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着物コーデで印刷博物館に行こう!キャンペーンに行ってきた!の巻

星わにこ
2026/01/28 00:00
また「今頃言うなよ‥‥」という記事で恐縮なのですが本年1月10日(土)~2月1日(日)、印刷博物館で「着物コーデで印刷博物館に行こう!」キャンペーンが行われています。 お正月から行きたい行きたいと思っていたのですが、なかなか行けずやっと先週末に行ってまいりました(そういうとこやぞ)。 去年の5月に、勝手に着物で行った私ですが、今回は公式。SNSで京極夏彦館長の顔写真の下に「お待ちしております」と書いてあるのを見たらこれは行かねばなるまいよ……。というわけで勝手に義務感に駆られて行ってきました(遅)。館内には、楽しそうな着物の学芸員さんのチラシもあり、とてもよき……。みんな! 着物で行こうよ! 関連記事:祝印刷博物館新館長就任!京極夏彦コーナーに着物で行こうの巻 さて。本題?の文壇でも着物姿で知られる京極館長の就任記念展示中ですが、現在第Ⅲ期として『書楼弔堂』のコレクションが公開中です。フォトスポットもあり、京極先生の書斎を写真で再現している場所で写真が撮れます。自撮りできるように、スマホスタンドが設置されており、いたれりつくせり……。調子にのって写真を撮ってきました。 京極先生の着物は、八掛に友禅で蜘蛛が描かれていたり、妖怪が刺繍されていたり、羽裏には天狗をはじめとした妖怪が絞りで入れられていたり。草履や手甲にいたるまでさすがの拵え。山内マリコ先生の『きもの、どう着てる?ー私の「スタイル」探訪記』(プレジデント社)にもインタビュー記事があり、様々なコレクションや憧れの書斎での写真も掲載されています。 「蔵書は手放さない」ことで有名な天井までみつしり壁面を埋め尽くす書斎に私もお邪魔したつもりで、記念撮影してきましたっ! 黒羽織でリスペクト、と思ったのになんちゃって手甲をするのを忘れて無念(笑)。 常設展は、相変わらずの充実ぶり。スマホのポッドキャストを聞きながら見ると音声ガイダンスにもなっていて、楽しめます。もうほんと、印刷好きにはたまらない、空間となっています。 それから1階のP&Pギャラリーでは世界のブックデザインの展示がされており、世界中のブックデザイナーたちが、こだわりを詰め込んだ『本』をなんと手にとって、実際にめくって見られるという太っ腹企画。またこれたまらず。時間がいくらあっても足りません……。 展示を見た後は、おたのしみの「妖(あやしい)シール」のカプセルトイ。Youtubeで「カプセルトイのシールを館長とセレクトする」という動画を見ていたので、何が出るかな?とワクワクでハンドルを回すと……出てきたシールを見たら……細かくて見えないっ(老眼) 受付の優しいお姉さんが「何が出ましたか? 『舌切雀の化け物』ですねっ!」と読んでくださいました。。ありがとうございます(涙)。ぼーっとしたカッパか化け猫を狙って行ったのですが、欲張り婆さんが大きな葛篭から出てきた化け物から逃げ惑うやつがあたりました(笑)。欲張るな、ババア……という己への戒めと思い、受け止めます。。 Youtubeで館長が印刷博物館のグッズなんだから、トリミングとかしないでそのまま印刷物の形で、とこだわりを発動されていましたが、結果題材によっては、非常に老眼に厳しいサイズになっておりました。 着物で入場した人は入場券をミュージアムショップでみせると50円引きしていただけるということで、早速「ルーペット(カード型の拡大鏡)」を買いましたよね‥‥。拡大して見ても、さすが印刷は美しかったことを付記しておきます。 キャンペーン自体は今週末までなんですが、過ぎてしまっても、着物で印刷博物館へ行ってみてはいかがでしょうか。おすすめです!

ふくら雀、都鳥。愛子さまの素敵な振袖の帯結び

星わにこ
2026/01/21 00:00
先週の日曜日、大相撲初場所を天皇皇后両陛下と愛子さまがご観戦になりましたね。ご一家での相撲観戦は6年ぶりとのことで、ご家族の仲のよいお姿や、相撲ファンの愛子さまがメモをとったり紋付袴の八角理事長に質問されたり、テレビで拝見しているこちらも嬉しくなってしまうような天覧試合でした。 皇后陛下の訪問着は上品な薄紫の地色で鬘帯の紋様でしょうか。帯の紋様ともリンクしていてパーフェクトコーディネートな上に、天皇陛下のネクタイとカラーリンクされていて、とても素敵でした。もっと!もっとじっくりお姿を見せて~となっていたのは私だけではないはず。 そして愛子さまは、学習院大学を卒業された時に袴にあわせてお召しになっていた桃花色の三つ紋の本振袖姿。袴で隠れていた全体を見ることができました。紗綾形の綾子地に友禅で美しい菊や桜、梅、竹など古典模様が描かれて、本当に華やかでしたね。 帯は四角と八角を組み合わせた豪華な蜀江文様の中心に菊があしらわれた 格調高い袋帯。ふくら雀に結ばれて、気品を感じる装いはさすがの一言です。 このふくら雀という結び方ですが、冬に寒さをしのぐために羽根に空気をふくませてふっくらしたフォルムになった「ふくら雀」がモチーフ。「福良」「福来」などとも書き、繁栄の象徴でもあります。 ひだの取り方や羽根の形が美しいシンメトリーな形で、綺麗に結ぶためには技術が問われます。国家試験の着付技能士1級の実技試験で指定されることでも知られています。目を皿のようにしてテレビやニュース画像を見ていた私ですが、形も、お太鼓部分とたれの柄合わせも完璧! さすがのお着付だわあ~とうっとり。 ふくら雀といえば、お母様の皇后雅子様が結納の時にお召しになった振袖でも帯はこの結び方でしたよね。この帯は、美智子上皇様がご婚約時代に香淳皇后から贈られて使われた丸帯だそうです。当時は気づかなかったのですが、近年その時の帯結びの画像を見て、このお太鼓とたれの柄合わせの見事さに目を奪われました。 豪華な七宝華紋のはっきりとした大きなお花の形がびしっと揃って一際美しく「うわぁ痺れる……」ってなりました。こんな着付ができるよう、精進していきたい……。 愛子さまのお話に戻りますが、昨年ラオスに訪問されたときの振袖にも菊の柄、帯も菱の中に菊紋が入っており、これまた天皇家を代表してのお姿が素晴らしかったですね。この時は、ふくら雀に似た「都鳥」という帯結びだったと、界隈で話題でした。形はほぼ一緒なのですが、都鳥のほうは右側の羽根が華やかなひだになっていて少し角度も違うようです。深いわ……。 その振袖の上から、ラオスの民族衣装の肩掛け「パービアン」をかけられる一幕もあったのですが、これがびっくりするほどベストマッチ。美しいシルクの織物同士、相性がいいのでしょうね。素敵でした……(語彙) 皇族の皆様方の着物の着こなしは、着物や帯の素晴らしさだけではなくコーディネートや所作も本当に目の保養で、毎回楽しみです。行事でのおでまし、もっと着物姿が見たいわ~! そして報道の方にはぜひ帯結びや紋様をじっくり見せていただきたいわ~!なんて思っている、着物好きの独り言でした。

