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ちょっとしたパーティ向けの着物を誕生祝いに着た!の巻

星わにこ
2025/11/26 00:00
私、11月生まれ蠍座の女なんですが、今年は11月生まれの友達と集って美味しいものを食べて自分たちで自分たちの誕生日をお祝いしよう!!という会に参加しました。 素敵なワインバーの個室で7名で乾杯! 京都から来てくれたお友達もいて近況報告から時勢ネタまで気の置けない仲間トークで盛り上がりました。 せっかくだから、自分なりのオシャレをしよう!と思って着物コーディネートを考えていて、10年以上前にあつらえたのに着ていない付下げのことを思い出しました。 黒地に流れ星と星が集まって月の形になっている星の模様で、裾に目つきのいい感じの鷺がいます。「星」モチーフが気に入って、子供の名前に入っている音の「月」があるのとで「わ~!」って盛り上がって購入したのですが……。 柄はカジュアルめなんだけど、正絹で黒地なのでカジュアルに振り切れてなくて、でもフォーマルな場所にはちょっとなあ‥‥という中途半端な着物で、いわゆる「ちょっとしたパーティ」向けなんだと思います。 でも「ちょっとしたパーティ」に出席する機会って、私の人生にはなかったんですよね……。というわけで、まさに箪笥の肥やしになっていたものでした。いつも、出しては仕舞い、出しては仕舞いしていましたが、そうだ、この機会に着ようではないか!としつけ糸をとりました。 今、きもの雑誌『月刊アレコレ』に隔月で連載中の「きもの事典カルタ」という読み物としてもたのしめて役立つきもの用語集のページのイラストを担当させていただいているのですが、ちょうどアレコレの撮影が昭和な家スタジオ近くで行われていたので、お邪魔してついで撮影してもらいました。もちろんカメラマンは渡部瑞穂ちゃんです。紅葉がとっても綺麗でした~。 帯揚げは招き猫なんですが、顔だけ結び目に出してみました! 自分だけが楽しいシリーズ(笑)です。 そして、夜はワインバーの素敵な個室に。4人が着物でした。皆様それぞれとっても素敵なコーディネートで眼福~。美味しいお料理とともに、笑顔はじける楽しい嬉しい会でした。それぞれ、仕事に趣味にと素晴らしい活躍をしている友達の話を聞きつつ、お仲間に入れてもらえるのも自分が頑張ってるご褒美だな~と思ったり。 直前でインフルエンザで参加できなくなった友達もいて、健康も大事だとしみじみ。万象繰り合わせて集まれることもありがたく、来年もまたぜひみんなで揃いましょう!と解散しました。 そんなこんなで無事今年の誕生日も過ぎ、会いたい人には会って、着たいものも着る! そんな1年にしたいなあと思っております。

七五三。男子袴の裾上げの裏技!の巻

星わにこ
2025/11/19 00:00
今年も七五三シーズン真っ盛り。写真スタジオでは連日七五三の撮影が続き、お子様の可愛い着物姿に日々癒されています。和装推しのスタジオなので、兄弟姉妹で全員着物、とかパパもママも着物、なんていう日もあり、着付させていただくのがとっても楽しいです! 着物はレンタルもあり、ご両親が子供の時お祝いで着た着物を受け継いで着ることもあり、またお誂えでお持ち込みもあり。お持ち込みの場合は、足りないものがあってもスタジオのレンタル品と組み合わせて着ていただいたりもします。成人式などもそうなのですが、1つだけでもなにか受け継いだものや、ご自分で用意されたお気に入りのもののお持ち込みがあるとちょっとほっこりしますね。 七五三は数えで祝う場合と満で祝う場合がありますが、どちらがいいということもなく、ご家庭の都合で決めてよいのではと思います。数えだとまだ小さくて、なかなか思うように着物を着てくれないことも。 3歳さんは特に男女とも、お子様によって足袋や草履の指の間に布が挟まる感覚がダメ!とか、髪飾りがイヤ!とか眠い!とかいろいろなNGポイントがあったりするのですが、まあぐずったりするのも「あの時は大変だったのよ~」と一生言われるいい思い出になるので、できる時に祝う!というかんじでいいのではと思います。 数えだとまだ体が小さくて、着物姿がめちゃくちゃ可愛いんですが、着付ける側からいうとちょっと苦戦します。でもあらかじめサイズ調整をしておけば、多少動いても親御さんに抱きついていてもなんとか着せられるので、ここはがんばりどころ。 3歳、5歳の着物はとくに、裄だけでなく身丈も調整しておかなければいけないので責任重大です。 特に袴は、多少長い程度なら、ウエストの紐の部分をくるっと折り曲げて調整するのですが、5歳さんの袴を3歳さんが着る、というようなときはもう裾を上げるしかない、とがんばって調整していました。 ですが……今年! もっと楽な長さ調節の技を発見したのです! それは袴の紐の下を摘んで縫って、上に折り曲げて短くしてしまうという方法。裾を上げる10分の1くらいの労力で済んでしまいます!! 後ろ側は多少形が変わってしまいますが、羽織に隠れますのでよし!というわけで早速実践して成功をおさめました。女子袴でも応用が効きそうです。 思いついたときは「ちょっと!!!私ってば天才!?」と鼻息を荒くしたのですが、ネットで調べたら動画で紹介されている方もいました(ですよねっ)。この技を必要とする人は本当に少ないので、目にすることもあまりないかもしれないし、もう今年の七五三の本番日(11月15日)はすぎてしまったのに……という話なんですが、このあとまだまだ続く後撮りや、来年以降にもしかしたら誰かの役に立つかも?と書き記しておきます。 そのほかの子供着物に関するサイズの話はこちら 七五三の三歳の着物を二歳から五歳まで着る方法の巻 子どもの着物は合理的にできてます! 今年の11月15日は本当にお天気もよく、撮影日和でした。この季節、金色に輝く銀杏や紅葉の中、笑顔のご家族の撮影ができると「この仕事やっててよかったなあ」としみじみ思うのでした。

