新着記事

アーカイブ

メールマガジン・会員登録はこちらから

クリスマスは着物も和洋ミックスコーデで?の巻

星わにこ
2021/12/01 00:00
え!うそ!もう年末!? 焦る気持ちもありつつも、楽しいこともいろいろある12月。今年のクリスマスもまだおうちクリスマスなのかなとは思いますが、おしゃれは楽しみたいですよね。 クリスマスはもともとキリスト教の行事ですし、和洋ミックスコーデはいかがでしょうか。自分が楽しむおしゃれなら、決まりに囚われずいろんなミックスができますよね。西洋の文化が流れ込んできた明治時代から、着物の下にシャツを着るなどいろんな組み合わせが行われていきました。 若い方たちもとっても自由に楽しんでいますよね! むしろ着物について先入観がなかったりするほうが頭が柔らかくていいのかもしれません。今日はいろんなミックスコーデの中から取り入れやすそうなものをご紹介します。 <長襦袢チェンジタイプ> ・スタンドカラーのシャツを着る 明治時代の書生さんスタイルが思い浮かびますね。女性だとフリルタイプのシャツをよく見かけます。スタンドカラーに限らず、シャツを襦袢がわりにするもの。 ・パーカー(フーディ)を着る パーカーの前が、衿にいいかんじにフィットします。後ろから見ても可愛い! 最近はパーカーって言わないんですって? フーディだと子どもに教えてもらいました。。 ・ハイネックのセーターを着る 冬の普段着には最高のあったかさ。着物の欠点、首が寒い!を解決してくれる神コーデです。 <スカートにチェンジタイプ> ・スカートイン 裾除け代わりにロングスカートを履いて、着丈をちょっと短くして裾フリルみたいに見せちゃいます。これだと身丈が短い着物も着られるし、高身長さんにおすすめ。 ・スカートオン 袴がわりにスカートを着物の上に着ます。楽。自由。 <帯をベルトに> 帯をしないで、サコッシュベルトのようなものにしたり、腰紐だけ結んであえて上はカシュクールスタイルのワンピース風に着物を着ます。 <洋服メインの場合> ・ワンピースに半幅帯 先日、「この冬は帯揚げスカーフ&帯締めベルトで決まり!?の巻」でご紹介した和洋ミックスの達人さんが教えてくれた技です。大きなリボンみたいで可愛い! ・道行をワンピース風に 最初見た時は目からウロコでした。はあ~。やわらか頭がほしい。 などなど、もうほんと、いくらでも自由に組み合わせて楽しめます!  冬は、着物の上に洋服用のコートを着るのもいいですよ。袖はどうするの?とよく言われますが。お袖は体にくっつけて、腕だけコートの袖に入れればいいんです。 あまりジャストフィットのアウターは難しいですが、ちょっと余裕のあるサイズなら大丈夫です!(ゴールデンカムイの杉元スタイル) あとは自分のセンスと美意識とのすりあわせ。年齢や決まりにとらわれず、楽しむ心を忘れずに、きものの可能性を探ってみませんか?

七五三の三歳の着物を二歳から五歳まで着る方法の巻

星わにこ
2021/11/24 00:00
今年も七五三のシーズンがやってきましたね。11月15日、江戸時代に徳川家が「袴着の儀」を行ったことに習い、その日に子供の成長を祝うようになったもの。現代では、日にちが前後してもだいたい11月の都合のよい日に氏神様にご挨拶にいく慣習となっています。 三歳女子は「髪削ぎの儀」、五歳男子は「着袴の儀」、七歳女子は「帯解きの儀」という平安時代の通過儀礼をもとにしていて、それぞれ三歳は着物と被布で、五歳は羽織袴で、七歳は振袖に大人と同じように帯を結んでお祝いします。 子供の着物は「揚げ」といって、肩や腰の部分をつまんで縫って裄や身丈を調整しておはしょりをとったりしなくても、羽織って紐を結べば着られるようになっています。 この「揚げ」を大きくつまめば丈が短くなるので小さいうちはたっぷりとって、育ったら揚げを小さくすればよいという、着物を買い替えなくてもすくすく育つお子さんのサイズに合わせられるという大変優れたシステムになっています。 子どもはどんどん大きくなるから洋服なんてすぐサイズアウトしてしまうし買い替えないといけないけど、その点この「揚げ」で調整できる着物はよくできているなあと思います。 七五三は毎年撮影スタジオで着付けをするのですが、いろんな身長のお子さんがいるので、レンタルのものは衣装合わせにきていただき裄や身丈を測らせていただいて、肩上げと腰上げを調整して着ていただきます。今年多かったのは、七五三のお祝いをされるお子さんの妹さんも着物が着たいというリクエスト。 一歳違うとかなり身長も違うのですが、二歳のお子さんも五歳のお子さんも、三歳のお着物の肩と腰の揚げを調整してお召しいただけました。帯は体の負担にならない兵児帯で。ひらひらと帯が揺れて、なんとも可愛らしかったです。特に小さいお子さんが大きく揚げをした着物を着ているのはえもいわれぬ可愛らしさで、魂が洗われました。 お祝いの着物はレンタルでもいいのですが、三歳の被布セットは洗える素材のものならお手頃な価格から揃っています。ネットに入れて洗濯機で洗えば綺麗になりますし、子供が汚しても気になりません。三歳の時に1回だけ着ると思うとなんだかもったいない気がしますが、二歳の頃から五歳までお正月やひな祭りに着物を兵児帯で簡単に着せてあげられる着物だと思うと、購入して楽しんでもいいのではないでしょうか? 被布はお祝いのときだけ使用して、長襦袢と着物があればOK。セットには兵児帯がついてこないことがほとんどなので、帯は別に購入されるとよいでしょう。洗える素材のものならお手頃価格です。 セットに入っている状態では三歳の平均身長にあわせて揚げがしてありますので、ここを調整すればいいのです。 コツは、もともとしてあった揚げを取らずに、その横に並行して縫うこと。元の揚げより大きくとるときは元の揚げはそのままにして(本当は取るのですが、ご自分でなさる分にはよいと思います)、お子さんが大きくなったら新しくした揚げを取ればいいのでらくちんです(ズボラ案ですみません)。 もっと大きくなって揚げを小さくするときは、もともとの縫い目は外します。 もともと揚げをしてない場合は、肩の場合は肩裄の真ん中をつまんで短くしたい分だけ縫えばOKです。あまり表に大きく縫い目が出ないよう二目落とし(一目落としでもOK)で縫っていきます。 腰の場合は、身丈を測ってその真ん中をつまんで短くしたい分だけつまんで縫います。こちらは帯で隠れる部分なので、落ちてこないようにざくざく縫えば大丈夫。 ものすごく乱暴な説明をしてしまいましたが、昔は自宅でだれでもやっていたこと。直線で縫えばいいだけなのでハードルも低いです。私も男の子でしたが、四歳のときに五歳の祝い着を買って、七五三はもちろん六歳までお正月やらなんやらと着せまくりました。転がりまくられても、食べているものをこぼしちゃっても、洗えるものなら心が穏やかです(笑)。 もちろんお祝いに正絹でよいものを、というのもまた素晴らしいことです。どんな風に着せたいか、ご自分が納得できるほうを選ばれるとよいと思います。 もし、小さなお子様お孫様がいらっしゃる方がいらしたらちょこちょこ着せられるように早めに七五三用の三歳着物・五歳着物を手にいれられるのもいいのではないでしょうか?

