流行ってる!レースの羽織は便利です☆の巻
星わにこ
2017/06/21 00:00
先週はこのコラムを病欠してしまい、大変申し訳ございませんでした。毎週毎週ギリギリでもなんでも担当の皆様に助けていただいて続けていたのに、お休みとなってしまい本当に無念です。月初めにひいた風邪が全く治らず、ぶりかえして結局1週間くらい寝込んでしまいました。地味に流行っているようですので、皆様も風邪にはお気をつけくださいませ(><)
流行っている、といえば一昨年くらいから、レースの羽織を着ている方をよく見かける気がします。最初は黒、白だったのが、最近はカラフルで模様も様々。バリエーションが豊かになっています。2枚目をお探しの方も多いのではないでしょうか。なぜこんなにレースの羽織姿が増えたかというと、思うに‥‥‥
便利だから!
なにが便利かというと、「季節を(かなり)問わない」ということでしょうか。
羽織は、ちりよけにもなりますし、帯結びに自信がないときや着付のアラも隠してくれる強い味方。コーディネートや羽織紐でもおしゃれ度もアップしますし、取り入れたいアイテムではありますが、着物や帯同様、着用時期が気になります。
このコラムをPCで見た時に「人気記事」というのが5つ見られるのですが、よくランクインしているのが2014年の4月に書いた羽織の着用時期についての記事。
袷、単衣、薄物の羽織の着用はいつごろなのかを書いたのですが、レースやシースルーはスリーシーズンOK、となっていますね。
これが同じスケスケの旧来の紗や絽の羽織の薄物であれば、かなり季節が限定されます。紗は5月から9月OKですが、実は同じ薄物でも絽の羽織は「絽目があるものは夏物だから」という理由で、6月中旬から8月一杯と言う厳しい旧来のルールが適用されがち。
そうとも知らず、薄物の羽織があったら便利なのに!と、ヒトメボレした絽の生地で長羽織を作ったものの、なかなか袖が通せていないワタシです。トホホ。
体感でいいじゃないのと言いますが、なかなか「決まり」がある、しかも着物と違ってプラス要素でわざわざ着るものですからルールを崩すのにはちょっと勇気が。しかも、その時期、暑いですから! いくらちりよけと言ってもなかなか出番がありません。
一方、レースの羽織は、ぐっとくだけたかんじになりますので、素材感さえ問題なければもう年中着ていても許されてしまうほどオールマイティ。浴衣にオンして楽しもう、という提案もあります。レースの半衿が季節関係なく使えるのと同じですね。
レースだけでなく、シースルーなど透ける素材の洋服地で作った羽織も同じように扱われることが多いです。これらの羽織は、広幅の生地で作られますので、背縫いがないことも。個人的には背縫いがあったほうが、キリっとして好みですが、必要のないものは入れなくてもよいという考え方もアリです。
いち利モールでもオリジナルレース羽織「ふわり」の種類が増えていて、どれも素敵で迷ってしまいます‥‥背縫いもあるタイプだし‥‥しかも今なら10%オフ‥‥こうやって迷っていると人気色からなくなっていくので、早く‥‥ああっでもっ‥‥と毎年煩悶している私です。「ふわり」のシリーズもいいんですが「しゃなり」のシリーズも捨てがたい‥‥‥!!
こうして悩んでいる間に、時が過ぎてしまうわけですが‥‥。最近は、もうズバっと買ってしまってバンバン着たほうがいいよね!と思いつつも、絽の羽織の失敗が尾を引いていて、ここまで引っ張ってしまうともうなんだか踏み出せなくて‥‥。神様、私に勇気をください! いやでもセールになってるあれも欲しいしこれも欲しいのでどうしたらいいですか!(知らんがな:神の声)
これからの季節、いえずっと、ますます活躍しそうなレースの羽織。黒や白のオーソドックスなものを持っている方も、その便利さに新作の中からもう1色、違う色目が欲しくなってしまうのではないでしょうか。とすると、これから1枚目を買う私はどの色を選んだらいいのか!!!