菊の模様の着物&帯は秋限定?の巻

星わにこ
2025/11/12 00:00
毎年秋になると、菊や紅葉の紋様が気になってお出かけの時に着なくっちゃ……とそわそわします。一般的に菊の柄は9月~11月がよいと言われるのですが、重陽の節句はまだまだ暑く、秋だから……という気分になるのが10月も終わる頃。あわてて11月に着ることが多いです。 12月に入ると冬となり、そこからは松・竹・梅、雪輪など冬の意匠に移っていきます。1月に咲く寒菊などもありますし、意匠としての菊であったり、他の季節の花と一緒に描かれているものは季節を気にしなくてもよいですが、「ザ・菊」というデザインだと、やはり秋に好まれるようです。 そして、菊は桜と並んで国花としても愛されています。桜だけかと思っていたんですが、菊もそうだったんですね。そう言われれば皇室の象徴だったり、パスポートにも菊の紋章が付いているなと納得です。 いただきものの色留袖で爽やかな淡い水色に白菊の花がびっしり裾に描かれているものがあるのですが、秋というには色が爽やかすぎてちょっと違和感があったのですが、着物の達人に「柄がこうだから、と決めつけないで、全体の雰囲気で考えればいいのよ」と言われました。 帯に四季の花があれば、菊だけを見て秋、と思わないし、コーディネートでも工夫ができそうです。「菊は秋の花」という季節感覚はベースにありつつ、応用をしていくという感じでしょうか。 「四君子」という蘭、竹、菊、梅の4種類の植物を組み合わせる吉祥柄もありますし、梅に何が組み合わされているかというようなところからデザインの意図を汲むのもわくわくするものです。 季節の柄を楽しむというようなシーンでは、絶対的な正解がある、というよりは、自分の中に答えがあって納得していればいいし、さらに「なるほど」とわかってくれる人がいれば尚更楽しいというものではないかなと。 さて話を戻すと、意匠としての菊には「不老長寿」「信頼」「高貴」「邪気を払う」などの意味があり、その凛とした拡張高い美しさは古来から愛されてきました。秋を表すだけでなく、めでたい柄としてたくさん使われています。 格調高いし、仏花にも使われたり、あまりにも和柄のスタンダードすぎてなんとなく敬遠していた時期もありますが、最近また温故知新といいますか、好きになってきました。 乱菊、万寿菊、菊水、菊尽くし、むじな菊、菊唐草、横菊などなど、美しい菊のデザインをいろんなところで見たことがあると思います。 私はむじな菊の紋様が大好きです。江戸小紋でもある柄ですが、むじな(ニホンアナグマ)の毛並みのように菊の花びらを表現したもので、なんともいえず柔らかくてほんわかした気持ちになります。もふもふ感……。 乱菊は大胆でかっこいいし、万寿菊はまんまるでお饅頭みたいで可愛いし、菊が描いてあるから秋、なんていうと着る着物がないのでは?と思うくらい、花としていろんなところにあしらわれています。花びらが多く華やかですし、葉の形も特徴的で美しい形をしている菊。洋服ではあまり見かけませんが、着物では本当にポピュラーな柄です。ポピュラーすぎて見過ごしていることもあるかもしれません。 お手持ちの着物にも探せばきっとあちこちに菊が描かれているはず。秋にしか着られない、のではなく、秋だから身につけたら楽しい、と考えてコーディネートにぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか?

