師走は忙しいけれど着物をきて出かけたくなるシーズンですね。忘年会、クリスマスパーティ、観劇‥‥。ちょっと華やかなコーディネートを楽しみたくなります。カジュアルや和洋ミックスもいいけれど、年末年始はがっつり重めの晴れ着を着たくなります。
人生も、節目には装いたいもの。
誕生日、七五三、入学式・卒業式、十三詣り、成人式、結婚式、いろんな自分の記念日‥‥。年をとれば、還暦から長生きの節目のお祝いもあります。私は今50代半ばなのですが、周りの友人達も勤続30年とか銀婚式とか子育てが終了したとか、退職、転職、そして還暦とそれぞれの自分の節目を迎えています。
先日、カメラマンの友人と運営している写真スタジオ「昭和な家スタジオ」で大人の振袖撮影会を企画して参加者を募集したところ、あっという間に満員御礼。合計10名様の大人振袖を着付け&撮影させていただきました。みてみてこの輝く笑顔!(黒い洋服のすっぴんは着付け担当の私でございます(^^;)めっちゃ嬉しそう)
自分の節目に記念で撮ろう!という人、楽しそうだからという理由で参加した人などいろいろでしたが、いやいや大人の振袖姿、マジで見応えがありました。
普段スタジオでは成人式や十三詣りなどの振袖の着付けをしています。若いお嬢さんたちの振袖姿はそれはそれは花の蕾が綻んで咲き始めるような美しさと可愛らしさがあり、本当に素敵です。振袖は未婚女性の第一礼装とされており、さすが、その時期に着るための着物だなと納得です。
一方未婚既婚はともかくとして、昔から三十振袖四十島田という言葉があるように、三十才をすぎても振袖を着るなんて若作りでしょ、といわれてきました。私も40歳の頃からパーティや友人たちとの集まりなど「自分の楽しみ」として振袖を楽しんできましたが、「世間的にはよろしくないかもだけど、内輪でたのしむならいいじゃない」とちょっと背徳感(笑)ありつつの装いでした。
でも、この10年ほどで随分と変わってきたように思います。2019年に東京キモノショーで「大人の振袖ショー」として還暦の女性たちが振袖を着るショーがありました。観覧していたのですが、若作りということではなくその年齢に相応しい着こなしで、それはそれは素敵でした。そして、それぞれの振袖に対する想いも紹介され、その人の歩んできた人生に思わず涙がこぼれてしまったり。終始感動でした。
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還暦で着る大人振袖☆東京キモノショー2019の巻
還暦で振袖を着る!というのは、一つの選択肢として浸透してきている気がします。
昭和な家の大人の振袖撮影会も、着付ける方もパワーをもらえる楽しさ&テンションマックスでした。
ご自分の振袖を着る方も、レンタルで着る方も、もうね、大人ですから、自分に似合うものをバシッと選ばれるわけです。それぞれが、来し方を振り返りつつ満を辞して着る振袖の美しさと格好良さ。そして、可愛らしさも。いろんなことを乗り越えて、凛と咲く大輪の花のようでした。
20歳の時に着た白い寿光織の振袖を黒に染め替えて、アンティークの丸帯にあわせた方。お嬢さんのために購入した振袖だけど、実は自分がこういうのが着たかったのかもと嬉しそうに袖を通される方。レンタルで大好きな色を選んで、見事に着こなす方。
テンションが上がって、参加者みんなで大奥ごっこが始まったり(爆笑)
一人での撮影もいいんですが、人数が集まると、さらに楽しさが加速するかも。コーディネートから相談に乗って、着付けまで。私も本当に楽しかったです。
撮影会の様子は着物雑誌『
月刊アレコレ』221号でも取材していただきました。特集記事を読むと、自分も振袖が着たくなってきます。
還暦記念、勤続記念、退職記念、子育て完了記念、今までの自分にご褒美記念などなど理由はなんでもいい。
20歳だから、というような理由ではなく、自分のライフステージの変わり目に、自分で決めて自分で着る振袖。大人の振袖、もっと着る人が増えたらいいな。昭和な家スタジオでも随時受け付けております♪(宣伝かよ)
確かに気力も使うし、準備も費用も結構かかる。だけど、着た時の満足感とやった感は半端ないです。大人もぜひ振袖パワ―、ここぞというときにお試しください。