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結ばない帯結び☆太めのアラフィフが試してみたら?の巻

星わにこ
2019/06/26 00:00
 今、結ばない帯結びが流行っていますね。大阪の着付師ayaayaさんが考案、Youtubeやインスタグラムでらくちんかんたんと大人気です。その他にも和洋ミックススタイルのような帯ベルトもあります。  要するに、半幅帯を半分の長さに折って、ぐるぐると巻いた上に、帯締めやベルトで止めちゃうと言うもので、へえ~そりゃ楽だよね! 確かになにがなんでも結ばなきゃいけないってこともない。作り帯なんか、巻いただけなんだから、結び目がなくても機能としては成立するはず。  大体、みんな帯が結べな~い! って苦労してるわけだから、そこがないとなれば、すごく着付のハードルが下がりますよね。夏の浴衣でも見かけることが増えるのではないでしょうか!  と思いましたが、ちょっと待って。結ばないということは、後ろ姿はフラットな半幅だけ‥‥。ということはすっっっごくおしりが目立っちゃうってことですよね。  そう思って、改めて「いいですよ!」「素敵ですよ!」と実践している写真を見てみると、若い人、スリムな人、スタイルがいい人‥‥‥。  あー。。。こうね、ちょっとでもおしりをみせたくないなと、半幅帯でもタレが下がるタイプの結び方をチョイスしている太めのアラフィフおばちゃん(自分)には絶望的な結び方なんじゃないかな……ということに気がついてしまいました。このおしりが、どーんと、丸見え……いやー!ムリムリありえない!  私もね、ずっと自分は中肉中背だと言い張ってきました。だけど、産後どんどん太って、現在臨月の体重などとっくに越えて、人生最高体重を更新中です。もう立派な太めのおばちゃんです。えーなんかもう想像しただけで絶望的になってきました‥‥。  でもでもね、そんなおばちゃんだって楽はしたいわけじゃないですか。夢をみたっていいじゃないですか(オーバー)というわけでどんなもんだか実験してみました(強心臓)。  お茶のお稽古で着装してみましたので、雑巾掛けはするわ立つわ座るわで、結構動きましたが、結んでないことで起きた不具合はありませんでした。途中、あ、ちょっとゆるんだ?と思ったときは、一番身体の内側になっている巻き始めの部分(輪になっている)に指を入れて、ぐっと締めれば結構簡単にゆるみが直りました。結構きちんと締めておかないと、危ないかもしれません。  楽にしたかったので、帯板ははぶきましたが、帯板をすればさらにキリっと締められそうです。結論、普通の帯結びと変わらないし、むしろ後ろに何もないのでかなりラク。ドアノブにひっかかって「ひいい!」なんてこともありません。  しかし……あまりに後ろ姿のノーマークぶりがどうしても厳しかったので、前でバラバラとつけてある帯端のポイントを、後ろに持って来てみました。そしたら…‥少しは救われた気がする‥‥おしりのライン丸見えよりは‥‥。気のせいかもしれないけど(爆)  それに、後ろにポイントを持って来たほうが、前から見ると一見普通の帯結びで、私はこのほうが好みでした。いかにも「結ばない帯結び、やってまーす!」にならないし、どうも前にいろいろポイントがあるのが落ち着かなかったので、オーソドックス好きな自分的にはこちらがよかったです。要は帯が外れなきゃいいわけですから、ヒダヒダをいっぱいとったり、もっといろいろ遊んでも面白そう。  ヒップラインに自信がある人は、どっちだっていいと思います!(結局そこね‥‥)。帯自体がベルトになっているようなものも、アリですよね。  結局結ばない帯結びは、帯締めをどれだけきちっと結ぶか、にかかっていると思うので、よく見かける、ビーズベルトや幅広ベルトで止めるのは理にかなっていますよね。帯締めにこだわらず、ベルトで止めた方が安心かもしれません(もちろん  先生には「まあ~後ろになんにもないなんて、遊女や寝間着じゃないんだから~」と言われてしまいましたが(^^;)簡易な結び方(巻いて挟むだけも含む)というのは、寝ても邪魔にならないということで、用いられてきた場面もあるのでしょうね。  でも今はもう令和。そんなことはキニシナイ。むしろ、洋服を見慣れた目で見れば、このほうが自然なのかもしれません。お太鼓結びは、外国の人から見ると「なぜリュックサックを背負っているの?」と言われるようなストレインジさなわけですから。これからはこちらがスタンダードになる!? そして着付け教室もいらなくなる!? そんなことを思ったら、うふふと笑えてきました。  だって、本当に時代が変わったんですもの。今まで、これでなくてはならないと、キュウキュウに締め付けられていたものが、ポンっと自由になった感じ。一体誰が、それを正しいと決めたの? といいたくなるような決まりやしきたりで窮屈きわまりなくなっていた着物の世界も、またファッションに解放される時がやってきたような。そんなワクワクを感じる「結ばない帯結び」でした。  気楽な場面ではまたやってみようと、太めのおばちゃんも思っております!

夏はヘチマ!帯枕の自作は結構カンタン!の巻

星わにこ
2019/06/19 00:00
 梅雨の晴れ間の気持ちいい日が続いている東京です。帯も夏帯が登場しはじめました。夏帯とはいえど、やはりお太鼓にすると暑いもの。ちょっとでも涼しくしたいなと思うときには、自作のヘチマの帯枕を使っています。 <作り方などはこちら> >保冷剤を入れる!ヘチマの帯枕を手作り☆の巻  なにが違うかというと、なにしろ軽い。軽いと身体への負担が全然違います。軽さって、涼しさにつながるんだなと実感。あと、固めなので身体に密着しすぎないのがいいところ。独特の空洞構造が、風を通して熱がこもらないのです。  やはり天然のヘチマはごわごわしますので、まくら紐は帯を痛めないようにヘチマの部分をくるむガーゼを二重にするか、たかはしきもの工房のまくら紐など、ちょっとしっかりした生地のもの(伸縮性のあるものがラク)をおすすめします。  自作すると好きな高さや長さにできるのもいいところ。天然素材なためか、つけているうちに身体に馴染んできます。ちょっとへたってきたなと思ったら、すこし厚みを足したり、育てている感じがします。私は、長さは市販のものより長めの25センチにしています。これくらいあると、お太鼓の山が決まりやすいし、高く持ち上げられて使いやすいのです。  ヘチマの中の芯は、そのまま残す場合もありますし、開いてとってしまって、芯のかわりに保冷剤をヘチマでくるんで使うこともあります。保冷剤は、買い物のときによくもらう銀色の保冷袋を切って、くるむと長持ちしますよ。暑い!これはヤバイ!と思う日のワタシの秘密兵器です。  個人的には、夏帯以外のしっかりした帯のときは支えや高さが足りない気がしますので、夏以外にはあまり使いませんが、一年中愛用しているわ!という方もいらっしゃいます。  今月7日発売の雑誌「七緒」58号でも、わにこがヘチマの帯枕の作り方をご紹介しています。2年前に作ったときよりも、さらに簡単に、バージョンアップしております。よかったら見てみてください(^^)材料さえあれば、意外と簡単なんです。  問題は、ヘチマの入手。以前はホームセンターや100円ショップなどでも見かけた気がするのですが、見当たらなくて、今年は結局ネットで探して買いました。これから夏にむけて店頭にも出てくるのかもしれません。  思いあまって、お庭にヘチマの苗を1本植えてしまった私です。自由にくるんくるんと伸びて絡まって行くつたが超かわいい! だがしかし、どうするつもりなのか。そんなに帯枕はいらないぞ(笑)炒めて食べてみようかな、化粧水を作ってみようかな、などと、あらぬ方向に妄想が発展していますが(毎度すみません)、もしまだヘチマの帯枕を使ったことがない方がいたら、ぜひ一度試してみて~とおすすめしちゃいます!