この煩悶も、まだまだ続きそうです(苦笑)。
夏の帯枕はへちま?麻?それとも新素材?の巻
星わにこ
2017/06/09 00:00
関東も梅雨入りしましたね。雨も気になりますが、とにかくムシムシと暑いのが辛いこの季節。すこしでも爽やかに着物が着たーい!
着物、帯、インナーはもちろん、着付け小物も涼しい素材が気になりはじめます。メッシュのものなどもありますが、夏素材のクイーンはやはり「麻」でしょうか。
麻は熱伝導性に優れ、通気性、速乾性もあり、天然繊維の中で最も涼しいと言われています。しかも自分で洗える! 本当に魅力的な素材です。ハリがあるので、体に張り付かないのも涼しさの一因。そのかわり、すこし肌あたりがきつかったり、着膨れして見えるのが弱点。
着付け小物にももちろん麻のものがあります。腰紐や伊達締めはもちろん、帯板、麻わたを使った帯枕や補整も人気です。
もうひとつ、夏になると急に欲しくなるのが「へちま」。スポンジ状で通気性が非常によく、熱がこもらないので、夏の帯枕といえば「へちま」は不動の人気です。帯板などもあります。へちまの帯枕は自作!という方も。
自作と言えば、めちゃめちゃ暑い日にはタオルを巻いて帯枕をつくって、その中に保冷剤を入れるというテもあります。でも保冷剤は溶けてしまうので、あまり長時間向きではありません。
たかはしきもの工房の帯枕「空芯才」も人気があります。中に立体メッシュ素材が使われていて、通気性がよくてやわらかい。枕の長さがあるので、帯山の形が決まりやすく、背中にフィットするのでもたれたりしても痛くない。帯枕は固いものだと思っている方、目からウロコですよ。
その上、なんと洗濯できちゃう。意外と帯枕は汗を吸っているので、洗うとさっぱりします。特に夏向きというわけではなく通年仕様ですが、これが一度使ったらやめられません。私の周りでも、ほとんどのキモトモ(着物友達)が使っています。
私は、夏は空芯才とへちまと併用しています。へちまのほうが少し軽くて、背中への密着度がないので少し涼しい気がします。なのでカジュアルで気楽な帯のときなどはへちまで。形をきちっと決めたいときは空芯才です。
でもやっぱり固い帯枕を使うと背中が痛い‥‥。のでやはり空芯才の出番が多いでしょうか。
それから、帯枕は素材だけでなく、その形も注目したいところ。
帯のお太鼓の形はお好みがあると思います。短めで丸みがある枕で帯山が丸みをおびていたほうがいいという方、まっすぐなのがいいという方。その好みの形にも帯枕は関係してきます。
また、一般的に若い方は大きく高く、年齢を重ねるに従って小さく低く、というのが帯枕のセオリーです。そのほかに、礼装は高く華やかに、カジュアルは低めに、というものもあります。
特に夏帯に多い、薄くてやわらかめの素材は、帯山の形に枕の形が影響しやすいですから、どんな時に使うかに気をつけて選ぶとよいでしょう。
夏に限らずですが、意外と着付の小物は家にあったもの、最初にセットに入っていたものなど、そのまま使っている場合が多いです。小物類も、新しいものや新素材のものに変えてみると、びっくりするくらい着心地が変わる場合があります。涼しい素材にも目をむけて、着付の小物類を見直してみませんか?
「胴抜き」仕立てで暑さ対策。天候別コーデの巻
星わにこ
2017/04/19 00:00
東京はいきなりの真夏日になったりして、もう袷が暑い!?という今日このごろです。穏やかな春はどこにいってしまったのでしょうか?
