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70年代少女漫画の中の着物は生きているの巻

星わにこ
2023/06/28 00:00
老眼が進んでいる昨今、昔買い揃えた単行本や文庫本サイズの漫画を読むのが辛くなってあまり読んでいなかったのですが、iPadで読むとわかんないとこも拡大できるし非常に快適だということを知り、また最近漫画を読むのにハマっています。 いろんな漫画アプリがありますが、最近本当にラインナップが充実してきていて、過去の名作が無料で読めることも多くなってきました。超名作みたいなものは、一気読みとかできたりしていましたが、人気はあって漫画雑誌では読んでたけど単行本までは揃えなかったな~みたいなものもかなり幅広く読めるようになってきました。 今、ハマっているのがLINEマンガで読めるプリンセス連載だった『悪魔の花嫁』(あしべゆうほ作1975年~)。今なら無料で結構な話数が読めます。連載当時は小学生だったし、よくわからない部分も多くて怖いな~、でもこんなかっこいい悪魔ならちょっといいかも()とか思っていた記憶が。80年代に流行った少女漫画のイメージLP(ボイスドラマつき)もリリースされており、男性主人公が大好きな声優の塩沢兼人さんが担当していたので当時友達に借りました(買えよ)。 今回改めて調べてみたら、つい最近まで最終章という形で連載されていてまだ完結してないと知りました。『ガラスの仮面』や『王家の紋章』とともに、永遠の宿題みたいな漫画ですね。まあ、基本本当にあった怖い話みたいな一話完結ものなので、最後どうなるの!ってものでもない気はしますが。 改めて読み返してみると、あったあったこの話、みたいな記憶が蘇ったり。悪魔デイモスが砂漠に迷い込む話で、人の足に傷をつけて卵を埋め込むと体内で育って目から成長して出てくるみたいなのとか、やたらなんでも地下室に閉じ込められるとか沼に沈むとか小学生のころマジで怯えたトラウマ案件てんこもり。はい、恐怖漫画ですから。 お話は主人公の美奈子がビーナスの生まれ変わりで、ヴィーナスを愛していたデイモスが美奈子につきまとうという話なのですが、デイモスのくせに「美奈子(びーなす)、名前も同じだ」とキラキラネームもびっくりな読み方をかましてきたり、一人で旅行にいったりいろんなこと(勝手な行動ともいう)をして事件に巻き込まれる大人っぽい美奈子は金髪なのにまだ中学2年生だったり、当時気づかなかった(笑)次々と驚愕の真実が明らかに。今読むと「デイモスよ、ヴィーナスのこと責任取れよ」と思う。いやほんと。 さらにおもしろいのは、毎回起こる事件も意外と令和では「いやいやそうはならんやろ」という熱い昭和パッションに溢れていてつっこみどころ満載。そこで、みんなのコメントを見ると同じようなツッコミをしていたり「この話、覚えてる~~!」というおそらく同年代であろう女子たちで溢れていて、同級生と一緒に楽しみながら読んでいる感覚にひたれること。 一時期を風靡したマンガならではの楽しみ方なのかもしれません。 読んでいて「おおっ」と思ったのは、デイモスとビーナスの話の割には日本が舞台なので着物がちょこちょこ出てくるんですね。昔のエピソードだけじゃなく、お正月や観劇や、家での着物姿など、その時代の着物が生き生きと描かれています。(デイモスは基本半裸) 最近の漫画に着物が出てくると「いや構造上そうはならんやろ」という作画があったりしてつい心の着物警察が出動してしまうのですが、さすが1970年代、まだまだ日本に着物が日常にあった時代だけあってどの角度からの作画もパーフェクトで惚れ惚れします。 70年代の少女漫画というと外国ものが多いけど、『はいからさんが通る』などは言うに及ばず、70年代日本が舞台の『エースをねらえ!』なんかも宗方コーチが家では着流しだったりして、着物アイで見てもかなり楽しめるんですよね。ドジさまこと木原敏江先生の漫画も、本当に素晴らしく描かれています。少女漫画だけじゃなく、少年漫画の中の着物もやっぱり描写に破綻がない。描く人が構造を知っているということが、資料を見て想像で描くというのとはまったく別次元だということがよくわかります。今ももちろんきちんと描かれている漫画もありますが、70年代の漫画を見るとまさに着物が生活の中で生きていた時代だなあと思わされます。まあそんな楽しみ方もありということで。 タイムスリップ気分で読む70年代の少女漫画、70年代少女だった人にはもちろん、着物好きの方にもおすすめです! というお話でした。

百聞は一見に如かず。黄櫨染御袍と三浦屋揚巻衣装の巻

星わにこ
2023/06/21 00:00
もともと大変出不精ここで(デブ性と変換されてショックをうけたのは内緒です)、できることならずっと家にこもっていたい生粋のインドア派妄想系に加えて、コロナ禍もあり仕事以外で積極的に外出するというアクションを忘れかけていた私。 先日友達から「日本橋高島屋でお装束が見られるよ! 見ておいた方がいいんじゃない?」と教えてもらって久しぶりに自分の趣味のために外出をしてきました。 「御即位5年・御成婚30年記念特別展 新しい時代とともに――天皇皇后両陛下の歩み」と題された展示は、5月17日から6月6日まで。気がついたらもう最終日になっていて、あわてて日本橋へGO! 両陛下ゆかりの約100点のお品の中には、何度も何度も映像などで見たご成婚パレードの雅子様のローブデコルテとボレロや、ご婚約会見の淡いイエローのワンピースもあり、歴史を間近で拝見できて超感動でした。 そして!! 即位の際の御束帯と御五衣、御唐衣、御裳も展示されていました。天皇陛下しか身につけることができない絶対禁色といわれる黄櫨染色で、これまた天皇の袍にのみ織り現されるという桐竹鳳凰の地紋。 黄櫨染は黄櫨(はじ)の樹皮と蘇芳(すおう)の心材の煎汁に灰汁や酢を混ぜて染めたもので、赤みと黄みとが感じられる茶色。太陽の光の象徴とされる色で、禁色だけにあまり目にする機会はありません。 しかもそれが実際の御袍となると、さらにです。正直をいいますと、そんなに綺麗な色でもないし(不敬)、なんでこの色が絶対禁色なのかとずっと思っていましたが、実際目にした御袍は、深く重厚な色で、威厳があり、「ああ、これはゴールドなんだ!」と腑に落ちました。しかも、キラキラした金ピカ、というのではなく、渋みのあるどっしりとした金の色。なるほどなあ~!と感じ入った次第です。 そしてまた6月中旬は、セイコーハウス銀座ホールで坂東玉三郎さんの衣裳展「四季・自然・生命~時の移ろいと自然美~」が開催されていました。またまた気付くのが遅れて、最終日直前に駆け込みで拝見。 これまた非常に近い距離で芸術品のような歌舞伎の衣装を見ることができました。10点の展示と聞いた時、さっと見られるかなと思っていたらとんでもなくて、それぞれの衣装の素晴らしさに釘付け&玉三郎さん本人による解説映像が上映されており、めちゃめちゃ濃い展示でした。 私自身は歌舞伎にそんなに詳しいわけではなく、誘われたら見に行くという程度なのですが、そんな私でも見たことがある「助六曲輪初桜」「廓文章」「隅田川」などの超メジャー演目のあの!衣装が!ガラスなどの仕切りもなく、超近くで、しかも写真撮影オッケーという大盤振る舞いで見ることができて大興奮。 もうどうかしているような豪華な唐織や、舞い散る桜や篝火が揺らめいて見える紗掛、盛り盛りの手刺繍、金泥の手書きの牡丹など、もうすごいの一言。 特に三浦屋揚巻の正月衣装は、背中に金糸の注連飾り(しめかざり)と橙(だいだい)と伊勢海老(!)が乗った鏡餅があしらわれているもので、解説でも玉三郎さんが、歌舞伎ならではのとおっしゃっていましたが、ド級のぶっ飛び具合でした。 一度イラストに描いたことがあり、一体この伊勢海老の下はどうなっているんだろう?と不思議だったのですが、20年来くらいの疑問が解けました。まさかの鏡餅(かなり立体)でした。 梅雨時にもかかわらず、着物姿のご婦人がいっぱいで、それも眼福‥‥。こういう情報は、読んだら観にいけるタイミングで書けよという話なんですが、事後報告で本当にすみません。。。 いつも映像や本やネットから得た知識を、自分の頭の中だけで妄想しまくってふくらませまくって楽しんで満足していた私ですが、黄櫨染御袍と三浦屋揚巻の打掛を実際に直近で見ることができ、実物の持つパワーに打ちのめされました。 百聞は一見に如かずとはまさにこのことなのね‥‥と。 これからは、チャンスがあったらやっぱり足を運んで実際に体験してみよう!と改めて思った。そんな体験でした。