振袖だけじゃない!?「二十歳のつどい」おめでとうの巻

星わにこ
2026/01/14 00:00
今年も「二十歳のつどい」が終わりましたね。毎年、この日が終わるまでは着付師さんたちはお正月気分もそこそこに、なんとなく落ち着かないのではないでしょうか? 帯結びなどの技術練習もそうですし、風邪などにも気をつけて。私も無事この日に振袖着付けを終えるとやっと心が休まるような気がします。 お仕事といえばそれまでですが、やはり20歳を迎える若者たちのお祝いを自分ができることでお祝いさせてもらいたいという気持ちがあります。毎年しつこく書いているかもしれませんが、一人の子どもが育って、無事この日を迎えて大人になっていく。当たり前のようだけど、実はそうじゃなく、本当に「有難い」ことだと思います。 本人にとっても、また見守り育ててきた保護者のみなさんにとってもとても一区切りとなる大切なお祝いの日。それに関われることは、着付けの仕事をしていてよかったなあと思える日でもあります。 今年は私もスタジオで、三人のお嬢さんの着付をさせていただきました。我が家も息子が二十歳を迎えるので、同級生のお嬢さんたちの着付をさせてもらえて、本当に胸がいっぱいになりました。大人になって綺麗になって……。 古典柄にママの帯を合わせたり、ママ振にブーツを合わせたり、個性的な帯留めをチョイスしたり、髪型も髪の色もネイルも本当におしゃれ!!みんな違ってみんないい!!! 女の子の振袖のお支度は本当に一大イベントで、準備もそうだし、当日もご家族は送迎や着替えの引き取りなど1日中大変ですよね。今年はお家で自分でお支度するママ友のレッスンもして、それもドキドキ。でも、みんな、それだけする甲斐があるなあ~という晴れ姿で、お手伝いさせてもらえるだけでおばちゃんは涙、涙です。 一方ほとんどの男の子はあっさりしたもので……。肝心の我が家の息子は「袴は着ない。スーツもなんなら着なくていいのでは?」と言い出す始末で、高校の卒業式でもウインドブレーカーを着たという武勇伝もあるため、当日までハラハラでした。 着付仕事を終えてから会場でドキドキしながら待機。無事会には間に合ったみたいでしたがなんだかなあ。でも、待っている間も会場前で待ち合わせをして、再会を喜んで写真を撮ったりしている晴れ着の皆さんを眺めているのも楽しかったです。 もうね~こんなにたくさんの振袖姿を見られるのはこの日だけ! まさに振袖天国です。今年は白っぽい振袖や、くすみカラーが目立ったかな。毎年そんな流行を見たり、いろんな華やかな帯結びやコーディネートをみるのも最高です!! 一方、今年は女子のパンツスーツ姿も増えた気がします。自分がしっくりくるお洒落で参加するのが一番ですよね。 そして息子の仲良しくんが、なんとタローマンのコスチュームで現れて話題をさらっていて爆笑!! それがまためちゃくちゃハイクオリティで、マスクの製作者(先輩)も来てたのですが、制作秘話も聞かせてくれて盛り上がりました。この日のために頑張ってたのね! 以前コラムに書いたこともあると思いますが、私の弟は成人式を迎える前に交通事故で亡くなったため、母はずっと弟の成人式のスーツ姿が見たかったと言っていました。そんな母ももう他界してしまったのですが、成人式にスーツ不要と言い出した息子に「おばあちゃんに着て仏壇に見せてあげて!」と思わず訴えました(笑)。やはり区切りの晴れの日には、自分だけじゃなくて皆のおかげでここにあるんだなあと思ってもらえたら……。 ハラハラはしたけど、当日スーツで会場に現れた息子と1枚だけ記念写真も撮れました(タローマンの映り込みあり)。 私にもママ友だけじゃなく、保育園や小学校、中学で一緒だった子が話しかけてくれたり、成長したみんなの姿に、感激一入でした。息子も友達と一緒に写真を撮ったり、会場や同窓会に来れなかった友達に写真を送ったり、旧交をあたためていたようです。私も母のつぶやきを思い出しながら、無事この日を迎えられたことで、親業も一区切りついたような気がして、ほっとしました。私の中の「成人式のスーツ」という呪文も成仏した気がいたします。なんかちょっと重たくなってしまってすみません。 二十歳のみんなに、そして生きてるみんなに、幸あれ~! 

短い帯は「て」を逆に引き出せ!の巻

星わにこ
2026/01/07 00:00
今年のお正月は皆様どのように過ごされましたでしょうか? 私はちょっと大人しく(?)過ごしております。今回はお正月コーデと、久々にした帯が短かった!(ので無理やり結んだ)というお話です。 今年の初仕事では初春らしい着物を着ようということで、白梅の小紋とお正月飾りにもよく使われる鼓の名古屋帯を久しぶりに取り出しました。 帯揚げは部分絞り、帯締めはちょっと豪華に唐組のものにしました。唐組は飛鳥時代から伝わる組み方だそうで、菱形の模様がゴージャスですよね。 この着物と帯は、着物を楽しみはじめた30代の頃にいただいたもので、そこからも四半世紀ほど経っていますが(!)、掛け衿も短いので、おそらく昭和40年代以前のものなのかなと推察しています。八掛が墨色のぼかしで枝の色とリンクしていてお気に入りです。 このタイプの梅の枝が描かれて花が咲いている意匠のものは、以前コラムにも書きましたが、昭和時代にとても流行したようです。 関連記事:梅の着物。着なくてもタンスから出してあげよ。の巻 けっこうリサイクルでよく見かけるデザインなので、色違いで似たようなものをご覧になったことがある方も多いのではないでしょうか? 小紋なのに、大ぶりの枝があることでダイナミックで、まるで梅の木の精にでもなれるような気分にさせてくれる、秀逸さ。私も大好きな着物です。 梅オンリーであること、枝が描かれていることでやはり梅の時期に着たい着物なので、だいたい新春~2月の頭くらいに着用することが多いですね。年に一度は着なくては!と思う着物のうちの1枚です。 今年も着なくては!と張り切って袖を通したのですが、あれっ!着物が縮んでる!(違) せっかく一昨年少し痩せたのに、すっかりリバウンドしてしまって、ギリギリなかんじ……。とはいえ着物は無事、なんとか着られたんですが、久々に出した帯……。帯がね、てんで前柄が前にこない恐怖!! おかしいな……この帯を愛用していた30代には全くそんな、困った記憶はないのに……。箪笥にしまっていたら縮むというけど、ほんとだな(違)ここでやっと本題(爆)。 でもですね、私は常にこのコラムのために(?)そういう時はどうしたらいいかを考え続けている女です。知識を駆使して、短い帯を結びましたよ!(関東巻きで結ばず折りたたむやり方です) まず写真で見てわかる通り、前柄はなんとか出ればいい(爆)ということでかなり右に寄っていますが、ギリギリ出しますと今度は「て」の長さがまったく足りなくなります。 ここで「て」を左に持ってこないで右にひっぱり出します。巻いている方向と逆に引き出すわけですが、すると10センチ~15センチくらいは長さを稼げます。そしていつもの反対側から「て」を入れることで問題解決いたしました! それをしてもなおかつ「て」の長さが足りない場合はもう、前柄をなるべく左に寄せて、胴を2回巻かないで1回で、長くあまった「て」をお太鼓の中で折り返せばいい。作り帯にしちゃってもいいですよね! まだまだ太っても大丈夫(いや、ここで引き返せ自分) そんなこんなで無理くり帯結びをしていたら、肩が痛くなっちゃいました。やはり、痩せるか長い帯をするか、体に合ったものを身につけるのが一番ですよね……。 今年はもう少し痩せなくては……と決意を新たにするお正月でございました。

初夢帯と馬の帯留でお正月コーデの巻

星わにこ
2026/01/02 00:00
新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。 今年は午年!ということで、お正月コーデを考えてみました。お気に入りの訪問着に、伊達衿を入れて。伊達衿が見えるのはちょっとだけですが、一気に晴れ着感が増しますね(着付け難易度も爆上がりですが笑)。半衿はいち利オリジナルの鱗柄です。 そして一富士二鷹三茄子の「初夢」帯。これはもうお正月オンリーの帯ですね。帯揚げはこのコラムをはじめた年に購入した加藤萬さんの市松疋田絞り。お正月に使うと決めて13年目(!)感謝でございます。ポイントはゴールドの馬の帯留です。帯締めは1.5分紐を紅白で使ってみました。 お正月は、めでたい気分でどーん!と晴れ着を着ちゃいましょう! お正月は毎年訪れますから(笑)予定も立てやすいというものです。 さて、ふとこの「初夢」帯について考えて見たのですが、初夢も元日説、二日説などいろいろあるようで、平安時代に中国から伝わった夢占いが起源だそうです。 有名な縁起の良い夢「一富士二鷹三茄子」にも続きがあって、四扇、五煙草、六座頭‥‥と続くそう。座頭とはあの「座頭市」の座頭、坊主頭なことから怪我ない(毛がない)という連想らしいですが、扇も煙草もなかなか現代の生活ではお目にかからないものですよね。 10年前!にこんなコラムを書いていましたが、この帯は10年前に初使いした模様(笑)これもついこの間のことのようなのに、時が経つのが早すぎる……。 関連記事:七福神コーデで福を呼ぶ!お正月着物でお目出度尽くし☆の巻 初夢でよい夢を見るには、「なかきよの とおのねふりの みなめさめ なみのりふねの おとのよきかな(長き夜の 遠の睡ねむりの 皆目醒めざめ 波乗り船の 音の良きかな)」という回文になっている和歌を書いた紙や、悪夢を食べるというバクの絵などを枕の下に入れるとよいそうですよ。 よくない夢を見た時は、その紙を川に流してしまえばよいとも。おまじないは気休めでしかないかもしれませんが、いい夢が見られたらラッキー! くらいの気持ちで試してみてもいいかもしれません。 毎年同じことを言っているような気もしないでもありませんが、今年は本当に健康第一で、「無事是名馬」という言葉を胸に完走したいと思います。(関係ありませんが、馬といえば最近賢くて変顔で有名なゴールドシップというお馬さんの動画を見るのにハマっています……) こんなすっとこどっこいなコラムではありますが、本年もお付き合いのほどどうぞよろしくお願い申し上げます。

