新着記事

アーカイブ

メールマガジン・会員登録はこちらから

振袖や訪問着の伊達衿のゆるみを直す方法☆の巻

星わにこ
2019/12/25 00:00
 今年も残りあとわずか! クリスマスも平日でなんだか慌ただしく目を回しながら年を越しそうな予感しかないわにこです。  でも!お正月になれば、晴れ着。そして成人式の振袖と、華やかな着物を着る機会もあるのではないでしょうか。  そういった晴れ着に使われることが多い「伊達衿」。いつもの訪問着や付け下げ、色無地に足すとあら不思議。胸元が華やかになってフォーマル度がぐっとアップしますよね。  振袖には1本挿したり、2本、3本と重ね付けすることも多い伊達衿。伊達衿大好きな私は、十二単風に5本で着付けたりもすることも。5ミリくらいの幅で、一筋色が入るだけなのですが、意外と効きます! 八掛の色が結構効くように、よいポイントになります。  淡い同系色をあわせれば上品に、反対色を合わせればアクセントに。  色あわせも重要なポイント。例えば同じ赤でもちょっとした色の違いで着物がパっとしたり、くすんだりするので、気がついたら伊達衿がちょっとしたコレクションのように増殖してしまっております(阿呆)。  そんな素敵な伊達衿ですが、実は座ったり立ったりしていると、ちょっと緩んできやすいです。こうなると、せっかくのポイントが台無しに。  一番いいのは姿勢を崩さないこと。猫背にならないように気をつけていると、あまり胸元は緩まないのですが、それでもちょっと緩んで来ちゃったな‥‥と言う時に、緩みを直す方法がひとつあります。  それは、コーリンベルトのクリップを上から押すこと!  伊達衿を使う着付の場合、押さえる意味もあって、コーリンベルトというクリップがついた着付小物を使うことが多いです。コーリンベルトを使って着付けた場合、クリップで、衿と伊達衿を挟んで押さえてあるので、衿が緩んで浮いて来たら、帯の中のコーリンベルトのクリップ部分を探して、上からぐっと押すと衿の緩みがなおる、というわけです。  このクリップがある場所は左右の脇から10~15センチくらい(イラスト参照)。帯の上から指を入れると、あばら骨のあたりに固いものがあるはずです。それを指でぐっと押す。結構押すのに力がいるので、指で押せない場合は、扇子やなにかちょっと固いものを差し込んでぐっと下に押し下げると、衿の緩みが押さえられます。(ペンなど使う場合はインクが着物や帯につかないようめっちゃ気をつけて下さい!!)※コーリンベルトを使ってない場合は、この方法は使えません。  伊達衿を挿して着物を着たら、この裏技をちょっと思い出してください。  でも着物を着た時一番大事なのは姿勢。どんなにキレイな着物でも、姿勢が悪いとしょぼぼーんです。胸をはって、素敵な晴れ着姿を楽しんで下さいね。  今年も拙いコラムをお読みいただき、本当にありがとうございました。皆様どうぞよいお年をお迎え下さい。

織兵児帯を角出し風に結んでみた。の巻

星わにこ
2019/09/04 00:00
 みなさま、織兵児帯ってお使いになったことありますか? 私は去年の夏ぐらいから時々使っているのですが、浴衣のときに結ぶ兵児帯がちょっとしっかりしていて、シワシワにならないけどとっても軽い帯なんです。  今年は夏にこの織兵児帯をしてみたら、半幅よりもめっちゃ軽くて、その分ちょっと涼しいような気がしたので、ついつい手が伸びるようになりました。  普通にふわふわっとリボンで結んでも可愛いし、短冊結びのようにしてもボリュームが出るし、結び目が重くないのであまり下がって来ないのです。私は、ちょっと後ろのポイントの高さを出したいのと、帯揚・帯締めをして名古屋帯風にしたいので小さな帯枕を入れたりします。 >織兵児帯で大人の浴衣☆の巻  今年気に入ってしていたのは、角出し風。夏着物に合わせても、こどもっぽくならずに、ちょっと大人な感じで気に入っています。織兵児帯は達人もいっぱいいらっしゃるので今更かもしれませんが、お会いした方にも「あら、いいわね!」と言っていただいたりしたので、調子にのって(?)ご紹介します。  結び方を説明しますね! 半幅帯のように前で結ぶやり方です。(イラストを参照してください) ・手先を70センチほどとり、手2周、体に巻く。 ・帯の上辺で結ぶ(リボン結びでも、片蝶結びでもOK) ・たれ先を開いて、2重になるように折り上げる。 ・結び目の根本のところでまとめて、銀座結び用の帯枕をあて、そのままでは幅がひろいのでタックをとって体の幅に合わせる。 ・リボン結びの上に帯枕をのせ、まくら紐を後ろで仮結びする。帯揚をかけるときはここでかけてこれも後ろで仮結びをしておく。 ・帯締めを使って、たれ先を決める。 ・リボン結びを倒してお太鼓の中で形をととのえ、角出し風の形にする ・崩れないように後ろに回し、下膨れになるように形を整えて出来上がり。  織兵児帯は、やわらかいものから適度な張りがあるものまで様々。でも、とにかく軽くて結びやすい。その兵児帯によって、形も変わりますが、名古屋帯での角出しと違って、自然な丸みや柔らかさが持ち味になります。帯の長さによっても形が変わりますし、多少形が崩れてもご愛嬌。らくちんで、ちょっと大人っぽい帯結びです。  帯の高さも高めにしたり低めにしたりで印象も変わりますので、お好みで。椅子にもたれて形が崩れても、お太鼓の中に手を入れて、形を整えればOK。ボリュームが欲しかったら、手拭などを入れておいてもいいですよ。私は時々、スマホとかを入れています(え~)。  二つ折りにしても、少し前幅が広すぎることとかもありますし、帯の端がヘロヘロしていることもあります。そういうときには帯の上端を中に折り込んだり、くしゃくしゃ感を活かしたり、臨機応変に。  もしまだ織兵児帯はしたことがないわ、という方がいらしたら、トライしてみてほしいです。軽いと、体が楽だということがよくわかりました! えっ!もしかしてこれって、年をとったせい?

夏着物最終章。秋の気配は小物のカラーコーデで。の巻

星わにこ
2019/08/21 00:00
 暦の上では秋ですが、はい。暑いです。夏の着物って、何が一番快感かというと、脱ぎ捨てるその瞬間ですよね(笑)。だったらなんで着るのかというと、着たいからということに他なりませんが‥‥。そこ含めて夏着物の醍醐味かと思うわにこです。  夏、夏、暑さ対策と言っていても、やはり秋に向かっていく気配はあり。気がつくと夏着物最終章。とはいえ、9月になったらすぐ単衣を着るとか、この亜熱帯と化した東京では考えられない気候です。来年オリンピックとか本当にやるの?と考えただけでくらくらします。  が。街のウインドウだってファッション誌だって秋冬になって行く中、暑いからといって真夏コーディネートではちょっとオシャレ感がないと思うのは私だけでしょうか。  モチーフやコーディネートで季節を表現しやすく、季節先取りがお洒落と言われているのが着物。確かに、洋服で金魚柄とかちょっと大丈夫?と思われそうですが、そんな大胆柄もOKな世界です。  だから、秋の気配を感じたら、私は小物の色遣いを変えることにしています。着物と帯は真夏と同じでも、帯揚や帯締め、帯留などの色やモチーフにちょっと落ち着いた秋色を差し込んで行くことで同じコーディネートでも随分変わってきます。  上級テクニックとして、襦袢の色を落ち着かせることで同じ夏着物でも透け感をなくして秋っぽく、なんてことも。 >濃い色の襦袢で夏の着物を秋の風情に☆の巻  肌着はじめ身につける装備自体は夏でも、色が落ち着くだけでずいぶん見た目が変わるもの。着ている本人も、見ている人も「ああ秋だなあ」なんて思うから人間て面白いですよね。例え、モワモワの熱気と湿気の中でもですね。  じゃあ秋色ってなによ、という話ですが、秋を連想させる色は暖色&落ち着いた濃いめの色になってきます。例えば、紅葉、サツマイモ、栗、かぼちゃ、柿‥‥(食べ物ばっかりかい)。オレンジ、茶色、ベージュ、紫、カーキ、赤などなど落ち着いた、大地を感じさせる色が多め。  夏の終わりから、少しずつ色だけでも落ち着いたものにシフトさせていくと、おしゃれ感アップ間違いなし。自分もウキウキしますよ。  取り入れるコツとしては、いきなりこっくりの秋色よりも、少しずつ薄めの秋色から濃度を高めていくこと、部分使いの挿し色からはじめることでしょうか。  着物はどんなにカジュアルでも、着ているだけで注目されるもの。どうせだったら涼しい顔で、見ている人にも涼感と季節感をお届けできるくらいになりたいものです。私もまだまだ修行が足りませんが‥‥。  夏着物最終章。小物のカラーコーディネートで、ちょっと差をつけて。今年着てないあの夏着物、この夏着物。気がつくと何年も袖を通してないものだって‥‥。いつ着るの?(略)というわけで、まだまだ間に合います。シーズンが終わる前におでかけ計画をたててみませんか?