たすき掛けのやり方★初級編&上級編の巻

星わにこ
2023/06/14 00:00
先日、友人たちと作っている「フォントかるた」を紹介する動画を撮影しました。 フォントかるたってなんぞや?というお話はこちらでご紹介しております。 6年前に誕生した「フォントかるた」ですが、去年その欧文版も発売されました。アルファベットの見分けも、かなりマニアックです。動画出演者のみなさんには「やっぱりかるたは袴でしょ!」というわけで、袴姿になっていただきました。そして動きやすいようにたすき掛けに。 たすき掛けに必要な長さは、2メートル~2メートル20センチくらいあれば女子ならだいたいOK。腰紐の長さと同じくらいです。腰紐が長尺の方はさらに20センチくらいプラスして。 普段たすき掛けをするときは、そこらにある腰紐を使うことが多いのですが、さすがに撮影ということで腰紐はどうよ、というのと、おそろいの方が可愛いよね!ということで読み手と取る人の合計6人分を作ることに。撮影の前日に欧文版のかるたのイメージのロイヤルブルーのサテン地にひたすらミシンをかけて作った私です‥‥(なんでもギリギリか)。 がんばった甲斐あって、可愛い袴女子たちの動画が撮影できました。じゃん! さてさてたすき掛けのやり方は、主に2つ。最初から輪っかに結んでおいて袖をひっかける方法と、時代劇とかでよく見る口に紐の端を加えて、肩にしゅしゅっとかけていく方法があります。 簡単なのは輪っか方式。紐の端を結んで真ん中でねじったたすきを、両腕に通したら、首をくぐらせてクロス部分を背中にやり、あとは腕にかけたたすきを肩にかけるだけ。とにかくさっとできます。 簡単でぱぱっとできますが、たすきがヨレやすく、袖をひっかけてからもたすきが緩かったら結び直したりもするのが難。 上級者編は、肩にかけていくやり方。紐の端を口に咥えるとかっこいいのですが、汚れたらやだなって場合は帯締めにひっかけたりクリップでとめたりしてもOK。 それを、左脇下を通して右肩にかけ、右脇下を通して左肩にかけて、たすきの端同士をきゅっ!と結びます。 ちょっと五十肩とかだと痛いかも(笑)。でもしゅっ、しゅっと背中で紐をクロスさせていく姿はちょっと「できる」感があって快感です。動きが大きいので、男性っぽいイメージがあるかも。 たすきをすると、袖が邪魔にならないので、水仕事のときなど便利ですよね。 もしまだたすき掛けをマスターしてない方がいたら、チャレンジしてみてください! <ちょっと宣伝> 6月17日(土)渋谷のヒカリエにて開催されるTYPE &という書体のイベントに「フォントかるた制作チーム」の一員として参加します。出演者がたすき掛けの動画も披露予定です(笑)。もし興味がある方がいらしたらよろしくお願いいたします!

思い立ったら!和服で家族写真のススメの巻

星わにこ
2023/06/07 00:00
私が普段なにをやっているかといいますと、こうやってコラムやイラストなどを書くお仕事のほかに、着付けや着付けレッスンのお仕事などもしています。カメラマンの友人と二人で小さな写真スタジオの運営をしているのですが、主に着物での撮影を得意にしています。カメラマンの渡部瑞穂さんは、月刊アレコレというきもの雑誌で毎月着物関係のグラビアなどの撮影を手掛けていて、自分も日舞や三味線を嗜む大の着物好き。大学の同級生で、卒業後10年ほどしてお互いに着物にはまっていることで意気投合。以来、着物で出かけて撮影したりしているうちに、好きが高じてスタジオ運営をすることに。 とにかく着物が好きな二人なので、「和服で家族写真」をおすすめしています。家族写真にこだわるわけは、「家族写真はいつかそのうちとか、いつでも撮れるわけじゃない」ということを二人とも知っているから。 私は両親も夫も亡くしてしまったし、渡部さんもご家族の病気などもあって「ああ、みんなが元気なうちに撮っておけばよかったなあ」と叶わない気持ちを知っているのです。だから、なにかあったら記念写真撮っておくといい!といつもお勧めしています。 七五三や卒入学式、成人式や結婚、記念日などなど。人生の節目節目のお祝いは、意外と数えるほどです。 特に子どもが小さい頃は言うことを聞いてくれるけど、大きくなって高校生、大学生ともなってくると予定を合わせるだけでも一苦労。そんなの、いらないと言われることもあるし、面倒がられてしまうことも。そこを説得してみんなの予定を合わせて‥‥となると、もういいか。となる気持ちもわかります。 でも、それでも。誰かがえいや!と頑張らないと、なかなか家族写真なんて撮れないものなんです。先日は、おばあさまの卒寿の記念とお孫さんとの三世代記念写真を撮りにいらしたお客様が。当日お孫さん三人兄弟のうち二人が都合がつかないということで長女さんとお母様、おばあさまで撮影されました。 ところがすぐ後に、やっぱりお孫さん全員とで撮影したいので、ということでもう一度撮影することに。「母も元気なうち、子どもたちも巣立ってしまう前と思うと今しかないと思って」とお母様。お忙しい中を再度スケジュールを組んで、今度は全員集合できました。 着物好きな方で、自分の着物の他にこつこつとお嬢さんに着せる振袖なども買い揃えていらして、スタジオのほうで足りない帯や小物類などを足してお持ちの着物でお支度をさせていただきました。 お子さんは24歳、20歳、17歳。七五三のときに三人で撮った可愛い着物写真をお持ちくださって、それと同じポーズでも撮影。写真を並べてみると末っ子の男の子が今では一番背が高く、子どもの成長を感じられて、「お母さんがんばりましたねーーー!!」と思わず目から汗が出そうに。 最後に少しだけロケ撮影もしたのですが、最初は歩くのがちょっと‥‥とおっしゃっていたおばあさまが、「やっぱり行くわ、今がんばらないでいつがんばるの?」とおっしゃって外へ。振袖のお嬢さん二人が卒寿のおばあちゃまを支えてキラキラの新緑の下を歩く姿にまた感動。本当に、素敵な撮影でした。 私も数少ない(汗)家族写真は、見る度に子どもの成長を感じたり、今は亡き人に感謝したりできる大切な宝物です。例えば記念日から半年、1年とずれていてものちには誤差。もし、あ~家族写真撮ってないな、なんてお祝い事があったら、思い立ったが吉日で撮影してみてはいかがでしょう。未来の自分が「あの時頑張ってえらかったぞ!」ときっと褒めてくれるのではないでしょうか。