袋が入った着物の裾を直す方法★応急処置編の巻

星わにこ
2021/11/17 00:00
着物の裾が袋になったとか袋が入ったとかいうことがあります。表地と裏地のつりあいがとれず、どちらかがたるんでしまうことを言いますが、裏地が弛んでいるのはともかく表地が弛んでいると、裾がぶよぶよでがっかりしてしまいますよね。 畳んである状態で気がつくことはあまりなく、前日にハンガーにかけたらあれ?とか、実際着てみたら裾が‥‥ということがほとんどではないでしょうか。 表地の弛みは、着付けでも少しはカバーでき、腰紐を締めたときに表地だけを上に引き上げて弛みをとってしまえば気にならなくなります。でも、結構技術を要しますし、自分で着るときは上前はともかく、下前や後ろまでこのテクニックを使うのは至難の技です。 それに、たとえなんとかなったとしても、着て動いているうちにやはり弛みは出てきてしまいがち。 胴裏と八掛の縫い合わせている部分でたるみの釣り合いをとって縫い直せば袋はなおることもありますが、程度によっては仕立て直しをしなくてはいけないことも。そしてお直しとなればやはりそれなりにお値段もします。自分で誂えたものならともかく、リサイクルショップで買ったものとか古いものとかにそれだけお金をかけるかというとちょっと悩ましいところ。 裾を解いて表と裏の釣り合いを取り直すという裏技もネットでみかけたことがありますが、なかなか縫う部分も長いし、うまくできるか自信もなく、トライをあきらめていました。 袋になってしまったものは基本諦めるというスタンスをとってきた私ですが、でも諦めてしまうくらいならなにか方策はないものかとずっと考えてきて先日、弛んだ分をひきあげてつまんで縫ってしまえばいいのでは?と思いつきました。 早速表地のほうが袋になってしまっていた着物で試してみることに。 結果は……ジャーン! ご覧くださいこのビフォーアフター。 一体どうしたのかというと 1)床に平らにして置いて、弛みを上に撫で上げる 2)浮いた表地をつまむ 3)ざくざくと縫って止める これだけです! 縫う場所は、だいたい腰紐が通るあたり、着れば見えない部分になります。これ以上上までたるみを持っていくのは結構難しかったので、ウエストあたりが妥当かと思います。ご自分の腰紐の位置を確かめて目安にしてください。 びっくりするほどたるみがあって、余った生地がつまめました。 あくまでも応急処置で、縫ったままにしておくとまたいろいろ問題も起きそうですから、脱いだら糸は外して仕舞ってくださいね。 このところずっと七五三の着付けなどで肩揚げや腰揚げをしていたので、もしかして縫ってしまってもいいのでは!?と思いつき、やってみたらうまくいったのでご報告です!! あくまでも和裁素人の思いつきですが、結果よければすべてよし。 「あ、袋になっちゃった(><)」という着物で、ご自分で針目を通してもいいと思うものがあったら試してみてください。 久々にテンションがあがった、裏技発見でした!