着物好き必携☆雨の日の味方、撥水風呂敷・撥水足袋・吸水ポーチの巻

星わにこ
2019/06/12 00:00
 梅雨の季節がやってまいりました。でも、きものでおでかけしたい! そんな時はいろんな雨グッズが大活躍です。以前このコラムでも紹介した雨の日対策のコラムは、いまでもアクセスが多く雨の日の参考にしていただいているようですごく嬉しいわにこです。 >「正絹着物でもできる雨の日対策」  基本は変わっていませんが、今年、これにプラスされたグッズがあります。それが、撥水風呂敷の大判サイズ(96センチ角)と、撥水足袋カバー、そして折り畳み傘を入れる吸水ポーチです。  最初は防災グッズとして目にしたのが撥水風呂敷との出会いでした。その後、雑誌で見たり、友人が実際カバンの雨カバーとして使っているのを見て、いいなあ‥‥と横目で見ていましたが‥‥ついにポチっと買ってしまいました。  いろんな色柄があり、めちゃめちゃ迷いましたが、明るい気分になれそうなポップな水玉模様を選びました。  届いてみると、ややはりがあり、ツルっとした感触。綿とは違いますが、シワになりにくくて、いいかんじです。あと、猫を飼っている我が家では毛がつきにくいのも超ありがたい!! さっそく大雨の日に大きめの荷物を包んで運んだのですが、はじく!濡れない!  今までエコバッグにいれたりしていましたが、やはり大雨でびっしょり濡れると中まで雨が染みたりしたこともありました。その心配がないのがありがたい!! 友人達の愛用ぶりにも納得です。  食事のとき、しっかりカバーしたいときにもいいかんじです(やや大げさかもしれませんが、背に腹は変えられない時、ありますよね(笑))。ギャルソンエプロンみたいにしてもステキです。  また、1枚の布なのでバッグに入れておくと急な雨でも対応できてgood。 帯だけでもこれでくるめれば、安心。しっかり下半身のワタクシの場合、98センチ角だと、下半身をくるむのに合わせがナイので無理でした(笑)。長さは足りているのにっ! でもあまり大きくなると今度は風呂敷として扱いづらくなってしまいますから欲張るなってことですよね~。わかります。  この撥水風呂敷のパワーはほんとにすごくて、袋状に結んで形をつくると、バケツ1杯くらいの水を持ち運べるんです! 実際に洗面所でやってみました。ほんまやった! 水って重っ。防災グッズとしての紹介も納得です。  しかも! 水をいれたままギュッ!としぼると、シャワーみたいにシャワ~~っと水が放出されるんです。すごっ!! 洗濯を繰り返しても、撥水効果は変わらないということで、どうなってるのかよくわからないけど、すご~いって闘牛士みたいにほどいた風呂敷をもってくるくるしてしまいました(阿呆)。  あとはやはり、着物を持ち運ぶ時にこれに包むと、水と汚れを寄せ付けない安心感がありますよね。雨の日ばかりじゃない、頼れる味方になりそうです。自分が好きな柄だと更にテンションアップ。夏ストールに続き、風呂敷ブームも私に訪れそうです。  撥水足袋カバーは、目ウロコのアイテム。足袋の替えをもつより、足袋カバーで濡れなくしたほうが便利ですよね!!  もうひとつのグッズ、折り畳み傘を入れる吸水ポーチですが、最近100円ショップなどでも見かけるようになりましたよね。今まで雨の日は長傘ででかけていたのですが、大きめの折りたたみ傘を購入して、目的地についたらたたんでそれを吸水ポーチにしまって、カバンに入れてしまうことにしました。  電車の中だと、ぬれた傘が自分にくっついたりしないし、特に着物のときは、本当に安心。人様にも迷惑をかけないし、手に持っているものも減るので快適ラクチンでした。そしてなにより、置き忘れない(切実)。もうほんとなんでもかんでも忘れちゃうお年頃、もうこれからはこれでいこうと思っております。  新たに雨の日を快適に過ごせるグッズがあると、おでかけもおっくうではなくなりますね。特に風呂敷は、色柄のバリエーションがあるので、もう一枚くらいあってもいいかも‥‥といち利モールのセールにぐらぐらしているわにこです(笑)。落ち着け自分~!  皆様も、おすすめのレイングッズがあったらぜひ教えて下さい! >オススメの撥水風呂敷「ながれ」はこちら

背縫いが破れた!応急処置はどうしたら?の巻

星わにこ
2019/06/05 00:00
 先日、着物で仕事をしていたときのことです。ひょいとかがんだら、一緒にいる人に「背縫い破れてるよ~!」と教えてもらい。  ついに来た! わたしにも! 古い着物の「背縫いが破れる」瞬間が~! とか言っている場合ではなく、紺の着物にピンクの襦袢ではもう、目立つの目立たないのって大ピンチ。  でも、そこは呉服売り場でしたので、お店の方に着物を着たまま糸と針で応急処置をしてもらい、事なきを得ましたが‥‥。これは一人のときにやらかしたらお尻の下あたりという場所が場所だけに、まず第一に自分では気付けない(バリっと音がして気がついた、という方もいます)。たとえ気付いても、着物を着た状態では直せない。脱がないと手が届かない! 上着やストールやカバンなどでなんとか隠しつつ家に帰るか、誰か仮に縫ってとめてくれる人を探すしかない案件です。  一瞬、破れたところを養生テープで内側からとめようか、と思ったりしましたが、言ったら止められました(汗)。ですよね~。結論から言って、これという応急処置は‥‥思いつきませんでした。役にたたないコラムで申し訳ないです‥‥(><)が!が!  だって、脱がない限り自分ではどうしようもない場所なんだもの~~! で糸と針はと安全ピンは、着物を着る時はいつもバッグに入れておきましょう!! 自分ではなんともできなくても、頼める人がいればしのげます。特に安全ピンは、ちょっと襦袢が長くてでてきちゃう、とか袖ビリッ!などのときの応急処置にも大活躍してくれます。  背縫いが破れてしまった着物は、リサイクルの単衣で、居敷宛がついていなくて、「破れて下さい!」という条件が揃ったものだったのですが、そこまで古いものでもないと思い、油断をしていました。やらかしてみると、やっぱりおしりが裂けてるって、恥ずかしかった~~~~!!!  これから薄物の季節。単衣の着物の縫い目には負担がかかりがち。居敷宛をつけることが大事なんだな~としみじみ感じました。  破れないまでも、背伏せ(縫い目を倒してきせをかけてある部分)がひっぱられて開き、縫い目が丸見えとなってしまうのも防げます。  いただきものやリサイクルだとなかなかそうもいかないですが、誂えるときにはもう、絶対居敷当てはつける!!ソーイングセットは持ち歩く!!と強く誓いました。  ウールの普段着の着物など、よく共布でおしりの部分だけ居敷宛がついていたりしますが、なるほど必要なものなんですね!  ここがほつれるということは、もう全体の糸も弱っているということで、できたら洗い張り、仕立て直しが理想ですが、布も弱っている場合もありますし、古い着物は信頼出来る悉皆屋さんに相談して見立ててもらうのが安心です。  ただ費用もかかりますから、自力で直して行けるところまで着るか、着るのはあきらめて小物にするか‥‥そのあたりの判断もありますよね。  そして、ここでもうひとつ、ああ着物ってすごいな、手縫いってすごいなと思ったことは、糸は切れても布は切れていない、破れていないということです。これがミシン縫いだったりすると、縫い目が丈夫すぎて、布地がさけてしまうこともあるからです。背伏せが開いちゃうのも、ミシン縫いのものをよく見ます。そうすると、布が弱ってしまうので、もう縫い直しはできません。布を助けるためには、手縫いのほうがいいのですね。  お装束のことを勉強していたとき、とてもざくざくと粗く縫ってあるのに驚きましたが、そのとき生地を守るためにこうしてあるのだと伺いました。生地さえ無事なら、何度でも縫い直せばよいのですものね。  なにはともあれ‥‥おしりが破れるのはやっぱり辛い! 薄物の季節、着る前に危なくなってないか、ちょっとチェック!してみてくださいませませ。

日焼け&冷房対策☆着物にも夏ストールが便利だよ!の巻

星わにこ
2019/05/29 00:00
 もう何を着ていいかわからない! と毎年言っている気はしますが、暑かったり肌寒かったり、予報で聞いてないよ!という雨が降ったり、本当に悩ましい日々が続いております。  この1ヵ月くらい、大活躍しているのがヨコ120センチ、タテ200センチという薄手の木綿の大判ショール。インド綿だと思います。特に着物用で買ったわけではないのですが、大きいので着物と帯をしっかりカバーできます。  ここまで大きくなくても、帯まで隠れるくらいの幅(横幅80センチ以上)あるといいと思います。  なにしろいいのが、さっと羽織れてさっと外せて、畳むのも適当でよくてコンパクト。カバンにふんわりつっこめばOKです。  日差しの強いときは日焼け止めにもなってくれますし、少々の雨なら広範囲カバーもしてくれます。薄手でもボリュームがあるので首をしっかりくるめば結構暖かい。でも、衣紋の部分をぬいて羽織れば風も通ってさほど暑くもありません。考えてみると、暑い国では大判の布を身体に巻いていることが多いですよね。  上着を持ち歩くより断然楽なので、洋服の時でも愛用しています。見た目はちょっと遊牧民みたいになりますが(笑)形も自由自在なのがグッド。冷房の効いたバスや電車に乗っても、少ない動作で羽織ったり、寒いところだけカバーできたりするのでめちゃめちゃ楽チンです。  あとはやはり、帯に汚れをつけたくないとき、混んだ電車の中など羽織っていると安心なのです。  今、この原稿を書いているときも、窓をあけたらちょっと肌寒かったので、早速肩にかけております。  木綿なのも大きなポイント。寒い季節には使えませんが、ざぶざぶ洗えるし、この時期重宝な素材です。  羽織モノももちろんよいのですが、それにプラスワンしてもいいくらい。 「夏ストール」という名前で、日焼け対策や冷房対策に大判のコットンやガーゼのストールが売られていますが、着物に使うなら、羽織った時に帯をストンとくるんでくれるように、すべりのよいものがおすすめです。透け感のあるものもおしゃれですよね!  気を使わず、くるくるっと適当にたたんでもいいのがまた嬉しい!  手頃なお値段で手にはいりますので、探してみてはいかがでしょうか。バッグに入れておくと、めっちゃ重宝ですよ! 