私のキモトモ(着物友達)のはなしの巻

星わにこ
2025/11/05 00:00
私の着物生活を語る時、キモトモ(着物友達)の存在は欠かせません。中でも一番密に着物に関して一緒になんやかんやとやっているのが、「昭和な家スタジオ」という和装記念写真館を一緒に運営しているカメラマンの渡部瑞穂ちゃん。このコラムにも、拙著にも数えきれないくらい登場していますし、このコラムで使っている写真も彼女が撮ってくれたものがたくさんあります。着物雑誌『月刊アレコレ』の写真撮影も、ほとんど担当している着物大好きカメラマンです。 彼女は大学の同級生で、語学も専修も同じクラスでした。でも学生時代はさほど仲がよかったわけではなかった(笑)のですが、卒業後15年ほど経ってからSNS(mixi)で再会。彼女のプロフィールに着物が趣味、と書いてあったため、着物好きだった私は連絡をとってみたのです。それが2006年のことでした。 もしプロフィールに着物のことがなかったら、連絡はしなかったかもしれない、くらいの状態から、着物を媒介に一気にあれこれ連絡をとりあうように。また、ちょうど子育て世代だったこともあってワーキングマザーの会『ムギ畑』にも誘ってくれて、入会しました。 もともと幹事体質でマメな瑞穂ちゃん、面倒くさがりで自分からは滅多に連絡もしないような私に、着物や育児、仕事のあれこれまでなんやかやと声をかけてくれ、やがて一緒に古民家を借りて着物を着て記念写真を撮るスタジオを運営することに。仕事だけじゃなく、習い事や趣味、子育てとなんだかんだと一緒にずっとつきあってもらっています。 ちょっと個人的な話で恐縮ですが(個人的でなかったことはあるのかという話はさておき)、ちょうどこのスタジオを始めるころ、私はアルコール依存症になってしまった夫(これまた大学の同級生で瑞穂ちゃんとも同じクラス)と揉めまくって離婚することになってしまうわけですが、そんな時にもそのスタジオの仕事と、このコラムの仕事は続けさせてもらっていて、それが心の支えでした。そのほかにも、着物のイラストの仕事やアドバイザーの仕事などでなんとかやってきたってわけです。 この間、大学生になった息子に「母さんはいろいろ仕事をやっているけど、撮影の仕事は喜んでもらえて本当に意義のあるいい仕事だよね」と言ってもらってなんか胸熱でした。 急に身の上話とかしだして、どうした??? と思われたかもですが、、そんなみずほちゃんと『ムギ畑』で知り合ったクリエイターの仲間たちとチームを組んで仕事をしてきた「フラーレン」というグループが今年15周年を迎えます。このグループに参加した頃はまだ、こんな人生を歩むとは思ってもいなかったのですけれど、気がついたらあっという間の15年でした。 チームといっても、それぞれが独立したフリーランスのクリエイターであり、ゆるく連携をとっている、というかんじなのですが、フリーランスでの仕事というのは基本一人なので、そんなとき同じように子育てをしながら仕事をしている女性たちに、助けてもらったり愚痴を聞いてもらったりできたこの環境は本当にありがたく、なんとか生きてこられた縁のひとつです。みんなには感謝しかありません。 これも、瑞穂ちゃんが「着物が趣味」とプロフィールに書いていなかったら、始まらなかったご縁かも?と思うと、着物よありがとう、と心から思うのでありました。 そんなクリエイター集団フラーレン15周年イベント「ひらく展」が京王線柴崎駅のギャラリーカフェ Gallery&Cafe Warehouse Garden で11月末に開催されます。私と瑞穂ちゃんは、11月30日に「きものを語るお茶会」を担当します。瑞穂ちゃんによるポートレート撮影つきです。着物がつないでくれた二人の着物愛炸裂のお茶会になること間違いなしなので、もしよかったらいらしてくださいませ。 ほかにも素敵なギャラリーカフェでいろいろなワークショップがあります。興味のある方、ぜひ参加してみてくださいね! 宣伝失礼いたしました(ぺこり)

