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背中の斜めシワは背中心のズレが原因だったの巻

星わにこ
2025/04/23
いや~まだ4月なのに単に手が伸びる陽気の日も増えてきましたね。あんなに寒いな春よ来いと思っていたのに、春すっとばして夏の気配。着る着物にも悩みます。 さて、今回は先々週から続けてきた「着付けのお悩み原因探索」第三弾、背中のシワ編です。 これは私自身の悩みでもあるのですが、背中によく斜めのシワが入ってしまいます。だいたいは左上から右下に流れるシワです。これはどうしてなのか、体が歪んでいるのかなとずっと悩んでいたんですが、実は背中心がずれているからだったのです。 ちゃんと背中心を真ん中に合わせたつもりなのに、なぜずれてしまうのか。 それは、背中心をあわせた後に衿を整えるとき、上前を引っ張り過ぎてしまうくせがあるから。上前をひっぱりすぎると、背中心が左にずれて、背中で斜めのシワが誕生してしまうのです。 これは、着るときだけではなく、帯を結んだあとに、衿が浮いたりしてぐいぐいと上前のおはしょりを引っ張りすぎても同じことが起こります。 キレイに着ようとするあまりに生まれてしまうこのシワは、手癖もありますし、コーリンベルトが原因のときもあります。 もうどうせ毎回引っ張り過ぎてしまうから、というので、腰紐をしてからコーリンベルトをする前に、掛け襟で背中心を合わせる際あらかじめ右側(下前)を1センチほど長くとっておく、という方法をとっています。 この背中心をあわせるタイミングというのも実はいろいろで、主に着物を羽織ったときにもう背中心をあわせてしまって、クリップで衿をとめてずれないようにする派と、私のように腰紐をした後に掛け襟であわせる派に分かれるような気がします。 クリップで止めていても、長襦袢ごとひっぱって背中心がずれるというのもよく起こること。 この背中心のズレはなかなか鏡を見ても気づけないもの。 でも、背中に斜めのシワがあったり、左右の肩のあたりのシワが非対称なとき、それは背中心がずれている可能性が最も高いです。 胸紐や伊達締めで衿合わせをおさえてしまう前に、今一度掛け襟をさわってみて、左右水平な位置にあるかどうか確認しましょう。水平な状態で胸紐もしくは伊達締めで抑える、もしくは帯をすればOKです。 この方法の落とし穴はひとつあって、掛け襟自体が左右対称でないとできません(爆)まずほぼほぼないとは思いますが100%とは言い切れませんので、あれ?と思ったら掛け襟自体も確認してくださいね(笑)私の着物も古いもので一枚だけ左右の長さがちょっとずれてるのがあります。 なんか背中に変なシワが入るな~と思ったときは、上記お試しくださいませ。 こんなことを言っていても、私もなかなかいつも完璧には着られません。人間だもの(みつを)。でも悩みが多いからこそ、なぜそうなるのか?を考えます。あとは、ちょっとでも楽に着られるために腐心しております(笑)。もうほんとにね、もう一人自分がほしいっ! もう一人の自分に着付けてもらいたいっ!とよく思います。 ゆるゆるに着れば楽だけど崩れる。紐でぎゅうぎゅうに押さえて動きも制限すればキレイだけど辛い。そして自分が「ここで納得」ポイントは人それぞれ。この間は、いつも着物を着ている友人の腰紐のゆるさに度肝を抜かれました。でも、その人がよくて悩みや問題がなければそれでいいわけですよね。私も家でリラックスしつつ着るときはゆるゆるです。 体型や動き方も十人十色ですし、着物に求めるものは人それぞれ。宗派(?)が違う場合は、自分の考えを押し付けないのも大事だなあと思います。そんなこんなで私の意見も、絶対ではなく、参考にしていただければ幸いです。また盛大に話が逸れてきましたが(いつもか)今日も自分的「楽でキレイな着付」について考えてばかりのわにこがお送りしました。