巻き肩も原因?クリオネポーズで着物の肩のシワなおしの巻

星わにこ
2023/05/31 00:00
皆様の着付けのお悩みを聞いていると多いのが「肩から胸元に入る縦のシワ」。タオルや脱脂綿で補整をしなさいと言われると思うのですが、ちょっと待って!  足す補整は、面倒だし暑いし、太って見える危険もあります。細身で足さなくてはどうにもこうにもならない、という方以外は意外と補整をいれなくてもなんとかなる可能性があります。 まずこの肩のシワはなぜできるのかといいますと、原因は主に2つ。 ・巻き肩で姿勢が悪い ・年齢とともに胸が下がって、鎖骨下にボリュームがなくなっている これを解消していけば、タオルを入れなくてもシワにさよならできます。 1)胸を張れ! 姿勢に気をつけるだけで段違い まずは着物を着たら、猫背は致命的。今はスマホを見る時間が増えたりして、巻き肩の人が多くなっています。肩甲骨を寄せて、鳩胸になるイメージで胸をはってみてください。それだけでも胸元がすっきりします。 この時、反り腰にならないように気をつけて! 2)和装ブラで解決! 鳩胸メイクでシワ撃退 胸がBカップ以上の方は和装ブラで解決できるかもしれません。 ご自分の胸をぐっと持ち上げて、鎖骨の下にできてしまった窪みを埋めると自分の胸が補整になってくれます。それができるのが「たかはしきもの工房のPut on キモノブラ」。ナイトブラのように下から履いて、胸を脇から首元に向かって集めて鳩胸メイクができる和装ブラです。 そうすると、だんだん重力と仲良くなってきていた胸の位置が上にあがりますので、若々しい胸元になってシワもなくなります。胸がないわという場合でも、背中の方から解散した胸を再集結させればいける可能性があります! 移動させられる戦力(お肉)がある方は、一度試していただきたいです。 移動させるお肉がないスレンダーさんの場合は、タオルや補整着に頼りましょう。 3)肌着の段階でシワを作らない 肌襦袢や肌着を適当に着て、その時点でシワが入っていると上に響いてしまいます。見えないからいいや、ではなく、下地の段階でシワがないように適切な補整でボディメイクしていると、着物はそこにのせていくだけで綺麗に着られます。補整を入れるだけではなく、肌着もしっかり体をラッピングするようにピタッと着ると、補整なしでも布の張りで体の凹凸を抑えられることもあります。見えないところから気を使ってみましょう。 4)必殺女将ポーズ(別名:クリオネポーズ)でシワなおし それでも、着ているうちにやっぱりシワが入ってしまう‥‥。あとで写真を見たら、あ~あ。。。。なんてこともあるでしょう。 そんなときは、クリオネちゃんみたいに胸を張って両手を斜め下に広げて、袖口の後ろ側をつん、とひっぱってください。そうすると胸元のシワがとれます。即席ですが、写真を撮る前にすると、すっきりした着姿になれますよ! できたらこの姿勢を常に心がけると巻き肩も改善されるかも。 このポーズ、インスタとかで銀座いち利の女将さんがよくやってますよね! お袖まで模様が見えて、着物全体の柄つけがわかるこのポーズでお写真をとっても可愛い♪その時のコツは、正面を向くこと、足(膝)を重ねて1本にして下半身をすっきりさせることだそうです。 女将ポーズはこちらの動画の6:58あたりからを是非見てください!めっかわ(めっちゃ可愛い)です。 関連動画:【女将解説】綺麗な着姿で写真に写るコツ ちょっとお話がずれましたが(笑)いかがでしたか? ちなみに私は姿勢が原因で着ているうちにシワっとなってくることがあるので、クリオネポーズで直しています! 着崩れは程度の差こそあれ、動けば起きてくるものなので、その都度なおす方法も知っておくといいですよね。お悩みの方がいらしたら、タオルを入れるその前に、ぜひお試しください。

着付けとダイエットは似ているのかも。の巻

星わにこ
2023/05/24 00:00
このごろしみじみ思っているのは、人生なんでも積み重ねだよなあ~ということ。日頃やっていることの結果が今の自分ということを痛感しています。今回はちょっとそんな私の徒然話で、着物とは直接関係なくてすみません。 なんでかというと、本当に太ってしまったために帯が壊滅的に短くなってしまい(帯は変わらない)いくら多少のサイズの変化は着付けでごまかせます!などと言っていても限度があるよな、という境地までたどり着いてしまったため、ダイエットを始めたためです。 今までも常にダイエットしなきゃとは思っていたのですが、「一ヶ月に5キロ痩せる!」「10キロ痩せたらなにしよう!」などという高すぎる目標を掲げて見事に挫折。簡単にやりたいと願うあまりに、食べる量をすごく減らしたり、張り切って運動したり。断食とかもやってみたり。 結果は食べられないストレスで爆食いや、いきなり運動したため筋を違えて動けない‥‥とかそういうお粗末なパターンを続けていて、どうせ好きなものを食べても我慢しても、そう変わらないし、好きなもの食べよ!になっていました。 あと育ち盛りの子どもと違うメニューを作るのが面倒くさいから一緒で、量だけ減らせばいいや………と唐揚げ餃子ハンバーグと白米を目の前に食欲に負ける日々。ストレスも溜まるから、甘いものも欠かせません! というわけで、いや~育ちましたね。育ったよ! もちろん今までにも「なんか楽に痩せる方法ないかな~」なんていろいろ試したり、断食もしました。Youtube見たりネットサーフィンしたりして『攻略方法探し』をしていたわけなんですが、これだけやれば爆痩せ!みたいな運動動画とか続くわけなく。幾多の挫折を繰り返してきました。 そんなとき、「筋トレ・ダイエットは自分がやったことが必ず体に反映される」「でもそれはすぐに結果には現れない」「段階的にしか変わらないから、まずは一ヶ月ゆるくでもいいからできることから続けて、それができたら次へいけ」と言っている筋トレ系Youtuberさんがいて、目から鱗が落ちましたね。 これ、私がいつも着付けレッスンで思ったりお伝えしてることじゃね? 同じじゃね? そう。自分の理想とする着姿に近づくために「これだけやればすぐできます」ということは和洋ミックスとか着崩しとかは別かもしれませんが、実はあり得ない。 着物の着付けって、肌着だけとっても、ブラに肌襦袢、裾除け?ステテコ? 補整はタオル?さらし?補整パッド? 小物も腰紐、伊達締め、コーリンベルト、クリップ、胸紐、着付けベルト? 帯枕や帯板など、一体どんなのがいいの? 長襦袢は? うそつき衿って何? 着物と帯にたどり着くまでにもう、超息切れですよ。 そして着物と帯も、格が、季節が、文様がと何も知らない状態でいっぺんに言われたら泣きたくなります。 でもこれも、長いこと「私はこんな着付けがしたいな」と思い描いているものがあって、それに近づくためにいろいろな知識を吸収してきた結果、こうやってコラムを書いたり、レッスンをさせてもらったりということに繋がっているわけですよね。 あとはこの二年ほどお習字を続けているのですが、最初は正直「すぐうまくなれるでしょ」くらいのことを思っていたわけですよね。すぐ変体仮名がつらつらと読み書きできるようになりたい!みたいな(また高すぎる理想)。楷書なんか書いてられるか、みたいな。でも、そもそも楷書も思うように字が書けないしどうしても我流が出てしまう。日々忙しくなかなか文字を練習する時間もとれないけれど、ある時思い立って無心に見本に忠実に反復練習をしていったら先生に「あら練習したわね、えらいわ」とほめていただけたんです。それからやっと、少しづつ当初の目的である変体仮名の練習をさせてもらえるようになりました。 もう80年近く文字を書くことに取り組んでいる先生からみたら、私が何を考えて字を書いているかなんてことは、きっとお見通しだったに違いありません。 この時「石の上にも3年」じゃないですけど、まずは黙って言われた通りにやる時間って、大事なものなんだなと知りました。 それは体も同じことなんですよね‥‥。なんでも回数。積み重ね。近道はない。 当たり前でしょ!と怒られそうですが‥‥。 とりあえず楽しくないと続かないので、できることからコツコツと長期展望で好きなものも食べつつ。そしてとりあえず、食事改善をはじめて一ヶ月。ゆるく1、2キロ落ちてきました。年末までに、たれの返しが少なくなってる袋帯全般楽に結べるようになるぞ!と思ってます。乞うご期待!?