1.5分紐帯締めのすすめ!の巻

2025/10/22 00:00
帯留めを使うときに使用する帯締めの代表は房がなく、普通の帯締めより少し短めの三分紐ですが、他にも四分紐、二分紐もあります。 それぞれ四分紐が幅約12mm、三分紐が約9mm、二分紐が約7mmです。 三分紐の半分の幅の1.5分紐(幅約4mm)1分紐(約3mm)というのもあるのですが、滅多に見かけません。が! ただいま開催中のいち利モールでオリジナル品がセールになっているのを発見。早速ポチりました。 10年ほど前に、友人に1分紐を譲ってもらい、2本でちょうど3分紐の幅になるので、2本使いして帯締めをとめたり、3本使いで色の組み合わせを楽しんだりしていたので、追加で持っていない色を購入。 これからのクリスマス、お正月シーズンに重宝しそうな金、銀、燕脂、白の4色を選んでみました(欲張りす)。 1.5分紐は1本使いだと浴衣の飾り紐などに重宝。夏に細い紐は涼しげに見えますよね。袷の時期には1本使いは流石にちょっと寂しい感じがあるのですが、2本3本と組み合わせるととても楽しいんです。 関連記事:夏はプチ帯留め&二分紐のすすめの巻 帯留めを通してもいいし、飾り結びをしてもいい。気が速いけどちょっとクリスマス風にコーディネートをしてみました。 2本を添わせて2色の三分紐風にしてもいいし、バラけさせてボリュームを持たせても楽しいです。金銀はいろんな色とも合わせやすいし、細いので主張もしすぎずほどがよいです。 右下の写真は、花玉結び風をして、紐の端を結び目の下に押し込んであります。仕上がりは一期一会(適当ともいう……) 関連記事:春の帯締め花玉結び風の巻 いち利オリジナルの1.5分紐は柔らかくて、扱いがしやすくていい感じです。でも帯締めなので、しっかりしていて安心感もあり! ちょっと帯締めで遊んでみたいかた、セールのチャンスに好きな色を揃えてみてはいかがでしょうか?

帯締めの寿結び(祝結び)の結び方の巻

星わにこ
2025/10/15 00:00
先日、秋の佳き日に結婚式の黒留袖、色留袖、訪問着の着付をさせていただきました。綺麗に着付けができるよう、事前に着付の練習をしていて知ったのですが、帯締めの結び方で「寿結び」「祝結び」「熨斗結び」と言われる結び方があり、近年よく結婚式などで用いられているそう。 私が他装を習った頃には聞いたことがない結び方なのですが、着付師さんのブログやYoutubeに結び方の解説がありました。本結びと上下逆に結んでいくので、最初は???となりましたが、覚えてしまえば簡単です。 普通に平組の帯締めを本結びにすると、房の付いている先が下向きになるのですが、この「寿結び」をすると上向きになって、水引の祝い結びのように縁起がよいということで、最近好まれているようです。 本結びはベーシックで慶弔フォーマルカジュアル問わず結ばれる緩まない結び方。寿結びとは、結び目を見れば違いがわかります。 私のもっている1993年刊『定本 着付と帯結び百科 冠婚葬祭の上品な着付け』(講談社)には寿結びの記載はなく、留袖の帯締めは本結びで結んであります。また2007年刊の『帯結び100選 笹島式決め技の極意』(世界文化社)にも平組の結び方は本結び(駒結び)しか紹介されていませんので、寿結びは令和のニューフェイスなのかもしれません。 こうしなくてはならないというルールがあるわけではないですが、帯の飾り結びなどと同じように、お祝いの時に「寿結びです」というのはおめでたい感じがしていいですね。 普段もしてはいけないというわけではなく、この結び方をすると帯締めがV字型に整いやすいので、少し痩せ見え効果もあります。冠組などをこの結び方をするとシャープなかんじになりますよ。 一方、銀座結びのように下から帯締めを持ち上げて結ぶような時は、本結びのほうが形的にも力学的にも自然に結べます。 特にいつ用いなくてはいけないというような決まりはないので、お好みで結んでみてはいかがでしょうか。