半衿が消えちゃう?ときの対処法の巻

星わにこ
2025/04/16
よく着物を着ているうちに、着物がどんどんかぶってきて半衿が消えちゃうというお悩みを相談されます。だいたいの場合はコーリンベルトが原因で、ゴムが強すぎる、留め具の左右の高さがずれているのでは?とお答えしています。 1)両方半襟が潜っちゃう場合   コーリンベルトのゴムを緩めてみてください。留め具の左右の高さを揃えてください。 2)上前が被って左の半襟が潜っちゃう場合   コーリンベルトの右側の留め具の位置が高いのでは? 3)下前が被って右の半襟が消える   コーリンベルトの左側の留め具の位置が高いのでは? コーリンベルトの左右の高さを揃えるときは、必ず鏡を見て確認してください(左は手で触って、になります)。上から見ると高さがわからないので、鏡で客観的に見ることが大事です。 左側の留め具は、自分が留めたと思う位置より少し上にあることが多いです。留め具を留めてから、後ろに引く時に位置が上がるんですよね。よく、コーリンの留め具があばらにあたっちゃう、なんてお悩みがあったら、ずり上がる分を見越して少し下目に留めるといいと思います。 コーリンベルトをしていないんだけど、という場合は衣紋がちゃんと抜けていない、襦袢の衿合わせがゆるい、なども原因のひとつです。 襦袢もきちんと着たし、衣紋も抜けたし、コーリンベルトも高さを合わせた(もしくはコーリンベルトを使っていない)のに、それでも半襟が消えちゃう!場合は、着物の身幅が広くて、深く前を合わせ過ぎている可能性があります。 チームふくよか所属の私は、身幅は足りないことこそあれ余って困るという経験をあまりしたことがないため気が付かなかったのですが、腰紐を結んだ後、上半身の襟合わせを深くしすぎるとやはり半襟が消えるのですよね。 対処法としては、脇でタックをとって見頃が深くかぶさりすぎないようにすること。とったタックは胸紐や伊達締めで押さえます。 以前教えていただいた「コーリンベルトのダブル使い」も有効です! タックをとるのが簡単になります。 関連記事:コーリンベルト2本使いで脇をスッキリさせる技!の巻 身幅がありすぎると、衿合わせを程よくした場合、脇にあまりが出てぶかぶかするのでタックをとったほうがスッキリします。 一方身幅が狭いと衿がどんどん鋭角になって半襟が見え過ぎちゃったりもするので、このあたりはやはり着物はマイサイズが着やすいね、という結論になってきます(^^;) それでも着ていて半衿が潜った場合は、半襟を引っ張り出すよりは着物を脇に撫でてひっぱって帯につっこんで半衿を出したほうが効果が高いです。 つらつらと書いてしまいましたが、結構原因はひとつというよりはいろんな要因が重なっていることも多いので、自分の場合はどれかな?と思いつつ、着るときに気をつけて着てみてくださいね! 

お太鼓は「て」を入れる前に整えろ!の巻

星わにこ
2025/04/09
今年は桜の時期が長くて、なんだかいつもより春を楽しめているような気がしているわにこです。桜が終わると一気に緑が輝き出して、帯付き姿が楽しめるようになりますね。 帯付きとは、羽織ものを着ないで帯が見えている着物姿のこと。気軽な装いですが、コートを脱いで軽やかなワンピースでおでかけ、みたいな感じでしょうか。 袷の羽織も「紅葉の頃から桜が散る頃まで」と言われ、羽織るとしても単衣や薄物の羽織になっていきます。 そうなるとやはり帯が注目の的に。冬は「まあ上に羽織るからいいか」とちょっとなおざりにしていた感もあるお太鼓ですが、すっきりきっちり形を整えられるとかっこいいですよね。 前結びの方は見えるところでお太鼓を作りますから大丈夫ですが、後結びの場合は正直手探り。手をいれて帯締めを結んでから「あれ~~やっぱりお太鼓が大きい・小さい」とか「タレが長い・短い」「なんか!斜めってる!」とか気がついて、タレをひっぱったり、「て」の下の返しをひっぱったり‥‥。 ある程度は直せるのですが、どこをひっぱっていいのか、そもそも返しが右側はいいけど「て」を折り返している左側はひっぱれないとか、四苦八苦。自分が!もう一人欲しい!!パーマン!(昭和)となってしまいます。(私だけですか) ずっと苦戦していたのですが、最近気がついたのです。私はお太鼓を作る時仮紐で形を作る派なんですが、その場合「てを入れる前に鏡をみてお太鼓を綺麗に整えたらいいんじゃない?」と‥‥。 その段階でお太鼓の形を綺麗にすることは、びっくりするほど簡単でした。ポイントは仮紐をぎゅっとしっかり結ぶこと。そうでないと緩んでせっかく作ったお太鼓の形が崩れてしまいます。 仮紐をして、鏡でお太鼓の形をチェックして「よし!OK!」となったらここで「て」を入れて帯締めを結びます。そうすれば、ややこしいお直しいらずです。 もし後結びで「お太鼓の形がいつもイマイチ」と悩んでいる方がいらしたら、「て」を入れる前の段階で形を整えてみてください。たったそれだけですがぐんと楽に整えられるようになります。ぜひお試しください。