麻でさわやかマリンルック☆初夏の妄想コーデの巻

星わにこ
2019/05/22 00:00
 気温の乱高下に身体がついていかない今日このごろですが、そろそろ袷も着納め。といいつつ、もうすっかり普段は単衣にしてしまっているわにこです。毎年「今からこんなに暑かったら夏はどうすれば」と不安を感じている気がしますが、きっとだんだん身体も慣れていくのでしょうね。人間ってすごい。  そして、初夏に向けて爽やかなコーディネートや涼しい工夫にも目が向き始めます。涼しい素材といえば、なんといっても麻。洋服でもリネンが着たくなりますが、麻の持つ放湿性や生地の張りによる、風が吹き抜けるようなさわやかな着心地が魅力です。  張りのある生地なので、反面着膨れして見えてしまうという難点はあるのですが、快適さには替えられません。毎年、夏が来る前に痩せよう‥‥痩せよう‥‥と思ってはいますが、最近は諦め気味(試合終了かよ)。  ざぶさぶ洗ってもOKな丈夫さも、麻の魅力ですよね。汗をかく季節には強い味方です。洗ってもすぐに乾くので、お洗濯も楽しい素材です。  また、色や柄で涼しさを感じるのもひとつ。この季節になるとがぜん気になって来るのがマリンルック。水兵さんの制服をモチーフにしたものですが、ボーダーとマリンパンツ、セーラーカラーなどが特徴です。色は、白、紺メインで、赤でポイントを効かせると可愛らしさがアップ。  今回は麻100%の近江縮で、着物マリンルックコーデを妄想してみました。  着物でセーラーカラーはありませんが、和洋ミックスコーデなら、中にパーカーを着たりしてもいいかもしれません。  海の上で働く水兵さんたちも、強い日差しに負けないように長袖長ズボンです。暑いけど、身体を覆う衣服のほうが身を守ってくれるのですね。そう思って着ると着物も暑くないかも(そんなことはないか)。  妄想コーデのネタとしては、早過ぎじゃないの?と思われるかもしれませんが、着物はお仕立てに時間がかかるもの。暑い!今着たい!と思ってからでは遅すぎることもあるのです。ちょっと早めに準備よねえ~、というところから込みで妄想してみました(笑)。でも、ほんと、単衣の時期になってから単衣を作ろうとして間に合わず、結局「また来年!」ということもやらかしたことがあるので切実です。はやめはやめの準備が肝要と自分に言い聞かせつつ‥‥。  着たい着物を準備して、適宜涼しい素材のものに変えたり、補正を工夫したり、暑い時期も着物を楽しみましょう!

雨にも負けず☆「細雪」令和元年版にいってきたよの巻

星わにこ
2019/05/15 00:00
 5月に入り、時代は令和へ。その記念すべき最初の月に明治座で上演されているのが名作舞台『細雪』。このコラムにも何度も暑苦しく書いているので、またか~と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ええまた(笑)観劇に行って参りました! 『細雪』は谷崎潤一郎原作で、時代は昭和初期。大阪船場の老舗蒔岡商店の四姉妹の物語。お嬢様育ちの四姉妹にも戦争の影が忍び寄り、それぞれに悩みや苦しみをかかえ、それでも、美しく前を向いて生きて行く姿に毎回感動いたします。見所はなんといっても、四姉妹の着物。法事、舞の会、夏着物、虫干し、送別会、花見‥‥。折々の晴れ着の華やかさに、ため息がもれます。着物好きなら絶対見ていただきたい舞台です。  髪飾りひとつとっても、長女は真珠に螺鈿、次女は珊瑚、三女は薄紅色の花、四女は白い花と、そのキャラクターを現しながら、それぞれを美しく彩っています。もう最初っから最後まで、そんな調子で着物、帯、小物ウオッチにも忙しい! 素敵すぎて、震えます。  今回、着物で細雪を観にいきましょう!と声をかけたところ、なんと15人の団体さんになり、食堂予約の支払いの時にも「えっ、こんな大所帯?」と驚かれた人数に(笑)。いつか、いち利モールのおでかけイベントで楽しくおでかけしたことを思い出しました。  5月ということで、着て行く着物が悩ましい時期。随分前から、暑いかも、暑かったらどうしようという心配ばかりしていたら、なんと、1週間前くらいから観劇予定日に雨予報が! 気温はその分上がらないようですが、雨は着物の大敵!  雨対策をすれば行き来は問題ないけれど、外の大きな細雪四姉妹の看板の前で写真を撮れないのが問題!!(そこなのか)  そして迎えた当日は‥‥雷が鳴り響く日(爆)。でも、そこまで酷い降りになることはなく、なんとか低空飛行でお天気は持ちました。  洗える着物にしたキモトモも。私は悩んで、雨に強い大島の訪問着にしました。袷ですが、薄手の大島は肌あたりもひやりとして暖かい時期になると袖を通したくなるもの。でもやはり紬なので「超・晴れ着感」はないかも。。。本当は振袖を着たいぐらいなのに!(大間違)  毎回、見終わった瞬間に「ぬおーもっと華やかな着物が着てみたい!!」という気持ちになっていること間違いなしなので、できるだけのお洒落をしていきたいなあと思えども、気候が私の前に大きく立ちはだかるのであった‥‥(オーバー)。それでも、舞い散る桜をイメージした着物と帯で、一応細雪コーデ!のつもり!(鼻息)しかしそれも、雨コートで隠れてしまうわけですが(笑)で張り切って出かけました!  思い起こせばここ数年5月6月に上演されることが多く、思いっきり晴れ着を着て行くにはちょっと暑くてしんどいのですよね。次は11~3月の間に上演されるといいなあ(我がまま)なんて思いつつ、一緒にいくキモトモ(着物友達)とあれを着ようかこれを着ようかとワイワイと相談するのもまた楽しい時間。  4人以上で着物で行って、写真を撮るのも楽しみのひとつ。四姉妹の誰なのか(笑)私は鶴子ねえちゃん、なかあんちゃん、きあんちゃん、こいさんと時にはポジションを奪い合い(笑)並んで撮るのも楽しいものです。女優気分で気持ちが華やぎますよ~~!! 自己満足でいいんです(笑)盛り上がります。  今回の四姉妹ポスターは,皆クラッチバッグを持っていました。クラッチバックを持ってのポーズもカッコいいので、これから行かれる方いらしたら、クラッチバッグを持っていかれるのもいいと思います! ええ、記念撮影のためにです(笑)  またこれ終わってからもあれがよかった、これがよかったと話が尽きませんし、お互いのコーデも楽しめます!「この帯は、いらなくなったらちょうだいね」なんて軽口を叩き合ったり(笑)ぜひぜひキモトモと一緒にお出かけしてほしいのでございます!!  何度も見ているし、お話や台詞も同じなのですが、演じる人によって、また自分のコンディションによって、心に響く場面が違ったりしてそれも面白く。今回もオーディションによるエキストラ出演があり、皆さんの着物姿を拝見するのも楽しかったです。  今回四姉妹は全員代替わり(?)して、長女浅野ゆう子さん、次女一路真輝さん、三女瀬奈じゅんさん、四女水夏希さんという、なんと歴代宝塚トップさんが3人もいるという高身長四姉妹。着物の柄がよく見えます(笑)と、パンフレットの対談でもおっしゃってましたが、サバサバと押しも強い感じで、男性陣がちょっぴり可愛らしく見えるほど。これが令和の、新時代の細雪なのかしら~と、楽しく拝見いたしました。  男性陣はあまりメンバーチェンジはなく、皆さん長~く演じてらっしゃるのですが、ことに私は長女夫の磯部勉さんと、4女恋人役の太川陽介さんはお二人以外はもう考えられず。次女夫葛山信吾さんも、最初若すぎるのではと思ったのですが、今や女優陣をもり立てるチームになくてはならない感。太川さんはなんと1998年から啓ぼん! いつまでも「ぼん」でいてほしい。誰がメンバーチェンジするより私にとって衝撃かもしれません。男性陣の安定感がまた四姉妹を引き立てて、素晴らしいんですよね~。男性はスーツだけではなく、正装の羽織袴姿もあり、これまたかっこいいんですよ~!  これでもかー!という豪華な晴れ着を着て「蒔岡商店のお嬢さん」からそれぞれの道へ、新しい夢へ、歩き始めるラストシーンは、生きていくこと、年齢を重ねるということへのエールのようです。悲しいことや辛いこともいっぱいあるけど、美しく装って、桜の下、上を向いて歩く姿に、勇気をもらいます。  昭和41年の初演から、総上演回数1500回を越えて長く愛される「細雪」。ほんとに何度見てもまた観たいと思うのです。おばあちゃんになっても、細雪を元気で、そして着物で観に来たいなと。  この上演期間、あと1回行く予定。と言ったら友達に「えっ、まだ観るの」と呆れられましたが(笑)女優さんが変わると、最初はどうしても前と比較してしまったりあれこれ考え過ぎてしまうので、落ち着いたところでまた細雪ワールドに浸りたいんですもん。(もん、て)何度観ても、楽しめます。  まだ月末まで明治座で上演されていますので、まだ観たことのない方、また観たいなという方、まだまだ間に合いますよ~。細雪の、豪華なお着物ワールドを堪能してみてはいかがでしょうか?  おつきあいくださったキモトモの皆さん、ありがとうございました~\(^O^)/  <おまけ> わにこの細雪バカっぷりがわかる過去記事はこちらです。 └わにこ「細雪」オーディションに挑戦!の巻(2014/06/04) └わにこの女優体験記★「細雪」エキストラに出演しちゃいましたの巻(2014/07/02) └おでかけイベント、着物で観劇♪明治座「細雪」に行ってきました!の巻(2017/04/05)