中秋の名月とさよなら万博。の巻

星わにこ
2025/10/08 00:00
台湾旅から1週間。またまた今度は京都大阪の旅に行ってまいりました。今回は出産祝いと大阪の友人を訪ねて万博へ、が目的のふらり一人旅。 京都はあいにくの雨でしたが、めちゃくちゃ可愛いベイビーに会えて大感激。ずっと写真で成長を見ていたので、推しに会えた感MAXでした。しかもニコニコしてくれて抱っこもさせてくれて、ファンサが神。本当に赤ちゃんって幸せの塊ですね。幸せそうなパパとママの顔が見られてしみじみ来てよかった~と感じました。 次の日は伏見稲荷にお参りし、混んでる京都駅方面を避けて、奈良経由で大阪入り。奈良線各駅停車の旅から、大和路線の快速で弁天町まで。弁天町で中央線に乗り換えて夢洲駅へ。そうです。もうすぐ10月13日に閉幕する大阪・関西万博に行ってまいりました。 思えば私の人生、今まで日本で開催された万博、やってるんだね~くらいの認識で一度も行ったことがありませんでした。大阪、つくば、愛知の認識しかなかったのですが、調べてみると日本で過去5回開催されているんですね。1970年の大阪万博、1975年の沖縄海洋博、1988年のつくば科学博、1990年の大阪花博。この辺の連続開催に日本の国力を感じます……。そして2005年の愛知万博(愛・地球博)以来、今回実に20年ぶりとのこと。 最初は行くつもりもなかったのですが、大阪の万博リピーターの友人に聞くと、「夜間券で一緒に行く?」と手配してくれました。閉幕に向けて大混雑、パビリオンはほぼ中には入れないと聞いていましたが、一度万博なるものを体験してみたいと思い、出かけることに。 子供に万博に行くと言うと「行ってきなよ!母さんにとっては最後の万博じゃんきっと」と言われ、え~!と思ったけれど、この先日本で開催されるかどうかもわからないし、確かに……。動けるチャンスがあるうちに行かなくちゃ!という気持ちに拍車が。同じような人も多いのか(笑)最後に向けて噂通りの人出でしたが、達人のアテンドで満喫してきました。 17時入場で5時間勝負。まずは2時間並んで日本館見学。並んでいる間に満月が上り、そして花火の音を聞きました(笑)。循環がテーマの展示でしたが、様々な「循環」の一例として「和裁」も。「ひとつの布を無駄なく使って仕立てる日本の着物。糸を引き抜けば布に戻すことができ、丈を直したり、仕立て直したりできる」ということで、取り上げられていました。 その後世界で一番謎の国と言われる中東にある共和国、トルクメニスタン館へ。30分ほど並んで全然知らなかった国の情報に触れることができました。入り口のオープニング映像がバーフバリ感があってよかったです。 いろいろ欲張らず、空に浮かんだ中秋の名月を眺めながら、大屋根リングをぐるっと散歩。達人の万博解説を聞きながら、上から見る各国のライトアップされた夜のパビリオンはとても綺麗でした。 最後ギリギリまでいたので、帰りも結構並んで地下鉄へ。帰りのゲートを出てから地下鉄までの列は、そのまま友人宅へ行き泊めてもらって次の日、飛行機で東京へ。はじめて伊丹空港に行きました。大阪までは新幹線でしか行ったことがなかったので、1時間で羽田に着いて、上空から富士山も見られて、飛行機楽しかった! 何度も行った場所なのに、まだまだいっぱい初めてがあって、楽しい旅でした。各駅停車での移動もなんだか楽しくて乗り鉄さんの気持ちが少しわかったかも。今回もあまり着物が関係なくて、イベントレポートもいつも会期最後のほうで役に立たず恐縮です(爆)。来週からはまたぐっと着物の話題に戻してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします‥‥!