桜着物コーデで期末のご褒美ランチの巻

星わにこ
2025/04/02
桜がもうちょっとで満開!というところで寒くなり雨予報が続く東京。先週末はお花見に出かけた方も多いのではないでしょうか? 私は着付レッスンや春休み家族写真で卒業式、振袖着付けが続いてとても楽しかったです! でも頑張りすぎて手首が痛んで爪が割れるという情けない事態になっており、雨に癒されています。 さてそんな大忙しのなか、自分もキモトモとお花見ランチに出かけました。確定申告が終わったらご褒美ランチをしようか~と相談していてなかなか日程が合わず、3月の末になりましたが着物でおでかけして銀座でお寿司を食べよう!とかなり前から予約を入れておいたものです。 近くなってきたら仕事が詰みまくりで「期末だった!」と思い出しましたが(笑)仕事の間隙を縫って着物に着替えてGO! 人間やればできる。ちょうどお花見日和でした。 せっかくだから桜着物コーデをしていこうということで、桜模様の大島の訪問着と桜の帯、桜色の帯締めと、桜染めの帯揚げをしていきました。キモトモは桜色の色無地とレースの羽織で桜コーデ。 桜の帯揚げは東日本大震災があった年の春に「桜染め体験」を申し込んでいて、余震もあったり不安なことが続く中キモトモとどうするか悩んでえいやっと参加した時に染めたものです。あれから13年(!)そしてキモトモの春らしい袋帯はその1年後に銀座くのやさんが閉店になるときに求めたもので、その時のことも思い出したり。不義理ばっかりの私とも長くおつきあいしてくれているキモトモに感謝です。 美味しいお寿司ランチの後は、日比谷公園までお花見散歩。桜はまだ5分咲きほどでしたが、気分はすっかり春! わいわい言いながら写真を撮りっこするのも楽しい時間です。コラムに描くんでしょ!といっぱい写真を撮ってくれてありがとう。。出かける度になにかとネタにされることにキモトモのみんなが慣れている(笑) 大人になって、着物を通じて友達がたくさんできて、あちこちおでかけして、お互いの箪笥の中身も把握しつつ(笑)たのしく過ごせてキモトモにはもちろん、ほんと着物にもありがとうと言いたいです。 そして毎年美しい姿を見せてくれる桜にも。 歳をとってきて、単に桜が美しくて春が楽しいという気持ちだけでもありませんが、一緒に思い出す少しほろ苦い気持ちも生きてきた大切な証なのかもしれません。春は別れと出会いが交錯して、後何回、どんな気持ちで桜を眺めるのだろうと思うとちょっとおセンチにもなったりしますが、やっぱり春は春。新しい年度が始まり、周りの人々が新しい生活をはじめ。心からおめでとう、がんばってね!とエールを送りたい。私は特になんの変化もないようですが、それでも時は巡っていき、この春のことも想い出になっていくことでしょう。 今年はこの寒さでまだ少し、桜が楽しめるかな?と次の機会を待っています。春はちょっとおセンチにもなるわにこでした。

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