着物の裾の長さは鏡を見て決めろ!の巻

星わにこ
2023/05/17 00:00
寒さに震える日があったかと思うと、5月なのにいきなり真夏日!? 本当に着るものに迷う今日この頃。もう普段着は完全に「気温で決める」と思って対処していますが、洋服でも悩みまくるところ、着物も本当に悩ましいですよね。 今年に入って、着付けをさらにブラッシュアップしよう!ということで、時短になる方法や手数を減らすやり方などを教わったり試したりしているのですが、めちゃくちゃ時短になった方法があるのでシェアします! それは「着物の裾合わせを全身鏡を見ながらする」ということです。 それだけ?? と思われるかもしれませんが、それだけです。もともとそうしているわ、という方は素晴らしい! でも「ん?」と思われた方はちょっと下記を読んでみてくださいませ。 私はいままで、裾の長さを決める時、裾と床の間の「光一条」(裾と床の間に光が一条差すくらい)を下を向いて見て決めていました。 一条の光とは、暗黒の中に差し込む筋状の光で、希望を表す言葉‥‥。仮面ライダークウガの一条刑事が人生最推しの私はもうこの言葉だけでご飯が3杯食べられるので、盛り上がりワードとして常に裾を合わせる時に思い浮かべておりました(誰も聞いていないのに語ってすみません)。 でも、実はこれじーっと下を向いて裾をあわせると、最初はきちっと床すれすれでも、上から見ているので、あわせていくうちにどうしても上にひっぱってしまい、裾が短くなってしまいがち。 自分の場合は、裾の長さを決めたらもう床は見ないで顔は前を向いて、薄目で下を意識しながら床をはくように裾をあわせるというやり方をしていました。 でも人には「見て確認をしたい」という気持ちがありますので、たいていの人はどうしてもじーっと作業中の箇所を凝視してしまってなかなかうまくいかないんですよね。 あと、自分では「うまく裾の長さが決まった!」と思っても、腰紐を結ぶとまたちょっと上にあがりますから、最終的に「いまいち‥‥」となってしまうことも。 その悩みがですよ、最初から床は一切見ないで、鏡だけを見て裾合わせをすることで、一発解決したんです! 鏡に映る姿は、自分の姿を客観的に見ているのと同じですから、その中に映っている裾の長さを自分の理想の長さに合わせればいいわけです。 やわらかものだったらほんとうに床すれすれに。普段着だったら少し短く、浴衣ならさらなり。 もう、自分の決めたい長さにばっちりと決まります。 なんでこんな当たり前のことに気がつかなかったんだろう??? ほんとに時間を無駄にしたわ‥‥と遠い目。 もし裾の長さがいまいち自信がない、という方がいらしたら、一度大きな姿見の前でこの方法を試してみてくださいね!

英国戴冠式での紀子様のお着物素敵でしたねの巻

星わにこ
2023/05/10 00:00
皆様ゴールデンウイークはいかがお過ごしでしたか? わにこは仕事・仕事でまた仕事(白目)でしたが、最終日だけちょこっとゆっくりできる‥‥と思ったら1日寝てしまっておやすみは露と消えました(笑)。ずっと抱えていた大きな締め切りをクリアして、ほっとする間もなくまた締め切りに追いまくられていますが、お仕事があるのはありがたいことです。 5月6日には、英国のチャールズ国王の戴冠式がありましたね。私も生中継を流し見しながら仕事をしたりしていたのですが、なんと70年ぶりの戴冠式とのこと。「すごいな~」という感想しかでない平民ですが、ロイヤルファミリーや各国ゲストの皆様のすばらしい衣装に目が釘付けでした。 中でも、そう。着物好きの皆さんはきっと秋篠宮紀子様の和服姿に大注目だったのではないでしょうか。私ももちろん目を皿のようにして見入っておりました。以下ただの着物好きの感想です(事実と相違ありましたらご容赦を!) 最初は「訪問着をお召しになってるんだ~」と思ってみていたら、おやっ!袖の後ろ側に紋が入っている‥‥ということは三つ紋の訪問着なのでしょう。 戴冠式関連のドレスコードなどはまったくわからない私ですが、きっと胸元にも模様のある華やかな訪問着を選ばれて、その上で紋を三つ入れられることで準礼装と言われる訪問着でも、ぐっと格をあげて敬意を表されているということなのかな?と思いました。 紋は写真や動画ではわかりませんが、おそらく秋篠宮家の御紋である「菊栂(きくつが)」と思われます。栂(マツ科の針葉樹)を使用している紋はほかにはないと言われるとても珍しい紋で、一度みたら忘れられない意匠です。 それにしても、本当に上品なコーディネートで「ザ・皇室」という感じがして素晴らしかったですね。着物ウオッチャーの血が騒ぎます!! 着物は薄い香色におめでたい文様が山取(山の形に模様が染め分けられている)もので、おそらくは皇室に数多くの着物を献上されている京友禅作家の藤井寛先生の作品ではと推察。 袋帯は七宝繋ぎで、円満にご縁がつながるこれまたおめでたく格調高い柄。その中には唐花文様が施されています。そして純白の帯揚げをあわせ、白と金の細い帯締めには、おそらく真珠(?)の帯留めをなさっているようです。 それにクラッチバッグと三段重ねの草履。フォーマルでありつつ、でもガチガチではなくて、お祝いの気持ちのこもった華やかでそれでいて上品な装いだな~と拝見しておりました。 ネットでは炎上などと騒がれていましたが、着物って、着るだけでどんなに素敵でも文句つけてくる人いるじゃないですか。まあそういうものかなと拝察。一着物ファンとしては、こんなに素敵な着物姿を見せてくださってありがとう~!という気持ちです。 惜しむらくは雨模様のお天気で、お手入れ大丈夫かしらと超余計な心配をする小市民の私‥‥そして、ちょっと静電気起きちゃった? なんて思ったりもしましたが、所作の美しさはさすがでございました。 やはり、なんだかんだで大きな行事のときに和服姿が見られると、着物好きとしては非常に嬉しい気持ちになります。長い長い女王様の時代が終わり、時代もいよいよ変わっていくけれど、これからも変わらぬ皇室の皆様の美しい着物姿を折に触れ、たくさん拝見したいものだな~と思うGWの終わりでした。

綸子や薄い帯揚げをふっくら結ぶ方法の巻

星わにこ
2023/04/26 00:00
「今日は袷でいくか? 単衣にするか?」と天気予報とにらめっこの4月末。フォーマルではなく、体感にあわせて着物を着ようと思うと春先と秋の入り口は気温に敏感になりますよね。 今年は3月末にもう24℃の予報が出て、早速単衣を出動させました。本来は6月1日が衣替えと言われますが、もうそんなことは言ってられないくらい、この頃は早くから暑くなります。かと思うと急に冷えたり、雨が降ったり。なかなか油断できません。 1年中単衣よ、という方もいますし、ウールや木綿などの普段着はそもそも単衣。もうそれでいいんじゃないか~と思う反面、袷の安定感や八掛の楽しみも捨てがたい。胴抜きという手も使いつつ、まだまだ端境期、欲張りに楽しんでいこうと思っています。 さてさて先日「着物は着られるけど、細かい部分のブラッシュアップがしたい」という上級者の皆様のレッスンがありました。その中で、冬は縮緬で普通に結ぶだけでもふっくらとうまく形になるけど、綸子や薄い生地の帯揚げがぺしゃんこになってしまう、というお悩みが。 結んでから余った部分をサイドに詰め込んでふっくらさせたり、撮影のときは綿を詰めるというようなこともしますが、余った部分を詰める方法は結び目がぐしゃっとなりがちでなかなか難しく、かといって綿のようなものも暑くなる時期に足したくない。 というわけで、ここでおすすめしたいのが、結ぶ前に帯揚げの先を折りたたんで二重にしてふっくらさせちゃう銀座いち利の女将方式。お伝えしたところ、なるほど!と喜んでいただけました。 やり方は以下の通り。 ・帯枕に帯揚げをかけて前にもってきたら、しっかり前に引いてピンと伸ばし、脇から30センチくらいのところで手前から折りたたみ、前にわたる部分を二重にします。 ・それを結べる太さに畳んで整理し、脇を整えてから着物と同じ打ち合わせにあわせ、一絡げします。 ・クロスしたところを立てて、上側を下におろし、それを抑えるように下側を折り返して両方一緒に帯の中につっこみます。 こうすると、あら不思議~~。サイドはふっくら、結び目はすっきりな帯揚げが完成です! 慣れるまで、折りたたんでそれを整える作業がうまくいかないかもしれませんが、慣れたらこっちのもん。帯につっこむ時の作業が早くて楽ですし、大人っぽい「いりく」結びも簡単。 年齢が上になると帯揚げは控えめにみせると言われますが、それにしても綸子などのときは控えめになりすぎることも。せっかくお気に入りの帯揚げをしたら、色のアクセントとしてもほどよく存在が主張できるように結べたらいいですよね。 帯揚げがぺしゃんこになりすぎる、うまく結べないという方はぜひぜひ試してみてください! <おすすめ> その他にも帯揚げ達人になれる技がみっちり解説されてるお宝動画はこちらです! 銀座いち利の女将ちゃんねる:女将流!帯揚げの結び方~前編~