<番外>台湾女子旅。茶藝体験もしたよの巻

星わにこ
2025/10/01 00:00
瀬戸内旅から1週間。なんと今度は台湾に行ってまいりました。友人たちと作っている「フォントかるた」チームで、台湾のボードゲームイベントを見に行こう!ということになり、えいやっ!と出かけてきました。 この旅に着物は直接関係ないのですが、12月に「東京キモノショーin台湾」が開催されますし、おでかけになる方がいたら参考になれば幸いです。三泊四日でしたが、台湾までは飛行機で4時間足らず。朝家を出てお昼過ぎには台北の松山空港へ。 空港のセブンイレブンで交通系ICカード「悠遊カード」を買い、お金をチャージしてもらいます。これで地下鉄やバスも乗下車時のタッチで簡単に乗れますし、バス(時刻表がなく、来たバスに手を挙げて乗る方式)がバンバン走っているので使いこなせば移動も楽々です。 Google Mapに目的地を入れれば、乗るバスの路線ナンバーを教えてくれるので、初めての街でも目的地に行けて素晴らしい。謎解きが得意なメンバーが先頭に立って導いてくれて、後ろをついていっただけですが、結構感動でした(ゲームでも現実でも勇者ではなく遊び人スタンスのわにこ)。 問屋街の迪化街で買い物をしたり、夜市で食べ歩き、千と千尋の神隠しのモデルかも?と有名な観光地の九フン(※フンはにんべんにに「分」)にもバスでGO!! とっても便利なバスですが、びっくりしたのがとにかく運転がアグレッシブなこと。昭和時代以来の「やばい車に酔うかもしれない」経験をしました。九フンへの道は山道なのですが、イニシャルDですか?という攻め具合で、なかなかスリリングでした。 観光、イベント見学、書店巡りなどなどの合間で、台湾茶の茶藝体験もしてきました。茶藝館では、台湾茶を作法にのっとって味わうことができます。今回はおしゃれな青田街にある築100年以上の日本家屋をリノベーションした「青田茶館」へ。ギャラリーを兼ねた素敵な空間で、功夫茶と呼ばれる作法でお茶をいただきました。 まず茶葉を選ぶとスタッフさんが、日本語でお茶の淹れ方や飲み方を教えてくれ、自分たちでもお湯を足しておかわり自由。 茶盆というお湯をこぼしても大丈夫なお盆の上に茶器を並べ、茶壺(急須)、茶海(ピッチャー)、茶碗などを手順に則って温めてから茶壺に入れます。茶壺は小さめであふれるほどお湯を注ぎ、茶葉にあわせた抽出時間を待って茶海にお茶を注ぎます。そこから聞香杯という器に人数分のお茶を分けます。 一煎目は聞香杯に茶碗で蓋をし、天地を返して茶碗にお茶を移します。空になった聞香杯でお茶の香を楽しみ、茶杯でお茶をいただきます。東方美人茶というお茶をオーダーしたのですが、さわやかな香りにうっとり。そしてお茶は一煎目はすっきり、二煎目からはだんだん茶葉が開いてしっかり……とお茶の味の変化も楽しめました。 平日の午前ということもあってか、お客様も少なく何度もお湯を注いでお茶をゆったりと楽しめました。1杯の量が少ないので何度もおかわりをするのですが、6~10煎味わえるそうで日本茶とは随分楽しみ方が違いますね。お点前は煎茶道に似ていました。日本の煎茶道が中国の喫茶法に由来しているのだそうです。 他にも九フンの茶房や迪化街のお茶屋さんでもお茶を淹れるところを見ましたが、小さな器たちを手順通りに手早く操ってお茶を供する様子はパズルやスポーツスタッキング※を見ているようでした。 そして何より茶器のかわいらしいこと!! サイズが小さいのがきっと私の中の女子のおままごと心をくすぐるのでしょうか……すっかり目がハートに。こんなふうに家でもお茶を楽しめたら……と夢が激しく広がりましたが、いや置くとこないな……と現実に戻り(笑)、茶葉だけを買うことに。 よい茶葉は当たり前ですがよいお値段で(爆)いろいろ悩んでお茶なのにミルクやバニラのような甘い香りがすると聞き、金萱茶という1980年頃に作られた品種の烏龍茶を購入してみました。家で味わってみると、本当に甘い香りがして、味はさっぱり。ちゃんと家でも急須やカップをあたためて淹れたら香りがたって、とても美味しかったです。これはしばらく楽しめそう。それにしても台湾のお茶がこんなに高価なものとは知らず、お土産でいただいた茶葉を何が正解か分からず適当に飲んでいたことを激しく反省しました。 台湾は、何を食べても優しい味でとても美味しく、私の行った観光地や台北市内では日本語も英語も結構通じるし、小さな親切をたくさんしてもらいました。そして街中は漢字だらけで、なんだかちょっと懐かしくあまり異国にいる感じがしませんでした。鉄道博物館などでは日本が統治していた頃の様子が窺えたり、勉強不足も痛感。東日本大震災の時に台湾が大きな支援をしてくれたことは有名ですが、ちょうど旅行の頃東部で台風18号で大変な洪水被害が出たそうで、帰国してから少しですがネット募金もさせてもらいました。一日も早く平穏な日々が戻りますように‥‥。 なんだか浮かれポンチな旅行記が続きましたが、これまで結構なひきこもり人生だったのを、今年は誘ってもらったら出かける!というスタンスであちこちに出かけています。やっぱり実際にこの目で体験しなければ知ることができないことがいっぱいだ!と再確認しています。50代以降の母たちが、急にバリバリ旅行に行き始めてなんだろう?と思っていましたが、子供の手が離れてあと何年体が動くだろう?と思ったら、そりゃあ旅にも行きたくなるよね!と納得している昨今です。あまり着物と関係ない上に長い番外編で失礼いたしました。 ※スポーツスタッキング:プラスチックカップを積み上げたり崩したりしてタイムを競うスポーツ。

