、自分の中だけでなく共有し意識することで、この先なにかあったときにも、同じことを繰り返さないようにすることができます。それが人類の英知というやつであり、学問であり教養であると思います。そして次の世代に、残せる記憶は残していく。それこそが、人の生きる意味のひとつではないでしょうか。
今のこのウイルスへの対応もやがて歴史のひとこまとなっていくでしょう。その時、歴史と照らし合わせておなじ過ちをおかさないようにしていくことが大切ではないでしょうか。あわてず焦らず。時間のあるときこそ、いろんなことを自由に「知る」「考える」チャンス。一斉休校中の子どもたちにも外にでられなくてもぜひ読書などで、知の冒険をしてほしいです。もちろん大人にも。


おまけ
きものチャリティについて興味のある方はもしよかったら読んでみてね。
おきものチャリティバザールのおはなし の巻
震災5年目のきもチャリ!(お着物チャリティバザール)の巻
続・お片づけ!箪笥の整理と不要な着物の寄付の巻
チャリティその後☆箪笥から飛び出した着物たちの巻
着物はめぐるよ☆「きもチャリ」今年も開催の巻
リサイクル着物について考えた。の巻 

超簡単。清潔な晒(さらし)でつくる縫わないマスクの巻

星わにこ
2020/03/04 00:00
 コロナウイルス感染対策で小中高校が一斉休校になり、世の中の子どもがいるご家庭は阿鼻叫喚なのではないでしょうか。はい、我が家もご多分に漏れず、体力を持て余した中学生男子がおりますが、ごはんは3食山盛りだけど、学校が休みになってしまえばこっちのものよとばかりに、勉強などするわけありませんよね。まあここで頑張れた子がぐんと伸びたりすると思うんですが、そんなことわかる子なんて一体世の中に何人いるんでしょうか? 留守の間も心配すぎます。はあ~といきなり愚痴から失礼します。  先週はマスク不足に続き、トイレットペーパー不足のデマが流れて朝出勤時に薬局に開店1時間以上前から並ぶ高齢者の行列にびっくりしました。あかんて。  とはいえマスクも本当に売り切れ続出で、寒暖差&ハウスダストアレルギー持ちの私は冬は咳とくしゃみが止まらないので本当に外出先でも肩身が狭い日々が続いています。ウイルス対策にはさほど効果はないと言われているマスクですが、自分からの感染を防ぐためには有効。もう誰がウイルスをもっていてもおかしくない状況、やはり精神衛生上もマスクはしておきたいところ。  でもマスクがない! 洗って使えとか中のガーゼを取り替えろとかでガーゼも品薄だとか。手作りマスクの作り方も、縫う本格派からハンカチやキッチンペーパーで代用する簡易マスクの作り方もいっぱい出ています。家にあったストレッチ生地を使って縫うところの少ないのびるマスクを作ったりもしてみましたが、ベロアのラメという怪しい生地だったため、お出かけ用にはちょっと断念(笑)  でも、買い置きの滅菌ガーゼも底をついたのでさあどうしようかと思ったところ、あれだあれ、ガーゼってさ要するにあれよね。お着物好きの方のタンスの中には必ずあるのではないかというあれです。そうです、晒です。晒も同じことですよね!  我が家のタンスの中にも補正とか、手作り品のためにとおもって買った使ってない晒、新品が2反。世の中でまだ晒は品薄担っていない模様。しかも1反8メートルとかあるから、ガーゼより全然お安いよ!  心配だったら一度洗ったり、アイロンをかけると滅菌になりますよね。しかも、横幅が縫わずにできるハンカチマスクの作り方にぴったり。あとは耳にかけるゴムの輪っかがあればオッケー。ゴムがなければ肌当たりのいいヒモとかでもいいみたいですよ。  早速ふむふむいいながら、晒を30センチくらいに切ります。切ってたたんでゴムを挟んで、えっ! 1分もかからずにできました。  しかも、かなりの本物感(なんの本物だ)。清潔感あります!  考えてみればそうですよね! 晒はもともと台所の布巾や調理用具、肌着やおむつやなど衛生用品に使われてきた日本の衛生布なわけですから、納得です。  口のところに同じく晒を切った当て布をすれば、安心感倍増。くしゃみをしてもご迷惑をかけなさそうです。これで! マスクの心配をせずにちょっと心軽くおでかけできるで。1反買えば、20枚以上のマスクができます。ご家族分もまかなえますよ。  私の中でいきなり晒復権! 晒についていろいろ調べていたら、世の中には晒ダイエットというものもあるらしい? しばらく晒の見直しブームが続きそうです。でもこの騒動はマジはやく終わりますように。神経質になりすぎず、淡々と予防と規則正しい生活と、笑って免疫高めていきましょう! 関連記事:縫わない晒(さらし)マスクをバージョンアップ♪の巻