まだまだ続くコロナ禍、再びなかなか遊びにおでかけすることが難しくなってしまいましたが、お正月からこの季節に着たくなる着物があります。
それが梅の着物。
枝に白梅の花が咲き誇っている綾子の小紋なのですが、柄が大きいこともあって華やかで、普段着というよりおでかけに着たい綺麗目ワンピースのよう。白地の波の表のような、氷のようなこれも大きく華やかな地紋に、薄い卵色と黄緑のボカシ染めがこの季節の凛とした寒さによく合います。八掛が墨ぼかしというのもまた華やかなのに冬まっただなかのようでいて、ぼかしがおわると光のような白が見えるのが雪のようでもあり氷のようでもあり‥‥。とても気に入っています。
いただきものだったと思うのですが、友達もとてもよく似た小紋を持っていて、双子コーデになったことも。私も似たのを持ってる!と言われたこともあります。
この白地に白梅枝のモチーフを見て、老舗の呉服店の方が「これ昔はやりましたなあ」とおっしゃっていたので、昭和のある時期にとても流行した柄なのではないでしょうか。
小紋なのに、上品でほどよくドレッシーなよそ行き感がとてもよいのです。
地色が黒で同じような白梅枝モチーフの着物も持っていますが、こちらは八掛が黄緑ですこしおきゃんなかんじ。色でもずいぶん印象が変わりますね。
枝付きの写実的な柄は、その花の時期に楽しむとよいというので毎年この時期には着たいと思うのですが、去年に続いて今年もどうやらちょっとおしゃれをして出かけるシーンを失ってしまいそうなこのシーズンになってしまいました。
またかあ~なんてため息をつきかけましたが、思い立って箪笥から出してみました。やっぱり好きな着物を見るとテンションが上がりますね。広げて触って、半日くらいハンガーにかけて眺めてまた畳んで仕舞うだけでもとても気持ちがすっきりしました。
Googleフォトで、「着物」「1月」「2月」で検索して見返すと、この着物とあそこにもいった、ここにもいったなと思い出が浮かんできてとても楽しかったです。たとえ着なくても、こうやって愛でるだけでも幸せなんだなあ、なんて自分の着物愛も再確認しちゃいました。
子供の学校も休校が決まり、しばらくまた閉じこもる日々になってしまいそうですが、気持ちを切り替えて好きなものを見て過ごせたらと思います。
気がついたらもうあさっては立春。いつのまにか梅もたくさん咲いていて。何があっても、時はめぐって春は来る。自分の場所で、顔をあげていこ。って着物にパワーをもらったお話でした。
着なくても、着物に触ってみてください。きっと元気が出ますよ。