還暦で着る大人振袖☆東京キモノショー2019の巻

星わにこ
2019/05/08 00:00
10連休、皆様いかがお過ごしでしたか? 私はなんだかんだとお仕事でした(^^;)お休みの間に、元号も平成から令和へ。時代が遷りましたね。
私は、この数年GW恒例のコレド室町で開催される「東京キモノショー」に出展側のお手伝いに入っているのですが、毎年来場される皆さんのバラエティ溢れる着姿に唸らされています。正統派も、カジュアル派も、和洋ミックスも、みんな楽しんで好きなものを着ている!というのが伝わって来て、とても嬉しくなります。
それから、すごく感じるのはそうして好きなものを着ている人は「着物が馴染んでいる」という自然さがあることです。気負いもなく、着物姿が自然。それは、イベントの場の雰囲気もあるのかもしれません。着物警察はいなくって、気後れしている人もなく、とてもにこやかな印象があります。いろんなきものイベントがありますが、そういう「なんでもあり」感がいつもいいなあと思います。
「東京キモノショー」という名前の通り、特にステージでの「ショー」が印象深いものがたくさんありました。中には立ち見のステージもあったようです。といっても、裏方なのでステージを実際見ることはできなかったのですが、今年はステージの映像がYouTubeにアップされて、誰でも見ることができます。
今年はお友達や知り合いもたくさんステージに上がったので見たかったな~と思っていたので、これは嬉しい! 大体次の日にはアップされているというオンタイムで、話題になっていたものをすぐに見られて満足。
中でも、「大人の振袖ファッションショー|成人式の思い出の振袖とともに」は、思わず涙がこぼれるほど感動してしまいました。
大人も振袖を着ましょう!な~んて常々言い続けている私ですが、この日ステージにあがったのはアラ還の女性たち。マジ大人です!
コスプレではなく、還暦を迎えて今までを振り返り、人生の区切り、再スタートの気持ちを振袖で。自分が20歳のときに着た振袖、娘のために作った振袖、東日本大震災で流されてしまった大切な振袖を胸に着るレンタル振袖‥‥。それぞれの想いがこもった振袖に袖を通し、いろいろなことがあった今だからこその笑顔でランウェイを歩く姿。

カッコイイ! そして美しい!
大人振袖ですから、小物も控えめ、帯結びもお太鼓や角出しだったのですが、振袖の持つオーラは、着る人の前を向く力強い心と結ばれてさらにパワーアップして見えました。
そのモデルさんの「物語」に心動かされ、また振袖の美しさにも感動し。振袖は、着物はただ美しいだけではなく、人の想いがこもっている。「着物の力とは、人の想いを繋ぐ、想いを映すこと。作り手の想い、誂える人の想い、着る人の想い、受け継ぐ想いだと思います」という、ショー主催のたかはしきもの工房の女将、髙橋和江さんの言葉に頷くワタシでした。
ああ、私も還暦を迎えた時に、こんなふうに、胸をはって振袖を着ることができるようになりたいと、新たな目標ができました。
20歳のときにはわからなかったこと。大人になって、はじめて知った気持ち。人生を、悲しいことや辛いことなどなにひとつなく過ごせる人などいないでしょう。でも、その分得られる喜びも、自分が目を向ければいくらでもある。いろんなことを背負い、でもそれに負けない力も身につけて。年を重ねることは、楽しいことだと思わせてくれる素晴らしいショーでした。
もうね、二十歳、四十歳、六十歳、八十歳、百歳になったら区切りで振袖着たらええんちゃうかな! その時その時の想いって、宝物になると思うのです。
今思うと、四十歳のときに着た振袖とか、ほんとピチピチでまだまだ若いなあと思いますもん(え、そうでもない?)。
未見のかたはぜひ! 動画を御覧下さいね。その他のショー動画も面白いですよ。きっと「いやあ~着物ってほんとにいいもんですね~!」と思えます!
 

自分温度で単衣を着よう!の巻

星わにこ
2019/04/24 00:00
 先日まで寒い寒いと思っていたら、急に暖かくなりましたね。一度ひいた風邪が抜け切らないわにこです。ちょっと身体が緩んだかな~と思ったのに、GWにはまた気温が下がりそう‥‥。一体なにを着たらいいの、と迷っちゃいますよね。  洋服は、気温で結構フレキシブルに対応するけど、着物だとつい「袷はいつまで‥‥」なんて決まりを気にしてしまいますよね。でもそんなことを言っていると、暑くてしんどい思いをする羽目に。  大体は、肌着や襦袢からどんどん涼しい仕様にしていきます。素材を変えたり、嘘つき襦袢を活用したり。  私はフォーマルでなければ、最高気温24℃を越える予報が出たら単衣を着る目安にしています。胴抜きにすることもありますが、透けない単衣なら見た目もそんなに変わりはありません。でも着心地はぐっと涼しい。裏地がない分、1枚脱いだようなものですから。  とはいえ、朝晩はぐっと冷え込んだりもするので、大きめのショールを持ち歩くようにしています。とりあえず、くびまわりが暖かいだけでも違いますよ。本来は袷の季節、まだまだ油断できないので、各々がた、ぬかりなく。  この24℃というのは、あくまでもわたしの目安。暑がりさん、寒がりさんはそのあたりを考慮して、自分の快適切り替え温度を見つけてね。だいたいこのへん、と思っておくと着るもの選びで迷う時間がぐっと短縮できます。  こうしてどんどん暦を気にしないで、気温で着るものを決めて行くと、単衣の出番は、意外と多いのです。6月と9月だけなんて、もったいない。4月後半から10月頭くらいまで、暑い日には大活躍です。  もちろん、肌寒い日もまだまだありますから、そんなときは袷の出番です。先日最高気温22℃くらいのとき、取材があって夏の着物を着たんですが、やっぱり寒かった(笑)夏着物は暑い暑いと思っていましたが、さすがに涼しいものなんですね~。やはり気温に合わせてチョイスしたほうがいい!と思い知りました(笑)  なんというか、このごろは春がなくて、いきなり冬から夏へ!みたいな気温の変化ぶり。4月から真夏日も珍しくありません。もうね~令和になりましたら、衣替えのルールもぐっとフレキシブルにしたほうがいいと思うんですよ。なんだかんだ言って、寒いのに夏着物を着たら寒いわけですから、そこらへんは心配しなくてもぐちゃぐちゃにはならないと思うのは私だけでしょうか。  結ばない帯結びも流行っているし、また着物のあるべき姿も変わっていくのではないかな~と思います。カルチャーやお洒落は、こうでなくてはならない!と言った途端に、硬直して死んでしまうもののような気がいたします。  私自身は、きっちり着ることが好きで、崩して着るんなら無理に着物じゃなくてもいいなという好みの持ち主なので、あまり冒険もしないんですが、こだわらない、自分に快適なお着物生活を、みんながそれぞれできる時代になるといいなあ。平成最後のコラムは、こんなかんじで締めてみます。キリッ。

今欲しい!二部式雨コートと晴雨兼用傘の巻

星わにこ
2019/04/17 00:00
  先週から行われていた松屋銀座の「七緒の和トセトラ」に行ってきました! 銀座いち利さんも出店されていたので、早速突撃。  いつもはいち利モールのバーチャル試着室で、妄想を羽ばたかせて楽しんでいる私ですが、今回は、リアル妄想コーデに挑戦です(なんだそれ)。  あれこれステキなものの山の中、気になったものを2つご紹介します! その1:晴雨兼用傘  とにかく天候不安定な今日このごろ。雨なんて、聞いてないよ! ということもあります。着物で出かけるときはやっぱり天気は気になりまくり。これからの季節、紫外線も気になるし、日傘にもなる晴雨兼用傘は持ち歩きたいところ。  5月が1年で一番紫外線が強い時期だそうです。新しい傘で今年は美白美人!&雨にも余裕で対処したいっっっ!! いつまでも濡れないからという理由でどうしてもそこに落ち着いてしまう、70センチの透明ジャンプ傘から卒業したい!   どうせなら、軽いもの、オシャレなもの、ある程度大きいものがほしいところ。と思っていたところにピッタリの商品がありました。  東京ノーブルの晴雨兼用傘は、大きいサイズで軽くて、タッセルつき! 房スキーとしてはたまりません! 柄もいろいろあって迷っちゃうほど。大きい長傘タイプか、持ち運びが楽な折りたたみか、悩みまくり。結局買うならテンションがあがりまくる、スカーフ柄の長傘かな~と選んでみました。あーでもやっぱり折りたたみも‥‥(どっちやねん) その2:二部式雨コート「楽雨」  あの楽雨シリーズの新柄、今度はピンクとネイビーの二色です。ドットの地紋が可愛い! 以前のものよりさらりと軽量になっているかんじ。ピンクを試着させていただきましたが、雨の日でもテンションあがりそう~!  雨コートはずっと一部式を愛用しているのですが、もう何年使っているの?と思い返してみたら、かれこれ7、8年。そろそろ新しいのを買ってもいいかなと思うのと、二部式の上だけをコート代わりにして、下だけ持ち歩くとか、エプロンがわりに下だけ使う、とかそんなこともしてみたいと考え始めました。持っているのにまだ欲しい。だってタイプが違うんだもん‥‥と。人間とは欲張りなものです‥‥。  もうさ、傘も雨コートも、どっちも持ったらいいじゃない! という気分になってきました。正直、雨の日スタイルも、毎度同じだと飽きるんですよね~。本当に着物沼って深い。どこまで行ったら満足するんでしょうか? 悩む時間があったら、さっと決めてしまったほうがいいのに、と毎回思うんですが、なかなかできない優柔不断なわにこなのでした‥‥。   あまりに店頭で唸っていたら、試着させていただけました! ありがとうございます!  見ただけではわからなかったのですが、楽雨の下の裾よけのほうは、紐が途中ゴムになっていて、結ぶとすごいフィット感。紐の結び目を少し下のほうで止めると裾がはだけにくいんだとか。こういうお話も、直接聞けるのが嬉しいですね。あと、生地もテカテカしてなくて上品で、雨コートとしてだけでなく、ちりよけとしても大活躍しそう!  これならめちゃめちゃ明るい気分で、紫外線対策&雨の季節も乗り切れそうです。サイトの試着室での妄想も、誰にも迷惑をかけず(笑)バーチャルショッピングをニヤニヤと楽しめて大好きなのですが、やっぱり実物を見られるショッピングは楽しいですね!!  疑問点も聞けばすぐに解決するし、たまにはお店に足を運ぶのもいいなあと思った次第です。お話きかせてくださった店員さんもありがとうございました! さて、どのアイテムを入手するか、それが問題だ(まだ悩んどったんか~い!)