浴衣のうなじ、衿芯インでキレイ見せ☆の巻

星わにこ
2019/08/14 00:00
 セミの声と強い日差し、殺人的暑さに来年この時期東京でオリンピックってマジですかと白目になっている今日この頃。皆様ちゃんと熱中症対策されてますか?  夏の休日は、エアコンの効いた室内で、ついついパソコンでネットサーフィンや妄想コーデをして現実逃避してしまったり。でもねーこれだけ暑いと、前向きに「お洒落して出かけよう!」という気持ちになかなかなれませんよね。  この暑さでよいところは、お休みの日お洗濯をすれば、すぐに乾いてしまうこと。普段着やシーツや肌がけ布団なんかもばんばん洗ってばんばん乾かす。浴衣や洗える着物も、パリッと乾くので気持ちいいですよね?。 >ネットにいれて洗濯機にポン!? 浴衣のお洗濯とお手入れ☆の巻  さて、浴衣を着た時、着物と同様衣紋が綺麗に抜けていると、うなじがすっきりキレイに見えますよね。アップヘアも映えます。  と同時に、衣紋がちゃんと抜けていると、涼しいんです!  抜きすぎはよくないのですが、詰まっているより、適度に抜けていたほうが断然涼しい。首筋に風が通るようにすると、体感温度が全然違います。  でも、浴衣の衿を抜こうとすると、よっぽど糊がガチガチに固まっていない限り、ちょっとふにゃっとしてしまいキレイに抜けませんよね。 そんなときは、浴衣の衿に、衿芯を入れてしまいます。入れる部分はかけ衿の内側(イラスト参照)。このかけ衿の端っこは縫ってあるので、それを片方解いて中に衿芯を入れます。  入れる衿芯は、できるだけぺらぺらで柔らかいもの、メッシュなどがオススメです。硬いものを入れてしまうと、衿が浮いてしまい胸元がはだけてしまったりするので、必ず柔らかいものを。  衿芯を入れてみたけどうまくいかないというときは、芯の硬さにも気を配ってみてください。  浴衣は半衿がない分、襟元のあわせが浅かったりゆるかったりするとだらしなく見えてしまったり、セクシーになりすぎたり、逆におばあちゃんみたいになっちゃったりするので、前はきちんと合わせましょう。  あともうひとつ、衣紋をうまく抜くには、着付けのコツもありますのでよかったら、ご参照ください。 >衣紋がキレイに抜ける着方☆3つのポイント、プラス1の巻  キレイに衣紋を抜いて、すっきり涼やかな着心地をぜひ体感してみてくださいませ!

夏こそ作り帯☆着付け時間短縮で暑さ軽減!の巻

星わにこ
2019/08/07 00:00
 暑い!マジ暑い! 二進も三進もどうにも暑くて吹き出す汗、化粧もなにも崩れ落ち、この上着物なんてとんでもない!と思ってしまう今日このごろ。  しかし! 夏着物をさらりと着こなせたら素敵ですよね?。街で涼しげな夏着物の人を見かけると、涼しい風が吹いてくるようです。?? 本当は暑いのは知ってます。でも、やっぱり憧れですよねー。  ココイチのお出かけにはやっぱりスキッと夏着物を着こなして出かけたい。  薄物に袖を通すトキメキを感じたい!  だが、暑い!(笑)  素材が涼しいもの、小物も夏仕様にして、保冷剤を仕込んだり(笑)着てしまえば、意外と大丈夫なんです。だけど、着る時点で心が折れることが結構あります。  なので、全部準備を済ませてから、この時だけはエコ精神を忘れて、エアコンで冷やしすぎじゃないの!?というくらいキンキンに部屋の温度を下げて、できたら扇風機もまわして、なるべく短時間でさっと着る! これが鉄則かと思います!  だけど、それでも帯を結ぶ時、いいポイントが出なかったり形が気に入らなかったり、そこでやりなおしの刑になってしまうと、気づくと汗だくになっていたり。帯結びって結構力も頭も使います。半幅帯で結ばない帯結びもいいですが、やっぱりお太鼓でドレスアップして出かけたい時もありますよね。  そんな時、私の心の強い味方が「作り帯」です。帯結びタイムが確実に短縮できますし、気に入った形にならないとか、模様が出ないとか、そんな心配もありません。  お太鼓の作り帯にはいろいろな種類があります。 代表的なものは ・最初からお太鼓の形になっているもので胴に巻くだけのもの ・帯を切らずにマジックテープなどをつけて作り帯にしたもの ・胴とお太鼓が別々になっていて、お太鼓が形になっているもの ・胴部分とお太鼓部分が平らな状態で二部、もしくは手が別になっていて三部になって いるもの といったところでしょうか。  お太鼓が形になっているものは背負うだけ、巻くだけで早いのですが、形が最初から決まりすぎていたり、いかにも作り帯という感じだったり、あと、収納に結構場所をとるんですよね。  その点、平らな状態で二部、三部になっているものは、普通に帯を結ぶ時と同じ感覚で好みのお太鼓が作れますし、収納も平らな状態でできます。私はこちらがお気に入りです。  特に、この方式のものは手の処理が様々で、胴に巻く部分が少し長めになっていて折り返す方式や、お太鼓側に手だけが縫い付けてあったり、様々です。意外とこれが思ったところに持って行きにくかったり、私は手間どってしまうことが多いので、三部式になっているものが一番気に入っています(時々あっ!手の部分がない?なんて焦る こともありますが(ちゃんと仕舞っておけ>自分)  もし、夏に着物を着るのがハードルが高いなあーと思っている方がいらしたら、作り帯、ぜひ試してみてください。最初から作り帯になっているものもありますし、自分の帯を切って作り帯にしてもいいし、切るのに抵抗があったら、切らずに作れる作り帯もありますよ。  浴衣も同様。帯でつまづいて着ないのならば、作り帯上等ではないですか。  夏こそ! 着物を楽しんでみませんか。