先週の金曜から3日間、仕事で着物を着る機会があったのですが気温が高く、初日からもううそつき袖も単衣に替えて、今まで重ね着していたインナーも減らし、肌あたりがさらりとしている大島紬で出かけました。でも、まだ冷房が入っておらず何とも生温いかんじ。
2日目は、袷は無理と判断して胴抜き仕立ての着物にしました。「胴抜き」とは、袷の時期に着るように、袖の裏や衿裏、八掛(裾まわし)はついているのですが、胴裏がありません。これは、去年洗い張りをして仕立て直すときに、張りが強い生地だったので「胴抜きにしたら?」と勧められたものです。
胴抜きは、袷の時期だけど暑くて‥‥という時などに活躍してくれます。暑がりだから、冬もずっとこの仕立て方という方もいます。
また少しでも胸元のボリュームをすっきり見せたい人、着物の生地が厚ぼったいときなどに有効な仕立て方でもあります。スリムな人には向かないこともあるかもしれませんね。
ちょっと張りの強い生地だったので、前より着心地がアップした気がしますし、暑さ対策という点でもやはり胴裏がない分快適でした。あとで聞いたらなんとこの日26度にもなっていたとか。室内にいたのでそこまでは感じませんでしたが、いやあ、お客様もタンクトップの方がいたわけだわ!と納得。
ひとつ欠点があるとすれば、胴裏がないので汗などダイレクトに着物の生地に響いてしまうということでしょうか。まあ、でもこれは単衣仕立てでも同じことなので、そんなに気にする事もないかなと思います。
これだけ袷の時期に暑い日が続くようであると、もっと胴抜き仕立ての着物が欲しいかも。冬も、東京ではそんなに寒くもないですし、室内に入れば暖房で暑いこともあるくらいですから、暖かさはインナーなどで調整して、着物は胴抜きでもいいのかも、などとつらつら思いました。
3日目は、雨予報だったので洗える着物で。暑さはそんなに感じませんでしたが、やはり着心地はあまりよろしくなく。でも、夕方から遠慮のない雨! 風が強いので傘をさしていても意味がなく、駅からポリの羽織の前をあわせて帯をガードしてブローチで留めて、家まで10分歩いて帰ったら全身ビッショリでした。そのまま洗濯ネットに入れて手洗いモードでお洗濯。次の朝には乾いていて、有難い!!
そんなわけで図らずも3日間、天気を見ながら違う着物に袖を通したのですが、同じ帯で通してみました。木綿の帯なのですが、春のお花畑みたいで今の時期、とってもしたい帯ナンバーワンなのです。着物は、気温だけじゃなく色柄や雰囲気でもこの季節に着たいというのがあって、そこが悩ましくて楽しいところ。帯締・帯揚もちょっと替えながら、どうかな~とは思ったのですが、意外と飽きずに(笑)3日間過ごせました。
こうして見ると、あんまり変わらないですね(笑)でも、着心地は結構違いましたよ~!
カジュアルシーンだったらもう単衣だっていいのですが、仕事だとそうもいかないときもあります。機会があったら胴抜き仕立ての着物は増強していきたいな、と思った春の真夏日でした。
関連記事:袷の時期に涼しく 胸元すっきり胴抜き仕立てのすすめ
妄想コーデ☆宝づくしに市松・七宝、縁起柄でお正月!の巻
星わにこ
2017/01/04 00:00
あけましておめでとうございます。もう三が日過ぎてしまって、早! でもまだまだ1月中はお正月! 気持ちも新たに、今年もばんばん妄想してまいりますヨ(せんでええ)。
ということで、お正月は縁起のよい柄コーデでたくさん福を授かりたい! そんなお宝尽くしの妄想コーデを考えてみました。
着物と帯は「宝尽くし」。その名の通り、お宝が散りばめられている模様です。お宝は、仏教由来のものや日本独自のものまでいろいろなモチーフがあります。
「打ち出の小槌」は七福神の大黒様が持っている、願いを叶えてくれる小槌。