着物でメリークリスマスコーデ&2025年を振り返るの巻

星わにこ
2025/12/24 00:00
今日はクリスマスイブ! 若い頃は12月に入ったらクリスマス♪と浮かれていたし、子供が小さい頃はツリーを出したり、プレゼントを何にしようとか一大行事だった気がするのですが、今年は気がついたら、あ、そうだったみたいな感じです。楽なような寂しいような(笑) そして今年は12月に入って手術もしたため、おとなしく家で過ごす予定です。せめても~と思い、うちのトルソー(名前は黒子)にクリスマスコーデの着付をしました。 着物はなんかずっと一緒なんですが(笑)ポイントは帯周り。持っててよかったサンタ帯と、先日のフラーレン展でゲットした「色石と糸」さんのマクラメ編みの帯留。あと、鰐の帯飾り。帯締めはいち利モールの1.5分紐の金銀を組み合わせました。手持ちのものでコーデを考えるのって本当に楽しいですね。 あと半月ほどで成人式もやってきますから、黒子ちゃん相手に家で帯結びの練習をしようと思っています。帯結びはいうに及ばず、帯揚げや帯締めのアレンジも研究・練習の日々です。 そういえば11月に新宿東口を着物で歩いていたらTV番組『月曜からよふかし』の「街行く人のお仕事を調査した件」のコーナーの取材で声をかけられました。お仕事は、といわれて着物を着ていたので「着付師です」と答えて、着付の仕事について話したのですが、放送を見たらボツになってました(笑) というか、放送された街ゆく皆さんの職業とキャラが凄すぎて、放送を見た友達から「なんか濃ゆいキャラや未知の職業の人がたくさんいて、わにちゃんフツーだったかもw」と言われました。私もそう思う! ちょうど入院中のオンエアだったので、退院してから子どもと録画を「このインパクトつよつよの中にはさすがに入らない」と笑っていたら、この候補に入るくらいには見た目やばいという自覚はしたほうがいいと言われました(爆)精進します(何を) そんな年末ですが今年を振り返ってみると、年初に「週三着物生活!」なんてぶち上げておきながら、すでに4月くらいで息切れ(笑)暑くなってくると俄然着物を着るにも体力がいる……!と実感。 涼しくなって、秋にあちこち旅行にいったらまた息切れ。旅はめちゃくちゃ楽しかったけれど、いっぺんに行きすぎました。いい加減、ぼちぼちということを覚えたほうがいい。 そして久しぶりに健康診断を受けたらいろいろボロがでてきて、幸い治療可能な範囲のようなので、放置せずに対処していこうと思っております。歳を重ねると、こういうことが増えていくのでしょうね。 これまで自分がだめだめちゃんなのは、能力ややる気に問題があると思っていたのですが違いますね。まずは体力です。体力でした。 体調のよい時に着る、ということにして無理なく長く、そして大好きな着付の仕事も続けられるよう着物を楽しんで行きたいなと思っております。気づいたらこんなお話ばっかりで失礼いたしました。 皆様も健康に気をつけて、よいお年をお迎えください!

着物で救急車&うそつき衿が左前事件の巻

星わにこ
2025/12/17 00:00
先日、朝起きたら調子が悪かったのですが一旦持ち直したので仕事に向かい、向かっている電車内でもうどうしようもなく胸の辺りがしんどくなって途中下車し、駅で救急車を呼んでもらったということが。血圧を測って「緊急性を要するかも」とそのまま搬送。 着物だったため、よりご迷惑をおかけするかなと思ったのですが、羽織だけ脱いでそのまま担架で運んでいただき、車内で帯枕だけとって、で大丈夫でした。 搬送先の病院では、ベッドの上で病院着に着替えさせてもらいあれこれいろいろ詳しく検査をうけ、大きな問題はありませんね、ということで鎮痛剤をもらって帰宅することに。本当にご迷惑をおかけしました。 着物に詳しいと思われる看護士さんがいらして、ちゃちゃっと袖だたみにしてくださっていて、着替えもスムーズでした。中身はうそつきだったので、私も気が楽でしたね……。 着替えお手伝いしましょうか?とおっしゃっていただいたのですが、大丈夫です、ともう帰るだけだから、と鏡もないけど勘でちゃちゃちゃ……と着替え。帰ろうとしたところ、「これからおでかけになりますか?」と聞かれ、いえこのまま帰ります、と言うとお気をつけて、と送り出してくださいました。 そして、家に帰って着物を脱ごうとして鏡を見たところ、おっ! うそつき衿が左前になってた!(人生2度目) きっと看護士さんは衿元に気づかれて、これから出かけるなら直したほうがいいかも、と声をかけてくださったのだと気がつきました。家に帰ると言ったから、何も言わずにおいてくださったんだな……って。有難いお気遣いに涙が……。各所関係者の皆様の連携で、助けていただき本当に感謝しかありません。 12月には持病の血管腫で手術入院が決まっていたため、入院準備などもしていたので、いざとなったら息子に用意していた入院バッグをもってきてもらえばいい……などと思っていたのですが、救急隊員さんに「ご家族にご連絡を」といわれてかけてもらった電話にも出ず(寝ていた模様)その後折り返しもなく、結局夜帰ってきた息子に今日こんなことがありましたと報告すると驚いていました。 なんでもなかったからまあよかったけど、という話をしたら、いやほんとに男子はねえ、と男子母の皆様から共感の嵐(笑)。中には具合が悪くなって息子さんに「救急車を呼んで」と頼んだら、「母さんが救急車呼んでほしいって」とお父さんに電話していたという衝撃エピソードも! いや、性差で語ってはいけないかもしれませんが、もう子供も成人したのであれば自分でなんでもやってしまわないで、いざというときのために譲位準備もせねば……という気持ちになりましたね。 先日無事手術も終わり、今は家でのんびり休養しています。秋に久しぶりにうけた検診でいろいろなボロが発覚し、いろいろ治療をしていかなければいけない中で、いましかできないかも!と焦っていろいろ予定を詰め込み過ぎたのかもしれません。こちらのコラムも1回お休みさせていただき、申し訳ありませんでした。 今までの人生、うわ~と突っ走って倒れる、という繰り返しをしているので、出力を一定にぼちぼちやるということを覚えて、周りに迷惑をかけないようにしていきたいと思う年の瀬でした。

「きものを語るお茶会」ありがとうございました!の巻

星わにこ
2025/12/10 00:00
先日こちらのコラムでもお声掛けさせていただいたフラーレン展での「きものを語るお茶会」無事終了しました! 急な体調不良で参加が危ぶまれましたが、なんとかみなさんとお会いすることができ嬉しかったです。 会場は京王線柴崎駅徒歩2分のギャラリー&カフェWearhouse Garden。先日某ドラマのロケにも使われた緑いっぱいのお庭のテーブル(加藤ローサが座ってたとこ)でポートレート撮影後、企画のみずほちゃんがお茶会用に用意してくれた金沢のほうじ茶と木目羊羹、カフェ特製の柚子ケーキをいただきながら、それぞれの着物のお話を伺いました。 私とみずほちゃんは、お揃いの帯で。これはもう15年とか前のことでしょうか? 『花Saku』という着物雑誌の浴衣美人フォトコンテストで、ワニの浴衣を着てみずほちゃんに写真を撮ってもらって応募して大賞をもらった(カメラマンの腕)時の賞品で、1本の帯地をもう1本の帯地とあわせて、お揃いの帯を作ってもらったものをしていきました。 私は同じくとっても昔に、二人で京都に紅葉狩りに旅行に行った時、通りすがりのお店で買った帯締めをしていったのですが、「覚えてない」といわれしょぼん(笑)。 参加の皆様からも、それぞれの装いについてお話を伺いました。他の方のコーディネートは見るだけでも楽しいのですが、そのポイントやこだわりを聞くとより解像度が上がって楽しいですよね! ちょっとエピソードご紹介しちゃいますね。 木綿の着物に素敵なインドレースの半襟、帯締めも黒猫の帯に合わせてしっぽみたいに黒いモールで丸ぐけのものを手作りしてきました!というMさん。可愛い肉球の帯留め?と思ったら、100均でゲットした結束バンドだそう。えー!可愛すぎる(猫好き歓喜)。 お嬢さんの成人式のときに、自分も着物を誂えましたというCさん。大人っぽくどっしりとした色無地がとっても素敵。羽織との色合わせもピッタリで、長身に映てました。着付教室に通われているそうなので、どんどん着ておでかけしてほしいです。 着道楽だったお祖母様の着物と帯を受け継いで着ています、というKさん。個性的な大島とインドネシアのワヤン人形風が印象的なバティックの帯がもうドンピシャコーディネート。お洒落なお祖母様だったのですね~。指輪と帯留めのカラーリンクもかっこいい。 着物は習ったけど、なかなか着るに至ってないので、刺激をもらおうと思ってきました、というKTさん。昭和な家にも撮影に来てくださっていて、めちゃめちゃ着物がお似合いなのでぜひいっぱい着てほしい~! そしてお茶会帰りです、という茶人のPさん。もちろん帯には扇子が。お気に入りのお店で全部揃えました、とおっしゃってましたが、さすがのトータルコーディネートでした。最近は少し落ち着いたものがしっくりくるようになった、とも。花柄の帯が可愛かった! 11月生まれの会でもご一緒したキモトモのKちゃんは、大きな乱菊が織られた超素敵な紬で。絞りの長羽織とあわせて、晩秋にピッタリの美しいコーデでした。スラリとしていて日舞もされてて、ほんとに着物美人てこういうことよね~とうっとりでした。 はっと目を引くブルーグリーンの小紋のFさんは、メルカリでいろいろ探すのが大好き!っておっしゃってました。着物のモチーフと帯のモチーフもピッタリで、すっきりとした若々しい着こなしで惚れ惚れ。赤い根付けも効いてました。 同じくフラーレンの仲間のYさんも洋服でしたが、ドレスデザイナーさんで洋裁が本職だけど、着物も縫っちゃうスーパーウーマン。小物とかもなんでも作っちゃうのです…‥。組紐のお稽古情報を聞いてらしたので、そのうちお披露目を楽しみにしています。 そしてお子さんの結婚式でお母様に譲られた黒留袖を着るために12キロ減量しましたというEさん。この日は気軽に洗える着物できました、とおっしゃってましたが、お嬢さんがデザインして自分で染めたという猫ちゃんの帯や自分で組んだ帯締が上級者! まだまだ書ききれないエピソードいっぱいで本当に目に心に口に栄養、脳に刺激の楽しいお茶会となりました。ご参加くださったみなさん、企画してくれたみずほちゃんありがとう! 実はこの週、出先で急に体調を崩して救急車に乗る(着物で……)というご迷惑をおかけしたわにこ(結果無事でした)だったのですが、お茶会でめっちゃ元気をいただきました!! そして先週はお休みをいただいてしまいましたが、コラムも読んでますよ、とおっしゃっていただいて原稿もまた頑張ろう!と思っております。またこんなふうに集まれる機会を夢見て‥‥多謝!