雨の日の着物。裾はウエストベルトで持ち上げて!の巻

星わにこ
2019/07/17 00:00
 心から、お日様が恋しい日々が続いている梅雨の時期。涼しいのは有難いんですが、洗濯ものも困っちゃうし、じめじめすぎて頭からキノコが生えてきそうです。早く梅雨明けしませんかねー。  先日、雨の日にちょっとしたパーティがありまして、着物ででかけた私ですが、「今日は雨だから、着物やめちゃった」という人が何人もいて、ちょっと残念でした。  私の場合、着物以外にそういう場に着て行くものがないので着物を着る選択肢以外ないわけなのですが(爆)、着物が濡れたら困るな、雨コートはどうしよう、暑いかな、雨草履もないし‥‥となると、着物を着ること自体をやめてしまうという気持ちはよくわかります。  もう、多少の雨なら図太く外出してしまうようになった私の、基本雨対策はこんなかんじ。 >正絹着物でもできる雨の日対策  ほとんど変わってはいないのですが、アップデートとしては、着物をめくりあげるときに使う腰紐は、着付クリップで帯にとめちゃう方式もオススメ。大雨の日は撥水モンペを履いてしまう手もあります。  でも最近、ウエストベルトをつかって、ちょっとだけ上げる方式というのをキモトモに教えてもらいました。  着物をめくりあげる方式は、裾がよごれなくて安心なんですが、めくるとき、下ろすとき、人前ではちょっと恥ずかしいですよね(^^;)  ウエストベルトを、ヒップのあたりに着物の上からセットします。ウエストベルトの上から好きなだけ裾をひきあげればOK。その上に雨コートを着てしまえば、裾が短くなっているのも見えません。コートを羽織ってから前を合わせる前に、裾の調整をすると、トイレに行かなくてもささっと身支度できます。  裾を下ろすときも、ウエストベルトをとればそれでOK。コートの紐をほどいたら、脱いでしまう前に、さっと外せば元通りなので、とてもスマートですね。  ウエストベルトは、本来腰紐の代わりに使うもの。平らだし結び目もできないので、おはしょりが短めの着物の時など重宝します。実はゴムがあまり得意でないので買ったけど使ってなかったのですが、雨の日に使えるようになって嬉しいわにこです。梅雨時だけでなく1年中使えるテクニックですので、覚えておいてくださいませ(^^)

結ばない帯結び☆太めのアラフィフが試してみたら?の巻

星わにこ
2019/06/26 00:00
 今、結ばない帯結びが流行っていますね。大阪の着付師ayaayaさんが考案、Youtubeやインスタグラムでらくちんかんたんと大人気です。その他にも和洋ミックススタイルのような帯ベルトもあります。  要するに、半幅帯を半分の長さに折って、ぐるぐると巻いた上に、帯締めやベルトで止めちゃうと言うもので、へえ~そりゃ楽だよね! 確かになにがなんでも結ばなきゃいけないってこともない。作り帯なんか、巻いただけなんだから、結び目がなくても機能としては成立するはず。  大体、みんな帯が結べな~い! って苦労してるわけだから、そこがないとなれば、すごく着付のハードルが下がりますよね。夏の浴衣でも見かけることが増えるのではないでしょうか!  と思いましたが、ちょっと待って。結ばないということは、後ろ姿はフラットな半幅だけ‥‥。ということはすっっっごくおしりが目立っちゃうってことですよね。  そう思って、改めて「いいですよ!」「素敵ですよ!」と実践している写真を見てみると、若い人、スリムな人、スタイルがいい人‥‥‥。  あー。。。こうね、ちょっとでもおしりをみせたくないなと、半幅帯でもタレが下がるタイプの結び方をチョイスしている太めのアラフィフおばちゃん(自分)には絶望的な結び方なんじゃないかな……ということに気がついてしまいました。このおしりが、どーんと、丸見え……いやー!ムリムリありえない!  私もね、ずっと自分は中肉中背だと言い張ってきました。だけど、産後どんどん太って、現在臨月の体重などとっくに越えて、人生最高体重を更新中です。もう立派な太めのおばちゃんです。えーなんかもう想像しただけで絶望的になってきました‥‥。  でもでもね、そんなおばちゃんだって楽はしたいわけじゃないですか。夢をみたっていいじゃないですか(オーバー)というわけでどんなもんだか実験してみました(強心臓)。  お茶のお稽古で着装してみましたので、雑巾掛けはするわ立つわ座るわで、結構動きましたが、結んでないことで起きた不具合はありませんでした。途中、あ、ちょっとゆるんだ?と思ったときは、一番身体の内側になっている巻き始めの部分(輪になっている)に指を入れて、ぐっと締めれば結構簡単にゆるみが直りました。結構きちんと締めておかないと、危ないかもしれません。  楽にしたかったので、帯板ははぶきましたが、帯板をすればさらにキリっと締められそうです。結論、普通の帯結びと変わらないし、むしろ後ろに何もないのでかなりラク。ドアノブにひっかかって「ひいい!」なんてこともありません。  しかし……あまりに後ろ姿のノーマークぶりがどうしても厳しかったので、前でバラバラとつけてある帯端のポイントを、後ろに持って来てみました。そしたら…‥少しは救われた気がする‥‥おしりのライン丸見えよりは‥‥。気のせいかもしれないけど(爆)  それに、後ろにポイントを持って来たほうが、前から見ると一見普通の帯結びで、私はこのほうが好みでした。いかにも「結ばない帯結び、やってまーす!」にならないし、どうも前にいろいろポイントがあるのが落ち着かなかったので、オーソドックス好きな自分的にはこちらがよかったです。要は帯が外れなきゃいいわけですから、ヒダヒダをいっぱいとったり、もっといろいろ遊んでも面白そう。  ヒップラインに自信がある人は、どっちだっていいと思います!(結局そこね‥‥)。帯自体がベルトになっているようなものも、アリですよね。  結局結ばない帯結びは、帯締めをどれだけきちっと結ぶか、にかかっていると思うので、よく見かける、ビーズベルトや幅広ベルトで止めるのは理にかなっていますよね。帯締めにこだわらず、ベルトで止めた方が安心かもしれません(もちろん  先生には「まあ~後ろになんにもないなんて、遊女や寝間着じゃないんだから~」と言われてしまいましたが(^^;)簡易な結び方(巻いて挟むだけも含む)というのは、寝ても邪魔にならないということで、用いられてきた場面もあるのでしょうね。  でも今はもう令和。そんなことはキニシナイ。むしろ、洋服を見慣れた目で見れば、このほうが自然なのかもしれません。お太鼓結びは、外国の人から見ると「なぜリュックサックを背負っているの?」と言われるようなストレインジさなわけですから。これからはこちらがスタンダードになる!? そして着付け教室もいらなくなる!? そんなことを思ったら、うふふと笑えてきました。  だって、本当に時代が変わったんですもの。今まで、これでなくてはならないと、キュウキュウに締め付けられていたものが、ポンっと自由になった感じ。一体誰が、それを正しいと決めたの? といいたくなるような決まりやしきたりで窮屈きわまりなくなっていた着物の世界も、またファッションに解放される時がやってきたような。そんなワクワクを感じる「結ばない帯結び」でした。  気楽な場面ではまたやってみようと、太めのおばちゃんも思っております!

日焼け&冷房対策☆着物にも夏ストールが便利だよ!の巻

星わにこ
2019/05/29 00:00
 もう何を着ていいかわからない! と毎年言っている気はしますが、暑かったり肌寒かったり、予報で聞いてないよ!という雨が降ったり、本当に悩ましい日々が続いております。  この1ヵ月くらい、大活躍しているのがヨコ120センチ、タテ200センチという薄手の木綿の大判ショール。インド綿だと思います。特に着物用で買ったわけではないのですが、大きいので着物と帯をしっかりカバーできます。  ここまで大きくなくても、帯まで隠れるくらいの幅(横幅80センチ以上)あるといいと思います。  なにしろいいのが、さっと羽織れてさっと外せて、畳むのも適当でよくてコンパクト。カバンにふんわりつっこめばOKです。  日差しの強いときは日焼け止めにもなってくれますし、少々の雨なら広範囲カバーもしてくれます。薄手でもボリュームがあるので首をしっかりくるめば結構暖かい。でも、衣紋の部分をぬいて羽織れば風も通ってさほど暑くもありません。考えてみると、暑い国では大判の布を身体に巻いていることが多いですよね。  上着を持ち歩くより断然楽なので、洋服の時でも愛用しています。見た目はちょっと遊牧民みたいになりますが(笑)形も自由自在なのがグッド。冷房の効いたバスや電車に乗っても、少ない動作で羽織ったり、寒いところだけカバーできたりするのでめちゃめちゃ楽チンです。  あとはやはり、帯に汚れをつけたくないとき、混んだ電車の中など羽織っていると安心なのです。  今、この原稿を書いているときも、窓をあけたらちょっと肌寒かったので、早速肩にかけております。  木綿なのも大きなポイント。寒い季節には使えませんが、ざぶざぶ洗えるし、この時期重宝な素材です。  羽織モノももちろんよいのですが、それにプラスワンしてもいいくらい。 「夏ストール」という名前で、日焼け対策や冷房対策に大判のコットンやガーゼのストールが売られていますが、着物に使うなら、羽織った時に帯をストンとくるんでくれるように、すべりのよいものがおすすめです。透け感のあるものもおしゃれですよね!  気を使わず、くるくるっと適当にたたんでもいいのがまた嬉しい!  手頃なお値段で手にはいりますので、探してみてはいかがでしょうか。バッグに入れておくと、めっちゃ重宝ですよ! 

