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もったいないはもったいない!どんどん着物を着ようの巻

星わにこ
2019/02/20 00:00
 お手入れのこととか考えてしまうと、ついついたんすから出して着るのは、結局いつも一緒‥‥。ず~っとたんすに入りっぱなしの着物ってありませんか?  私にも結構あって、先日ひさびさに20歳のころ作った鮫小紋をひっぱり出して着たお話をさせてもらったのですが、着てないのに置き染みができてしまっていたりして「ああ~時々は出してみないとだめだな」と思ったのです‥‥。もったいないからって着ないとそのままだめにしちゃうこともあるのかなと。  いただきものの着物でも、大事に思うあまりいつか着ようと思いつつ袖を通せてないものもあり、「いつかは来ない! 今でしょ!」と林先生の声が聞こえた気がして、ずっとしまってあった結城紬を出して袖を通すことに。  せっかくだから、楽しいおでかけで着たいと思い、友人のピアノ発表会に誘ってもらったのでウキウキと着てみました。  まだ新しいその結城は張りがあってバサバサ歩くと足元がめくれてしまうくらい。そうでした、結城紬は着て、洗い張りをすることで真綿のケバがとれて艶やかに柔らかく着やすくなるそう。だから、昔は最初は女中さんに着せて、柔らかくなってから奥様が着たとか。女中さんはいないので~せっかくだからどんどん着て洗い張りに出せるくらい着倒さなくては!  結城に限らず、紬のものは洗い張りをすると柔らかく着やすくなります。3度目ぐらいが一番着やすいとも。私も、洗い張りをした紬は着やすくなるので愛用しています。自分で育てて着ている!って満足感もあります。  いただいてから二年以上経っていて、その前もあまり着られていた様子のない新品同様の着物。ご縁があってわたしのところにきてくれて、久々のおでかけと、ピアノの生演奏、楽しんでくれたかな~。  ステージに立つキモトモ(着物友達)は美しいドレス姿。華やかなショパンの調べにわたしも心の洗濯ができました。  その日のコーディネートは、その結城紬にキモトモとの思い出のあるものをチョイス。一緒に浴衣写真を撮影して賞品でいただいた帯や、一緒に桜染め体験で染めた帯揚げなど。思えば、長く一緒にいろいろ遊んでもらっているなあ~としみじみありがたく。  普段は、仕事で着やすく動きやすいものばかりを選んでしまいますが、たまにはこうして会う人のことを考えて、うきうきと小物を選ぶ時間もまた楽しいものだなあと改めて。  今年は、たんすに眠っている着物をどんどん出してどんどん外に連れ出そう。もったいないと、眠らせておくのがもったいない。そんな楽しい着物でおでかけを増やせたらいいなあ~と思う春の一日でした。