帯の前結びと後ろ結びどっちがいいの?の巻

星わにこ
2023/04/19 00:00
名古屋帯や袋帯を結ぶとき、お太鼓を前で作る前結びの方が増えているなあ~と感じます。前結びは簡単!といわれますが、後ろ結びに慣れていると戸惑うことも多いです。今回は自分でもやってみて感じた、前結びと後ろ結びのいいところ悪いところをあげてみたいと思います。 前結びのよい点・悪い点 〇お太鼓の形や柄を確認できる 〇帯揚げも綺麗にかけられる 〇気持ちが楽! ×帯を回すとき、着崩れしやすい ×前結び用の帯板が必要。暑い ×意外と後ろで結んだりする作業も多い ×胸高には結べない 後結びのよい点・悪い点 〇回したりしないので、手早く結べる 〇帯板を選ばない ×お太鼓の形や柄が確認しづらい、見えないのでイライラする ×後ろ手の作業が多い ×難しく感じる 欠点としてあげたところも、改善余地はありますし、必ずしもそうではない場合もありますが悪しからず。 慣れてしまうと、後ろ結びのほうが早いし楽だと思うのですが、最初に覚えよう!としたときの敷居の高さは半端ないです。実際、着付けレッスンでお教えするのに超難関!なのがこのお太鼓。構造が理解できるまでは、「今どういう形にするために、なにをどう動かしているのか」がわからないんですよね。いまだにね、なぜお太鼓結びをしなくてはならないのか? その形である必然性はあるのか? こんなん誰が考えたんや??と思うこともあります。どうしてこんな面倒なことをしなくてはいけないのか! それは説明できません(笑)。そういうもんだと思ってやるしかない。その形があまり好きでなければ、他の結び方なり、服装をすればいいわけですから。 とはいえそんな、どうなってるかよくわからない形を、なが~い布(帯)を使って、ささっとできるわけでもない手順を踏んで形にしていくわけですから、最初はほんと頭に疑問符が浮かびまくります。最初から作り帯でええやんけ!と思ったりもします。 これは慣れと理解でしか解決できないと思います。とにかく回数結んでみる、あとは動画などを見てひたすらイメトレすることで上達します。慣れてくれば、自分のやりやすいアレンジを加えたりして楽にできるようになってきます。 でも、この「ひたすら回数をこなす」「イメトレをする」といういわゆる修行パートをぽーんと飛ばすことができるのが「前結び」なんですよね~~~~!!! いやほんとすごいと思います。 なにしろ、目で見て一番難しいお太鼓の形作りができるわけですから。今、私が、何にも知らないで一から帯結びを覚えなさいと言われたら、前結びを選ぶのではないかと思います。 でも実際は慣れているので自分でさっと着るときは、慣れている後ろ結びにすることがほとんどです。着付けは、体が覚えていて普段と違うことをしたりするとよくわからなくなったりすることもあるので、自分が慣れている方法が一番効率がいい。 でもやわらかくてお太鼓柄のここが出したい!と決まっているような帯や、帯揚げの柄を後ろ脇で見せたいポイントがある、というようなこだわりがあるとき、前結びをすることもあります。 帯結び含め、着付けは最終結果は同じでも、そこにい至るプロセスがそれぞれ着る人によって細か~く違ったりします。だって、要は着れればよかろうなのだ。ですから、手段は選ばなくていいはず。 いろんなやり方を知ると、それぞれのいいところを取り入れたり、自分にあったものがわかるので、「私はこれしかやらないの!」と決めつけてしまうのはもったいない。単に私が着付けオタクなだけかもしれませんが(笑) たまには自分と違う着付けの方法を、試してみるのも面白いですよ~!

気になるおはしょりの横もっこりを解消する★の巻

星わにこ
2023/04/12 00:00
着付けについて考えるシリーズ、おはしょり第三弾です。しつこくすみません‥‥。今回はおはしょりの横のぶかぶかをなんとかする!という考察です。 おはしょりがもこもこしたりスカートみたいにひろがっちゃったりするのは、着付けの問題というよりは実は補整が大きな原因だったりします。 ウエストの補整をしていない、もしくは足りないと、ウエストで腰紐が締まるとおはしょりにギャザーが寄った状態になってしまいます。ラムネビンに紙を巻きつけて、細いところに紐を結んだら、ぐしゃっとなってしまいますよね。 腰骨の上は「私、補整必要ないんで(キリッ)」というお腹のお肉が潤沢な方(私です)でも、やっぱりくびれています。その段差によって、特に体の横の帯の下、おはしょりがもこっとなってお尻が大きく見えてしまうという現象が‥‥。 なので、適切にこの腰骨の上のくびれを埋めてあげることで、ヒップとの段差がなくなり、おはしょりの横もっこりも解消されるという仕組みです。 あとは、着物のサイズがあわず、身幅が余っていたりしておはしょりの横がもっこりすることがあると思います。 だいたい、身幅が余った場合は体の真横でタックをとって、後ろ見頃の生地を前見頃につっこもう、と言われることが多いです。 そうすると、背中もすっきりするし、余った生地は横で処理する‥‥というものなんですが、これは実は体の真横で布がもたつくので、どうしてももこっとなりがち。 まあ、身幅が足りない方向で悩んでいる胴回りが潤沢な方(私です)は、あまりそういうことにはならないんですが、身幅があまるわ、というスレンダーな方にはこれは大きな問題です。 そこで、タックをとる場所を体の真横から、背中側に移動させましょう。そうすると、布が横で重ならなくなるのでスッキリするというわけ。 この背中タックは、他装のときに身幅が余ったりするとよく使われるテクニックですが、自分だとできないな~と思い込んでいたのですが、両手を後ろにしてウエストのところできゅっと左右同時にタックをとるようにすると案外いけます。 この時下方向にも引き気味にすると、すっきりとタックが入ります。 体型や着物のサイズ、補整や紐の位置、いろんな要因が重なってうまく行ったり行かなかったり‥‥。毎回、なにかしら「もっとこうだったら」と思うことがある着付け。うまくいったな~と思っても、写真をみたらあれれれ、と思うこともあったり、なかなか自分の理想には近づけないでいます。 あらかじめ形が出来上がっている洋服だったら、こんなふうに布の扱いで悩むことも少ないのかも。でも、それが面白くて着物を着ているのかもな~と、ああでもないこうでもないと考える時間が、好きなのでした。 今回もっこりとか書いていて、頭の中には『Get Wild』(シティハンターの主題歌)がぐるぐるしていたのはまた別の話です(こんなネタは何人の方がわかってくださるのだろうか)。 こんな私ですが、今後ともどうぞお見捨てなきようよろしくお願いします。。。