「金嚢(こんのう)」は財宝を入れる袋。宝袋。
「隠れ蓑」「隠れ笠」は笠は男性、蓑は女性の宝物で、身を隠す=身を守る縁起物。
「分銅(ふんどう)」は金の重さを秤で測るもの。富や財力。
「丁字(ちょうじ)」は香料のグローブ。高価で薬や染料としても使われた。
「宝巻(ほうかん)」書物の巻物。知恵や知識の象徴。
「宝鍵(ほうやく)」蔵の鍵。富の象徴。
「七宝(しっぽう)」光り輝く7つの宝玉。
「如意宝珠(にょいほうじゅ)」観音様が手に持っている願いが叶う珠。
などなど、パっと見では「何のお宝かわからない」というモチーフがたくさん。
でも、意味を知ると有難い気持ちになりますね。宝尽くしは、これらのモチーフの組み合わせ。どれとどれがないといけないという決まりもないですし、この他にも宝船や七福神、花模様などと組み合わせて「宝尽くし」と呼ぶこともあります。要は、お宝いっぱいの模様!ということですね。
半衿と帯揚は七宝模様。宝尽くしにも出てきますが、七宝とは七つの宝玉、「金、銀、 瑠璃(るり)、 玻璃(はり)、しゃこ、珊瑚(さんご)、瑪瑙(めのう)」を現しているそう。
また、帯締めは市松模様。この模様はもともと石畳模様と言われていたものが、江戸時代中期に歌舞伎役者の初代佐野川市松がこの模様の袴を用いて人気を誇ったことから、市松模様と呼ばれるようになったそう。どこまでも模様が同じように繋がっていくことから、子孫繁栄や長寿、事業拡大などの縁起模様として知られています。
http://bit.ly/2hJdb6g
ここにあげたものだけでなく、縁起のよい模様やモチーフはたくさんあります。好きな縁起模様を身につけて、福を招きたいですね。
ここ数年落ち込むことが多かったのですが、縁起柄のパワーもいただいて心機一転いい1年にしたい!と意気込んでおります。コラムもまた皆様に楽しんでいただけるよう練ってまいりますので、本年もどうぞよろしくお願いいたします\(^O^)/
赤コーデは勝負色! 「真田丸」の赤備えと房に注目の巻
星わにこ
2016/12/21 00:00
大河ドラマ「真田丸」皆さん御覧になってましたでしょうか。私近年珍しく、大河を最後まで視聴しました! 最初は主人公の影の薄さと周りの濃さにびっくりしつつ、クライマックスにむけて「ああ、この時のためのこの1年」というような見事な展開に胸を躍らせました。
春休みには徳川家康の日光御鎮座400年ということで東照宮へ。ゴールデンウイークは信州上田まで馳せ参じ、年末は大阪城に!(時間の関係で近くまで行っただけですが‥‥)上田城も大阪城も六文銭の赤い旗がはためいて盛り上がっていました!
「赤備え(あかぞなえ)」というのは甲冑や旗などを朱色で統一した軍団編成のこと。最初は甲斐武田の飯富虎昌が用いたとされ、「武田の赤備え」が有名です。他に井伊直孝の「井伊の赤備え」。彦根城のゆるキャラひこにゃんも、この井伊の赤備えです。そして真田幸村が大坂の陣で敷いた「真田の赤備え」。
赤は太陽や血の色であり、生命力を象徴する色。遠くからでも目立ち、人間の脳を刺激し興奮させる色と言われています。「勝負色」ですね。年末のバーゲンでも赤い「SALE」の文字が踊ると闘争本能に火がつきますよね(つきませんか)。そして、赤は飛び出て見える色でもあります。甲冑が赤ければ実際よりも迫って見えたり、強そうに見えたりするのでしょう。
また身につけている本人のテンションを上げてくれ、赤い衣類を身につけると実際血行がよくなったり、暖かく感じたりするようです。巣鴨で売ってる赤いパンツとかもこういう効果ですよね。
上田と大阪に行った時に赤い旗がズラ~ッとはためいているのをみると、確かにテンションアップしました!