落語を聞きに着物でGO!の巻

星わにこ
2021/11/10 00:00
先日10月29日に深川江戸資料館に落語を聞きにいきました。九代林家正蔵師匠と入船亭扇辰師匠の二人会です。 落語といえば寄席、と言うイメージですが、コンサートのように独演会や二人、一門会などもいろんなところで行われています。チケットを買ってお芝居を見に行くような感覚で行けますから、初心者にもおすすめなのです。 この日は、前座が正蔵師匠の息子さんのぽん平(ぽんぺい)さんで「子ほめ」。正蔵師匠は「孝行糖」扇辰師匠「甲府ぃ」中入り後「千早ふる」トリは正蔵師匠「一文笛」。 いずれも先日亡くなった小三治師匠との思い出がある演目とのこと。正蔵師匠がかつてあった真打ち試験で小三治師匠がいいんじゃないかと言ってくれて合格できたと、試験の日の様子を枕で語った後の本題「孝行糖」。次に扇辰師匠が実は「孝行糖」は真打ち試験で正蔵師匠(当時はこぶ平)がかけたものと種明かしをされ、試験の日のかつての大師匠たちがこの会場にも座っているかのような感覚になり、わあーと鳥肌が立ちました。 扇辰師匠の時事問題絡めつつ攻めた枕も大笑い。こういう笑いはやっぱりライブでないとなかなか楽しめないかも。張りのある豆腐売りの声にも惚れ惚れです。 そして正蔵師匠ですが、やはり私の世代にとってはタレントとしての若い頃のちょっとウッカリのこぶ平のイメージがとっても強かったのですけど、いやはや全くそのイメージが覆されました。古典落語本当に素晴らしかったです。 滑舌もよくて、渋い、でも滲み出るお人柄の明るさのある芸風。そんなに落語に詳しいわけでもない私ですが、感動しました。ここまでくるのに、どれだけの努力をされたのでしょうか? 胸熱です。正蔵?ああこぶ平ね、なんて思ってる方にぜひ聞いていただきたい。とっても良い時間を過ごしました。 落語は話芸で笑わせてもらうのはもちろんですが、噺家さんの着物姿も楽しみのひとつ。ものすごーくこなれた着姿で、所作もかっこいい。先日、米津玄師さんのPVで落語家さんを演じている様子をコラムに書いたところ大きな反響をいただいたんですが、高座で枕(本題に入る前にするちょっとした小噺や世間話のこと)が終わると、さっと羽織を脱いで長着姿になり、本題に入る様子が本当にかっこいいのです。 これを見に落語に通う人もいるくらいよ、と銀座いち利の女将さんもおっしゃっていましたが、流れるように羽織紐を解き、スルッと羽織をぬぐ様子はなんともいえず粋だったり、色気があったり。普段なかなか男性の着物姿を見ることもありませんから、落語を聞くことに加えて、着物好きには目の保養ですよ。 前座は着流しですが、二ツ目に昇進すると羽織や袴が着けられるようになります。お侍さんが出てくる噺では袴をつけたり、演目によって着分けるそうです。 この日正蔵師匠は落ち着いた濃い目の色合い、扇辰師匠は白髪に映えるきれいな薄い色目の羽織と着物でとても素敵でした。扇子や手ぬぐいを見立てで様々な小道具に見立てるのですが、それも見所です。 小学生の頃、柳亭燕路師匠の『こども寄席』が愛読書だった私。好きすぎて部員一人の落研を作り、「猫の名前」を文化祭で披露しようとして当日高熱を出して休んだ過去があります(ダメじゃないか)。でも、本の中の古典落語のネタは今でも忘れないし、熊さんはっつぁん御隠居さんは私の心の隣人です。ぽん平さんの「子ほめ」もこども寄席で一生懸命覚えたので懐かしかったです。 古典落語は時代劇を見るようなものですから、これまたきもの好きには楽しい世界ですよね。噺家さんによって細かい演出や落ちも変わったりもしますし、知っているネタならいっそう楽しめます。自分も着物で行ったら一層楽しい。きもので落語、また行きたくなっちゃいました。 芸に触れ、動画もいいけどやはりライブに勝るものはない。そして文化は人間に必要なものだとしみじみ思いました。さて着物を着てどこに行こう?と思ってる方には落語、おすすめです!

お役にたった!?着付小物収納のプチネタの巻

星わにこ
2021/11/03 18:00
皆様着付け道具をどんな風に持ち運んでいますか? 毎回「腰紐と~伊達締めと~」とやっていると忘れてしまうので、私はトラベルポーチにまとめていて、そのまま持ち運んでいます。家でも、そのままにしておいてたんすにひっかけて使っています。 すぐあれがないこれがないになる私には必需品です。 関連記事:これは使える!トラベルポーチで着付小物の整理の巻 そんなコラムを書いてから気がついたらもう5年の歳月が経っていました(驚)。時々「真似してます」なんてお声かけいただくこともあったんですが、先日着付けのレッスンに来てくださった方が実物を持ってきてくれました! ひっかける式のポーチではないのですが、コンパクトにまとめて着付け道具が入っています。フルオープンタイプなので、とっても使いやすそう。 腰紐、きものベルト、伊達締め、コーリンベルト、仮紐、ゴムなどが手に取りやすく入っていて、外側に着付けピンチも。 そして、えり芯収納は綿棒の空き容器に入っていました。この切れ込みはもともと入っていたものだそうで、とっても出し入れしやすそう。えり芯収納についてもコラムを参考にしてくださったそうです。ポーチにシンデレラフィットしていますね! 関連記事:えり芯の収納☆空き缶を使うと便利でしたの巻 このえり芯収納も反響があって、ガムテープの芯は幅もぴったりでいいというお声もいただきました。このコラムも書いてからもう3年! 時の経つのが早すぎる~! ポーチのお写真も撮らせてくださったH様、本当にありがとうございました。   YouTube全盛の時代、いつもコラムを書きながら「これは読んでくださる方はいるのだろうか? 参考にしていただけたりすることはあるのだろうか?」とよく思うのですが、読んでますよ~とおっしゃっていただけるのがなにより嬉しく。そしてさらに、こうやって実際に「やってますよ~」と見せていただけて、なんだか涙が出そうに嬉しかったです。 皆様のお声が励みで続けております。今後も読んでいただけるようがんばります。またやってみたらよかった、ここがだめだったというようなご感想、いつでもお待ちしております! あと、ネタの提供も常時受け付けております! 気軽にお声かけいただけると嬉しいです(^^)よろしければいいねボタンぽちもよろしくお願いいたします。(どんどん欲がw 拙いコラム&イラストではありますが、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