糸の飛び出し、ひっかけ直しに補修針!の巻

星わにこ
2019/04/10 00:00
 桜のお祭りのようだった先週とはうってかわって、花散らしの雨が降ったり寒かったりな東京です。3月末からずっと卒業式、入学式、春休みの家族写真撮影と、ずっと着付のお仕事をさせていただいていたのですが、お祝いのお支度は幸せを分けていただけるようで本当に楽しいです。  さてさて、皆様はうっかり何かにひっかけて、生地の糸が飛び出しちゃった!なんてことはありませんでしょうか。ひっかけた覚えはないのに、ぴょんと飛び出した糸やループ。帯なんかで、よくありませんか? あ~なんて、指で撚ってみたりしても、ひっこむわけもなく‥‥。  かといって、はさみでチョキンと切ってしまうと、そこからほつれたり穴が空きそうで怖くてできなくて、そのままにして、忘れてまた次に締めたときに、あっ、そういえば糸が飛び出してたんだよね‥‥なんて繰り返し。  上手く直らないものかな、と思っていたら、ほつれ直しの補修針というものがあることを知りました。使い方は簡単で、ほつれやひっかけで糸が出ている根本の部分に、針を差し込みます。針の先端は、細いけれどもボールポイントといって、丸くなっているので生地をいためないそうです。針の太いほうが細かいヤスリのようになっていて、そこにほつれた糸がひっかかり、針を裏側に引き抜くと、一緒に裏に抜けるのだとか。  へえ~とは思ったのですが、そんなに上手くいくのかななんて思いつつ、ネットで検索してみると何種類か違うメーカーさんから出ている模様。和裁(というほどでもないけど)するときお世話になるみすや針から出ている、その名も「ほつれのん」というベタなネーミングのものを購入してみました。  早速試してみると‥‥帯地だったためか、ちょっと引き抜くのに力がいりましたが、おおおおお!! ほつれが裏に移動して表地はなにもなかったかのように! 糸も切ったりしないので、ほつれが広がったり穴があいたりする心配もありません。  あまりに何事もなかったかのようで、ずっとずっとそのほつれが気になっていた日々がばかばかしく思えます。もっと早くやってみればよかった! すごいぜ補修針!  うれしくなって、猫にひっかかれてループ状に糸がとびだした布地のバッグとか、半衿とか洋服とか、思いつくものをいろいろ試してみたら、どれもこれもすっきり。素晴らしい~~(><)  あまり出番は多くないかもしれませんが、お針箱に必携ですね! もし御存知ない方、使ってみたことがない方がいらっしゃったら、気になるほつれに補修針。ぜひ試していただきたいスッキリ感でした!

新元号「令和」と白大島の二部式着物?の巻

星わにこ
2019/04/03 00:00
 まさに「花冷え」という言葉がぴったりの今日このごろ。桜は満開だけど、とにかく寒い(><) そんな中、新しい元号が発表になりましたね。  万葉集にある歌の序文「初春の令月にして、気淑く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫らす」からとって「令和」。最初聞いたとき、へえっ!と思いましたが、あっという間に慣れてきました。初めての国書からの引用とのことですが、元は漢詩から来ているのではないの? などいろいろ思うところはありつつ、素敵な元号に決まってよかったです。  令と聞いたとき、令嬢の令、と思った私。令月(よい月)の令だったのですね。字の形やイントネーション、アクセントは何が正しいのか、なんて話題もありますが、「決まりはない」というのが内閣府の見解です。ほんとほんと、それぞれの解釈でいいと思います。この場合、望ましいのは「自分と違う解釈をdisらない」ということだと思うのです。それが「和」だと思います。  さてさて、その元号を決める有識者会議に出席する、宮崎緑・千葉商科大学教授の着物姿も話題になっていましたね。白大島に、袖無し羽織姿ですが、帯が見えない。あの襟元の雰囲気からして二部式着物(セパレート着物)なのかなと思います。フォーマルな場所にこの着姿。好みはおいといて、いいぞもっとやれという気持ちです。着物警察が白目をむくような全てにおいての逸脱ぶりが素晴らしい! きっと新時代を感じさせるためのチョイスなのでしょうね。  映像を拝見した限りで私なりの知識で解説しますと、まず大島紬は高価ですが、紬なのでフォーマルな場所には着ない、というのが通常です。特にお召しの白大島は、大島紬親善大使もなさっているというお話ですし、下世話ですがかなりのお値段ではないでしょうか。まずはそこからズバっと外してきています。  次に二部式着物。いわゆる簡易な着方となります。帯をしないのでとっても楽ちん。二部式着物の愛用者は昔から一定数いますが、洗える二部式着物=飲食店の制服が一番ユーザーが多いイメージです。一見着物ですが、いわゆる着物とは全く着方も異なります。  そして袖無し羽織。羽織は紋付だとフォーマルになりますが、袖無し羽織はお袖がない分、気軽に羽織る防寒、ちりよけのような感じになります。お寺の奥様や呉服屋さんの女将さんが作業時や防寒に黒い袖無し羽織を着ていたり‥‥そんな印象でしょうか。あとはご隠居さん?  男性は、陣羽織のイメージでよく着ている方がいますが、こちらも着物だけではなく、作務衣とかにあわせたり、割に気軽なイメージです。  まあ、とにかく晴れの場に出る着姿としては、いわゆる常識から「これでいいのかしら?」と突っ込むどころか、あまりにすべてをズバズバ度外視してきているので、どこから突っ込んでいいかわからずしっぽを巻いて退散するしかないレベルです。実に痛快です。  どうせだったら、林真理子先生も、ばーんと志ま亀の着物とかでいらしてくださればもっともっと着物が話題になったのになと、惜しい気持ちでいっぱいです。オーソドックスな着こなしをされる林先生との対比がものすごく楽しそうです。「着物ってこんなにいろいろあるんだ!なんでもいいんだ!」と注目されたんじゃないでしょうか。内閣府にも「どちらでもいい」と言っていただきたかったところです。まあ、そこがメインの話ではないわけですが。  珍しく時事問題(?)に斬り込んでみましたが(笑)、いやほんと。新しい令和の時代には、なにが正しい、間違っているという窮屈な枠を外して、違う価値観を尊重し、世界と仲良く、和を持って尊しとなす、そんな風に生きられるようになってほしいですね。残り1ヵ月を切った平成の時代。あの、怒濤の昭和の終わりを知る人間としては、生きているうちに譲位され、混乱なく新しい時代を迎えられるよう決断された今上天皇に心より感謝して過ごしたいものです。  令和の時代。着物はいったいどうなっていくのでしょうか? いやぶっちゃけ最低限の礼さえ失しなければ、みんな好きに楽しく着たらいいですよね! 過度な「決まりはない」時代になってほしいです。ほんとに。