ちょっとしたパーティ向けの着物を誕生祝いに着た!の巻

星わにこ
2025/11/26 00:00
私、11月生まれ蠍座の女なんですが、今年は11月生まれの友達と集って美味しいものを食べて自分たちで自分たちの誕生日をお祝いしよう!!という会に参加しました。 素敵なワインバーの個室で7名で乾杯! 京都から来てくれたお友達もいて近況報告から時勢ネタまで気の置けない仲間トークで盛り上がりました。 せっかくだから、自分なりのオシャレをしよう!と思って着物コーディネートを考えていて、10年以上前にあつらえたのに着ていない付下げのことを思い出しました。 黒地に流れ星と星が集まって月の形になっている星の模様で、裾に目つきのいい感じの鷺がいます。「星」モチーフが気に入って、子供の名前に入っている音の「月」があるのとで「わ~!」って盛り上がって購入したのですが……。 柄はカジュアルめなんだけど、正絹で黒地なのでカジュアルに振り切れてなくて、でもフォーマルな場所にはちょっとなあ‥‥という中途半端な着物で、いわゆる「ちょっとしたパーティ」向けなんだと思います。 でも「ちょっとしたパーティ」に出席する機会って、私の人生にはなかったんですよね……。というわけで、まさに箪笥の肥やしになっていたものでした。いつも、出しては仕舞い、出しては仕舞いしていましたが、そうだ、この機会に着ようではないか!としつけ糸をとりました。 今、きもの雑誌『月刊アレコレ』に隔月で連載中の「きもの事典カルタ」という読み物としてもたのしめて役立つきもの用語集のページのイラストを担当させていただいているのですが、ちょうどアレコレの撮影が昭和な家スタジオ近くで行われていたので、お邪魔してついで撮影してもらいました。もちろんカメラマンは渡部瑞穂ちゃんです。紅葉がとっても綺麗でした~。 帯揚げは招き猫なんですが、顔だけ結び目に出してみました! 自分だけが楽しいシリーズ(笑)です。 そして、夜はワインバーの素敵な個室に。4人が着物でした。皆様それぞれとっても素敵なコーディネートで眼福~。美味しいお料理とともに、笑顔はじける楽しい嬉しい会でした。それぞれ、仕事に趣味にと素晴らしい活躍をしている友達の話を聞きつつ、お仲間に入れてもらえるのも自分が頑張ってるご褒美だな~と思ったり。 直前でインフルエンザで参加できなくなった友達もいて、健康も大事だとしみじみ。万象繰り合わせて集まれることもありがたく、来年もまたぜひみんなで揃いましょう!と解散しました。 そんなこんなで無事今年の誕生日も過ぎ、会いたい人には会って、着たいものも着る! そんな1年にしたいなあと思っております。

七五三。男子袴の裾上げの裏技!の巻

星わにこ
2025/11/19 00:00
今年も七五三シーズン真っ盛り。写真スタジオでは連日七五三の撮影が続き、お子様の可愛い着物姿に日々癒されています。和装推しのスタジオなので、兄弟姉妹で全員着物、とかパパもママも着物、なんていう日もあり、着付させていただくのがとっても楽しいです! 着物はレンタルもあり、ご両親が子供の時お祝いで着た着物を受け継いで着ることもあり、またお誂えでお持ち込みもあり。お持ち込みの場合は、足りないものがあってもスタジオのレンタル品と組み合わせて着ていただいたりもします。成人式などもそうなのですが、1つだけでもなにか受け継いだものや、ご自分で用意されたお気に入りのもののお持ち込みがあるとちょっとほっこりしますね。 七五三は数えで祝う場合と満で祝う場合がありますが、どちらがいいということもなく、ご家庭の都合で決めてよいのではと思います。数えだとまだ小さくて、なかなか思うように着物を着てくれないことも。 3歳さんは特に男女とも、お子様によって足袋や草履の指の間に布が挟まる感覚がダメ!とか、髪飾りがイヤ!とか眠い!とかいろいろなNGポイントがあったりするのですが、まあぐずったりするのも「あの時は大変だったのよ~」と一生言われるいい思い出になるので、できる時に祝う!というかんじでいいのではと思います。 数えだとまだ体が小さくて、着物姿がめちゃくちゃ可愛いんですが、着付ける側からいうとちょっと苦戦します。でもあらかじめサイズ調整をしておけば、多少動いても親御さんに抱きついていてもなんとか着せられるので、ここはがんばりどころ。 3歳、5歳の着物はとくに、裄だけでなく身丈も調整しておかなければいけないので責任重大です。 特に袴は、多少長い程度なら、ウエストの紐の部分をくるっと折り曲げて調整するのですが、5歳さんの袴を3歳さんが着る、というようなときはもう裾を上げるしかない、とがんばって調整していました。 ですが……今年! もっと楽な長さ調節の技を発見したのです! それは袴の紐の下を摘んで縫って、上に折り曲げて短くしてしまうという方法。裾を上げる10分の1くらいの労力で済んでしまいます!! 後ろ側は多少形が変わってしまいますが、羽織に隠れますのでよし!というわけで早速実践して成功をおさめました。女子袴でも応用が効きそうです。 思いついたときは「ちょっと!!!私ってば天才!?」と鼻息を荒くしたのですが、ネットで調べたら動画で紹介されている方もいました(ですよねっ)。この技を必要とする人は本当に少ないので、目にすることもあまりないかもしれないし、もう今年の七五三の本番日(11月15日)はすぎてしまったのに……という話なんですが、このあとまだまだ続く後撮りや、来年以降にもしかしたら誰かの役に立つかも?と書き記しておきます。 そのほかの子供着物に関するサイズの話はこちら 七五三の三歳の着物を二歳から五歳まで着る方法の巻 子どもの着物は合理的にできてます! 今年の11月15日は本当にお天気もよく、撮影日和でした。この季節、金色に輝く銀杏や紅葉の中、笑顔のご家族の撮影ができると「この仕事やっててよかったなあ」としみじみ思うのでした。