新元号「令和」と白大島の二部式着物?の巻

星わにこ
2019/04/03 00:00
 まさに「花冷え」という言葉がぴったりの今日このごろ。桜は満開だけど、とにかく寒い(><) そんな中、新しい元号が発表になりましたね。  万葉集にある歌の序文「初春の令月にして、気淑く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫らす」からとって「令和」。最初聞いたとき、へえっ!と思いましたが、あっという間に慣れてきました。初めての国書からの引用とのことですが、元は漢詩から来ているのではないの? などいろいろ思うところはありつつ、素敵な元号に決まってよかったです。  令と聞いたとき、令嬢の令、と思った私。令月(よい月)の令だったのですね。字の形やイントネーション、アクセントは何が正しいのか、なんて話題もありますが、「決まりはない」というのが内閣府の見解です。ほんとほんと、それぞれの解釈でいいと思います。この場合、望ましいのは「自分と違う解釈をdisらない」ということだと思うのです。それが「和」だと思います。  さてさて、その元号を決める有識者会議に出席する、宮崎緑・千葉商科大学教授の着物姿も話題になっていましたね。白大島に、袖無し羽織姿ですが、帯が見えない。あの襟元の雰囲気からして二部式着物(セパレート着物)なのかなと思います。フォーマルな場所にこの着姿。好みはおいといて、いいぞもっとやれという気持ちです。着物警察が白目をむくような全てにおいての逸脱ぶりが素晴らしい! きっと新時代を感じさせるためのチョイスなのでしょうね。  映像を拝見した限りで私なりの知識で解説しますと、まず大島紬は高価ですが、紬なのでフォーマルな場所には着ない、というのが通常です。特にお召しの白大島は、大島紬親善大使もなさっているというお話ですし、下世話ですがかなりのお値段ではないでしょうか。まずはそこからズバっと外してきています。  次に二部式着物。いわゆる簡易な着方となります。帯をしないのでとっても楽ちん。二部式着物の愛用者は昔から一定数いますが、洗える二部式着物=飲食店の制服が一番ユーザーが多いイメージです。一見着物ですが、いわゆる着物とは全く着方も異なります。  そして袖無し羽織。羽織は紋付だとフォーマルになりますが、袖無し羽織はお袖がない分、気軽に羽織る防寒、ちりよけのような感じになります。お寺の奥様や呉服屋さんの女将さんが作業時や防寒に黒い袖無し羽織を着ていたり‥‥そんな印象でしょうか。あとはご隠居さん?  男性は、陣羽織のイメージでよく着ている方がいますが、こちらも着物だけではなく、作務衣とかにあわせたり、割に気軽なイメージです。  まあ、とにかく晴れの場に出る着姿としては、いわゆる常識から「これでいいのかしら?」と突っ込むどころか、あまりにすべてをズバズバ度外視してきているので、どこから突っ込んでいいかわからずしっぽを巻いて退散するしかないレベルです。実に痛快です。  どうせだったら、林真理子先生も、ばーんと志ま亀の着物とかでいらしてくださればもっともっと着物が話題になったのになと、惜しい気持ちでいっぱいです。オーソドックスな着こなしをされる林先生との対比がものすごく楽しそうです。「着物ってこんなにいろいろあるんだ!なんでもいいんだ!」と注目されたんじゃないでしょうか。内閣府にも「どちらでもいい」と言っていただきたかったところです。まあ、そこがメインの話ではないわけですが。  珍しく時事問題(?)に斬り込んでみましたが(笑)、いやほんと。新しい令和の時代には、なにが正しい、間違っているという窮屈な枠を外して、違う価値観を尊重し、世界と仲良く、和を持って尊しとなす、そんな風に生きられるようになってほしいですね。残り1ヵ月を切った平成の時代。あの、怒濤の昭和の終わりを知る人間としては、生きているうちに譲位され、混乱なく新しい時代を迎えられるよう決断された今上天皇に心より感謝して過ごしたいものです。  令和の時代。着物はいったいどうなっていくのでしょうか? いやぶっちゃけ最低限の礼さえ失しなければ、みんな好きに楽しく着たらいいですよね! 過度な「決まりはない」時代になってほしいです。ほんとに。

前だけじゃない!帯揚の見せポイント☆の巻

星わにこ
2019/02/13 00:00
 帯揚って、ほんとにいろいろな模様がありますよね。ちらりと見えるだけなのに、とても凝った模様や絞りや、大きな柄のものもあります。  柄があったら、見せたい!と思うのが人情だと思うのですが、帯揚って見えるのは本当にちょっとなので、なかなか思うところに柄が来てくれなかったり、大きくて見えないことも多々あります。  あまりに大柄な模様は見せるのは無理なので、「その柄の帯揚をしている」という本人の満足感があればいい、とするところであります。それって、着物には結構共通した愉しみですよね。  羽裏に凝る、とか、八掛の模様とか、そういう自分にしかわからない「贅沢」なものだと思います。  先日、ちょっとかわいいワンちゃんの絞りの帯揚をゲットしました。でも、顔の部分は大きすぎて、見えるようにはできません。でも、可愛い足跡をなんとか出したい!  帯揚は、前だけじゃなくもう一つ人から見えるポイントがあって、それが枕の横の隙間のところ。これも自分では見えず、人からもめったなことでは見えない部分なのですが、それでも、ちらりとここにいい模様が来ると、自分が非常に嬉しい(笑)。  帯揚のデザインをみてみると、ちょうどこの部分(枕の両サイドにくるところ、真ん中から15センチから25センチのあたりに模様やポイントがきているものが。絞りの帯揚なども、枕の部分が絞ってなくて、サイドの見え始めるあたりから絞ってあるものがあったりしますよね。  第二の帯揚の露出ポイント(?)、脇の部分にも気を配ってみましょう。  腕を上げてみてみると、鏡では自分でも見える位置なので、着物を着る時にちょっと気をつけてみてください。模様がなくても、この部分が綺麗だと、前に回した時に余計なシワが入らないので帯揚も綺麗に整いますよ。  写真の部分です。帯が柔らかくてちょっといろいろフニャフニャしてますが……(^^;)こんな風に、ちょっと腕を前にやったりすると、ふと見える部分になります。お茶のお点前をしている人を真横から見ていると、結構見えたりします。  帯枕の両サイド、気にし始めると意外と気になるポイント。つい他の人のサイドも気になったりして……あっでも、くれぐれも、他の人の脇の下をじっと見すぎる怪しい人にならないようにしてくださいね!(お前だよ)