どちらも、帯締めと帯揚を真っ赤にして「赤備え」気分のコーデで行ったのですが、これだけでも気分があがりますから、全身赤になったらこれどうなるんでしょうか(笑)。やっぱり勝負服は全身赤!? と盛り上がっていたらキモトモに「全身赤とかサンタさんか還暦でしょ!」と言われ、ちとしょんぼり。
とはいえパワーを引き出す「赤」。ポイントで取り入れるだけでも効果ありそうですよ! 冬の寒さも吹き飛ばしてくれそうです。ちょっと元気がないなというようなとき、コーデに取り入れてみるとよいかもです。
それにしてもわたしがこんなにハマって見続けたのはなぜかしら、と考えたのですが、真田丸には「房」がめちゃめちゃ登場してきていたのですよね。特に大阪城は房天国! 置き物、襖など細部に至るまでインテリアは房だらけ。
そして、合戦になってくると、甲冑の房、馬の房、陣羽織の房と、房天国でした。それに気付いてからは、幸村が現れれば前から見ても房、後ろから見ても房、もう最後の赤い房だらけの馬具をつけた馬上のこれまた赤い房だらけの甲冑で鼻血が出そうでした。
まあ、わたしのような視点で見ている人はそういないかとは思いますが‥‥。年末に総集編がありますので、興味があったら房にも注目してみてください!
総集編が終わったら、真田丸(房)ロスでがっくりきそうなわにこでした!
おまけ:大阪城前で赤備え(気分)にて。赤ってちょっと差すだけでも効きますね!
木枯らしに負けない!着物の足元防寒対策の巻
星わにこ
2016/12/14 00:00
着物で一番冷えるのは三首(首元、手首、足首)です。その他は重ね着していますし、特にお腹周りは帯で本当に温かい。私が昔お世話になっていたアパートの大家さんは、「冬は着物が一番よ!」とおっしゃってましたっけ。
私は洋服でもスカートをはかないので、脛がスースーするのが一番苦手。なので冬は足袋の下に足袋下ハイソックスを履いて防寒しています。薄手の靴下なので足袋をストレッチにしたりワンサイズアップしたりして履いていますが、この暖かさには換えられません!!
ストッキングやもっと薄手のものもあって、足袋のサイズを気にせずに履けますが、暖かさがイマイチに感じてしまいます。礼装のときなどはそちらを選びますが、普段は断然、足袋下ハイソックス!
またもっとカジュアルなスタイルのときには、厚手の足袋ハイソックスを愛用しています。足袋型の靴下より厚手でヒザ下まであったか!
厚手だと足の形も出づらいので、最近はこの上に足袋カバーを履いてしまい、足袋を履いているような顔をすることもしばしばです(笑)。
ハイソックス型のよいところは、トイレに入る時に影響しないという事です。
防寒対策でスパッツやトレンカなどを履くと、よっぽどローライズでないかぎり帯の下にもぐってしまいますから、上げ下ろしが大変。モゾモゾアクションが着崩れにも繋がってしまいます。
それからもし出先でめちゃめちゃ暖かかったりしたら最悪脱ぐ事も可能だということ。
しかし、ひらり‥‥と着物の裾がはためいたり、ふとした拍子に見える足袋から覗く白い足首からふくらはぎ‥‥‥。とても色っぽいですよね。着物のお色気ポイントでもあります! まあ、そこは暖かさとどっちをとるかというご自身の選択で(笑)
足袋からはみ出ないタイプのインナーもありますし、足袋自体が暖か素材(別珍やフリースなど)もあります。
ものすご~く寒い日にずっと外、みたいな時は奥の手で足裏用のホッカイロを貼ったりもします。でも、実はあれ、つま先に貼るものなんですが足袋はつま先が割れているので指が暖まらないのですよねー。末端のつま先から冷えてきますから、足袋用に先が割れているホッカイロがあったらいいのにと思ったりします(ニッチすぎ?)。
洋服の人はファーのついたロングブーツとかなのに、なぜ着物は足袋1枚でふきっさらしなのか、かなり不利(不利っていうのか)ですよね。と思っていたら最近はスッポリ草履をつつむファーのカバーもあるとか? いろいろ考えますねー! だったら最初からブーツでもいいような気もしてきます。