菊の模様の着物&帯は秋限定?の巻

星わにこ
2025/11/12 00:00
毎年秋になると、菊や紅葉の紋様が気になってお出かけの時に着なくっちゃ……とそわそわします。一般的に菊の柄は9月~11月がよいと言われるのですが、重陽の節句はまだまだ暑く、秋だから……という気分になるのが10月も終わる頃。あわてて11月に着ることが多いです。 12月に入ると冬となり、そこからは松・竹・梅、雪輪など冬の意匠に移っていきます。1月に咲く寒菊などもありますし、意匠としての菊であったり、他の季節の花と一緒に描かれているものは季節を気にしなくてもよいですが、「ザ・菊」というデザインだと、やはり秋に好まれるようです。 そして、菊は桜と並んで国花としても愛されています。桜だけかと思っていたんですが、菊もそうだったんですね。そう言われれば皇室の象徴だったり、パスポートにも菊の紋章が付いているなと納得です。 いただきものの色留袖で爽やかな淡い水色に白菊の花がびっしり裾に描かれているものがあるのですが、秋というには色が爽やかすぎてちょっと違和感があったのですが、着物の達人に「柄がこうだから、と決めつけないで、全体の雰囲気で考えればいいのよ」と言われました。 帯に四季の花があれば、菊だけを見て秋、と思わないし、コーディネートでも工夫ができそうです。「菊は秋の花」という季節感覚はベースにありつつ、応用をしていくという感じでしょうか。 「四君子」という蘭、竹、菊、梅の4種類の植物を組み合わせる吉祥柄もありますし、梅に何が組み合わされているかというようなところからデザインの意図を汲むのもわくわくするものです。 季節の柄を楽しむというようなシーンでは、絶対的な正解がある、というよりは、自分の中に答えがあって納得していればいいし、さらに「なるほど」とわかってくれる人がいれば尚更楽しいというものではないかなと。 さて話を戻すと、意匠としての菊には「不老長寿」「信頼」「高貴」「邪気を払う」などの意味があり、その凛とした拡張高い美しさは古来から愛されてきました。秋を表すだけでなく、めでたい柄としてたくさん使われています。 格調高いし、仏花にも使われたり、あまりにも和柄のスタンダードすぎてなんとなく敬遠していた時期もありますが、最近また温故知新といいますか、好きになってきました。 乱菊、万寿菊、菊水、菊尽くし、むじな菊、菊唐草、横菊などなど、美しい菊のデザインをいろんなところで見たことがあると思います。 私はむじな菊の紋様が大好きです。江戸小紋でもある柄ですが、むじな(ニホンアナグマ)の毛並みのように菊の花びらを表現したもので、なんともいえず柔らかくてほんわかした気持ちになります。もふもふ感……。 乱菊は大胆でかっこいいし、万寿菊はまんまるでお饅頭みたいで可愛いし、菊が描いてあるから秋、なんていうと着る着物がないのでは?と思うくらい、花としていろんなところにあしらわれています。花びらが多く華やかですし、葉の形も特徴的で美しい形をしている菊。洋服ではあまり見かけませんが、着物では本当にポピュラーな柄です。ポピュラーすぎて見過ごしていることもあるかもしれません。 お手持ちの着物にも探せばきっとあちこちに菊が描かれているはず。秋にしか着られない、のではなく、秋だから身につけたら楽しい、と考えてコーディネートにぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか?

私のキモトモ(着物友達)のはなしの巻

星わにこ
2025/11/05 00:00
私の着物生活を語る時、キモトモ(着物友達)の存在は欠かせません。中でも一番密に着物に関して一緒になんやかんやとやっているのが、「昭和な家スタジオ」という和装記念写真館を一緒に運営しているカメラマンの渡部瑞穂ちゃん。このコラムにも、拙著にも数えきれないくらい登場していますし、このコラムで使っている写真も彼女が撮ってくれたものがたくさんあります。着物雑誌『月刊アレコレ』の写真撮影も、ほとんど担当している着物大好きカメラマンです。 彼女は大学の同級生で、語学も専修も同じクラスでした。でも学生時代はさほど仲がよかったわけではなかった(笑)のですが、卒業後15年ほど経ってからSNS(mixi)で再会。彼女のプロフィールに着物が趣味、と書いてあったため、着物好きだった私は連絡をとってみたのです。それが2006年のことでした。 もしプロフィールに着物のことがなかったら、連絡はしなかったかもしれない、くらいの状態から、着物を媒介に一気にあれこれ連絡をとりあうように。また、ちょうど子育て世代だったこともあってワーキングマザーの会『ムギ畑』にも誘ってくれて、入会しました。 もともと幹事体質でマメな瑞穂ちゃん、面倒くさがりで自分からは滅多に連絡もしないような私に、着物や育児、仕事のあれこれまでなんやかやと声をかけてくれ、やがて一緒に古民家を借りて着物を着て記念写真を撮るスタジオを運営することに。仕事だけじゃなく、習い事や趣味、子育てとなんだかんだと一緒にずっとつきあってもらっています。 ちょっと個人的な話で恐縮ですが(個人的でなかったことはあるのかという話はさておき)、ちょうどこのスタジオを始めるころ、私はアルコール依存症になってしまった夫(これまた大学の同級生で瑞穂ちゃんとも同じクラス)と揉めまくって離婚することになってしまうわけですが、そんな時にもそのスタジオの仕事と、このコラムの仕事は続けさせてもらっていて、それが心の支えでした。そのほかにも、着物のイラストの仕事やアドバイザーの仕事などでなんとかやってきたってわけです。 この間、大学生になった息子に「母さんはいろいろ仕事をやっているけど、撮影の仕事は喜んでもらえて本当に意義のあるいい仕事だよね」と言ってもらってなんか胸熱でした。 急に身の上話とかしだして、どうした??? と思われたかもですが、、そんなみずほちゃんと『ムギ畑』で知り合ったクリエイターの仲間たちとチームを組んで仕事をしてきた「フラーレン」というグループが今年15周年を迎えます。このグループに参加した頃はまだ、こんな人生を歩むとは思ってもいなかったのですけれど、気がついたらあっという間の15年でした。 チームといっても、それぞれが独立したフリーランスのクリエイターであり、ゆるく連携をとっている、というかんじなのですが、フリーランスでの仕事というのは基本一人なので、そんなとき同じように子育てをしながら仕事をしている女性たちに、助けてもらったり愚痴を聞いてもらったりできたこの環境は本当にありがたく、なんとか生きてこられた縁のひとつです。みんなには感謝しかありません。 これも、瑞穂ちゃんが「着物が趣味」とプロフィールに書いていなかったら、始まらなかったご縁かも?と思うと、着物よありがとう、と心から思うのでありました。 そんなクリエイター集団フラーレン15周年イベント「ひらく展」が京王線柴崎駅のギャラリーカフェ Gallery&Cafe Warehouse Garden で11月末に開催されます。私と瑞穂ちゃんは、11月30日に「きものを語るお茶会」を担当します。瑞穂ちゃんによるポートレート撮影つきです。着物がつないでくれた二人の着物愛炸裂のお茶会になること間違いなしなので、もしよかったらいらしてくださいませ。 ほかにも素敵なギャラリーカフェでいろいろなワークショップがあります。興味のある方、ぜひ参加してみてくださいね! 宣伝失礼いたしました(ぺこり)

1.5分紐帯締めのすすめ!の巻

2025/10/22 00:00
帯留めを使うときに使用する帯締めの代表は房がなく、普通の帯締めより少し短めの三分紐ですが、他にも四分紐、二分紐もあります。 それぞれ四分紐が幅約12mm、三分紐が約9mm、二分紐が約7mmです。 三分紐の半分の幅の1.5分紐(幅約4mm)1分紐(約3mm)というのもあるのですが、滅多に見かけません。が! ただいま開催中のいち利モールでオリジナル品がセールになっているのを発見。早速ポチりました。 10年ほど前に、友人に1分紐を譲ってもらい、2本でちょうど3分紐の幅になるので、2本使いして帯締めをとめたり、3本使いで色の組み合わせを楽しんだりしていたので、追加で持っていない色を購入。 これからのクリスマス、お正月シーズンに重宝しそうな金、銀、燕脂、白の4色を選んでみました(欲張りす)。 1.5分紐は1本使いだと浴衣の飾り紐などに重宝。夏に細い紐は涼しげに見えますよね。袷の時期には1本使いは流石にちょっと寂しい感じがあるのですが、2本3本と組み合わせるととても楽しいんです。 関連記事:夏はプチ帯留め&二分紐のすすめの巻 帯留めを通してもいいし、飾り結びをしてもいい。気が速いけどちょっとクリスマス風にコーディネートをしてみました。 2本を添わせて2色の三分紐風にしてもいいし、バラけさせてボリュームを持たせても楽しいです。金銀はいろんな色とも合わせやすいし、細いので主張もしすぎずほどがよいです。 右下の写真は、花玉結び風をして、紐の端を結び目の下に押し込んであります。仕上がりは一期一会(適当ともいう……) 関連記事:春の帯締め花玉結び風の巻 いち利オリジナルの1.5分紐は柔らかくて、扱いがしやすくていい感じです。でも帯締めなので、しっかりしていて安心感もあり! ちょっと帯締めで遊んでみたいかた、セールのチャンスに好きな色を揃えてみてはいかがでしょうか?