卒業式は女子も男子も袴でGO!の巻

星わにこ
2019/03/27 00:00
 ソメイヨシノが咲き始めた東京です。早咲きの河津桜やおかめ、プリンセス雅もいいのですが、ソメイヨシノの輝くような薄いピンクの花をみると、やはり心が躍ります。  今年の卒業式シーズンは、袴の着付けをご用命いただいて大学生と小学生のお支度をお手伝いしました。  小学生の袴姿は、女子も男子も着たい子が着る、というかんじでマストではありません。双子の男の子で一人はボウタイでおめかしスーツ、一人は羽織袴という自分の好きなものを選んでいたのが、とってもステキでした。  女子はお友達と2人組でおそろいの緑の袴を選んで。頭にはリボンをつけて、女学生スタイルで本当に可愛かった!  小学校の卒業式での和装は、華美と言われて禁止の動きもあるようですが、キリッっと無地の袴姿が華美かな? スーツや制服姿と変わりなく、礼を感じる素晴らしい日本の衣裳。派手、派手じゃないは、和装洋装どちらということではないのではと思います。  大学の卒業式は、女の子はほとんどが袴姿の印象です。私のころ(ン十年前)は成人式の振袖も卒業式の袴も、半分いるかいないかという感じだったと思うのですが、今はマストと言っても過言ではないくらいですね。  大学生の袴姿は、本当に華があってこれまた素敵。二尺袖に刺繍の袴はレンタルが主流のようですが、お手持ちの振袖にあわせていたり、お身内のものだろうなというウールの袴をつけていたり、みんなそれぞれ。美しいです。  そして今年ははじめて、大学の卒業式で袴を着る!という男子の着付をさせてもらいました。その男子は、二年前の成人式の記念撮影で袴を着て気に入ってくれたのか、今回も卒業式に着ようと思ったのだとか。  成人式のときは、着物なんか着たことないからとちょっと恥ずかしそうでしたが、今回の卒業式での堂々とした着こなしぶりには驚きました。一度着たことがあるというのは、こんなにも違うものかというくらい板についていました。  撮影のときに「胸を張ってね」「手はこう」「羽織紐の房は上を向いてるものだよ」とうるさかったおばちゃんたちの指導をちゃんと覚えていて、ポーズも所作もばっちりでした。  卒業式では、男子で袴なのは一人だったとか。でも、着ていたらとても好評だったそうで、「自分も着たかったけど、スーツにしちゃった」と声をかけてくれた人もいたとのこと。礼装の選択肢の一つとしてもっと羽織袴が一般的になって、着る人が増えればいいのに~と思います。  男子の羽織袴は、七五三でしょとか、成人式でもヤンキーしか着ないとか、目立つからとか、敬遠されがちですが、黒の紋付姿はどっしりとかっこいい、日本男子の第一礼装。卒業式にピッタリですよね。  きっと「男子が卒業式で袴」という発想がそもそもみんなになかったのではないかなと思うのです。知っていたら、女子の袴人口が増えたように着る人増えるんじゃないかな?  もちろん、スーツも素敵です。和装洋装に関わらず、礼を持った服装であればよい。なにを選ぶか、選択肢があってもいいですよね。日本人なら、和装も選択肢に入ればいいなあと思います。  友人とやっているスタジオでの家族写真撮影のとき、羽織袴を選ばれるお父様が増えてきました。これがまた似合う。似合うのです。やはり民族衣裳なだけあるなと思います。  男性諸君! もっと羽織袴着ようぜ! と思った今年の卒業式シーズンの出来事でした。あっ、無論ママもぜひ着物で!

古本屋さんでゲット☆昔の着物雑誌が面白かったの巻

星わにこ
2019/03/20 00:00
 先日、和歌山までお仕事にいく機会がありました。制作に関わっている「フォントかるた」のイベントだったのですが、会場が「本屋プラグ」さんというカフェ、イベントスペースでもある本屋さんでだったのです。イベントもとても盛り上がったのですが、本が大好きな私も本に囲まれてテンションあがりまくり。お洒落なスペースに、懐かしかったり珍しかったりな本がずらりと並んで、新刊書だけでなく、古本やおしゃれな雑貨も置いてあり、ちょっとコダワリがあってセンスのよい友だちの家に遊びにきたような、そんな感覚に。あれも、これもと手にとって見せていただきました。  そこで古い雑誌の中から見つけたのが「きものと装い」という主婦の友の増刊号。1971年10月号でした。今からなんと48年前の本です。表紙は女優の藤純子(富司純子)さん。早速買ってお持ち帰り。  特集は「こんな場所・こんなとき きもので美しくなりましょう」「小紋・つむぎ 年代別のつむぎ」など。昭和生まれには懐かしい、若い頃の大女優さんたちが続々と登場。今より帯が高くて足をなが~くみせるような着付が多いかんじです。ポージングもいろいろで、面白い! 懸賞は「ダイヤモンド入り指輪15名に贈呈」って景気もいい! ピエール・カルダンのきものファッションショーとか、びっくりのヒッピーメイクに着物など、時代を感じます。  ストーリー仕立ての細川俊之・小川真由美夫妻のデートグラビアとか俳優さんの家族紹介ページなどのワイドショーっぽいページの一方、博多織の人間国宝のお話など着物に関しての読み応えのあるページもたくさん。  男性の着姿写真や着付も結構なページをとっています。サザエさんの波平さんのように、男性が家で着物で寛いでいた時代なのでしょうね。そういえばドラマ「太陽にほえろ」の再放送を見ていたら、ヤマさんも家に帰ると着流しでした。まだまだ着物が日常生活に息づいていた時代ですね。 「きもの姿 男のいき」という白黒のグラビアもあり、仲代達矢さんや萬屋錦之介さんの着物姿にまざって、髪がフワフワっとカールして目がくりっとしたちょっとイマ風で一瞬「斉藤工かしら?」と思うようなかっこいい男子がいて、これは誰?と思ったら、石立鉄男さんでした! お義母さんが小唄のお師匠さんとのことで着物は着慣れている‥‥という記事。えええええええ~~~~!! おまえはどこのワカメじゃ~~! ワーカメすきすき♪という姿からは想像もできない、若き日のあんちゃん。びっくり!  他にも、懐かしい女優・男優さんがとても若い姿で掲載されていて、着物を見るのも面白いんですが、なんだか懐かしいアルバムを開くようなそんな気持ちにもなってしまいました。髪型とかも、ああ、母や叔母がこんな髪型だったな、なんて思い出したり。今とは流行も違うし、帯揚や帯締めの処理も、えっ、これもいいんだ、って思うくらいにいろいろ。きものって別に決まりがどうこうじゃなく、もっと自由に着ていいんだな~という気持ちになるはず。  コートやうわっぱりの作り方ページや、「太ったミセスのきこなし12のポイント」(いや~ん参考になるわ~ん(涙))など実用ページも読み応えあり。広告や肌着の紹介なども今はないものがいっぱいで、隅から隅までフムフムニヤニヤ読んでしまいました。  他の昔の着物雑誌も読んでみたい気持ちムクムクです。もし古本屋さんに立寄ることがあったら、古い着物雑誌を探してみてはいかがでしょうか?  

神田明神に芸者衆の踊りと幇間芸を観に行って来たよの巻

星わにこ
2019/03/12 00:00
 江戸の総鎮守として有名な神田明神(神田神社)。商売繁盛、仕事運にご利益があるといわれ、わにこもお勤めしていた時、仕事始めに御詣りにきたものです。最近はアニメの舞台などにもなっており、境内にはアニメキャラクターの看板やお守りも。  その神田明神の文化交流館として昨年末オープンした「EDOCCO STUDIO」に、着物友達で集まって「江戸の華 六花街の芸者衆の踊りと幇間芸を楽しむ」というプログラムを観にいってきました。六花街とは、江戸の6つの花街のこと。芳町・新橋・赤坂・神楽坂・浅草・向島の6つを指すそうです。私が観た二月末は神楽坂の芸者さんによる踊りと、浅草の幇間さんの芸でした。  せっかく神田まで行くので~ということで、老舗のおそばやさん「まつや」で並んでランチ。平日少し早めにいったので、すぐに席につけました。江戸っ子気分でさっとそばをいただいたあとは、14時半の開演まで少し間があるので、その近くのこれまた老舗の近江屋洋菓子店のイートインで名物のアップルパイをつつきつつおしゃべり。フリードリンクだったのですがどれも美味しい&建物やテーブルのレトロ感がたまらずよかったです! なんとトイレも和式。  神田の老舗感を楽しんだあと、いよいよ神田明神に向かいます。まずは並んで参拝した後、御朱印をいただきました。  境内では梅が見頃で、思わず写真を撮りまくるわたしたち。記念写真もパチリ。ちょうど季節と選んだ白梅の着物にピッタリだわ~と自己満足のわにこでした。  そんなこんなで時間がやってきて、EDOCCO STUDIOに移動して、会場に入り、美味しいお抹茶と塩瀬のおまんじゅうをいただきながら、花街や踊りの話などに耳を傾け、ステージの準備を待ちます。  最初に一つ紋の訪問着を後見結びで、衿を詰め気味に着た芸者さんが長唄「松の緑」を、次にお引きをだらり帯でぐっと衣紋を抜いて着こなした芸者さんが「吉原すずめ」を、最後にかけあいで「さわぎ」を、三味線の生演奏で踊るのを眺め。所作や着物のきこなしの美しさにポ~っとなり。  とにかく!! 憧れの芸者さんの踊りと着こなしを、間近でじっくりと見られます。360度隙のない、玄人さんの着姿を堪能。ほんとにほんとに素敵でうっとりです~。  続いて、浅草の幇間、櫻川八好さんが登場。幇間さんとは、男芸者ともいい、お座敷で旦那衆が楽しく遊べるよういろんな便宜を図ったり、その場を盛り上げたり。太鼓持ち、という言葉のほうが馴染みがあるかもしれません。今や、幇間は全国、ということは世界でも、宇宙でも6人しかいないんです、と笑わせながら、花街や幇間についてわかりやすく説明してくれます。パントマイマーからの転身ということで、体を使った芸の面白いこと。話術にも魅き込まれて、笑って盛り上がりました。  すごいな~と思ったのは、もう、全身を使って動きまくって、尻っぱしょりもひょいっとしたり下ろしたりしまくっているのに、着物がまったく着崩れない。体に自然に沿ってとてもカッコいい着姿で、惚れ惚れしてしまいました。男性の着物姿は、いいですねえ~~!  その後、芸者遊び体験ということで希望者がステージにあがって芸者さんと「こんぴらふねふね」をする、というコーナーが。  こんぴらふねふねとは、とっくりをのせる「おハカマ」を使って、こんぴらふねふねの歌を歌いながら、交互に手を出し、ハカマが台の上にあるときはパーを、ハカマを持ち上げられたときはグーを出し、先に間違えた方が負け。という単純なものなのですが、かなり盛り上がります!  やってみたい人~~!という声に、キモトモのいけいけ~というかけ声にのって「ハ~~イ!!」と調子良く手をあげたわたし(えええ)。みんな手をあげるかと思ったら一人だった(爆)。で、一番にステージにあがらせてもらうことに。  芸者さんのやさしい説明と白い手にうっとりしながら、うまいとかやりますねなんて声をかけてもらいつつ、三味線と小唄に乗せて手を動かしますが‥‥ちーん!間違えた~~~! というわけで終了(笑)。記念品をいただいてしまいました。  その後も、スペインからの観光客の方がステージにあがっていましたが、誰も芸者さんには勝てませんでした(当たり前か)。その後は、芸者さんと記念写真タイムののち、解散。とても近くで芸者さんが見られて満足。お座敷で芸者遊びはなかなか敷居が高すぎますが、椅子に座って気軽に雰囲気を味わうことができました。 (写真:渡部瑞穂)  写真もOKなので、インバウンドの方を連れて行ったりするといいかも。あとはもう少し、わかりやすい説明やパンフレットがあるとよかったかな~なんて欲張りなことを思ったりしました。  EDOCCO STUDIOではオープン記念でちょっとお得にイベントが見られたりします。私はティータイムにいきましたが、食事を楽しみながらショーが見られたり、様々な「江戸の粋」に触れられるイベントが企画されています。お手頃なお土産もいっぱい。着物で遊びに行くのにピッタリな場所でした(^^)着物のレンタルもあったりしますし、お友達とワイワイ行くと楽しいですよ!  https://cocoro-k.co.jp/