思考グルグルしつつ、まだまだ考える余地があるかも? な冬の着物の足元事情でした。
冬に楽しみたい☆ウールの普段着物の巻
星わにこ
2016/12/07 00:00
寒くなってきましたね。セーターが恋しい季節です。冬になると着たくなる着物、それはウール。
ウールの着物といえばアラフィフ以上には懐かしいものではないでしょうか。単衣仕立てで、家でお手入れできて、暖かい。冬の普段着にピッタリな着物です。少しチクチクする肌触りだったり、重かったりするものも多いですが、タートルネックとスパッツを着た上に羽織って半幅を結べば、全身暖かくて普段着に最高。コートを羽織ればおでかけも平気だし、もちろんキチンと襦袢の上に着ればカジュアルな外出着にもなります。
正絹の着物に比べてしまうと、ちょっとゴワゴワした感じが好きになれず、ずっと袖を通さないでいましたが、先日友達がちょっとサイケなウールの着物を上手く着こなしていて、それがとっても可愛くて、またちょっと着てみたくなりました。
絣柄のものなんかは「ザ☆昭和」になりがちですが、これも若い人が上手くコーデすれば可愛くなっちゃうのかも? なにより自分でお手入れできるのが魅力ですよね。
なかなか売っていませんが、昔は普段着として流行ったものなので、おばあちゃんやお母さんの箪笥に1枚くらいしまってある可能性が高いもの。また、リサイクルショップなどで激安で手に入れられる可能性も高いです。
おふるやリサイクルものはサイズが小さくても普段着ならご愛嬌。むしろ裄が短いほうが家事をしたりするのには好都合だったりします。対丈でも無問題ですし、はだけるのが気になるなら短めに着付けて前掛けとかしてもカワイイですよ~。
ひとつだけ、中古を手に入れる場合に気をつけたいのが「虫食い」。ウールだけに、虫食いの穴があいちゃっていることがよくあるのです。私も昔、お気に入りのウールの着物に穴があいていたのを発見したときはショックでした~! 結構「えっ」というところにあるので、よく見てください。
ですので保管のポイントとしては、防虫剤を入れて、必ず絹の着物とは別にしておくこと。ウールは虫がつきやすいので、本来虫がつきにくい正絹の着物も、もらい被害にあいやすいのです。モスリンもウールの一種ですので、モス襦袢やモス腰紐なども別に保管がおすすめです。
よく、浴衣を着て着物の所作を身に付けようといいますが、冬はウールの着物で過ごすのもいいですよ。着物姿で生活すると、どうしたらどこがはだけるとかどこが着崩れるとか、NGな動作もわかりますし、着崩れてしまったらどこをひっぱればなおるかなんてことも身に付きます。
着物は楽に着て、着崩れたら直せばいいのです。気軽な普段着からトライしてみましょう\(^O^)/
ちょっとウールがマイブームなわにこでした。
ハロウィン・コーデは色で決めよう☆の巻
星わにこ
2016/10/19 00:00
朝は寒いなと思っても、日中結構気温があがるのでコーデに迷う今日このごろ‥‥とはいえさすがに袷でも耐えられるようになってきた東京です。
街はすっかりハロウィン一色。カボチャの限定パッケージお菓子が気になります(お菓子か)。大体一周して、限定ものよりは定番もののほうがやっぱり美味しいよね、ということにはなるんですが、やっぱり買ってしまうんですよね‥‥。何故人は限定に弱いのでしょうか。
着物も、定番以外にやはり季節ものでも楽しみたいですよね! ハロウィンコーデはそのものズバリ!なアイテム(ジャックオランタンやオバケ、黒猫の帯とか着物とか‥‥)はハードルが高いので、小物と色あわせでハロウィンっぽく見せるのもひとつアリかと思います。
色。黒、オレンジ、赤、紫‥‥このあたりを逃げ場なくみっちり組み合わせていくと雰囲気がでます。