疲れない足袋選びは「足幅」がキメ手☆の巻

星わにこ
2018/11/14 00:00
 皆様、足袋ってどんな基準で選んでますか? 私は外反母趾で足首がむくみやすいという、ピッタリ合う足袋がなかなかないお悩み足で、足首に合わせてぶかぶかのキャラコかゆるいストレッチ足袋を履いたりしていました。  一度老舗足袋屋さんで足をみてもらったこともあるのですが、足袋は小さめをキュッとシワなくピン!と履くのが粋、と選んでもらったキャラコの足袋は痛くて履き続けることができず、断念。誂えるのも大変だし、私の足にはピッタリの足袋はないからもうタビックスでもいいや、なんて思っていたのですが‥‥。  先日きものEXPOにもいらしていたゑびす足袋本舗さんで採寸をしてもらい、選んでもらったキャラコの足袋を履いてみたら、痛くなかったんです! そしてストレッチ足袋より断然足が綺麗に見えるのです。下を見たとき、足袋が目に入ると嬉しくなってしまうくらい。  何が違うのか!? 採寸をしてくださった創業158年という大阪の老舗、ゑびす足袋本舗五代目の白記澄子さんに足袋選びのポイントについて伺ってみました。  まず、足の長さについては小さめは選ばないこと。足が痛くなってしまう原因はつま先が圧迫され続けることだからです。  次に足の幅(指の付け根のあたり)は、少し足の裏がアーチ型になるくらい、キュッとホールドされるものを選ぶこと。足の幅に余裕があると、足の裏がぺったりと地面に着いてしまうので却って足が痛くなったり疲れてしまうのだとか。  程よくホールドされて足の裏がアーチになることによって、足が着地するたびにクッションになって衝撃も吸収され、またその部分がポンプのように動くことで、血液の循環が良くなり、足が疲れにくくなるのだそうです。  てっきり、余裕のあるサイズを選んだほうがラクだと思っていたのでこれは目からウロコなお話でした! ゑびす足袋の三代目のご当主が大学教授の指導のもと人間工学に基づいて戦後の日本人の足形の研究を行い、たどり着いた足袋の形。足裏の筋肉をサポートして、長時間歩いても疲れにくい構造になっているそう。  実際、ゑびす足袋を履くと、決して窮屈ではないのに足が一回り小さく見えるのはその足の幅や足袋の縫い目など細部にこだわった作りのせいなのですね。  そしてやはりきちんと足のサイズにあった足袋を選ぶことが最大のポイント。なので、ゑびす足袋さんでは「採寸」をとても大事にしています。誂えなくても、長年の積み重ねから生まれた豊富な足形の既製品から自分にあったものを選ぶことができます。ホームページにも詳しい足のサイズの測りかたが書いてありますが、自分ではなかなか正確には測れないので、採寸してもらうチャンスがあったらぜひ出向いてみてください。お近くのお店で足袋の採寸をリクエストするのもアリ!ですよ。 http://www.ebisutabi.co.jp/  足袋のメーカーさんもいろいろあってそれぞれ特色があります。もし自分が今ピッタリだなと思う足袋があったら、どこのメーカーのものかちゃんと覚えておくのも大事なこと。なにかあったら問い合わせや相談もできます。  おしゃれは足元から。白足袋がキリリと決まった足元は本当に美しいものです。色柄足袋、レース、いろいろありますが、まずはサイズ選びから足袋のキホン、見直してみませんか。

姿勢と所作で着物姿がキマるのだ!の巻

星わにこ
2018/10/17 00:00
 やっと袷に袖を通してもいいな~と思える気温になってきましたね。やっぱり袷の心地好い重みといいましょうか、を感じると、「着物を着ているな~」という喜びというかワクワク感が沸き上がります。  先週補整をすると着付がラクですよ~と言いましたがもうひとつ。姿勢と所作で着物姿がぐんとかわります!というお話です。着物にあった動作をすると、着崩れ方も違ってくるなと日々実感しております。  中学生のころお茶を習い始めたときに、何故こんな動作をするのか?というのがよくわかりませんでした。畳を何歩で歩くとか、建水をひくとか、肘を張るとか、そういった動作が、着物を着た時にはじめてピタッとはまって「あっ」と思ったものです。着物を着ている前提での動きだから、洋服での動きとは違うのですよね。  でも、実際着物で動いてみないとわからないこともいっぱい。洋服のときは一度も邪魔に思ったことのないドアノブが、着物を着ると袖にひっかかってものすごく邪魔になるとか。腕をバーンと上にあげるとテキメンに着崩れちゃうとか。  着物だからってそんなに楚々とばかり動くわけにもいかないし、なんだってできることはできるんですが、洋服の時とはちょっと違う動きを意識すると、いいのだと思います。  そうはいっても、日本人の体型もかわってきているし‥‥と思っていたのですが、着物をきこなすのは体型じゃなくて姿勢と所作だ!と思い知ったのはアメリカ人の俳優さんのポスター撮影を行ったときのことです。    写真撮影のお手伝いしたのは、10月21日に行われる国際京都学シンポジウム「テレビドラマの外国語~京都育ちアメリカ人の役者人生~」。 大河ドラマ「西郷どん」や正露丸CMにも出演されている京都育ちのバイリンガル俳優ブレイク・クロフォードさんは日本語ペラペラ。だけど見た目は完全にアメリカ人なので、ドラマ出演の際にはわざとヘタクソな日本語をしゃべることもある? ドラマの台詞や演出を通して考える、英語と日本語のコミュニケーションについてのお話です。そんなシンポジウム用のポスター用にスーツと浴衣姿で撮影をしたのですが‥‥。  背が高くて足が長くて胸板も厚い西洋人体型ですから、もちろんスーツの似合うことこの上なし。やっぱり日本人のスーツ姿と全然違うわ~なんて思っていたのですが、浴衣に着替えていただいたら、あれっ!これまた似合うのなんのって。イケメンに限る、っていうだけじゃなくて、浴衣のときの所作とポーズが、スーツのときと違って重心が低いというか、腰が決まってるんですよね。  うかがってみると、クロフォードさんは若い頃歌舞伎をされていて、京都南座でも働いていらしたんだとか。そんじょそこらの日本人よりずっとずっと着物姿が板についているのも納得でした。もちろん着替えもご自分で「ずいぶん久しぶりに着るから~」とおっしゃってましたがササッと着られて、これまたかっこいい~!  着物が板についてるかついてないかって、どこの国の人だからじゃなくて、着た回数なんだなと。民族衣裳だから、わたしたち日本人に似合うけれども、それと「着こなし」は別ものなんだなと。  スーツの時とスイッチを切り替えて、つぎつぎと着物姿がカッコよく見えるポージングをカメラのまえで繰り出すクロフォードさんに、仕事を忘れかけてキャーキャー言ってしまったワタシたちでした(笑)。シンポジウムは当日参加もOKだそうなので、興味のある方はぜひおでかけ下さい!  着物を着たら背筋を伸ばして、そういわれると胸を張る人が多いのですが、私はむしろ「腰を立てる」ではないかと思っています。帯を締めると洋服のように腰を曲げて猫背で座るようなことはできません。クっと腰を立てると背筋もしゃんとします。あとはスマホを見るような前肩をストン、と後ろに流すとムリに胸を張らなくても流れるような綺麗な姿勢になります。胸を張ると肩もいかってしまうので、ちょっと違う気がするのですよね。  まあ、急に着物が板についたり、着こなしがアップするということはないわけで、私もまだまだ全然なんですが、着物を着る回数を重ねるのと同時に「こう動いたらキレイ」とか「こう動いたらラク」ということを意識するとよいのだろうなと思います。  立ち方座り方‥‥時代劇や日本舞踊など、写真だけではわからない、実際動いている着物姿の動画を見てイメトレをするのもひとつです。なんでも型を真似することから。洋服のときとはちょっと違った「着物の所作」を意識してスイッチを切り替えれば、着姿もぐんとアップすること間違いなしですよ~!