おはしょりを一重にする「三角上げ」考★の巻

星わにこ
2023/04/05 00:00
着付けについて考えるシリーズ(シリーズだったの?)、前回に引き続きおはしょりです。マニアックネタなので、好きな人だけ読んでください・・・。 おはしょりのお腹にあたる部分、上前と下前の布が重なって二重になっていると、ぶかぶかしてしまったりもっこりしてしまったりすることがありますよね。 この部分を一重にするためによく使われるテクニックが「三角上げ」。下前の衿をおはしょりまで下りないように三角に折り上げてしまうというもの。 コーリンベルトを使うとこれがかなり簡単にできます。下前の衿をコーリンベルトで留めたら、留め具の上に下前のおはしょり部分の布を持ち上げて押さえてしまえば、お腹の部分には上前の布しかなくなるというわけ。 これをすると、下前の衿がおはしょりのところで下にひっぱれなくなるので気崩れがなおしにくくなるのですが、やはりお腹のところはすっきりするし、折り上げた布でウエストの補整にもなるので一石二鳥のため、このやりかたを採用している方も多いのでは。 私はずっとこの「三角上げ」は、着崩れが直せなくなるのが欠点だと思っていたのですが、コーリンベルトの留め具を押して衿のゆるみを直す技を会得して以来、いけるでこれはと思っています。 参考:振袖や訪問着の伊達衿のゆるみを直す方法☆の巻 ところが、この三角上げの布を持ち上げる方向を逆にするという方法を、たかはしきもの工房の女将さんに教えてもらいました。 どういうことかというと、コーリンベルトは低めにして、衿はおはしょりのところで引けるように下ろしておき、右に向かって下前の布を持ち上げておはしょりを一重にするのです。 な、何を言っているかわからねーと思うが、おれも何をされたのかわからなかった・・・(ジャン・ポルナレフ談)というくらいコペルニクス的発想でした。イラストを見てみてください。 右側の上前の端がなくなるのでは?と思いきや、そんなこともなく、もしなければ引っ張ればいいし、右端の腰のもたもたがなくなるという凄技。しかも、下の衿も緩んだらおはしょりのところで引いて直せるんです。 へえ~?と思った方は、試してみてくださいね! 目鱗です。 ただ、このおはしょりを一重にする必要がない時もあるわけで、薄手の着物や痩せていておはしょりがふがふがしなければやらなくていいですし、逆にふくよかさんの場合、二重になっていたほうがしっかりとお腹を押さえてくれる効果もあったりして、一重よりよい場合もあります。本当にケースバイケースですね。 人の数だけ着付けのやり方はある・・・というわけで、いろいろ試して自分がやりやすくて綺麗に仕上がる方法はまだまだ探す余地がある、と思っています。 次回も引き続き、しつこくおはしょりについて考えたいと思います。「おはしょりの横のぶかぶかをなくすには」編、お楽しみに!

おはしょりナナメをまっすぐにする方法★の巻

星わにこ
2023/03/29 00:00
着付けについて考えるシリーズ(シリーズだったの?)、今回はおはしょりに注目してみました。 よくおはしょりは指1本分、などと言われます。だいたい7センチ前後ですが、背の低い人は控えめに、高い人はもう少しあってもバランスがとれると思います。 このおはしょりですが、裾つぼまりに着付けをする(上前の端を上げる)と、左側が長くなり、ナナメになります。これは構造上いたしかたないこと。 昭和時代のきもの本などを見ていると、ナナメでも当然ですよね!という感じですが、平成以降は床と平行に、まっすぐおはしょりを仕上げるようになっています。ナナメが変だな、と思うのは、着付け教室でもそう習うし、雑誌などでもまっすぐだから。 でも、このおはしょりをまっすぐにしようと思うとちょっと手直しをしなければなりません。 いくつか解決方法はあって、まず帯を結ぶ前にまっすぐに整えて伊達締めや胸紐で押さえてしまうやり方。 これは他装でよく行う方法。綺麗におはしょりを整えてから帯を結ぶので綺麗に仕上がります。でも、この方法の欠点は、着崩れて衿がゆるんだりした場合、おはしょりをひっぱって直す、ということが難しいこと。 胸下の紐が苦手ではない人はこれでもいいと思いますが、私は苦しくなってしまうので、この方法が苦手です。崩れないように胸紐や伊達締めをきつく結ぶと体がしんどいですから、着崩れても引いて直せるようにしておいたほうが楽です。 また、腰紐自体を左上がりにナナメに結んでおはしょりをまっすぐに見せるやり方もあります。これは体に紐がナナメにあたるので、体が歪む原因にも。 じゃあ一体どうしたらいいの?ということですが、帯を結び終わってから、おはしょりを帯につっこんでまっすぐに整える方法を採用しています。 見えるところ、おはしょりの長い部分をぐっと帯の中に押し込んだら、両手の4本指を下から差し込んで脇に扱いて真っ直ぐにします。このときちょっとお腹をひっこめるとなおよし。 着付けヘラを持っている方は使うとよりすっきりと扱くことができます。 これで胸元が緩んだりしたら、一度おはしょりを引っ張り出して下まで引き、緩みを直して、また帯につっこめばOK。 つっこんだだけでも、よほど帯が緩かったりしなければ、落ちてきたりすることはありません。 胸紐で調整する派の方も、よかったら一度試して見てください。楽ちんですよ! 次回はもうちょっとおはしょりについて考えたいと思います。「おはしょりを一重にするには」編、お楽しみに!

「お太鼓止め」は短い帯の救世主!の巻

星わにこ
2023/03/22 00:00
まだ三月半ばなのに東京ではもう桜が満開に近い状態で、あまりの早い春にあわあわ。年度末で追いまくられているうちに春が終わってしまうのでは? とドキドキしております。 でも、キモノオタクは通常運転。また日々着付けのことなど考えているのですが、最近は「お太鼓結び」を最速で結ぶにはというのを試していて、ずっと仮紐を使って結んでいたところをきものクリップを使うということをしてみたら、かなり時間短縮になりました。 結ばない代わりに、仮紐で押さえるところをクリップで止めるのですが、ゆるまないし、小さめのクリップならつけっぱなしでもOK。むしろ外さないほうが手間もない。ということでいいぞ!と思ったのですが、やっぱり時々クリップの形がぽこっと出そうで気になる時も‥‥。 そこで銀座いち利の女将さんの動画を見て、「お太鼓止め」を使えばいいのでは!と思い、使ってみたらめっちゃよかった! 平らでしっかりと止まり、つけていても違和感ゼロです。 関連動画:【便利グッズ】使ってみたシリーズ お太鼓止め編 あと、最近更なる胴回りの成長を遂げてしまった私‥‥(悲報)。先日、喪服を出してみたらあれっ!入らない!? なんか、しまっておいたら縮んじゃったのかな‥‥よくあることだって友達に聞いたな‥‥そうそう、帯もしまっておくと短くなっちゃうって聞いたことがあるな‥‥という現実逃避はおいておて(爆) 帯の長さが足りないためにお太鼓の返しが不十分で、このままではお太鼓が落ちてしまう危険が‥‥という時、このお太鼓止めがいい仕事をしてくれるのです。 まずは、結ばずにお太鼓止めで帯を止めることで、帯の長さが稼げること。 そして、さらに返しが短くてお太鼓が落ちそう!というときには、短い返しの部分(「て」で隠れるところ)にお太鼓止めを差し込むだけ。「て」を差し込む前にクリップをしてくださいね。 返しをクリップで止める場合は2ついるので、3つ必要です。 今までそんな時のピンチ案は「隠し仮紐」一択だったのですが、新たな裏技発見です。 関連記事:短い帯は隠し仮紐で固定できるぞ。の巻 実はこの返しを止めるのは、お太鼓止めを使う前に文房具のダブルクリップでもやったことがあります(爆)。ただ、挟むのにちょっと力がいるし、うしろに手をまわしてするのでちょっとがんばらないとだめ、また帯が傷つくかも?という場合はやめた方がいいかも。 お太鼓止めは差し込むだけでOKなので、比較的楽です。前結びの方だともっと楽に対処できると思います。 なんという‥‥なんというチームふくよかの強い味方‥‥。(チームふくよかでは、「裏技に頼らず痩せろよ」というつっこみは受け付けておりませんので悪しからず‥‥) 他にも、半幅結びの結び目を固定したり、帯が緩まないようさまざまな使い方ができるお太鼓止め。 お値段もリーズナブルなので嬉しいですね。もし、帯が箪笥にしまっていたら縮んじゃった!(縮まない)&お太鼓止め裏技やったことないわ、という方がいらしたらぜひ試してみてくださいね!チャオ!