というわけで今年のハロウィンコーデは、あえて色だけで攻めてみました。
http://bit.ly/2e4gIwQ
どれも特にハロウィンがモチーフなわけではありませんが、全体的にハロウィンなイメージ。
もちろん半衿や帯揚、帯留などにチラリ、ハロウィンイメージのアイコンをつければますます気分が盛り上がる事間違いなし。
あとは魔女帽子を被ったら、立派なハロウィンコーデの出来上がりです。私もこーんな感じで楽しんでみましたヨ! 着物も帯もハロウィンじゃなくても、魔女帽子だけでもいいような気もしてきましたが(笑)、要は楽しんだモン勝ちってことで(どうでもいいけど嬉しそうですね、ワタシ……(汗))。
ちなみにハロウィン、ここ10年くらいですっかり秋の行事として定着してきた感があります。昭和生まれのワタシの子どものころはなかったような。もともとは古代ケルト人の収穫祭で悪霊を追い払う、という行事だったそうですが、アメリカの民間行事として定着、それが日本でも定着、という流れのようです。クリスマスなどと違って特に特定の宗教の行事ではないというのが、なんだか意外でした。
またハロウィンの時期は日本のお盆のようなもので、亡くなった人が帰って来ると信じられており、同時に魔物もやってくるため、魔女やお化けなど怖いものに仮装することで魔除けになると考えられました。だから、皆コワ~イものに仮装するんですね。
私にとってハロウィンは、子どもと一緒に楽しめるイベントのひとつ、ぐらいに思っていたのですが、そう思うと今年は仮装に気合いが入りそうです(コスプレ好きなだけ?)。
着物だから、いや着物だからこそ楽しめるお洒落もいろいろ。季節を取り入れるのは、着物のお洒落の醍醐味。いろんな行事を楽しんじゃいましょう!
1年中OK!? 便利でおシャレなレース半衿の巻
星わにこ
2016/09/14 00:00
最近、季節を問わず愛用しているのが「レース半衿」です。礼装以外なら、素材感が合っていれば1年中OK。こんな季節の変わり目、塩瀬には早いけど、絽縮緬なんて持ってないし‥‥な~んていうとき便利なのがレースです。
あまり季節を気にしなくていいし、お洒落だし、最近もっぱら愛用しております。「あらレースもいいわね」って、よく褒めていただけるんですよ。
市販のものでもいいですし、幅広のレース生地を買ってきてもOK。立体感があるのでちょっとニュアンスがあるお洒落な襟元になりますよ。
レースと一言で言っても透け透けなものから刺繍っぽく見えるような豪華なもの、モコモコでベロアのようなほっこりしたものまでいろいろなタイプがあります。一番顔に近いところにくるものですから、あててみて顔うつりのよい色のものを選びましょう。
綿レースは素朴で可愛いものが多く、肌あたりもよい。ポリエステルのものはキラキラと光沢があったり、華やかなものがたくさん。種類も豊富で値段もお手頃なのが魅力です。
人間最初に習ったことからなかなか外れるのは難しいようで、かくいう私もお茶をやっていたせいもあるのか半衿と足袋は白と決め込んで、そこからなかなか踏み出せなかったのですが、白いレースだったら抵抗なくつけることができました。
そこから、ちょっと生成りのレース、ほっこり素材のもの、薄い色のレース‥‥と段々冒険するようになり、最近ちょっとはまっているのが手作り作家さんのカラフルな布の上にレースが縫い付けてあるもの。土台の布はとってもキッチュで派手だったりするのですが、上に白いレースがあることで、程よくポップで可愛い襟元ができあがるのです。
それだけだとちょっとどうかな~というような色や模様の半衿も、上にレースを1枚かけると、色がちらりと透けてお洒落になったりします。
それからレースの半衿の何がいいかというと、半衿つけのときにかなりザクザク適当な針目で縫い付けてしまっても、シワやヨレが目立ちにくいということ(ええ)。これがまたやめられない一因でもあり(こら)。