瀬戸内アート巡り。豊島・海のレストランに海の浴衣でGOの巻

星わにこ
2025/09/24 00:00
今年はなにかに取り憑かれたようにあちこち旅しているわにこです。もともとインドア派で家にいるのが一番好きで、旅行は積極的にしたことがない人生なのですが、もうすぐ還暦ともなってくると体力の衰えがひしひしと感じられ、あれれれ、出かけたくても出かけられなくなるのでは?と思い、行ける時に行くか!とお誘いいただいた旅にどんどんくっついて行くことに。 先週はずっと行きたいと思っていた瀬戸内の島アート巡りに行きました。直島、豊島、犬島と二泊三日で、達人のご案内で瀬戸内アートを堪能しました。今回ちょっと長文で失礼します。 雨と曇りの予報が続いていてどうかなあと思っていたのですが、4人の旅メンバー中2人が協力な晴れ女だったためか、初日以外は晴れて暑くなり、真っ黒に日焼けして帰ってきました。 出かける前にベネッセアートサイト直島で、美術館や家アートのチケットを購入。大人気の瀬戸内国際芸術祭の期間外だったのですが、それでもチケットは争奪戦。時間制のところもあり、達人の綿密なスケジューリングの元、しっかり予約をしていきました。 1日目は羽田から高松、そして直島に渡り1泊。 有名な草間彌生さんの南瓜、黄色と赤で記念写真をパチリ。このためにsousouの長方形衣のおはじき大を着ていきました。黒い水玉の南瓜とワンピースのおばさんの写真を見た子供に「同じ毒を持っている」といわれました。本望です。。。 この春開館の直島新美術館と、地中美術館では安藤忠雄ワールドを堪能。コンクリートの質量と、そこから差し込む光を見上げて自分のちっぽけさといてもいなくてもいい感が感じられて心地よかったです。南寺、安藤ミュージアムでも同様に、自分の存在って思っているより感覚的なものなんだなと思えて、気持ちが軽くなりました。自然光で見るモネの睡蓮、ジェームズ・タレルの光の魔術、村上隆のバチバチの色彩。屋外の巨大アートも島の自然に溶け込んで素晴らしかった。 夜は民宿と居酒屋で一杯。タコの唐揚げと枝豆がめっちゃ美味しかった。 2日目は朝に南寺などを巡った後、昼に豊島へ渡り1泊。 豊島ではレンタカーを借りて4時間弱で島アート巡り。美しい青空の日で、海辺のアートもキラキラ。はしゃいで海に足をつけたり、ジャンプしたり満喫。棚田や海などの自然も目に栄養でした。 豊島美術館のシェル構造の「母型」では、靴を脱いで、水滴の中に吸い込まれるように中に入るとそこは見たことがない不思議な空間。ぽっかりと空いた開口部から青空と木々がのぞき、風が吹き抜けていました。思い思いに過ごす人々。私もおそるおそる座り、生きているように蠢く水滴を見つめ。やがて横になって天井を眺めれば、水面の光が反射し、波紋が映っていました。天候や季節によって、またこの空間は全然違ったものになるのでしょう。心が鎮まる得難い体験でした。 お宿は豊島エスポワールパークへ。オープン前からたくさんの友人知人が関わっていてお話を聞いていたこともあり、また英国BBCによる『The 25 best places to travel in 2025』にもおすすめされているエスポワールパークに一度行ってみたい!という夢が叶いました。  ディナーは「海のレストラン」。数年前に訪れた達人に海の景色と夕陽が素敵よ、と聞いていたので、ぜひ!と予約。着物好きのメンバーだったので、メンバーの還暦祝いでもあるし浴衣でいきましょ!と話がまとまりました。 せっかくだから、海の模様の浴衣が着たいなと思い「浴衣着てもいい?」と聞いたら着物好きのメンバーからは「わたしは薔薇の阿波しじらかな」「おニューのセオアルファ仕立てたからそれで」「南部古代型染の木綿着物で行くわ」とぽぽぽん!と決まりました。みんな持ってんな(笑) 浴衣と半幅帯、うそつき衿を持っていき、夕方ホテルにチェックインして部屋で着替え。足元は荷物になるからもうサンダルのままでいいよね、と気楽に。サンセットタイムに間に合った!! 地の素材でシンプルイタリアン、本当に美味しくて、なによりスタッフさんたちのおもてなしがとてもスマートで心地よく、本当に素敵な時間となりました。実は、東京で豊島のイベントが開かれた時にビンゴでこちらのディナー券を当てていた私。いや来られてよかった!感謝です!! 私の海の浴衣は、人魚、お魚、海星、蟹、タツノオトシゴ、海藻などが薄いブルーに白い線で描かれているのでよくみないと何の絵か気づきにくく、それもお気に入りです。人魚の尻尾をエビフライに見間違われたりしましたが(爆)海つながりで、海のレストランで着られたこと、なによりよい思い出になりました。この先、この浴衣に手を通すたびに海のレストランとこの旅を思い出すことでしょう。 荷物になるし、まいっか、と思わずに、持って行った自分えらい! 面倒臭いからいいわなんて言わずに、私も着る!って言ってくれたキモトモ(着物友達)にも大感謝!!! 3日目は、犬島に渡って犬島製錬所美術館で廃墟トリップして、家プロジェクトを周り、大宮エリーさんのフラワーフェアリーダンサーズを見て魂の安寧を祈り、美味しいランチを食べて帰路に。そして船を乗り継ぎ、飛行機に乗ってあっという間に東京に戻ってきてしまいました。 行くまではちょっと「アートとかわざわざ島に?」という気持ちもなくはなかったのですが、実際にその地に立ってみて「島でアートを楽しむ意味」が少しわかった気がします。アートを楽しむための島はどこも洗練されていて、そこに世界中から人が訪れ、ベネッセが地元にこだわり、産業でなく文化を耕し続けた凄みが感じられました。文化、大事。 そして着物で旅行に行ったこともあるけれど、あまり気負わずに旅先でちょっとだけ着物を着る、というのもありで、楽しいなと再確認の旅でした。