補整がうまくいくと着付はとってもラクになる!の巻

星わにこ
2018/10/10 00:00
 着物を着始めた頃、言われるがままにタオルを2本縫い付けてウエストに巻いていました。胸を押さえたり、ベストのようなものを着たり。  太って見えるだけじゃない?とずっと思っていたけど、良く着るようになって補整がうまくいくと着付が楽だということに気がつきました。着崩れも断然しないし、体もラク。どうしてなのでしょうか?  なぜ補整をするのか。その大前提は着物が平面でできている衣類だからです。洋服のように体の凹凸にあわせて型紙ができているわけではなく、平らな布を凸凹のある体に巻き付けていくわけですから、どうしてもシワになったりギャザーが寄ったり。体と布の間に空間ができると、そこから着崩れもします。  なので、土台になるボディをなるべく凹凸がなく整えてあげると、着物は断然着やすくなるというわけです。でも、ただ凹んでいるところを埋めて行くとどんどん太ってしまう! スッキリと、しかもゆるやかで女性らしいラインは残しつつ、着付のしやすいボディにはならないものか?   そんなとき、たかはしきもの工房の補整グッズに出会いました。胸はつぶすのではなく、寄せてアップする。ウエストはちょい足しで、お腹はひきしめる。  さらしやタオルなどでも補整はできるのですが、テクニックが必要。簡単にラクにできるグッズに目からウロコでした。補整さえきちんとできれば、着付の8割は上手くいったようなものと言われましたが、なるほど~の目からウロコの連続でした。  5年前にいち利モールさんのイベントで女将の髙橋和江さんにお話をきいて肌着や補整への関心がぐっと深まったのですが、さらに工房の補整は進化しつづけています。  先日そんな髙橋女将の補整術の本がついに出ました。手ほどき七緒永久保存版『「たかはしきもの工房」髙橋和江さんの十人十色の「補整」術』です(タイトルが長い!)。タイトル通り、いろんな体型の方に「どういう補整が必要か。そしてそれはどうしてなのか」という理論も教えてくれる本です。  今まで補整なんて必要ないわ!と思っていた方にも、補整のよさをよく御存知の方にもぜひ手に取っていただきたい一冊です。私自身は、キレイに着付ができるということももちろんですが、補整をすると自分の体がラクなので続けています。  体に食い込む腰紐、胸元をしめつける伊達締め‥‥キレイに着るにはきつく締めないとだめよと言われ、本当に嫌でした。でも、動くと崩れてしまうし‥‥。そんな悩みも、ウエストにしっかり補整を入れることで紐を締めても苦しくないし、胸元をきつく締めなくても、着物が体に添ってくれるので着崩れしにくくなりました。  そして気になる下腹、ヒップ。年齢とともに気になる部分もキュっと引き締めることでスッキリ。ちょっと待って、引き締めたら苦しいんじゃないの!?と思ったアナタ、骨盤周りは引き締めても苦しくないどころか、腰骨が立ってすごくキモチいいんですよ! 裾よけを正しくつけると、姿勢もよくなって一石二鳥なんです。  ゆるめるところと引き締めるところを間違えずに体にぴったり着物を添わせて布地で体を支えれば、楽で着崩れない着姿の完成です。補整入れる派入れない派はあると思うのですが、ちょい補整、一度入れてみては。または入れすぎ補整を抜いてみてはいかがでしょうか。  来週から開催の「キモノEXPO」でも、補整講座があります。わにこも16日~20日、たかはしきもの工房のブースでお手伝いしておりますよ。なぜ補整をするのか。補整のメリットを知って、自分の体型にあう補整を探しにいらしてください。  キモノEXPOは他にもいろんな着物周りの「知りたい」に応える講座や、手作り小物の講座もたくさんありますよ。やっと過ごしやすい気候になってきた10月半ば。おキモノまわりの楽しみを見つけにきてね! ▼キモノEXPOはコチラから▼ https://www.ichiri.ne.jp/lp/1810_expo/  

帯締めクロスで帯まわりを遊ぶ☆の巻

星わにこ
2018/09/12 00:00
 台風や地震で落ち着かない秋の始まり‥‥被害にあわれている皆様に心よりお見舞い申し上げます。小さなことですが私の田舎でも台風21号で敷地で倒木があり、道路の邪魔になっていると連絡がありました。片付けも終わらぬうちに次の台風の予報にやきもきしたり、心が休まりませんが、災害への備えを改めて考えさせられます。  永遠に続きそうだった暑さも一段落で、そろそろ衣替え。着物が楽しい季節がやってきますね。このごろ気になっているのが帯締めのクロス使い。大きめのベルトのバックルのような帯留に帯締めをクロスさせているキモトモがいて、素敵だったので早速マネしてみました。  普通の帯留に細い帯締めを2本通してみたら、三分紐1本使いよりぐっと表情が出て楽しい!  大きめの帯留はもちろん、普通のものでも帯締めを2本通せるような金具の帯締めやブローチなど、たのしめるものは結構ありました。金具の足が2本あるものは片方づつ違う帯締めを使っても楽しめます。  帯締めはどの色にしようかな~って決めかねる時もあるのですが、そんな時は2本選んじゃえばいいんだ!って欲張りですか?  最近の帯留は、結構大きいものが多くて、へたすると帯締めが迫力負けしてしまうものもあったりするので、どーんとインパクト大にしたいときなど使えるワザです。  無地や大人しい帯も、賑やかに変身できます。コーディネートがちょっと物足りないなと思われたとき、ぜひチャレンジしてみていただきたいテクニックです!  これが、細めの帯締めをクロスさせて遊んでみたときです。そして実は、帯揚はスカーフ、帯はつけ帯、浴衣をうそつき衿で着物風に着ているといういろいろなフェイクコーデでもあります(笑)。  オーソドックスなコーディネートも大好きですが、要素をプラスして盛っていくおしゃれも楽しいものです! あとらくちんに手抜きして着るのも、楽しいです(笑)。以前はとてもルールにこだわったり、そういうものでしょ、という思い込みが私にはありました。でも、こだわりなくファッションとして楽しむキモトモがいっぱいできて、目からウロコがいっぱい落ちてます。まだまだ、弾けきれない中途半端な部分はありますが(笑)。  なんでもそうかもしれませんが、自分で枠にはまってしまうと、楽しくないこといっぱいあります。着物もおしゃれ、絶対こうでなくてはならないという決まりはありません。ちょっと面白いなと思ったり、あら素敵と思ったらどんどん取り入れてみませんか。新しい自分が見えてくるかもですよ。

うさぎさんの単衣でお月見妄想コーデ☆の巻

星わにこ
2018/09/05 00:00
 9月になり少し過ごしやすくなったかな、と思ったのも束の間の大型台風、皆様大丈夫でしたでしょうか。まだまだ蒸し暑い日が続きそうですが、気持ちだけは秋に向けて、おしゃれを楽しみたいもの。  今回は、素敵な十日町紬の兎の反物を発見! 早速試着室でコーディネートしてみました。  新潟県の十日町は豪雪地帯で、冬の間の生業として織物の技術が発展してきました。現在も着物の一大産地として知られています。そんな十日町で織られている先染めの紬ですが、格子や縞だけでなく、こういった凝った柄も一寸の狂いも許さない職人技で生み出されています。  色がシックなので、さりげなく、でも可愛くお洒落なほどよさがたまりません。筆を持って○を書いていますが、○がお月様のようでもあり、うさぎさん自身が筆で描かれた絵のようでもあり。鳥獣戯画ファンにもぐっときそうな図案ですね。  今回は麻の帯をあわせてみました。丸くぼかしが入っていて、遠くから観ると夜空に浮かぶお月様のよう。鈴虫の声が聞こえてきそうです。  半衿や帯揚・帯締めは少し抑えた秋の色を選んでみました。単衣の時期は本当に短く、さらに初夏と秋とそれぞれをイメージさせる色柄で、おでかけ予定と気温や天気を見て‥‥となると本当に一年に一度着られるかどうか、ということも少なくありません。とても贅沢ですが、でも、それがまた楽しみでもあるのですよね。  ああ、秋にはこれを着よう。そんな1枚があることが、実際に着る着ないに関わらず、心の潤いなのかもしれません。妄想コーデも、心の潤い。今日もまたああでもないこうでもないと夢を膨らませる秋の夜長なのでした。

