先日お茶のお稽古仲間の皆様に誘っていただき、暑気払いに参加してきました。京都に本店のある「三友居」の白金店で鱧尽くしのランチという贅沢なプランに、自分にご褒美とばかりに飛びつきました(笑)。
お恥ずかしながら鱧はほとんど食べたことがなく、憧れの食べ物。関西ではメジャーですが、関東ではあまりお目にかかりませんよね。谷崎潤一郎が好み、その最後の晩餐であったと言われる「牡丹鱧」や、皮一枚を残して細かく包丁を入れる超絶技法である鱧の筋切りなどについて知識として知っている程度でした。
京都の祇園祭は「鱧祭り」ともいわれるほど。今が旬ということで、祇園祭のコンチキチンという鉦(かね)の音をBGMに聴きながら、京都気分で涼やかな室礼の個室で美味しい鱧のコースをいただきました。
憧れの牡丹鱧、鱧の湯引き、鱧寿司、鱧巻天ぷら、鱧茶漬け……とまさに鱧尽くし。御酒もいただいてしまいました。このほかに鮑とずいきの酢の物の前菜、京茄子のいやあ贅沢贅沢。柾目の美しい木の盆に次々とサーブされていく江戸切子、錫、緑交趾などなどの器も素晴らしく、椀の蓋には露が打たれていたり、添え物の葉っぱが梶の葉(平安時代から七夕の短冊に用いられたもの)だったりと、盛り付けも素晴らしくてうっとり。
鱧のほどよく脂身のある白身は上品で、でもしっかり元気が出るお味。調理法によってふんわりほろりから、しっかり噛み締めまでバラエティに富んでいて鱧、満喫いたしました。

お店の箸袋に見慣れぬ二文字の漢字があり、一文字目は「羹(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹く」のあつものかな?二文字目は知らない、なんて読むの?と話題となってお店の方に聞いてみると「こうかく」と読むことを教えてくださいました(漢字はイラストを参照してください)。特に前述のことわざは関係なく「あつもの、吸い物」を指す言葉だそう。今は辞書にも載っていないのだそうです。その場でキモトモがネットで検索してくれたところ、1992年の『大漢語林』(大修館書店)には記載されているようですが、帰ってから自宅の1995年の『大辞林』(三省堂)第2版には載っていませんでした。ひとつ賢くなりました。目にも口にも脳にも栄養が行き届いて、今年の夏ものりきれそう!
お出かけにあたってせっかくなので絽の江戸小紋を用意したのですが、当日37度とゲリラ豪雨予報でワンピースで出掛けてしまった私です。だがしかし、ご一緒したキモトモの半数が着物で、絹紅梅や小千谷縮、セオαなど涼やかな姿に惚れ惚れ。やっぱりマダムランチは着物だよね!
夏着物は着るハードルが高いからこそ、着られたときの喜びは最高なんですよね。あと脱いだ時の開放感も最高(笑)。着ていけなかったコーデをここで供養させていただきます。

絽の江戸小紋(洗えるやつ)、アンティークの絽の帯(鱧じゃなくて鮎)、瓢箪の帯留(6つの瓢箪で無病!)でこの季節ならでは(鼻息)と考えてみました。考えてみるだけでも楽しかったです(弱)。今回は洋服ででかけても帰ってすぐ寝ちゃうくらいぐったりだったので、体力をしっかりつけて、残りの人生夏も着物を楽しみたいとしみじみ思いました。
皆様も機会があれば、そして気力体力が許せば、夏着物を楽しんでくださいね!