帯締めの寿結び(祝結び)の結び方の巻

星わにこ
2025/10/15 00:00
先日、秋の佳き日に結婚式の黒留袖、色留袖、訪問着の着付をさせていただきました。綺麗に着付けができるよう、事前に着付の練習をしていて知ったのですが、帯締めの結び方で「寿結び」「祝結び」「熨斗結び」と言われる結び方があり、近年よく結婚式などで用いられているそう。 私が他装を習った頃には聞いたことがない結び方なのですが、着付師さんのブログやYoutubeに結び方の解説がありました。本結びと上下逆に結んでいくので、最初は???となりましたが、覚えてしまえば簡単です。 普通に平組の帯締めを本結びにすると、房の付いている先が下向きになるのですが、この「寿結び」をすると上向きになって、水引の祝い結びのように縁起がよいということで、最近好まれているようです。 本結びはベーシックで慶弔フォーマルカジュアル問わず結ばれる緩まない結び方。寿結びとは、結び目を見れば違いがわかります。 私のもっている1993年刊『定本 着付と帯結び百科 冠婚葬祭の上品な着付け』(講談社)には寿結びの記載はなく、留袖の帯締めは本結びで結んであります。また2007年刊の『帯結び100選 笹島式決め技の極意』(世界文化社)にも平組の結び方は本結び(駒結び)しか紹介されていませんので、寿結びは令和のニューフェイスなのかもしれません。 こうしなくてはならないというルールがあるわけではないですが、帯の飾り結びなどと同じように、お祝いの時に「寿結びです」というのはおめでたい感じがしていいですね。 普段もしてはいけないというわけではなく、この結び方をすると帯締めがV字型に整いやすいので、少し痩せ見え効果もあります。冠組などをこの結び方をするとシャープなかんじになりますよ。 一方、銀座結びのように下から帯締めを持ち上げて結ぶような時は、本結びのほうが形的にも力学的にも自然に結べます。 特にいつ用いなくてはいけないというような決まりはないので、お好みで結んでみてはいかがでしょうか。

中秋の名月とさよなら万博。の巻

星わにこ
2025/10/08 00:00
台湾旅から1週間。またまた今度は京都大阪の旅に行ってまいりました。今回は出産祝いと大阪の友人を訪ねて万博へ、が目的のふらり一人旅。 京都はあいにくの雨でしたが、めちゃくちゃ可愛いベイビーに会えて大感激。ずっと写真で成長を見ていたので、推しに会えた感MAXでした。しかもニコニコしてくれて抱っこもさせてくれて、ファンサが神。本当に赤ちゃんって幸せの塊ですね。幸せそうなパパとママの顔が見られてしみじみ来てよかった~と感じました。 次の日は伏見稲荷にお参りし、混んでる京都駅方面を避けて、奈良経由で大阪入り。奈良線各駅停車の旅から、大和路線の快速で弁天町まで。弁天町で中央線に乗り換えて夢洲駅へ。そうです。もうすぐ10月13日に閉幕する大阪・関西万博に行ってまいりました。 思えば私の人生、今まで日本で開催された万博、やってるんだね~くらいの認識で一度も行ったことがありませんでした。大阪、つくば、愛知の認識しかなかったのですが、調べてみると日本で過去5回開催されているんですね。1970年の大阪万博、1975年の沖縄海洋博、1988年のつくば科学博、1990年の大阪花博。この辺の連続開催に日本の国力を感じます……。そして2005年の愛知万博(愛・地球博)以来、今回実に20年ぶりとのこと。 最初は行くつもりもなかったのですが、大阪の万博リピーターの友人に聞くと、「夜間券で一緒に行く?」と手配してくれました。閉幕に向けて大混雑、パビリオンはほぼ中には入れないと聞いていましたが、一度万博なるものを体験してみたいと思い、出かけることに。 子供に万博に行くと言うと「行ってきなよ!母さんにとっては最後の万博じゃんきっと」と言われ、え~!と思ったけれど、この先日本で開催されるかどうかもわからないし、確かに……。動けるチャンスがあるうちに行かなくちゃ!という気持ちに拍車が。同じような人も多いのか(笑)最後に向けて噂通りの人出でしたが、達人のアテンドで満喫してきました。 17時入場で5時間勝負。まずは2時間並んで日本館見学。並んでいる間に満月が上り、そして花火の音を聞きました(笑)。循環がテーマの展示でしたが、様々な「循環」の一例として「和裁」も。「ひとつの布を無駄なく使って仕立てる日本の着物。糸を引き抜けば布に戻すことができ、丈を直したり、仕立て直したりできる」ということで、取り上げられていました。 その後世界で一番謎の国と言われる中東にある共和国、トルクメニスタン館へ。30分ほど並んで全然知らなかった国の情報に触れることができました。入り口のオープニング映像がバーフバリ感があってよかったです。 いろいろ欲張らず、空に浮かんだ中秋の名月を眺めながら、大屋根リングをぐるっと散歩。達人の万博解説を聞きながら、上から見る各国のライトアップされた夜のパビリオンはとても綺麗でした。 最後ギリギリまでいたので、帰りも結構並んで地下鉄へ。帰りのゲートを出てから地下鉄までの列は、そのまま友人宅へ行き泊めてもらって次の日、飛行機で東京へ。はじめて伊丹空港に行きました。大阪までは新幹線でしか行ったことがなかったので、1時間で羽田に着いて、上空から富士山も見られて、飛行機楽しかった! 何度も行った場所なのに、まだまだいっぱい初めてがあって、楽しい旅でした。各駅停車での移動もなんだか楽しくて乗り鉄さんの気持ちが少しわかったかも。今回もあまり着物が関係なくて、イベントレポートもいつも会期最後のほうで役に立たず恐縮です(爆)。来週からはまたぐっと着物の話題に戻してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします‥‥!

<番外>台湾女子旅。茶藝体験もしたよの巻

星わにこ
2025/10/01 00:00
瀬戸内旅から1週間。なんと今度は台湾に行ってまいりました。友人たちと作っている「フォントかるた」チームで、台湾のボードゲームイベントを見に行こう!ということになり、えいやっ!と出かけてきました。 この旅に着物は直接関係ないのですが、12月に「東京キモノショーin台湾」が開催されますし、おでかけになる方がいたら参考になれば幸いです。三泊四日でしたが、台湾までは飛行機で4時間足らず。朝家を出てお昼過ぎには台北の松山空港へ。 空港のセブンイレブンで交通系ICカード「悠遊カード」を買い、お金をチャージしてもらいます。これで地下鉄やバスも乗下車時のタッチで簡単に乗れますし、バス(時刻表がなく、来たバスに手を挙げて乗る方式)がバンバン走っているので使いこなせば移動も楽々です。 Google Mapに目的地を入れれば、乗るバスの路線ナンバーを教えてくれるので、初めての街でも目的地に行けて素晴らしい。謎解きが得意なメンバーが先頭に立って導いてくれて、後ろをついていっただけですが、結構感動でした(ゲームでも現実でも勇者ではなく遊び人スタンスのわにこ)。 問屋街の迪化街で買い物をしたり、夜市で食べ歩き、千と千尋の神隠しのモデルかも?と有名な観光地の九フン(※フンはにんべんにに「分」)にもバスでGO!! とっても便利なバスですが、びっくりしたのがとにかく運転がアグレッシブなこと。昭和時代以来の「やばい車に酔うかもしれない」経験をしました。九フンへの道は山道なのですが、イニシャルDですか?という攻め具合で、なかなかスリリングでした。 観光、イベント見学、書店巡りなどなどの合間で、台湾茶の茶藝体験もしてきました。茶藝館では、台湾茶を作法にのっとって味わうことができます。今回はおしゃれな青田街にある築100年以上の日本家屋をリノベーションした「青田茶館」へ。ギャラリーを兼ねた素敵な空間で、功夫茶と呼ばれる作法でお茶をいただきました。 まず茶葉を選ぶとスタッフさんが、日本語でお茶の淹れ方や飲み方を教えてくれ、自分たちでもお湯を足しておかわり自由。 茶盆というお湯をこぼしても大丈夫なお盆の上に茶器を並べ、茶壺(急須)、茶海(ピッチャー)、茶碗などを手順に則って温めてから茶壺に入れます。茶壺は小さめであふれるほどお湯を注ぎ、茶葉にあわせた抽出時間を待って茶海にお茶を注ぎます。そこから聞香杯という器に人数分のお茶を分けます。 一煎目は聞香杯に茶碗で蓋をし、天地を返して茶碗にお茶を移します。空になった聞香杯でお茶の香を楽しみ、茶杯でお茶をいただきます。東方美人茶というお茶をオーダーしたのですが、さわやかな香りにうっとり。そしてお茶は一煎目はすっきり、二煎目からはだんだん茶葉が開いてしっかり……とお茶の味の変化も楽しめました。 平日の午前ということもあってか、お客様も少なく何度もお湯を注いでお茶をゆったりと楽しめました。1杯の量が少ないので何度もおかわりをするのですが、6~10煎味わえるそうで日本茶とは随分楽しみ方が違いますね。お点前は煎茶道に似ていました。日本の煎茶道が中国の喫茶法に由来しているのだそうです。 他にも九フンの茶房や迪化街のお茶屋さんでもお茶を淹れるところを見ましたが、小さな器たちを手順通りに手早く操ってお茶を供する様子はパズルやスポーツスタッキング※を見ているようでした。 そして何より茶器のかわいらしいこと!! サイズが小さいのがきっと私の中の女子のおままごと心をくすぐるのでしょうか……すっかり目がハートに。こんなふうに家でもお茶を楽しめたら……と夢が激しく広がりましたが、いや置くとこないな……と現実に戻り(笑)、茶葉だけを買うことに。 よい茶葉は当たり前ですがよいお値段で(爆)いろいろ悩んでお茶なのにミルクやバニラのような甘い香りがすると聞き、金萱茶という1980年頃に作られた品種の烏龍茶を購入してみました。家で味わってみると、本当に甘い香りがして、味はさっぱり。ちゃんと家でも急須やカップをあたためて淹れたら香りがたって、とても美味しかったです。これはしばらく楽しめそう。それにしても台湾のお茶がこんなに高価なものとは知らず、お土産でいただいた茶葉を何が正解か分からず適当に飲んでいたことを激しく反省しました。 台湾は、何を食べても優しい味でとても美味しく、私の行った観光地や台北市内では日本語も英語も結構通じるし、小さな親切をたくさんしてもらいました。そして街中は漢字だらけで、なんだかちょっと懐かしくあまり異国にいる感じがしませんでした。鉄道博物館などでは日本が統治していた頃の様子が窺えたり、勉強不足も痛感。東日本大震災の時に台湾が大きな支援をしてくれたことは有名ですが、ちょうど旅行の頃東部で台風18号で大変な洪水被害が出たそうで、帰国してから少しですがネット募金もさせてもらいました。一日も早く平穏な日々が戻りますように‥‥。 なんだか浮かれポンチな旅行記が続きましたが、これまで結構なひきこもり人生だったのを、今年は誘ってもらったら出かける!というスタンスであちこちに出かけています。やっぱり実際にこの目で体験しなければ知ることができないことがいっぱいだ!と再確認しています。50代以降の母たちが、急にバリバリ旅行に行き始めてなんだろう?と思っていましたが、子供の手が離れてあと何年体が動くだろう?と思ったら、そりゃあ旅にも行きたくなるよね!と納得している昨今です。あまり着物と関係ない上に長い番外編で失礼いたしました。 ※スポーツスタッキング:プラスチックカップを積み上げたり崩したりしてタイムを競うスポーツ。