濃い色の襦袢で夏の着物を秋の風情に☆の巻

星わにこ
2018/08/29 00:00
 暑い暑いといいつつも、立秋も過ぎて秋の気配も少しだけ感じられるようになってきましたね。そろそろ秋っぽい装いにしたいけど、でも暑い!! そんな時、透け感のある夏着物に、濃い色の襦袢をあわせるだけで、あら不思議。落ち着いた、秋の風情に変身します。  濃い色の夏着物に白い襦袢をあわせると、透け感が際立って涼しげな印象ですが、透け感があまり感じられないだけで、同じ夏着物でもぐんと落ち着いて見えるのです。  帯揚や帯締めを落ち着いたトーンに変えたり、帯留や帯飾りに季節のモチーフを取り入れたら、盛夏の着物から秋の風が吹いてくるようなコーディネートに早変わり。  着ているものは変わらないのに、秋っぽく見えるこのテクニック、「濃い色の夏の襦袢を入手する」という大きなハードルはありますが、効果抜群です。濃い色って具体的にどんな色よ! ということですが、あまり彩度の高い色よりは、濃いめのグレーなどが万能です。真っ黒も「えっ」と思われるかもしれませんが、カッコイイんですよ~。  でも実際、濃い色の夏の襦袢、あまり見かけませんよね。そんな時はちょっと古くなった襦袢を染めてしまうのもアリなんです。麻の襦袢でしたら、ダイロンなどの化学染料で染めて、色止めをすればOK。絹ものは縮んでしまうので難しいですが、麻は大丈夫! ポリエステルは染まりません。素材と染め上がりについては、どんなものでもうまくいくというわけではありませんので、よく調べてからトライしてみてくださいね!(^^;)。  私も、実家の箪笥で発掘したちょっとシミが浮いていた麻の襦袢を思い切って鈍色(グレー)に染めてみようと計画中。9月に単衣代わりに夏着物+鈍色襦袢でコーディネートしてみたいと今からワクワクです。またご報告しますね~!  ダイロンで染めちゃうといえば、浴衣や麻着物を違う色に染め変えてみたこともあるわたしですが、先日、友人が2、3シーズン着てちょっと衿がスレて白くなったり、焼けが出てきた麻や綿麻の着物はダイロンで染めると新品のように生き返る!と教えてくれました。わたしも、今年着倒した黒の浴衣を染めてみようかと計画中。  カジュアル着物は自分でいろいろトライして楽しみたい! 秋の気配に、おしゃれ心が盛り返してきたきょうこのごろ。ワードローブの見直しもしたいなあとあれこれ妄想膨らむわにこでした。

夏は女子もステテコ!はいた方が暑くない☆の巻

星わにこ
2018/08/15 23:59
 毎日暑いですね。拭いても拭いても汗が出て来るお年頃のわにこです。お年頃はおいといても、やはり夏は暑くて汗をかきます。  着物や浴衣を着ると、足の間に汗をかいて不快なことありませんか? 汗をかかないまでも、足と足がナマでくっつくと熱が伝わって暑く感じるものです(細い方のぞく(涙))。  そんなときおすすめしたいのがステテコ! もうとっくに履いてるわ~という愛用者の方も多いことでしょう。そんな私も熱烈なステテカー(っていうの?)。夏は足の間の汗をとってくれるし、冬は冬で温かいし、暖房の効いてるところで汗をかいても平気。すそよけ代わりに1年中手放せません。  ロングスカートの下にもオススメですよ。私はそのまま部屋着でウロウロしたりパジャマにすることもしばしばです。  でも、ステテコって今でこそユニクロのリラコなどでレディースもおなじみになりましたが、もともとはオジサンの下着というイメージですよね。明治時代に男性の袴や着物の下に履くものとして誕生し、昭和ではスーツのズボンの下に汗とりとし、また家でくつろぐお父さんがルームウエアとして履いていたものです。  このステテコ、実に日本の高温多湿の夏にピッタリな日本独自の肌着というのは御存知でしょうか。足の汗をステテコが吸うことと、ステテコをはくことでできる空気の層が、汗でべたつく衣服のさわやかな着心地を生み出しているんです。  綿クレープなどの素材は凸凹のある生地が肌にはりつかず、快適な履き心地になります。最近では、吸汗速乾の新素材のものも増えていますね。着物を着始めてこんな快適なものを男性に独占させるのはもったいなーい!と思うようになりました。  少しでも着るものを減らしたほうが涼しそうなものなのに、適正なインナーを着たほうが涼しいというこの不思議。「汗とり」を見直すと夏の着物はぐんと快適になります。  私が着物をきはじめたころは、女性用のステテコは入手しづらく、オジサンのステテコを履いたりしてました。とってもリーズナブルで(笑)快適だけどやっぱり前開きの部分が恥ずかしいし(爆)股上の深さが使いにいくかったです。  着物の下にステテコをはく、というのがなんか恥ずかしかったですし、そんな話をしたら、いいわねーという奥さんの隣にいた旦那さんに「ちょっとウチの嫁になにすすめてくれとんねーん」と突っ込まれたこともあります(笑)。  でもいまや「ステテコ」=オジサンではなく、レディースも選択肢が増えていますし、選ぶのも本当に楽しいですよね。  シルクのものや麻のもの、新素材の柄ものなどいろんなステテコを試しましたが、いまはたかはしきもの工房のローライズステテコで落ち着いています。このステテコは、ローライズなので帯にもぐらず上げ下ろしがしやすいのと、丈が長いので、ステテコだけで浴衣等を着たとき、素足が透けないのです。  でも、裾よけ代わりにするときは短めのほうが足さばきもいいし、より涼しくなると思います。防寒として考える時はちょうちんブルマーみたいに裾が絞ってあるものもいいですね。インナーとして着る時は濃い色や柄物は透けるので注意ですヨ。レースがいっぱいついてたりするとやっぱり可愛くて、気持ちが盛り上がります  もし! まだ! ステテコデビューしていない方がいらしたらこの夏ぜひ! そしてステテコの快適さを知っている方は、浴衣デビューの人にぜひ教えてあげてくださいませ(^^)

スカーフを夏の帯揚に☆の巻

星わにこ
2018/07/11 00:00
 あっという間に梅雨が明け,東京は連日猛暑が続いております。暑い! 熱中症にならないように気をつけて水分補給しているつもりでも、足りないのか? 体調を崩しがちで年齢をひしひしと感じております。  さてさて、実は私、夏の絽の帯揚を結ぶのがちょっとニガテです。薄くて平らなので、形が決めるのが難しい! 結び目をキリっと平らにキープするのもサイドをシワシワにならなようにするのも、ボリュームがないので毎回うーむ。。。と唸っております。  麻の帯揚はわりとよいのですが、きついシワもつきやすい。こんなとき、テクニックいらずのちりめんの帯揚が恋しい! しかしふっくらした生地は暑苦しい!   そんなとき、100均のお店を覗いたら麻っぽい素材の長方形のスカーフが売っていました。好みの色と模様で「もしかしたらコレ帯揚にできるかも!?」とゲット。大きさは約30センチ×120センチ弱。  早速帯揚にしてみるとこれがなかなかポイントになってグッド! 何人かの方に帯揚素敵ね、って声をかけられたので思わずコレ、100均のスカーフなんですよ!っていいふらしてしまいました(笑)  もちろん普通に結ぶには長さが少し足りないので、結ばない方式で。 >たかはし女将直伝☆結ばない帯揚でキレイな結び目を作る方法の巻  帯揚の標準寸法は30センチ×160センチですが、帯揚を結ばない方式だと長いなと感じていたので120~130センチで十分。細身の人だともっと短くてもいいし、多少の前後はあるかと思いますが、目安にしてみてください。  少し透け感のある夏の長方形スカーフは、サイズがあえば帯揚にもなります。先日は逆に帯揚をスカーフにしている人を見かけましたよ~。  スカーフでなくても、そのサイズの布だったらいろいろなものを試してみて。カジュアルシーンだったら、質感や見た目で使ってしまっていいと思います。  絽の反物のはぎれも長さがあれば使えます。ただ、ちょっと幅があるのでその分厚みが出て、暑いなと感じることも。逆にいうと、綺麗には整えやすい利点も。    夏の帯揚は実は冒険しどころかも。小さな面積ですが、ハッと目にとまりやすく、自分からもよく見えるので好きな色柄を使うとテンションもアップします。  この夏、自分だけの帯揚探しをしてみませんか。