きものでアフタヌーンティを楽しむ。の巻

星わにこ
2021/10/27 00:00
緊急事態宣言が解除されて、ちょっとおでかけしてもいいかな?と思っていたところに、キモトモ(着物友達)から「ちょっと気分の上がる着物を着てアフタヌーンティでもいかが?」というお誘いが。 自分の楽しみのために着物を着ておでかけ、なんていつ以来でしょう。二つ返事で行くことにして、椿山荘のマロンアフタヌーンティーに。予約をして、指折り数えて楽しみに。まだ締めたことのない紅葉の染め帯をしようとまず決めて、そこからコーディネート。大好きな色無地ででかけることにしました。 普段、仕事で晴れ着の着付けなどもさせていただいているけれど、自分でやわらかものを着るのはひさしぶり。いつもはうそつき衿でちゃちゃっと着てしまいますが、ひさしぶりに絹の長襦袢を着ました。 とろんとした絹の重みが肌寒くなってきた気温に心地よく、まさに「纏う」という言葉がぴったり。歩くときに足に感じるなんともいえない柔らかい衣擦れの感触も懐かしく、気分があがります。 きものは、この贅沢な感触が魅力なんだな~とうっとりしました。 お袖の振りが長襦袢と着物とコートでぴったりと合って3重になっているのを、揃えて楽しんだり。自分だけの小さな満足がいっぱい。 そして、一緒におでかけしてくれたキモトモさんたちのおしゃれもまた眼福で。切嵌め刺繍の訪問着、初お披露目の帯、おばあさまの形見の黒猫の帯留、刺繍半襟、苧環の帯締、エトセトラエトセトラ。思い思いの「とっておき」を、お互いに素敵ね、と褒め合うのもくすぐったくて嬉しくて。 栗尽くしの美味しいアフタヌーンティは、目にも口にも美味しくて大満足。 アフタヌーンティといえば、英国発祥の喫茶習慣。まず最初に3段重ねのティースタンドが思い浮かびますよね。一番下がサンドイッチなど軽食、中段がミートパイやスコーンなど温料理、上段がデザートになっていて、下からいただくものだそう。お茶はおかわり自由で、いろんな種類のお茶が選べます。一杯目はストレートで、二杯目はミルクティーでなど味の変化も楽しめて、日常ではなかなか叶わない、まさにお味の宝石箱、テーマパークやあ(彦摩呂) ちょっとずつ味わう「栗」がテーマなお料理とお菓子はとっても贅沢気分。ホテルのサーブはとってもスマートで、とても優雅な時間を過ごせました。 やわらかものとアフタヌーンティという、ちょっと非日常の楽しみがこんなに嬉しく、気分が上がるとは。 また元の生活に戻っていけるのか、まだ波があるのか。おそるおそる出かけてみた久々の「おでかけ」でしたが、とても心が満たされました。家で美味しいものを食べるのもいいけれど、やっぱり友達に会って笑顔でご馳走を楽しむことって必要なことなんだとしみじみ。 まだまだ医療従事者の皆様への負担も大きく、すぐに元通りにはなれないけれど、ちょっとずつ。 コロナ禍以前にはなんでもなかったことが、できなくなって初めてこんなにも大切なことだったのだなと思い知らされることがたくさんあります。 同時にあれもできないこれもできないと思うより、これもできる、あれもできると、今可能な喜びや楽しみを大事にできたら楽しいですよね。 この1年半ほどでずいぶんと考え方や常識も変わったけれど、変わらないものもある。着物もなんだか着る気がなくなっていたけど、袖を通してみたらまた着たくなったわ、なんて声も。 あとやっぱりね、出かけてみるといかに普段「どうせどこに行くわけでもないし」ってオシャレに気持ちが向いていなかったかに気がつきますね。撮ってもらった写真を見て、コロナ太りの現実を目の当たりに! わーん! 自分のことを考え直すいい機会にもなりました。 少しづつ、失われた時間をそれぞれに取り戻して行けたらありがたいなあと感じたおでかけでした。

この冬は帯揚げスカーフ&帯締めベルトで決まり!?の巻

星わにこ
2021/10/20 00:00
緊急事態宣言も解除されて、やっと少し着物でおでかけしてもいいなあと思われている方も多いのではないでしょうか。きょうから大阪でキモノEXPOですね。先週は銀座で、私も会場にお邪魔しておりました。 初日は暑いくらいだったのに途中から急に気温が下がって羽織ものが欲しくなり、ああ、いよいよ袷のシーズンなんだなと皆様の着物姿を見ながらわくわくしていました。ワークショップや講演も盛況で楽しそうでしたよ! さて、そんな中洋服のお客様が「今日は着物で来られなかったから、和を取り入れてきました」とおっしゃってウエストを指さされるのでよく見るとなんと、帯締めをベルト代わりにされていました。あまりにさりげなくて、気づかなかったほど! サイドに垂れている撚房もおしゃれ! 「初日にゲットした帯締め帯揚げのセットなんです」とおっしゃるので「え?」と見直すと、なんと首に絞りの帯揚げをスカーフ代わりに巻いていらっしゃったんです。 ベースのツーピースとカラーコーディネートもばっちりすぎて、言われるまでそれが帯揚げとわかりませんでした。帯締めと帯揚げと洋服のコーディネートが本当に素敵で、トシちゃん感激!(古いネタすぎてわからない) ふわふわっと巻いていらしたらもしかしたら気づいたかもしれませんが、垂らすだけのシンプルさがまたすごくかっこよかったんです。お願いしてお写真とらせていただいたのでご紹介しますね! 考えてみたら、帯揚げってシルクだしスカーフとして使うのも素敵ですよね。スカーフを帯揚げに使うのはよくしているのに、なぜ逆はおもいつかなかったんだろう? コロンブスの卵か!?と目から鱗が100枚くらい落ちました。 好みのものはもちろん、なんだか色が派手でつかいにくいとかいう帯揚げももしかしたらスカーフにしたら有効活用できるかも!? 早速ちりめんの帯揚げをクビにくるくる巻いてみたら、収まりもいいしあったかい!! シルク100%ですからね、贅沢ですね。 いろいろ巻いてみたんですが、綾子系のつるんとしたものはまさにスカーフのようですし、ちりめんや絞りの入ったものは少し伸縮性もあるし空気も含むのでまきつけやすく、暖かいです。首に巻いて形が作りやすいのは後者ですね。先の部分を見えないように巻き込んでしまうとプチスヌードみたいでいいかんじです。 久々に大コーフンしてしまいました。まあこういうものは、多分にセンスに左右されるものでありますけれども、リメイクでもなく、あるものそのまま活かせるとなるとトライの価値はある!と思います。 帯締めもブラウスとかちょっとウエストマークしたいときに素敵かも。 帯揚げとかね、本当何枚もってるの? しかも可愛い模様とか入っててもしちゃうとほぼ見えなくて残念、なーんて思っていたものが活きるとくればやってみたさ倍増です。 今年の冬はご一緒に帯揚げスカーフ、帯揚げマフラーデビューしませんか?