和菓子で感じる春☆練切教室に行ってきたよの巻

星わにこ
2019/02/27 00:00
着物大好きコミックエッセイスト 星わにこ連載コラム「オトナの着物生活」 和菓子で感じる春☆練切教室に行ってきたよの巻    練り切りは、白あんにヤマトイモや百合根、ナガイモ、求肥などのつなぎをあわせて練り、色をつけて組み合わせたり木型で型をつけたり、細工をしたりして様々な形を表現する、和菓子を代表する上生菓子です。  茶道では主菓子として使われるので、お抹茶とセットでいただくことが多いのですが、季節にあわせた題材、美しい色や形、そしてやさしいお味にいつも魅了されてしまいます。  そんな練り切りを作る体験ができる場所があるということで、友達に教えてもらい、西荻窪の「をかしや」さんに行ってきました。  二月の題材は「梅とウグイス」とのことで、梅と、ウグイスの形の二種類の練り切りを3こずつ、合計6個作っていきます。二月はバレンタインもある、ということで、中に入れるあんこには、なんと刻んだチョコレートが混ぜてありました。一体どんなお味になるのでしょう?  先生はをかしやの店主さん。和菓子屋さんでの修行のほかに、製菓学校で助手もされていたということで、教えるのがとっても上手な女性です。型にとらわれずオリジナルな練り切りを制作して、お昼はカフェ、夜は日本酒と和菓子が楽しめると言う、和菓子好きには夢のようなお店をオープンしてもう3年以上が経つそうです。  練り切り教室も開催されているとのことで、友人と3人で予約して伺うと、西荻の駅前のバルのスタッフさんという外国人の皆さんが4人でいらしていて、総勢7人で賑やかに体験がスタート。着物だったので、割烹着を着てスタンバイです!  最初にどんな練り切りをつくるか見せてもらい、ウグイスの可愛さにノックアウト! わくわくしながらまず、梅からトライ。  赤と白の二色の練り切りを、練って丸めて棒状にしてくっつけ、たいらにつぶして二色の境目をぼかし、そこにあんを包んで形を作っていきます。手の熱で乾いたりくっついたりしてしまうので、こまめに布巾で手を拭きながら、なるべく手早く作業をしていきます。  柔らかい練り切りは、手のひらや指の付け根の柔らかい部分にあてるようにして、形にエッジがつかないようやさしくやさしく扱います。あんこが包めたら、梅の形が彫ってある木型におしつけて、整形。金箔をアクセントにのせて、できあがりです。  白梅紅梅で美しい‥‥あれっ、なんかどこかで見たかも? と思ったらポケモンボールっぽくもあり!? それはそれでとっても可愛い!  3つ、連続で作ることで手も慣れて、形が綺麗になっていきます。これを全て同じ形で作る職人さんってすごい!  次にウグイスにチャレンジ。ウグイス色と白の練り切りをあわせて、雫型に整えて、布巾でしぼって羽根の模様をつけます。これが難しい!!! 力を入れすぎると形が崩れるし、そっとやるとあとがつかないし‥‥。インチキして、竹串で羽根を描いたのは内緒です(内緒じゃないし  黄色いくちばしをつけて、ゴマで目をつけるのですが、みんなが作ったウグイスちゃん、それぞれ表情が豊か~~! 中には、ウグイスというより、クジラにしか見えなかったりするアート作品も。小器用なワタシはわりと無難なウグイスちゃんに落ち着いて、ちょっとつまらなかったです(ええ、こう見えてもA型です)。  そして、作ったその場でお抹茶を点ててもらい、できたてをいただく幸せ!! 以前、茶席でその場で職人さんが作った練り切りをいただくという超贅沢体験をしたのですが、形は不細工でもおなじできたて。愛おしくて、いっぱい写真を撮ってしまいました。  あんこが超フレッシュで、とにかくめっちゃ美味しかったです!! ザクザクしたチョコも、新食感。あう。あんこにチョコ、あう!  買ってくるものはもっと固い感じがします、というと、練り切りとあんこの水分量が違うので、時間が経つと平均化して、こういうあんこのフレッシュさは失われてしまうのだとか。めったにできない贅沢な体験でした。先生ありがとうございました~!  練切体験教室については、をかしやさんのフェイスブックページまたはツイッターからチェックしてみてくださいね。めっちゃ楽しくて美味しい体験ができますよ。お茶やお酒と楽しむのもオススメですっ。  https://www.facebook.com/kimagre.ekbo.wagashi/

もったいないはもったいない!どんどん着物を着ようの巻

星わにこ
2019/02/20 00:00
 お手入れのこととか考えてしまうと、ついついたんすから出して着るのは、結局いつも一緒‥‥。ず~っとたんすに入りっぱなしの着物ってありませんか?  私にも結構あって、先日ひさびさに20歳のころ作った鮫小紋をひっぱり出して着たお話をさせてもらったのですが、着てないのに置き染みができてしまっていたりして「ああ~時々は出してみないとだめだな」と思ったのです‥‥。もったいないからって着ないとそのままだめにしちゃうこともあるのかなと。  いただきものの着物でも、大事に思うあまりいつか着ようと思いつつ袖を通せてないものもあり、「いつかは来ない! 今でしょ!」と林先生の声が聞こえた気がして、ずっとしまってあった結城紬を出して袖を通すことに。  せっかくだから、楽しいおでかけで着たいと思い、友人のピアノ発表会に誘ってもらったのでウキウキと着てみました。  まだ新しいその結城は張りがあってバサバサ歩くと足元がめくれてしまうくらい。そうでした、結城紬は着て、洗い張りをすることで真綿のケバがとれて艶やかに柔らかく着やすくなるそう。だから、昔は最初は女中さんに着せて、柔らかくなってから奥様が着たとか。女中さんはいないので~せっかくだからどんどん着て洗い張りに出せるくらい着倒さなくては!  結城に限らず、紬のものは洗い張りをすると柔らかく着やすくなります。3度目ぐらいが一番着やすいとも。私も、洗い張りをした紬は着やすくなるので愛用しています。自分で育てて着ている!って満足感もあります。  いただいてから二年以上経っていて、その前もあまり着られていた様子のない新品同様の着物。ご縁があってわたしのところにきてくれて、久々のおでかけと、ピアノの生演奏、楽しんでくれたかな~。  ステージに立つキモトモ(着物友達)は美しいドレス姿。華やかなショパンの調べにわたしも心の洗濯ができました。  その日のコーディネートは、その結城紬にキモトモとの思い出のあるものをチョイス。一緒に浴衣写真を撮影して賞品でいただいた帯や、一緒に桜染め体験で染めた帯揚げなど。思えば、長く一緒にいろいろ遊んでもらっているなあ~としみじみありがたく。  普段は、仕事で着やすく動きやすいものばかりを選んでしまいますが、たまにはこうして会う人のことを考えて、うきうきと小物を選ぶ時間もまた楽しいものだなあと改めて。  今年は、たんすに眠っている着物をどんどん出してどんどん外に連れ出そう。もったいないと、眠らせておくのがもったいない。そんな楽しい着物でおでかけを増やせたらいいなあ~と思う春の一日でした。