瀬戸内アート巡り。豊島・海のレストランに海の浴衣でGOの巻

星わにこ
2025/09/24 00:00
今年はなにかに取り憑かれたようにあちこち旅しているわにこです。もともとインドア派で家にいるのが一番好きで、旅行は積極的にしたことがない人生なのですが、もうすぐ還暦ともなってくると体力の衰えがひしひしと感じられ、あれれれ、出かけたくても出かけられなくなるのでは?と思い、行ける時に行くか!とお誘いいただいた旅にどんどんくっついて行くことに。 先週はずっと行きたいと思っていた瀬戸内の島アート巡りに行きました。直島、豊島、犬島と二泊三日で、達人のご案内で瀬戸内アートを堪能しました。今回ちょっと長文で失礼します。 雨と曇りの予報が続いていてどうかなあと思っていたのですが、4人の旅メンバー中2人が協力な晴れ女だったためか、初日以外は晴れて暑くなり、真っ黒に日焼けして帰ってきました。 出かける前にベネッセアートサイト直島で、美術館や家アートのチケットを購入。大人気の瀬戸内国際芸術祭の期間外だったのですが、それでもチケットは争奪戦。時間制のところもあり、達人の綿密なスケジューリングの元、しっかり予約をしていきました。 1日目は羽田から高松、そして直島に渡り1泊。 有名な草間彌生さんの南瓜、黄色と赤で記念写真をパチリ。このためにsousouの長方形衣のおはじき大を着ていきました。黒い水玉の南瓜とワンピースのおばさんの写真を見た子供に「同じ毒を持っている」といわれました。本望です。。。 この春開館の直島新美術館と、地中美術館では安藤忠雄ワールドを堪能。コンクリートの質量と、そこから差し込む光を見上げて自分のちっぽけさといてもいなくてもいい感が感じられて心地よかったです。南寺、安藤ミュージアムでも同様に、自分の存在って思っているより感覚的なものなんだなと思えて、気持ちが軽くなりました。自然光で見るモネの睡蓮、ジェームズ・タレルの光の魔術、村上隆のバチバチの色彩。屋外の巨大アートも島の自然に溶け込んで素晴らしかった。 夜は民宿と居酒屋で一杯。タコの唐揚げと枝豆がめっちゃ美味しかった。 2日目は朝に南寺などを巡った後、昼に豊島へ渡り1泊。 豊島ではレンタカーを借りて4時間弱で島アート巡り。美しい青空の日で、海辺のアートもキラキラ。はしゃいで海に足をつけたり、ジャンプしたり満喫。棚田や海などの自然も目に栄養でした。 豊島美術館のシェル構造の「母型」では、靴を脱いで、水滴の中に吸い込まれるように中に入るとそこは見たことがない不思議な空間。ぽっかりと空いた開口部から青空と木々がのぞき、風が吹き抜けていました。思い思いに過ごす人々。私もおそるおそる座り、生きているように蠢く水滴を見つめ。やがて横になって天井を眺めれば、水面の光が反射し、波紋が映っていました。天候や季節によって、またこの空間は全然違ったものになるのでしょう。心が鎮まる得難い体験でした。 お宿は豊島エスポワールパークへ。オープン前からたくさんの友人知人が関わっていてお話を聞いていたこともあり、また英国BBCによる『The 25 best places to travel in 2025』にもおすすめされているエスポワールパークに一度行ってみたい!という夢が叶いました。  ディナーは「海のレストラン」。数年前に訪れた達人に海の景色と夕陽が素敵よ、と聞いていたので、ぜひ!と予約。着物好きのメンバーだったので、メンバーの還暦祝いでもあるし浴衣でいきましょ!と話がまとまりました。 せっかくだから、海の模様の浴衣が着たいなと思い「浴衣着てもいい?」と聞いたら着物好きのメンバーからは「わたしは薔薇の阿波しじらかな」「おニューのセオアルファ仕立てたからそれで」「南部古代型染の木綿着物で行くわ」とぽぽぽん!と決まりました。みんな持ってんな(笑) 浴衣と半幅帯、うそつき衿を持っていき、夕方ホテルにチェックインして部屋で着替え。足元は荷物になるからもうサンダルのままでいいよね、と気楽に。サンセットタイムに間に合った!! 地の素材でシンプルイタリアン、本当に美味しくて、なによりスタッフさんたちのおもてなしがとてもスマートで心地よく、本当に素敵な時間となりました。実は、東京で豊島のイベントが開かれた時にビンゴでこちらのディナー券を当てていた私。いや来られてよかった!感謝です!! 私の海の浴衣は、人魚、お魚、海星、蟹、タツノオトシゴ、海藻などが薄いブルーに白い線で描かれているのでよくみないと何の絵か気づきにくく、それもお気に入りです。人魚の尻尾をエビフライに見間違われたりしましたが(爆)海つながりで、海のレストランで着られたこと、なによりよい思い出になりました。この先、この浴衣に手を通すたびに海のレストランとこの旅を思い出すことでしょう。 荷物になるし、まいっか、と思わずに、持って行った自分えらい! 面倒臭いからいいわなんて言わずに、私も着る!って言ってくれたキモトモ(着物友達)にも大感謝!!! 3日目は、犬島に渡って犬島製錬所美術館で廃墟トリップして、家プロジェクトを周り、大宮エリーさんのフラワーフェアリーダンサーズを見て魂の安寧を祈り、美味しいランチを食べて帰路に。そして船を乗り継ぎ、飛行機に乗ってあっという間に東京に戻ってきてしまいました。 行くまではちょっと「アートとかわざわざ島に?」という気持ちもなくはなかったのですが、実際にその地に立ってみて「島でアートを楽しむ意味」が少しわかった気がします。アートを楽しむための島はどこも洗練されていて、そこに世界中から人が訪れ、ベネッセが地元にこだわり、産業でなく文化を耕し続けた凄みが感じられました。文化、大事。 そして着物で旅行に行ったこともあるけれど、あまり気負わずに旅先でちょっとだけ着物を着る、というのもありで、楽しいなと再確認の旅でした。