衣紋がキレイに抜ける着方☆3つのポイント、プラス1の巻

星わにこ
2018/06/27 00:00
 着付をはじめたころ、一番の悩みは衣紋が詰まってしまうことでした。  抜き過ぎたくはないけど、詰まってしまうとカッコ悪い衣紋。シュっと形よく抜いて着たくて、着始めはかなり抜いているくらいのつもりなのに、着上がってみると、すでに詰まってしまっているのはこれいかに!  衣紋抜きをつけて、一生懸命引っ張っても、すぐ元に戻ってしまう。ドウシテー!! と思っておりました。  今なら原因はこんなことかなと思い当たります。 ・補整をしていないので、長襦袢や長着に余計なシワが入り、布が動いてそこから崩れる ・パパっと羽織ったり、焦って着ているので布目が泳いで落ち着かず、衣紋が動いてしまう ・長襦袢、長着ともに衿をあわせる時に、前に引っ張っている この3点を解消していけば、衣紋はずれにくいはず。  最初に、ウエストのくびれや胸を押さえるなどの補整をすること。これはどれだけきちっと着たいかにもよりますが、最低限腰にタオルを1枚まく、和装ブラなどで胸を押さえるというのはしたいところ。やはり補整がきちんとできていると、その先着るのがめちゃラクになります。  次に気をつけるのは、焦って羽織ったりしないこと。そろりと羽織って丁寧に着るのがポイントです。  ちゃちゃっとやってしまいたくなったり、焦るときもありますが、急がば回れの言葉通り、ゆっくりめに手を動かしていく。布を重ねる時は、空気を抜きながらあわせていくと、あとからズレにくいです。そして布目を整えて体にあてていきましょう。  最後に長襦袢の衿をあわせるときは、抜いた衣紋が戻らないように真横にひきながら、胸を包むようにあわせます。ここで前にひいてしまったり、あわせが浅いと、布地が泳いで襟元の崩れに繋がるのです。  長着も同様に、シワをとって手をゆっくり動かして着ます。  そして、ここからが重要なプラスワン。  長着の腰紐を結んで、おはしょりと襟元を整えた段階で、長襦袢の襟元はちょっと浮いているはずです。なぜなら長着を羽織るとその重さで長襦袢の衿が押されて緩むから。  なのでこの段階で長襦袢の襟元の浮きを押さえておくことが、その後の襟元の崩れと衣紋が詰まることの防止にとっても重要になってきます。長着をはしょって、長襦袢の背中側を引いて浮きを押さえます。  その際も、衣紋抜きがついているからと、衣紋抜きだけをぐいぐい引っ張ったりしないで、じわっと、衣紋抜きを引く(もしくは背縫いを引く)。次に背縫いの両脇10センチくらいのところを持ってじわっと空気を抜くように引いて、全体を後ろに引き下げてください。  そうすると、衣紋が抜けて、前の衿の浮きが収まるはずです。それでもまだ少し浮いていたら、前の衿先を持ってじわっと少しづつ引いてみて下さい。  ここでグイ!と引っ張ってしまうと、左右ずれてしまったり、崩れてしまったりしますので、あくまでもじんわりとすることがポイントです。  それから伊達締めや胸紐で襟元を押さえて帯を結べば、襟元の崩れは断然減りますよ~! とにかくパパっと着ないこと、布目を整えながら着ること。  衣紋がどうしても詰まって来ちゃう、というときには、上記の3点とプラスワンをお試しください。着姿がかわりますよー。浴衣も同様です。すっきりと衣紋を抜いて、素敵な夏の着物姿を楽しんで下さい!

着物を着る回数をこなすと見えてくること☆巻

星わにこ
2018/06/13 00:00
 東京は梅雨入り、雨の日と天気の日の気温差と低気圧に翻弄されているわにこです。  書類を整理していたら、8年くらい前に着物好きとして、新聞に取材された記事の切り抜きが出て来たんですが、その着姿を見てものすごいショックをうけたんです。  なにがって、衿は詰まってるのに広衿が開いてるわ、おはしょりはぶわぶわだわ、髪型もボサボサで、全体的になんじゃこりゃ! でも、当時は「自分は着物が着られる。エヘン!」くらいに思ってたし、着姿に問題があるとか思ったこともなかったんですよね。いやこれは、取材してくれた記者さんも着物を着る方だったのに、ちょっと手直ししてくれなかったものかと逆恨み(?)しそうになったり。  その頃は、いわゆる「着物警察」のおばさまに「ちょっとアナタ」と直されることもあったけど、そりゃ声もかけたくなるわなあ、と思ってしまう姿でありました(苦笑)。  思い返してみると、その頃は本当に自己流で、ちょっとだけ習ったりしたことはあるけどあとは本で独学。当時はyoutubeなんかで動画が見られる時代でもなかったし、だいたい毎回着付に2時間とか平気でかかっていました。  そもそも着る回数自体も少なかったですし、毎回悪戦苦闘というかんじでした。大体、着物で力を使い果たして、作り帯のお世話になることばかり。それでも「自分で着られる」と、いろんなところにお出かけしていたのは我ながら偉いなあと。  だって、下手だから着ない、と諦めてしまっていたら、そこで試合終了。下手でもなんでも着てでかけて、着崩れたりうまくいかなかったりもして、気をつけるようになったり、所作も身に付いたりしたことで、今があるわけですから。  いや、今があると言っても、まだまだ修行中なれど、人様に教えることも増え、着る時間も15分20分あれば着られるようになり。やはり着た回数に、着姿は比例するんだろうなと思います。  でも漫然と着ると、やはり上達はしないし、自分がそれでいいと思うと変わらない。常にこうしたらああしたらと、自分にあったやり方を探す人は、どんどん綺麗になる気がします。  回数をこなして、ある程度着られるようになってくると、達人の言っていることが理解できるようになってもきます。レベルに応じて理解力が上がるというか‥‥。なんでもそうかと思いますが。  同じ日に、久々に着付のDVDを見たら、以前は着る方法を追って見ていたのが、どうしてそこでそうするのかということや手さばきの大切さが初めて理解できた気がしました。先生のすごさも。  新聞に載っている自分が、その着姿に疑問を持たなかったように、とにかく順番を守って着るだけが精一杯のときは、その先に神経がいかないよなあ~としみじみ。  その人なりの着姿でいい。好みもあるし、みんな同じじゃつまらない。もっと綺麗に着たいとか、こんな風に着たいと思ったときには、教わったり研究したり、そして回数をこなして、所作も身に付けば着姿もこなれてくる。  あと、どんなに「これがいいわよ」と言われても、それのなにがいいか理解できるところまで自分がいっていなければ、馬の耳に念仏ですよね。おばちゃんになった今になって「ああ若い時もっと勉強すればよかった」と思うけど、若い時は遊びたかったみたいな(笑)。ちょっと違うか。  着物の着方の正解はひとそれぞれ。洋服と同じように構えずに自分がいいと思うように着られたらいいんだよな、と思います。  幸い、私の周りにはその着姿についてけなしたりする人もいなかったため、私も着物を着ることが嫌いにはなりませんでした。  とはいえなあ‥‥‥記事になってたくさんの人の目に触れる時はそれなりにちゃんとしたほうがいいし、知ってる人はちょっと直してあげるといいよね‥‥なんて、写真を見ながら思うわにこでした。