羽裏がかっこいい!男羽織をマニッシュに着こなせ!の巻

星わにこ
2021/10/13 00:00
やっと着物を着ても暑くないかな?と思える気温になった東京です。とはいえまだまだ単衣でもいいぐらいですが、外に出るとちょっと肌寒かったり。そんなときの調節に便利なのが羽織です。 羽織もやはり着物と同様、薄羽織、単衣、袷とあって着用時期も決まっています。 関連記事:羽織の着用時期の目安って? よく「楓(紅葉)が色づく頃から、桜が散る頃まで」といいますが、これは袷の羽織を着る時期の目安です。2014年のコラムでは10月くらいからと書いていますが、温暖化が進んで11月くらいから、に変更してもいいくらいではないかと思いますね。 一方暖かくなって活躍期間が伸びるのが薄羽織やレース、単衣などの羽織です。特にレースの羽織は半襟などと同じようにカジュアルシーンであれば、衣替えのルールに縛られないで使うことができるので、「今日はレースの気分だわ」というときいつでも使えるのがいいですね。 羽織のいいところは 1、オシャレをより楽しめる 2、ちりよけになる 3、脱ぎ着自在で体温調節ができる 4、着付けのあらかくしもできる(笑) でしょうか。 気に入った羽織を着ればテンションも上がりますし、着物とのコーディネートでよりおしゃれも楽しめます。 また、着物や特に帯をちりほこり、汚れから守ってくれますので外出時も安心です。 羽織は、道行やコートと違って室内で脱ぐ必要がないので、着たままでもいいし脱いでもいいので体温調節に役立ちます。オンオフ自在は嬉しいですよね。 レースは透けてしまいますが、透けない単衣の羽織なら、多少帯結びがまずくても隠してしまえるので、ちょっと気持ちが楽です(笑)。お太鼓が隠れてしまうので最初からしない!という荒技も。昔は普段着用に前帯だけマジックテープで止める「前だけ帯」があって、それを羽織を羽織って使ったりもしたそうです。普段に着物を着ていた時代の知恵ですね。自由な発想で着たらいいのですよね。 ちょっとおすすめしたいのは、男性用の羽織を着ること。 私は裄が67センチなのでリサイクルの着物で安価に十分な大きさの羽織やコートを入手するのは難しいのですが、男性用なら簡単に裄ピッタリのものが見つけられます。多少袖丈が長くても、袖は人形仕立てといって振りの部分が縫われてしまっているので、着物と袖の長さがあっていなくても見えません。いい。 それから、男羽織は羽裏がかっこいいものが多いのです。龍虎に鯉、富士山などの風景画、茶道具やちょっと艶っぽい美人画などなど、粋なものがたくさん。羽裏が凝ったものを探し始めるとキリがありません(笑) 男羽織はちょっと重くて、ちょっとマニッシュなジャケットを羽織っているようなテイストになります。紋付だと決まりすぎ(というか主水スタイル@必殺仕事人になりがち)になるので、私は髭紬の男羽織を着たりしています。丈も長いものが多いので、かっこいいスタイルになりますよ。 クールなコーデに合わせてもいいし、派手な着物に合わせてもまたよし。 いつもの羽織スタイルとちょっと変わった楽しみかたはいかがでしょうか。

名残の月の着物雑感の巻

星わにこ
2021/10/06 00:00
10月になりましたね。10月1日は衣替えの日であり、着物も単衣から袷に切り替わる日ではあるのですが、すっかり夏が戻ってきたような気温でまだまだ袷などとんでもない、単衣でも暑いくらいの東京です。もう本当に衣替えの時期も見直す時代に入ってきているのではと感じますね。 お茶の世界では、10月を名残月と呼ぶそうです。11月は炉を開き、新しいお茶の口切りをするいわば「お茶のお正月」。10月は1年かけて味わってきたお茶をいただくのも、また半年間慣れ親しんだ風炉でのお点前もお終いの月というわけです。これが最後と名残を惜しみつつ、来る新しい季節への思いを巡らす月なのですね。 また季節は巡ってくると言っても、コロナ禍を体験して毎年同じことが繰り返せるわけではないとしみじみと感じました。自分も年齢を重ねて、まさに今青春時代!の息子を見ていると、なるほどもう春は私には巡ってこないのだなあと実感します。 まだ暑いけれども本当に暑くて大変だった夏も終わってしまったのだなんてちょっとおセンチになるのは、やっぱり暑いといいつつ日も短くなった秋だからでしょうか。確実に冬は近づいてきているし、やっぱりちゃんと準備をしなければいけないのですよね。 天気のよい休日に、やっと夏ものの帯、帯揚げ、帯締めをやっと仕舞いました。うそつき衿やじゅばんの半襟もぐずぐずしていましたが、まだそのままにしていた絽を塩瀬やレースやらに付け替えて準備完了です。 老年期が冬とするならば、派手さはないけれどゆっくりと上質に、寒さの備えをしっかりとして落ち着いて静かに暮らせたらいいなあと夢想しつつ。譲っていただいた着物で、今は地味だなあと思っているものも、きっと似合うようになってくるのでしょう。 現実には、相変わらず目の前のことでいっぱいいっぱいで「うわー!」と場当たりとその場凌ぎとかになってしまうことが容易に想像できますが‥‥。ほんと成長がなくてとほほですけれども。もうめちゃくちゃ突っ走れる体力もないので、無理せず少しづつ。とはいえ、後回しにしてしまうと二度とできないこともあると身に染みて感じることもあり‥‥。 この頃電子書籍で新しい漫画をちょこちょこ読んでいるのですが(紙派でしたが、老眼に伴い拡大して見られる電子書籍の虜にw)、転生ものやタイムリープものが多くて驚いています。現実には、そんなことは起こらないので、失敗を糧になんとか今持ってるカードでやるしかないんですよね。 あとは、電子書籍もそうですが、今までの思い込みに囚われず新しいものにチャレンジするのは大事だなということも感じています。 コロナ禍では、着物の処分の相談もよくされました。きっと家にいて自分と向き合って、いろいろ思われた方も多いのでは。私も、箪笥の中身を大幅に見直すべきだな~と思っています。着物や帯はもちろんのこと、着付け小物や肌着もついあれも使えるこれも使えるとひきだしにつっこんでいますが、自分がいつかいなくなり箪笥の中身を処分してくれる人が見た時に「ああ始末のよい人だったな」と思ってもらいたいと思います。今のままでは確実に「なんじゃこりゃ。ひでえ‥‥」となること請け合い!(うわーん!)とりあえず着古した和装ブラと虫食いのあるモスリンの腰紐を買い替えよう(あわわ)。 今からでも遅くはない。まだ名残の月のうちに‥‥。体が動くうちに、身辺整えて豊かな老後を迎えたいと思う秋でございました。まずは着物の箪笥、がんばります。