袴のリボンに水引でワンポイントチャームの巻

星わにこ
2023/03/15 00:00
卒業式シーズンですね。コロナ禍でいろいろな式典も我慢してきたお子さんたちが、晴れ晴れと卒業式に臨めるのは本当によかったな~と思います。 2年前に成人式が中止になってしまったお嬢さんの記念写真の撮影をさせていただいたのですが、今年は卒業式。同じ振袖に袴をあわせて着付けをさせていただきました。とてもとても嬉しかったー! いまや振袖に袴をあわせるコーディネートもすっかり見慣れてきたように思います。お袖が長いと華やかでいいですよね~。 お母様は、拙著『その着物、どうする? 好きだから知っておきたい保管・メンテ・処分の方法』で、着物の収納・お片付けを監修してくれたさかもとりえさん。着物の準備も完璧でした! お祖母様が用意してお母様が来た振袖を受け継いで、キラキラの笑顔で卒業式に向かう姿を見て、涙~~~!! 佳き日の門出、本当におめでとうございます!! 「成長」を祝う縁起の良い蝶が舞う振袖に蝶の刺繍の袴姿が、とても素敵でした。 水引の髪飾りをつけていらしたので、袴のリボンに水引の飾りを添えさせてもらいました。リボンだけでも可愛いのですが、コサージュやワンポイントの飾りをつけても可愛いですよね! リボンの変形結びもいいし、シンプルな乙女結びもやはりスタンダードでよき‥‥。 本人の個性や学校の雰囲気にもよるとは思いますが、それぞれのスタイルで 袴は、後ろの帯をちょっと大きめに結ぶとバッスルドレス(※)みたいでいいですよね。ふわりと膨らむと、本当に可愛らしいし、着ている本人もテンションあがるんですよね~。 この時期、卒業式に出る先生のふりをして袴で出かける(コスプレ?)なんてこともしたことがありますが、実に楽しい。あと、とってもとっても楽ちんなんですよね。もっと普段に袴を履いたらいいのに。 なーんて思いながら、晴れの門出のお祝いの着付けをさせてもらえるってなんて幸せなんだろうと思う、春の日でした。 ※19世紀ヨーロッパで流行した腰あてをしてふわりと後を盛り上げるスタイルのドレス
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二色のふき・十二単の五衣のような振袖の巻

星わにこ
2023/03/08 00:00
どうも、振袖が好きすぎて困るわにこです。また振袖の話題で失礼します。 私が着付けを担当しているスタジオでは、成人式の記念撮影もしています。レンタルも多いですが、お持ち込みのお振袖での撮影もあります。お嬢様用にあつらえられたものもあれば、ママ振もあります。 先日、お母様が20歳のときに着た振袖のお持ち込みがあったのですが、初めて見るお仕立てでした。 袖口と裾のふきと、袖の振りが赤と緑の二重の二色になっていて、辛子色の比翼がついています。さらに振りの部分から見える襦袢が裏表違う色(辛子色と朱色)で無双になっており、重ねると十二単の五衣(いつつぎぬ)のように見えるというもの。 絹の織りなす色の襲に、思わずうっとり‥‥。 伊達襟も、ふきの色目に合わせた色が用意されていました。比翼でついている辛子色の間に緑の伊達襟を挟む込み、ふきと同じように二色になります。 振袖は蝶々の大きくて華やかな地紋が入った色無地に花紋が入っていて、あでやかな真朱(まそほ)色がとても素敵でした。 振袖自体が一色なので、ちらりと見えるふき、袖口、襟元に密やかにこぼれる色がとても効いていて、おしゃれ!! よく見ないとわからないところもまたこれぞ着物の醍醐味という感じで痺れます。 着物が大好きで、凝ったものや特別感が大好きだったというお祖母様が、お母様のために誂えたまさに世界に1枚だけの振袖。 「20歳のときは、なんだか演歌歌手みたい‥‥ってあんまり気に入らなかったんだけど、娘がこうして着てくれて、大切にしていてよかった。誂えてくれた母にも感謝です」とおっしゃっていて、じーん。 母から娘へ、さらに孫に‥‥着物と一緒に受け継がれていく気持ちを思うと、胸がいっぱいになります。 受け継ぐ着物と簡単に言いますが、子供を産み、それが女の子で、健康に育って無事成人しそれを祝う‥‥誰でも叶えられることかというと、実はそうでもなく、だからこそ尊いなあと感じます。 写真スタジオの仕事は、そんなご家族と着物の物語に触れられる大好きな仕事です。人生はいろいろあるけど、大切な人と笑顔で写真を撮る幸せのお手伝いをすることができる‥‥だから続けているのかもな、と、着物で笑顔のご家族を見ながら有り難く思うのでした。

振袖をドレス風に★還暦ライブ衣装の巻

星わにこ
2023/02/22 00:00
先日、松岡美桔さんのライブにいってきました。美桔さんはミュージカルの舞台などを中心に活躍されている女優さんで、着物繋がりのお友達でもあります。パワフルな歌声がかっこいい! 2019年には両足の人工股関節置換術を受けてリハビリを経て見事復帰し、2021年のレ・ミゼラブルにも出演。もうほんとに、尊敬する歌姫なのです。 このたび、なんとその美桔さんが還暦とのことで、記念にチャリティライブを開催。おなじく友達の初田せつちゃんのスタイリングで、20歳の時に着た振袖をドレス風に着ることに。当日せっちゃんが来られないため、急遽ピンチヒッターで着付のお手伝いに入りました。 その振袖は、美桔さんのお母様が紅型でご自分で染めて作られたそう。一ツ紋も入っていて、母の愛が溢れる素晴らしいもの。 今回はそれをワンピースの上に羽織って、ドレス風に。 ウエストをゴムベルトで止めてベルト部分で裾を引き上げ、帯を結んでドレス風な着こなしにトライ。途中で衣装替えもするので、さっと脱げる形です。 帯は織兵児帯を薔薇結びにして華やかに。とっても素敵でした。 お母様は昨年コロナで亡くなられており、ライブではそのお母様のエピソードも語られて、思わず涙‥‥。きっときっと還暦振袖で舞台に立つ娘を天国で見守っておられるはず。 ウクライナ支援と、児童虐待を受けた子どもたちの生活支援を行っているNPO団体へのチャリティライブということで、国境や人種、ジェンダーなどのボーダーを越えた平和や平等への想いが、歌声からひしひしと伝わってきました。 米倉斉加年さん作『多毛留』の朗読も。小さい時、母に買ってもらった絵本の挿絵が40年以上の時を越えて脳内に鮮やかに蘇り、鳥肌がたちました。百済の国から流れてきた乙女と漁師の物語と挿絵はそれはそれは美しくて、怖くて、悲しくて。 子どもの時にはわからなかった物語の意味を、教えてもらいました。 どうしようもないこと、起こってしまったこと。そして、なにを選んで生きるのか。 そのときわからなくても、いつかわかることもある。 年を重ねて、見える景色もある。 いろんな想いを受け取り、私も、がんばろ!と思えたライブでした。 60th anniversary charity live “Beyond Borders” ~Reading & Singing~ https://eplus.jp/sf/detail/3795840001-P0030001 25日まで配信されています♪ <おまけの宣伝> 着物と関係ない話で恐縮ですが、星わにこの4冊目のコミックエッセイ 『53歳シングルマザーのライフプラン』世界文化社 が本日2月22日に発売になりました。 着物の話はほとんど出てこず、計算や計画を立てるのが苦手で 行き当たりばったり人生のわにこが、コロナで仕事や体調に 不安を覚えて、エンディングノートとライフプランに取り組んだ お話です。人生後半戦、どうやって生きていこうかな、と 考えている方の、お役に立てば嬉しいです!