やっぱり和装ブラのサイズって大事だったの巻

星わにこ
2025/09/17 00:00
ちょっと痩せてもすぐ元に戻ってしまうチームふくよかのわにこです。去年は一念発起してジムに通って4キロくらい痩せたんですが、じわじわとそれがなかったことになっている昨今。夏は体調を崩したこともあり、とにかく楽な服装で過ごしていたらそれも元に戻れなくなり、シェイプアップ効果のある下着とかもう着たくない……という状態に。 その流れで、着物のときも和装ブラをいつも使っているものから1つサイズアップしてみたんですね。そしたらいやこれ、すごく楽! いつも「寄せて上げて胸の真ん中に集めて鳩胸にすると綺麗です!」と皆様に熱弁をふるっているわけですが、楽を選んでみました。 寄せて上げてはちょっと甘いがまあ胸はフラットになってるし楽だしいいか、と着物を着たら……。自分ではほんのちょっと楽をしただけのつもりが、いつもとシルエットが全然違って大ショック!! ちょうど銀座いち利の横浜店さんにお邪魔する日だったのですが大反省でございました。反面教師としていただきたい……。 普段着で誰に会うというわけでもない日はいいかもしれないけど、やはり綺麗に着たい日はちゃんと寄せて上げないとあかん……と痛感。このへんも、自分がどこまでよしとするかという部分ではあるのですが、私的にはまだサイズアップはしない方向を決意しました。(痩せろというツッコミはなしで……泣 ぶっちゃけ和装ブラのサイズだけで、体重3キロは違って見えると思います。これも以前散々サイズ選びで試行錯誤したところです。具体的に言うとMかLの間で悩みに悩んでいろいろ着てみて落ち着いたのは、たかはしきもの工房のPut on キモノブラならL(短時間着用でめっちゃ細見えを狙うならM)涼子ならMでした。これでずっと来たのですが、涼子をLにしてみたらもうあかんかったですね。胸が流れてしまいました。体型変化や加齢もあると思うけど、もうほんとサイズが変わっただけででこんなに違うのか!と実感でした(さめざめ)。 いつも「苦しくなければジャストサイズか小さめを選んで」と言っているのに、自分で大失敗の巻。いい経験でした。自分で痛い目を見ないとわからないこともありますよね(泣)。ちょっと大きいブラはもう少し太ったら……じゃなくて、カスタマイズにチャレンジしてみたいと思います。 この辺も、本当に自分との相談な部分ですよね。人に見られてどうとか、正解がこれだから、とかいうのではなく、私が着物を着るのは、楽しくてわくわくするから。だからこそ「綺麗に着れたな!」という満足感が私にとっては大事なのです。だからいつも綺麗に着られる方法を考えています。 でも、なるべく楽に簡単に着たい。常にこの二つを両立するポイントを探し求めているような気がします。自分が「これでいい」と思えるバランスが大事なのかなと。 わかっていてもいつもうまく行くわけじゃなく、ここが気に入らない、失敗したあ、どうだ今日はちょっといいぞ、次はもっとなんとか……というのを繰り返しながら、なにかのの階段を登っているのかなあと思う今日この頃でした。

長襦袢の身幅が足りない時の超☆裏技その2!の巻

星わにこ
2025/09/10 00:00
久しぶりに出してきた長襦袢、あれっ、衿がうまくあわない……ということありませんでしょうか。深く合わせられない、襟の角度が鋭角になってしまう……。そんなときは身幅が足りなくなっているから。 仕舞っているうちに、縮んでしまったのね……という冗談はさておき、なんで夏痩せもしないで育っているのか、自分に問い掛けたい案件です。もう最近はあきらめてうそつき衿でずっと過ごしています。(痩せる予定はあるんです、あるんですよ) 襦袢と着物の身幅問題は横成長族にはシビアな問題で過去こんな裏ワザをお友達の敏腕着付師じゅんちゃんに教えてもらって助けられました。 関連記事:長襦袢の身幅が足りない時の超☆裏技!の巻 関連記事:身幅が足りない着物を裾つぼまりにする方法の巻 そして先日、じゅんちゃんに会ったときに「もう1つ襦袢の衿をしっかりあわせる裏ワザがあるんです!」と伝授してくれました。私の身幅問題を覚えていてくれてありがとう……。 それは、三河芯を使って、襦袢の地衿を広くする方法。広衿に改造する感じです。三河衿芯でもいいのですが、しっかり広げたいときは帯芯を切って使うと幅がとれますよ!とのことです。 なるほど、以前は脇の馬乗り部分を解いて衿の合わせを深くするというやり方でしたが、今度は衿自体の位置を動かしてしまうわけですね! 実際その方法で衿を深くあわせられるようにしたものを見せてもらいました。なるほど! この方法、身幅狭めの関東仕立ての襦袢にもよく使われているとのこと。 三河芯は衿芯にもなるものですが、この場合は地衿の幅を広げる役割なので、衿芯は別途入れるようにしてあります。三河芯は使う前に揉んで洗って柔らかくすると、馴染みやすい。 普段の洋服感覚で行くと、既製品に体を合わせるように考えがちですけれど、着物はそもそもお誂え。もったいなかったり、簡単に買い替えしづらかったりするものだからこそ、自分の体型に合うように工夫すればいいんですよね。 とはいえ秋のさらなる増量は避けたいと決意を新たにする私でした……。

うそつき衿で秋も浴衣を活躍させよう!の巻

星わにこ
2025/09/03 00:00
9月に入りましたが相変わらず暑くて、とてもじゃないけど夏ものは手放せない今日このごろ。とはいえ、さすがにずっと浴衣でおでかけもどうかなという時に、うそつき衿で浴衣を着物風に着るのは有効技ですよね。 うそつき衿はその名の通り、襦袢は着ていないけど着ている風にうそをつく、見せ半衿のこと。半衿つけの手間がかからないこともあって1年中愛用している方も多いと思います。私もほとんど長襦袢を着ることはなく、うそつき衿で通しています。 なにがよいかというと、長襦袢を着なくていいから、涼しいし楽。半衿をつけたまま洗濯機で洗ってしまって手入れも楽。 襦袢相当の袖をどうするかという問題はありますが、普段着や浴衣であれば袖もなくても平気です。汗の問題がありますから、筒袖か、筒袖相当の袖があればOK。浴衣下スリップにうそつき衿を装着すれば、浴衣も夏着物風に着こなせるというわけです。 さすがに昔ながらの綿の平織で白紺の「ザ・浴衣」はちょっと難しいかもしれませんが、今時の素材の浴衣なら十分着物風で着られると思います。そのあたりは自分がOKと思える感覚と相談してください。 あと、衿をつけたら足元も足袋を履くとより着物感が増します。このあたりはそもそもなんちゃってなわけなので、決まりが明確にあるわけではなく、暑いから今日は素足で下駄にしようかな、とか白足袋に草履でキチンと感アップとかそのシチュエーションで選んでいただいて良いと思います。余談ですが、塗りの下駄に足袋を履くとすべることが多いので、なんでもないところでつまづきやすくなってきた世代以上の方は注意です(真剣)。 浴衣や、暑い時期だけでなくうそつき衿は本当に便利なのでちょっと熱く語ってしまいます。うそつき衿と一言でいってもいろんなものがあり、大きく分けて2種類あります。 一つはかぶせ型で、襦袢の衿にかぶせて使うもの。美容衿や、あずま衿などといわれるちょっとソフトで衿が広衿になっていて2つに折るタイプがそれです。これは襦袢の地衿がないと使えないので、単独だとへにゃっとなってしまいます。「うそつき衿はダメだった」という方はだいたいこのかぶせタイプを単独で使おうとしたためイマイチだったということが多いです。 あとは襦袢にファスナーやスナップで衿をつけるのもうそつきと言われたりします。どちらも襦袢ありき、のうそつきです。 もう一つが単独型で、襦袢が必要ないもの。こちらが「秋浴衣」にはおすすめです。襦袢を着ないと使えないのであれば、結局暑くなってしまいますから、襦袢を着なくても衿だけでOKなものがいいですよね。 単独型にもいろいろな種類があります。 (1)棒状の衿に衣紋抜きと固定する紐やベルトがついているタイプ    最小限の布なので一番涼しい。うまく固定するのにコツがいる   (2)半襦袢の袖なしで脇が縫ってないものに衿がついているタイプ   布地が少ないジレタイプもあり    安定しやすい。布がある分暑い。 (3)Tシャツに衿が縫い付けてあるタイプ    紐で固定しなくていいので楽。体型に合わないと衿が決まらない  市販品もあるし、手作りされる方もいます。私は単独型(1)のタイプでたかはしきもの工房のうそつき衿を愛用しています。ウエストより下でベルトで固定するので、胸紐で固定するタイプより楽だからです。これは本当に好みだと思いますので、使いやすいものを見つけてください。 納得のいくうそつき衿が見つかると、着物ライフの楽さが格段にアップしますよ! 浴衣もまだまだ活躍しますし、ワンピースなど洋服の上にうそつき衿をつけて、着物を羽織るなんていう気軽な着方も楽しめます。1年中まだ試してないな、とかいまいちうまく使えなかったという方ももう一度、ぜひお試しください。