総絞りの帯揚げをアイロンで伸ばして大人の帯揚げに☆の巻

星わにこ
2021/09/22 00:00
総絞りの帯揚げは買うととても高いものですが、やはり七五三や振袖など子供や若いお嬢さんの礼装に使うイメージが強いですね。 若い時には帯揚げはボリュームたっぷりに結びますし、年齢が上がってくると控えめにしますから、総絞りは似合わなくなってきます。 大人が使って悪いというわけではありませんが、若い頃のものをそのまま使っているなあ、という感じになってしまいがちです。もう使わない(使えない)なあ、とたんすの肥やしになっているものをお持ちの方もあるのではないでしょうか。 譲ったり、小物を作ったりするのもよいですが、色など気に入ったものであればアイロンで伸ばして自分で使うというのもおすすめです。 スチームアイロンをしっかりと生地をひっぱりながらかけると、絞りの山が平らになります。まったく平らにはなりませんが、これだけでちょっとふんわりした使いやすい帯揚げの出来上がりです。 絞りを伸ばすと、糸をくくって染まっていない白い部分がよく見えるようになるので、絞ってある状態より少し色が薄く見えます。それもまた大人っぽく使いやすいのではないでしょうか。 総絞りではありませんが、よくある見える部分だけ絞ってある帯揚げにアイロンをかけて伸ばしてみました。 左側がビフォーで右側がアフターです。幅もぐんとひろがりますね。色もやさしくなってよい感じです。 優しい雰囲気のかわいい帯揚げになりました。これなら50代の私でも使えます! ふんわりしていて、ちりめんに近い感じで伸縮性も少し残っているので、とても扱いやすいです。ちょっとドレッシーな装いの時に。 ただし、一度伸ばしてしまうと元には戻りませんのでご注意を! 絞りが伸びてしまった時は 今回は、絞りの帯揚げに関する情報をもうひとつ。総絞りに限らず、飛び絞りやりんだしなど、一部の絞りの帯揚げは、ちょっと絞りが伸びてしまったなと思ったら、やかんの湯気や、スチームアイロンの湯気(押し当てないで、蒸気だけをあてる)ことで、もとの絞りの高さが戻ります。 この方法は、自然にのびてしまった場合は元に戻りますが、今回のようにアイロンで強く引き伸ばしてしまったものはもどりませんので悪しからずです。 絞りの帯揚げ豆知識でした。

ほんのり色付きレース半襟で秋色コーデの巻

星わにこ
2021/09/15 00:00
単衣がしっくりくる気温になりましたね。単衣は夏物と袷のシーズンの間、初夏と秋に活躍します。初夏と違って、秋はすこしシックに装いたいですね。 帯や帯揚げ帯締めなどの小物を秋らしくするのはもちろんですが、半襟のトーンを真っ白から少し落とすだけでぐっと秋の装いになります。 おすすめしたいのは、色付きレース半襟。レース半襟はカジュアルシーンなら衣替えを気にせず使うことができますし、そろそろ半襟の切り替えどうしようかなと悩むようなときに本当に便利。 ちょうど今頃9月の半ばは、あー半襟変えないと!と思うクライマックス(笑) 関連記事:夏から秋への半衿、帯揚は? 組み合わせおさらいの巻 毎年うーん、合ってるかな?と一応確認したりする衣替えルールですが、レースの半襟なら、ここを気にしなくてもいいと思うと本当に便利なんです。 黒や葡萄色など秋らしい濃い色もいいのですが、アイボリーやベージュ、薄茶など真っ白じゃないものに変えるだけで温かみが加わり秋らしさがアップします。あと、レースの質感もちょっとドレッシーでいいですよね。 レースと一言で言っても、綿レース、光沢のあるレースなどの素材感や柄でも雰囲気が変わりますから、選ぶ楽しみがいっぱいありますよ! レースはちょっと、という方でも、オフホワイトやアイボリーなどほんの少し色の入ったペールトーンの半襟にするのであればあまり抵抗はないのではないでしょうか。 それだけで、同じ単衣でも初夏と秋を着分けることができますので、色付きレース半襟での秋の演出、まだやったことないかもという方、ぜひお試しください。

パソコン&スマホ試着室で憧れの牛首紬コーデ!小物使いで印象チェンジの巻

星わにこ
2021/09/08 00:00
気がついたらすっかり季節は秋に。今年はなんだか夏が短かったような? 暑いと嫌なくせに、涼しくなると寂しいのはどうしてでしょうか。 でも、涼しくなると途端に着物を着る気もアップしてきますね。そんな気持ちを久々に妄想コーデにぶつけてみました。 いち利モールの試着室がパソコンもリニューアルして、ただいま第10回コーディネート大会開催中。9月23日まで3コーディネート投稿できます。大賞に選ばれると一式プレゼントとのこと。太っ腹企画ですよね。そして最近離せばわかるお年頃の、ローガンズのわたくしとしては、パソコンの大きい画面で新コーディネート画面が確認できるようになったのが嬉しい限りです。 さて早速! ここは思いっきり夢をぶつけようと、1度は着てみたい憧れの牛首紬をベースにコーディネート開始。白山工房の横段ぼかしはしゃっきりしすぎずとっても着やすそうです。 牛首紬は石川県の重要無形文化財。大島、結城と並んで日本三大紬のひとつです。流通量が少ないので、なかなか見る機会が少ないものです。二匹の蚕が偶然に作る玉繭から挽かれた特殊な糸で織られており、釘に掛けて引っ張っても破れないという丈夫さから、別名「釘抜き紬」とも呼ばれています。紬ですが、白生地で織ってから染める染め織両方の魅力があります。私にとっては郡上紬と並んで、憧れの紬です。 帯はちょっと力を抜いて、光沢のある細かい市松地紋にヤツデなどの大きな葉模様がデザインされた9寸名古屋帯。着物と同じトーンの色合いで、秋色の落ち着いたコーディネートにしてみました。 着物と帯の色を合わせると、ワンピース感覚になって洋服の中でも浮きません。でも、全体がのっぺりとしがちなので、帯揚げと帯締めでキリッと締めます。反対色を持ってきてもいいのですが、あえて同系色のちょっと濃い色目で強弱をつける方向にしてみました。こういうはんなりコーデが好きなんですよね~。 同じ着物と帯でも、小物を黒で揃えるとかなりキリッとした趣になります。帯揚げも帯締めも半衿も、面積としては全体の10%に満たないのに、全く違う印象になるから不思議なものです。おしゃれ着、カジュアルシーンでは好みと個性で自分の好きなように決めてよいと思います。 実際手元にあるもので、あれこれ色を取り替えようとおもうとなかなか骨がおれますが、試着室ならすいすい。先入観に囚われないでばんばんいろんなものを合わせることができます。色の感覚を磨くのにももってこいですね。同系色よし、反対色よし。好みのパターンも探れます。 基本は、帯や着物の中にある色を拾うと馴染みがよいのですが、思い切って離れた色を持ってきても「わお!」となる場合もあるので、時間を忘れてカチカチしてしまいます。 実際には実物を合わせてみるのが一番ですが、こうやってイメトレしておくと柔軟に楽しめるようになりますよ。 着物と帯はもちろんだけど、小物合わせも可能性無限大! 秋の夜長をスマホ&パソコン試着室で楽しんでみませんか。

