太くて短い帯締めをスッキリ結ぶ方法その2。の巻
東日本大震災とチャリティとマンガのこと。の巻
今日本を覆っている、新型ウイルスに対する不安な空気や自粛モードが当時感じていた息苦しさを思い出させます。何が起こっても、自分にできることをするしかないわけですが。しんどさに溺れないよう、自分と周りの人を大切に過ごすことが大切だと思い、生きるしかない。
震災後、同じ気持ちを抱えた働く母たちのクリエイター仲間でそれぞれが作品を作ってチャリティ販売をしました。その後、着物を寄付していただいて販売したり形を変えながら毎年この時期に続けられ、その時できる形で参加してきましたが、今年はそれもイベントの開催自粛ということで、延期となりました。まだいつになるかどうなるかもわからず、なんとも言えない気持ちでいっぱいです。
こちらのコラムでも何度も紹介させていただいた「きもチャリ」もその中の活動のひとつ。昨年と今年はきもののチャリティは会場の都合もありお休み、来年10年目の区切りには開催できたらと思っていますが‥‥。
このチャリティ活動については、石巻の石ノ森萬画館の復活にあわせて創刊された『石巻からのコミック&復興情報マガジン マンガッタン』でも、私のマンガで紹介させていただいたことがあります。当時の被災の様子や復興に向かう人々の姿をコミックで紹介するというマンガッタンの執筆陣はそうそうたるメンバーで、そんなところに私なんかが描かせてもらってもいいのかと今だにドキドキしていますが、いろんな角度からの震災への想いという点ではなにか伝えられるものがあるのではと思っています。
マンガの持つ力というのもやはりあると感じています。震災を風化させないよう続いてきたマガジンですが2016年からは発行されていませんでした。それが今回、「KADOKAWA」の漫画サイト「ComicWalker(コミックウォーカー)」内の特設サイト「マンガッタン=デジタル」が開設され、順次今までの掲載作品が紹介されていくとのこと。
私は特に井上きみどり先生の描かれるシリーズが好きでした。起こっていることは大変で、どうしようもないことばかりなのに、可愛い絵でおおげさでなく事実を書きとめ、どんなときにもユーモアを忘れないでいたいなと思える救いがある。
マンガッタンは、石巻の石ノ森萬画館とアマゾンでの販売がメインだったため、あまり知られていないかもしれませんが、震災のことが様々なタッチのマンガで様々に表現されています。ぜひ、読んでいただきたいです。そのうち、わたしのマンガも掲載されるそうです(時期未定)。
辛いことしんどいことは忘れて、明るく前に進めればそれにこしたことはないですが、なかなかそうもいかないことってありますよね。なんで自分がこんな目にと思うことだっていっぱいあります。だけど、過去は変えられないし、そことはなんとか自分で折り合いをつけるしかない。前を向いたり後ろを向いたり、波のように繰り返し。終わったと思うと新しい波がやってきたり、そうしているうちに、人生の終わりがやってくるのでしょう。それはいつなのか、誰もわからないけれど。
人は忘れてしまう生き物ですが、辛い記憶も風化させず記録し、自分の中だけでなく共有し意識することで、この先なにかあったときにも、同じことを繰り返さないようにすることができます。それが人類の英知というやつであり、学問であり教養であると思います。そして次の世代に、残せる記憶は残していく。それこそが、人の生きる意味のひとつではないでしょうか。
今のこのウイルスへの対応もやがて歴史のひとこまとなっていくでしょう。その時、歴史と照らし合わせておなじ過ちをおかさないようにしていくことが大切ではないでしょうか。あわてず焦らず。時間のあるときこそ、いろんなことを自由に「知る」「考える」チャンス。一斉休校中の子どもたちにも外にでられなくてもぜひ読書などで、知の冒険をしてほしいです。もちろん大人にも。
おまけ
きものチャリティについて興味のある方はもしよかったら読んでみてね。
おきものチャリティバザールのおはなし の巻
震災5年目のきもチャリ!(お着物チャリティバザール)の巻
続・お片づけ!箪笥の整理と不要な着物の寄付の巻
チャリティその後☆箪笥から飛び出した着物たちの巻
着物はめぐるよ☆「きもチャリ」今年も開催の巻
リサイクル着物について考えた。の巻