ピシッと美しい、真っ白な半衿は気持ちが引き締まりますし、大事な時には気合いをいれたいもの。
でも普段のお洒落には、気がラクで可愛いレースの半衿、おすすめです。秋めいてきた空に、生成りのレースの半衿はいかがでしょうか。かしこまりすぎず、くだけすぎない、ほどよくお洒落な襟元を演出してくれますよ。まだ未体験の方がいらしたらぜひお試し下さい。
平安王朝絵巻!ぬりえ気分で紫陽花の重ね衿パーティコーデ☆の巻
星わにこ
2016/06/15 00:00
いよいよ梅雨入り。梅雨寒になったりカラッと晴れたり、忙しい天気ですね。紫陽花も例年より早く咲いたようで、あちこちで目を楽しませてくれます。
先日、装束勉強会でご一緒させていただいている漫画家の鈴木淳子さんが「平安王朝絵巻ぬりえbook」を出版され、その出版パーティにお邪魔しました。
昨今大人の塗り絵が大ブームということで、書店にいくと細密な塗り絵がたくさんありますね。洋風のものが多い中、この塗り絵本は、和でしかも平安王朝ということで、想像力がかきたてられる内容になっています。源氏物語や伊勢物語などの有名な物語のワンシーンや季節の行事などが、有職故実に基づいた確かな監修のもとに、見事に描き出されていて圧巻。塗り絵の画材の選び方や塗り方ワンポイントなどのページもあって読み応えもあります。絵巻ということで、絵が横長なのも素敵なのです~。有職文様なども細かく書き込んであって、ぬりぬりしていると時間を忘れて集中できます。
当日は主役・じゅんじゅんこと鈴木さんの着物コーディネートと着付をさせていただいたのですが、お母様から譲られたという紫陽花のように見える単衣の着物に、十二単の五つ衣をイメージして五色の伊達衿を重ねて華やかさを出してみました。また、帯も半幅帯を2本かさねて、華やかに。色あわせがキモのコーデです。
五つ衣の色あわせは女房装束の「かさね色目」と言って、胸元、袖口、裾にこぼれる、五色の衣の色をどうあわせるかで素敵な名前がついています。特に四月以降の薄衣にあわせるかさね色目は「卯の花」「菖蒲」「撫子」「女郎花」「藤」「躑躅」など、美しい花の名前がついていて、それぞれの花を連想させる美しい色あわせになっているのです。
このかさねの色目から連想して正式なかさね色目にはないものですが、6月なので「紫陽花」をイメージし、手持ちの伊達衿を合わせてコーディネートしてみました。
色の順番に決まりがあるというと、守らなくちゃとか、間違えないようにしなくちゃと身構えてしまいますが、平安の女性たちも、きっと綺麗だなあと思う色を合わせていたと思うのです。どんどん華美になって重ねる衣の枚数が増えすぎて、禁止令が出されたという記録もあるほど。さぞかし自由な取り合わせで美しさを競ったのでしょうね。
ぬりえも、お手本のかさねの色目もよいけれど、自分の好きな色に重ねて塗ってみてはいかがでしょうか。小学生に塗らせたら、冠が紫になったり、袍が黄緑になったり、それはそれは自由でした。髪の色だって、自分が好きならば赤でも黄色でもいいではありませんか。
五色の重ね衿を使うときは振袖でのコーデばかりでしたが、今回初めてこの重ね衿を小紋で使ってみました。オーバーになりすぎるかな?と思いましたが、着物ってすごい。受け止めますね。小紋でもどーんと華やかになります!! パーティなどここぞというお洒落にはおすすめ! 鈴木さんの美しさにあいまって、本当に紫陽花の花が咲いているようで、うっとりでした。色無地などの襟元で楽しんでもよいかもしれませんね。
まさにぬりえ感覚。色で遊ぶ可能性、無限大。きまりにとらわれすぎないで、手持ちの着物や帯、伊達衿などの小物をあわせたり、かさねたり。平安の女房装束の色の世界にうっとりしながら、着物でももっともっと遊んでみたいなあと思ったのでした。
「平安王朝絵巻ぬりえbook」鈴木淳子 監修:八條忠基 ディスカヴァー・トゥエンティワン