前だけじゃない!帯揚の見せポイント☆の巻

星わにこ
2019/02/13 00:00
 帯揚って、ほんとにいろいろな模様がありますよね。ちらりと見えるだけなのに、とても凝った模様や絞りや、大きな柄のものもあります。  柄があったら、見せたい!と思うのが人情だと思うのですが、帯揚って見えるのは本当にちょっとなので、なかなか思うところに柄が来てくれなかったり、大きくて見えないことも多々あります。  あまりに大柄な模様は見せるのは無理なので、「その柄の帯揚をしている」という本人の満足感があればいい、とするところであります。それって、着物には結構共通した愉しみですよね。  羽裏に凝る、とか、八掛の模様とか、そういう自分にしかわからない「贅沢」なものだと思います。  先日、ちょっとかわいいワンちゃんの絞りの帯揚をゲットしました。でも、顔の部分は大きすぎて、見えるようにはできません。でも、可愛い足跡をなんとか出したい!  帯揚は、前だけじゃなくもう一つ人から見えるポイントがあって、それが枕の横の隙間のところ。これも自分では見えず、人からもめったなことでは見えない部分なのですが、それでも、ちらりとここにいい模様が来ると、自分が非常に嬉しい(笑)。  帯揚のデザインをみてみると、ちょうどこの部分(枕の両サイドにくるところ、真ん中から15センチから25センチのあたりに模様やポイントがきているものが。絞りの帯揚なども、枕の部分が絞ってなくて、サイドの見え始めるあたりから絞ってあるものがあったりしますよね。  第二の帯揚の露出ポイント(?)、脇の部分にも気を配ってみましょう。  腕を上げてみてみると、鏡では自分でも見える位置なので、着物を着る時にちょっと気をつけてみてください。模様がなくても、この部分が綺麗だと、前に回した時に余計なシワが入らないので帯揚も綺麗に整いますよ。  写真の部分です。帯が柔らかくてちょっといろいろフニャフニャしてますが……(^^;)こんな風に、ちょっと腕を前にやったりすると、ふと見える部分になります。お茶のお点前をしている人を真横から見ていると、結構見えたりします。  帯枕の両サイド、気にし始めると意外と気になるポイント。つい他の人のサイドも気になったりして……あっでも、くれぐれも、他の人の脇の下をじっと見すぎる怪しい人にならないようにしてくださいね!(お前だよ)

大人ピンクのバレンタイン妄想コーデの巻

星わにこ
2019/02/06 00:00
 若い頃はピンクが苦手でした。洋服や小物でピンクを選ぶなんてもってのほか。地味なものばかり選んでいて、着物も自分で最初に選んだものは、紺色でした。  でも母が最初に作ってくれたのは綺麗なピンクの鮫小紋。ええ~~~と内心不満だったけど、成人式に着たり、お茶会や初釜に着たり。今思うと、ああ、そのときピンクを着てよかったなと思うのですが、当時はなんだか恥ずかしかったです。でも、大体親に用意してもらった若い頃の着物って、ピンクが多かったりするのではないでしょうか。  お正月に若め着物を着たのに味をしめ、なんだか可愛い若い着物が着たくなっている今日このごろ。帯次第でピンクも楽しめるかも!?と、先日思い切ってピンクの鮫小紋をひっぱり出して着てみました。  そしたらアレッ‥‥‥身幅がすごく足りないぞ(大汗)!袖も長いぞ! 同席になった傘寿のお煎茶の先生に「お嬢ちゃん、お嬢ちゃん」と呼ばれ、やはり年齢的に無理があったかと反省しきりだったわけですが‥‥。  でも、あんなに若い頃は嫌だったピンクなのに、着ているとどんどん気持ちが若返ってとてもよかったです。また着たいな~。というわけで、ピンクがマイブームなわけですが、まあ、ピンクといってもむしろ、肌にピンクの輝きが失われてきているオトナこそ(爆)綺麗な色で、輝きを補ってあげる必要があるのかもしれません。  とはいえ、ちょっと20歳の時の着物は30年経ってなんとなくアクがでてきていたりもしていて、さすがにこれは仕立て直し時かも(^^;)。20歳と同じピンクではだめなんでしょうね。  大人に似合うピンクもきっとあるはず!  そんなわけでバレンタインにむけて、大人ピンクのチョコレート風味コーデを考えてみました!  少し落ち着いた、無地の結城紬の珊瑚色。真綿紬はマットなので、光りすぎず、ピンクでも派手にならずにオトナ向け。板締め絞りの帯は板チョコのイメージで。着物がストロベリーなので、帯締めはミントで。チョコレート色に梅の花の絞りが入った帯揚と、チョコストライプの半衿をあわせて、大人バレンタインコーデの出来上がり。  こんなしっとり感ならお嬢ちゃんと呼ばれない!はず!  今年は大人ピンクや明るい色に、どんどん挑戦していきたいなと思う、春でした。だってー、今が一番若いんだもの!(爆)

遺影用の写真は、ありますか?の巻

星わにこ
2019/01/30 00:00
 先日、父ととても仲のよかった従叔父さんが亡くなり、そのときに写真加工の作業ならお手伝いができるかなとおもい、ご家族に聞いてみると写真がないのよ‥‥と返事が。結局お役にはたてなかったんだけど、いろいろアルバムを開いて写真を探したようで、私の父と一緒に写っている子供の頃の写真をメッセージで送ってくれました。  二人は母親同士が姉妹の従兄弟同士で同級生で。お母さんと息子同士の4人で撮ったその写真は初めてみるものでした。祖母たちもとても若く、父たちも可愛い可愛いあどけない子どもでした。  こんなときもあったのだと、今はみんな天国にいってしまったけど、確かにこの写真を撮ったときがあり、ワタシの今に繋がっているのだと思うと、とても暖かい気持ちになり。当時と違って、今はスマホとかで気軽に写真もとれるけど、家族揃っての写真ってなかなかないもの。いつかその写真を、自分子供や下の世代の人が見てこんな気持ちになってくれるかもと思うと、やっぱり写真はちゃんと撮っておくといいものだなあと改めて感じた出来事でした。  それと同時に、あ~今私もなにかあったら、どの写真が遺影になるんだろ?とぼんやりと思っていたら。  仕事場のスタジオに「就活用のポートレートを撮影したい」という依頼があって、ヘアメイク+撮影をしたのですが、わたしたち、話を聞いて「就活用」だとばっかり思っていたら、話を聞いたら「『終活』用よ、エンディングフォトよ!」とのこと。つまり、遺影用の写真を撮りにきたということだったのです。  えー!そっちのシュウカツ!? アラフィフなのに早くない!? と思ったのですが、お客様が言うには、なにかあったときに遺影にする写真もないし、適当なのを使われてもやだし、とっておきたい!とのこと。  う~んなるほど‥‥確かに先日の件もあったし、私も両親のとき、写真苦労したなあ~なんて思い出し……遺影用というとちょっとネガティブなイメージがありますが、実際始まってみると‥‥‥  眼鏡を外して、メイクをして、ひっつめ髪を軽くカールしたダウンスタイルにしたお客様は、えっ!というほどキレイに大変身。見ている私達もテンションが上がって、「わー!女優さんみたい!」「キレイ!」「可愛い!」などと大盛り上がり。  お客様も、どんどん表情が柔らかくなって、今の年齢にふさわしい、本当に素敵なポートレートが撮れました。  ヘアメイクさんによると、こういったエンディングフォトは、毎年撮る人も多いのだそう。そのとき綺麗な写真を撮るために、スキンケアをしたり、ダイエットしたり、あと、段々衣裳が華やかになったり(笑)。1年間、どんな風に過ごして、いい顔ができるか。それを楽しみに、日々努力して、イキイキしてくる方がほとんどなんだそう。前の年よりも若返ってる感じがする人もいるとか!  お客様が「こんなにほめてもらってキレイにしてもらって、シンデレラ気分。 なんか自己肯定感が上がった気がする‥‥。私も毎年撮りたい! 一里塚として、それを支えにやっていけそう!(笑)」とおっしゃってましたが、ウンウン、わかる気がする~! 私も俄然撮りたくなってきた!  私だったら着物で残したいな。どの着物にしようかな。ああっマジで悩む!!! あの訪問着? いや留袖でも……うーん暗いかな、色無地は地味? なんて、まだ撮る前からこの悩みよう‥‥。「ポートレートを撮る」と心の中で思ったなら、その時スデに行動は終わってるんダッ!というくらいの勢いで妄想してしまいましたッ。心の中ですっかり撮った気になってしまいましたが、いやいや実際に撮れ、私(笑)  キレイにヘアメイクした写真が1枚あれば、これが私!と思うと、ほんとキレイになれる気がします。自己像のイメトレになりますよね!! 遺影といわず、プロフィール写真としても使えるし、免許やパスポート用にもついでに正面写真を撮っておけばいいわけで。  遺影というと、ドキッとしますが、今現在の自分の姿をリアルタイムでキレイに更新するって、いいことですよね~。いつまでも若い頃とは同じじゃないし、何年も前の奇跡の1枚をずっと使い回してるのも、今の自分に自信がないみたいだし。  堂々と、今の自分が一番いい!と思えるような写真が1枚あれば、ほんとうにそうなれるような気がする‥‥。今日の撮影を見ていて思いました。  さあ、早速自分に予約を入れよう。手帳に書こう。人生は短く、いつまでも続かない。先延ばしにしないで、やれることやりたいことをどんどんやろう! ちょっと着物の話とは離れてしまったかもしれませんが、着物もワタシの人生の一部なんだと思い。どんどん着れるときに着なくては!  前向きな気持ちをもらった出来事でした。