ニャンニャンニャンの日・猫結びの巻

星わにこ
2023/02/15 00:00
もうすぐ2月22日。ニャンニャンニャン、というわけで猫の日ですね。我が家にも2匹の猫がおります。知り合いの和裁士さんのマンションのお庭でノラちゃんが5匹子猫を産んだのを、そのままでは保健所に連れて行かれてしまう‥‥というので保護。先代の猫を20歳で看取って半年の我が家にも、どうかとお声がかかりました。 家族会議ですぐに引き取りが決まり、そのまま迎えにいって残っていた2匹を引き取ってはや9年。時がすぎるのは早いものです。いつも、絵の中に勝手に登場させているのがこの2匹。 姉妹だけあって、本当に仲良し。いつもくっついています。いっちょかみ気質で要領のいい女子力の高い茶トラの「いわし」と、人見知りで慎重でどうもワンテンポずれがちなキジトラの「さわら」。毎日布団を占拠され、小さくなって寝ている私ですが、これも幸せというやつですよね。まだまだ長生きしてほしいと思っています。 先代の猫から数えると、猫様の下僕暦も30年近くなりますが、本当に猫様にお仕えできていることをありがたく思っております。着物好きには猫好きも多いとも言われますが、同志の方がいらしたら深く頷いていただけるかと‥‥。これからもイラストの中に出てくると思いますが、猫派でない方も生ぬるく見守っていただけると幸いです。 さて、そんな猫の日にむけて、帯の猫結びのご紹介です。猫耳結びともいわれるこの結び方は、「て」を耳に見立てるもの。 名古屋帯をお太鼓と同じように胴に巻いて、ひと結び(からげてクリップでもOK)。「て」を耳に見立てるように、ななめに折りあげてクリップで止め、仮紐で止めます。 その上に銀座結び用の帯枕か仮紐でお太鼓を被せて、銀座結びと同じようにお太鼓を作ればできあがりです。 お太鼓の上線を少し丸い形にするとより猫っぽくなります! この、「て」で作る耳の形をいろいろ工夫すれば他の動物もできますね。 後ろ手で結ぶのは不可能なので、自分でやるときは前結びで結びます。半幅でもできますが、今回は名古屋帯での結び方のご紹介でした。銀座結びの変形になります。 回すときに耳が崩れがちなので気をつけて。何度か練習してみるとコツがつかめます。 結んでくれるか、後ろでちょっと形を整えてくれる誰かがいたらありがたい‥‥っていうやつですよね。 ほんとに猫の手も借りたいというところですが、ここで全く役に立たないのが猫様の愛おしいところです。最高。 皆様も素敵なニャンニャンニャンの日をお過ごしください。

肌襦袢の衿は見せるの?見せないの?の巻

星わにこ
2023/02/08 00:00
また今週も着物の衿周りについてずっと考えていたわにこです(まだなのか)。といっても、掛け衿ではなくて、衣紋のほうですが‥‥。 皆様肌襦袢はどんなものを使っていらっしゃいますか? 私はたかはしきもの工房の満点スリップを愛用しているのですが、とても衣紋が深くくれているので、まず肌着が衣紋の内側でこんにちはすることはありません。 でも昔ながらの肌襦袢って、結構この衣紋のところが詰まっている形のものが多いです。ぐっと深く抜けているのは、花嫁さん用くらい。 なぜなら、今ほど衣紋を抜いて着なかったから。また見せて着る着方もあったから。 肌襦袢に細い衿(小衿)がついている場合は、その衿に沿って襦袢を着ることでストッパーになって衣紋が安定し、また汚れも防いでくれる役割を果たしてくれます。 その場合、ちょろっと小衿が見えちゃった、というようなことではなく、しっかりと衣紋の内側に小衿が沿って見えているように着付けます。 この小衿が綺麗に見えるように、小衿用の衿芯もあります。紐で結んで止めるタイプの美容衿と呼ばれるようなものは、この肌襦袢の小衿に衿芯を入れたところに沿わせるようにして安定させて使ったりします。 今は、この肌襦袢の小衿を見せて着るという着方をすることが少なくなりました。 また、昔より衣紋をしっかり抜く着方が増えたためか、この小衿のない肌襦袢やスリップ型の肌着が増えています。礼装などでは肌襦袢の衿は見えないように着付けることがほとんどです。 だから、小衿が見えていると「見えてはいけないものが見えちゃってる」みたいな気持ちになることもあるかと思いますが、そういう着方もあると心得ておくといいと思います。 この小衿がついている肌着を見せないように着る場合、衣紋部分をぐ~っと抜いて着てもどうしてもちょろっと見えてしまうことがあります。 見せるならしっかり見せる、見せないなら見せないというわけで、この小衿を取ってしまうと、はみだしが防げます。衿全部を取るのは大変なので、衣紋の部分だけを切り取って縫えばOK。 どうも肌襦袢の衿がこんにちはしてきちゃうというお悩みがあって、肌襦袢に小衿がついている場合はそんなカスタマイズもおすすめです。 あとは、昔書いた記事ですが、脇線の「馬乗り」と呼ばれる部分をほどくことで衿を深く抜くことができるようにもなりますよ。 肌襦袢の小衿が衣紋から見えるときはどうしたらいいの?の巻 簡単に衿が抜けるようにカスタマイズしておくと、着る時あっちこっちひっぱらなくてもいいので、思い切ってやってみるのもひとつの手です。もうそんなの面倒くさ~い!という場合は新しい肌着を買ってもいいかも。 もちろん、そのときは衣紋の部分が抜けた形になっているかも要チェックや!(スラムダンク) あとは、着るときに自分で衿を詰めてしまうのも原因なので、肌襦袢を着たら後ろに引いて衣紋をすっきり抜いておきましょう。 これも、自分がどれくらい衣紋を抜いて着たいかという好みもありますので、参考にしていただければ幸いです。 着物が普段着だった時代の知恵には、「汚れを防ぐ」ということが重要視されていたんだなあ~と、衿周りについて考えてしみじみと思ったことでした。

レースや布をはさむだけ!おしゃれ掛け衿の巻

星わにこ
2023/02/01 00:00
先週からずっと掛け衿のことを考えていた私ですが、昔リサイクルで購入した紬の着物で、どうしても衿の筋汚れが目立ってしまっているものを裏表取り替えればいいのでは、と自分で取り外してみたことがあります。 結局そのときは変色が裏まで響いてしまっていたためどうにもならないな、と掛け衿を取り付けるのはあきらめて、掛け衿をとったままで着たことがあります。 掛け衿があってもなくても、そんなに気になることもなく、そのまま愛用しています。 仕立て変えのときには、本衿と掛け衿を使い回して、掛け衿の汚れているところを目立たないところにもっていったり、掛け衿自体の長さを出すために本衿を掛け衿に繰り回すこともあります。 江戸時代の町娘が、衿の汚れ防止に黒繻子の掛け衿をしているのを見たことがあると思いますが、あんな風に上から布をかけてしまってもいいのでは。 伊達襟を表に出したバージョンみたいなかんじ、幅広レースで衿を挟んでみました。じゃーん。 縫い付けなくても、挟むだけで大丈夫。ズレるのが気になるのであれば、衣紋の内側など少し縫ったり、安全ピンなどで止めてもいいかも。 汚れを防げて可愛くて一石二鳥。センスが問われるところですが、自分が楽しい、テンション上がる!と思えればよいと思います。洋服のつけ衿感覚でも楽しめそうですね。 レースが必要な長さは、伊達襟と同じくらい。110~125センチあれば十分です。下前見えない部分をケチれば100センチでもいけるかも。ここは体の厚みや帯の位置にもよりますので、自分はどれくらい必要か試してみてください。 細身で小柄な方なら100センチ不要かもしれません。 挟むだけの場合は、上前に挟んだ分がしっかり帯に抑えられる位置まで必要です。 もちろんざくざく縫い付けてしまってもいいと思います。でも、すぐ外すし面倒だなと思う場合は挟むだけでもいける、ということで(どこまでもズボラ……) もともとは汚れを防ぐため‥‥と思いましたが、可愛いし、襟元のおしゃれもいろんな可能性があるよな~とちょっと楽しくなってしまったわにこでした。