汚れ防止に。衣装敷の表はどっち? 定期的に買い替えようの巻

星わにこ
2021/09/01 00:00
衣装敷、皆様使ってらっしゃいますか? だいたい畳一畳弱くらいのサイズで着物を着る時に下に敷く和紙などでできた敷物で、着付師さんには必須アイテムですよね。「たとう紙」とも言われることもあります。 でも着付け教室では使ったけど、自分で着る時にはあまり使わないという方も多いのではないでしょうか。 昔は畳の上で生活していたので、畳のささくれや細かなゴミなどが着物につかないよう衣装敷を使ったものです。絨毯やフローリングでも、同じことですね。 衣装敷には三角のポケットがついているものが多いですが、このポケットがついている方がオモテ面になります。着付けの勉強をしているときに、このポケットに余分な糸くずなどが出たときに中に隠して集めておくよう教わりました。 ポケットがついていないものでも、汚れ防止が主目的ですから表と裏を区別できるように模様などがつけられています。きれいな面が常に表になるように、ということですね。 また出先で着替える必要があるときなどは、どんな場所かもわかりませんから、これが1枚あると安心です。 私は自分で着物を普段に着るときには滅多に使いませんが、訪問着などちょっとよそ行きのものを着るときには使います。 汚れがつかないという実用面が一番の仕様理由ですが、なんとなく「正式感」があるからです。よそ行きの着物を着るということは、身なりをきちんと整えるということ。衣装敷を使って、普段よりちょっと丁寧に着付けをすることで、「今日はちゃんとしました」という気持ちになれます。 またその衣装敷を敷いているスペースの中に、準備をして着付けを完結させるのも、始末がよく美しい所作ですよね。ゴミや汚れ、普段の雑さから離れて、ちょっとオーバーかもしれませんが、清浄な空間を作る結界のようなものかもしれません。 これは本当に自己満足や自己暗示でもありますが、実はこういう「手順をきちんと踏みました」というようなことは、着付けにおいては大事な部分だと思います。 着物や帯だけでなく、着付けに使う道具にもいろいろな意味や想いが込められていると私は感じています。面倒なことは全部やらなくていい、気にしなくていい、ただ着ればいいというのであれば、着物に対してこんなに思い入れもなかったのではと思います。 もちろんこだわりすぎて「こうでなくてはならない!」と決めつけたり押し付けたりというのはまた違いますが、着物にまつわるエトセトラな知識をインプットして、私は今日こうしたいから、これを選んで身につけていますというアウトプットをしたいなといつも心がけています。 私の場合、衣装敷を敷くときは「今日はよそ行きの着物を、きちんと着るぞ!」という気合いの現れみたいなものでもあります。また、猫を飼っているので、着物をたたんだり広げたりするときにも使います。風呂敷なんかを代用もできますが、やはりパリッとした衣装敷を敷くと気持ちがいいし、盛り上がります。 この衣装敷、紙製のものが多いので使っていると結構破れたり汚れたりしてしまいます。高級和紙製はちょっといいお値段ですが、消耗品なので基本お手頃なお値段ですし、不織布やビニール製のものあります。私はセールの時期などにストック買いをしておいて、ちょっとくたびれてきたなと感じたら取り替えるようにしています。着付け教室用のがそろそろ替え時かな(^^;) そういえば衣装敷もってないな、とかくたびれているかも?と思われたら、セールのときが狙い目です(^^)新しいものはやっぱり気持ちがいいですよ。

胸のシワも解消★着物を着たら背筋を伸ばして!の巻

星わにこ
2021/08/25 00:00
あ、鼻がむずむずする(><)と思ったら、秋だなと思うブタクサアレルギーのわにこです。とはいえまだまだ着物を着ると暑いですね。 さてさて今回は「姿勢」の話です。先日着物ででかけたときに、鏡に映った自分に衝撃を受けたんです。背中を丸めていてすっごくおばあちゃんぽい!! しかも肩から胸にかけて大きなシワが‥‥。 あわてて背筋をのばして、袖口をひっぱって胸のシワを取りましたが、いやいや、気を抜くとこんな姿になっているのかとショックでした。着付けのときは姿勢にも気をつけているのでそこまででもないですが、無防備に歩いていたりするとかなりしょぼしょぼ。。。 家の中にいると、あまり動かないしスマホやパソコンを見ている時間が長くなるので気づいたら猫背の巻き肩ポーズになりがち。それでなくても年齢を重ねてくると背中が丸くなってきています。 鏡を見ながら再確認してみると、背筋を伸ばしているつもりでも歳をとってくるとそこまで背筋を伸ばしているように見えないことがわかりました。肩甲骨をぐーっと寄せて、「そんな!?」と思うくらい胸をはってやっと「背筋が伸びてるな」というかんじです。 胸のシワはよく「補整を入れて」と言われますが、姿勢の要因も大きいと思います。 補整も大事なのですが、ちょっと姿勢を見直してみるといろんなシワや着崩れが解消されます。お腹のぽっこりも、ちょっとお腹をひっこめる意識をすると変わりますよね。補整をしているけどいまいちという方は、姿勢を意識してみてください。 なんでもひとつだけで解決するということはあまりなく、小さなことの積み重ねでトータルで素敵に見えたりキレイに見えたりするんだと思います。 もちろん年齢なりの素敵さもありますが、やっぱり着物を着ておでかけしたときは少しでもキレイ見えしたいですよね~。 最近、高口里純先生の『グランマの憂鬱』という漫画を読んだんですが、めっちゃ素敵な着物グランマ(おばあちゃん)が登場します。若い方はもちろん年齢を重ねても背筋を伸ばして。姿勢を正して生きていこう!なーんて思っている今日このごろでした。