やっぱり和装ブラのサイズって大事だったの巻

星わにこ
2025/09/17 00:00
ちょっと痩せてもすぐ元に戻ってしまうチームふくよかのわにこです。去年は一念発起してジムに通って4キロくらい痩せたんですが、じわじわとそれがなかったことになっている昨今。夏は体調を崩したこともあり、とにかく楽な服装で過ごしていたらそれも元に戻れなくなり、シェイプアップ効果のある下着とかもう着たくない……という状態に。 その流れで、着物のときも和装ブラをいつも使っているものから1つサイズアップしてみたんですね。そしたらいやこれ、すごく楽! いつも「寄せて上げて胸の真ん中に集めて鳩胸にすると綺麗です!」と皆様に熱弁をふるっているわけですが、楽を選んでみました。 寄せて上げてはちょっと甘いがまあ胸はフラットになってるし楽だしいいか、と着物を着たら……。自分ではほんのちょっと楽をしただけのつもりが、いつもとシルエットが全然違って大ショック!! ちょうど銀座いち利の横浜店さんにお邪魔する日だったのですが大反省でございました。反面教師としていただきたい……。 普段着で誰に会うというわけでもない日はいいかもしれないけど、やはり綺麗に着たい日はちゃんと寄せて上げないとあかん……と痛感。このへんも、自分がどこまでよしとするかという部分ではあるのですが、私的にはまだサイズアップはしない方向を決意しました。(痩せろというツッコミはなしで……泣 ぶっちゃけ和装ブラのサイズだけで、体重3キロは違って見えると思います。これも以前散々サイズ選びで試行錯誤したところです。具体的に言うとMかLの間で悩みに悩んでいろいろ着てみて落ち着いたのは、たかはしきもの工房のPut on キモノブラならL(短時間着用でめっちゃ細見えを狙うならM)涼子ならMでした。これでずっと来たのですが、涼子をLにしてみたらもうあかんかったですね。胸が流れてしまいました。体型変化や加齢もあると思うけど、もうほんとサイズが変わっただけででこんなに違うのか!と実感でした(さめざめ)。 いつも「苦しくなければジャストサイズか小さめを選んで」と言っているのに、自分で大失敗の巻。いい経験でした。自分で痛い目を見ないとわからないこともありますよね(泣)。ちょっと大きいブラはもう少し太ったら……じゃなくて、カスタマイズにチャレンジしてみたいと思います。 この辺も、本当に自分との相談な部分ですよね。人に見られてどうとか、正解がこれだから、とかいうのではなく、私が着物を着るのは、楽しくてわくわくするから。だからこそ「綺麗に着れたな!」という満足感が私にとっては大事なのです。だからいつも綺麗に着られる方法を考えています。 でも、なるべく楽に簡単に着たい。常にこの二つを両立するポイントを探し求めているような気がします。自分が「これでいい」と思えるバランスが大事なのかなと。 わかっていてもいつもうまく行くわけじゃなく、ここが気に入らない、失敗したあ、どうだ今日はちょっといいぞ、次はもっとなんとか……というのを繰り返しながら、なにかのの階段を登っているのかなあと思う今日この頃でした。