目の錯覚を利用して!お腹すっきりに見えるおはしょりラインの巻

星わにこ
2021/08/18 00:00
気がつくと暦の上ではもう秋。夏も終わってしまいますね去年からコロナ禍でなかなか着物を着る機会も減ってしまっていますけれども、去年も着そびれた夏着物だらけで心残り。なにもないけど絽の着物を着てみました。それだけでもちょっとテンション上がりますね。 夏は麻や綿麻など、普段ふんわりしたものを着ることが多いのであまり気にしていなかったんですが、絽のぴったり感、体型がもろに出るのでたるんだ気持ちに喝が入りました(涙)。 中でもお腹のこのぽっこり感が。。。痩せろという話はさておきですね、そんなぽっこり感を少しでも解消する技をご紹介します。 まずはちゃんと裾除けを効果的につける。 関連記事:おはしょりぽっこりお腹は裾除けで持ち上げろ!の巻 私はたかはしきもの工房の「ガードル裾除け」を細見えしたいときにはつけています。これマジで痩せ見えしますのでおすすめです(当社比ですが)。 なんですが~~!!ですね。夏は涼しさ優先で裾除けではなくステテコにしちゃう、ちょっと(いえかなり)お腹が気になります。寒いときでも、やっぱり楽がいいなあ、となるとスリップ型の肌着でゆるりと着ますし、このあたりは、どっちをとるかで毎度せめぎあいですね。繰り返しますが、痩せろという話はまた別で(笑)。 で、今日ご紹介するのはおはしょりの線を「まんなかちょい下げ」の緩やかな弓なりのラインにするという目の錯覚を利用した技です。 おはしょりの量も実は大きなポイントで、たっぷり出ているとお腹ぽっこりに見えるので、すっきり整っていることも重要。おはしょりの整え方はいろいろありますが、私はあとから着崩れを直せるように、帯を締めてから帯の中にしまって長さを整える派です。ここはそれぞれ自分のやり方でおはしょりを整えてください。まっすぐなラインになっていることが望ましいです。 そのおはしょりの真ん中を持って少し下に引き下げて、緩やかなまんなか下げラインにするだけ。ほんのちょっとです。お皿の底のようなかんじ。帯のラインからこのラインを意識するとかなりすっきり見えますよ! 「そんだけ!?」と言われるかもしれませんし、確かにこれだけでは解決にならないこともあります(笑)。でも着付けって、自分の理想の形になるための積み重ねだといつも思うのですよね。洋服でも同じだけど、「こういう風になりたい」という理想型にちょっとでも近づけていくために、アイテムを選んだり、着方に気をつけたり。上手く行ったときには、嬉しいものです。私も日々修行中です。 よく夢みがちな、お悩みがワンアイテムで全部解決!みたいなことには正直ならないわけです。すべては積み重ね。そのために、いろんな小技をインプットしておいて、たとえばダブルで使えば効果アップ!みたいな楽しみ方もある。あ、今日はこれ忘れた、とかもあるし、着付は頭の体操ですね。例えば痩せたとしても、着付や姿勢が悪ければNGですし。(痩せない言い訳を探しているわけではないです‥‥へへ) 面倒なんだけど、楽しい。忘れないように着物、時々取り出して着てみてくださいね!

東京オリンピック着物の話題ベスト3!金メダルは伊調馨!?の巻

星わにこ
2021/08/11 00:00
1年遅れの2020東京オリンピックが終わりましたね。オリンピックに関してはいろんな思いがあると思いますし、プレゼンターの衣装や開会式の様子含め着物マニア的にはあまり盛り上がる部分もなかったのですが、最後にきて着物好きが盛り上がる話題が出ましたね! まずはレスリング女子の表彰式でプレゼンターをつとめた、五輪4連覇の伊調馨さんの振袖姿。これがまた華やかな色柄ではなく、なんと色無地で5つ紋という第一礼装。色は勿忘草色か浅縹か、明るく美しい水色で、控えめですが立場に相応しい姿。映像で見ただけなのではっきりとはわかりませんが、季節にあわせ単衣仕立てのようです。 そこに金の伊達襟をさして、華やかに。帯揚げは桜色の絽、帯締めは夏のレース組。帯は、国民栄誉賞のときに贈られた西陣織・龍村美術織物の袋帯「光吉装華文」でしたね。長身に立て矢結びの斜めのラインがとても映えていました。 そして紋が銀杏=伊調だったのにお気づきでしょうか。二つ違い銀杏は伊調家の家紋でしょうか。銀杏が違い違いに配置されている意匠はレスリングを彷彿とさせますね。直径1・9cmというほんの小さな紋の中に想いや意味がぎゅっと込められているようです。この色無地振袖、今は単衣の振袖ですがこの先仕立て直してお袖を短くして袷の訪問着にもできますし、いろいろな意味であー着物って一生を通じて着られるよいものだなあと思いました。 式典には着物で出席されることが多い伊調馨さん、ご自分が主役のときの華やかな振袖姿との使い分け、さすがのTPOで素晴らしいお姿を見せていただきました。開催事情も季節も違う60年前とは比べるべくもなく、諦めつつも心のどこかで振袖姿のトレイベアラーを夢見ていた人々の溜飲を下げてくれたような気がします。 そして、閉会式のタカラジェンヌ20名! あでやかな着物に緑の袴、宝塚音楽学校の正装での国歌斉唱。佇まいの美しさにこちらの背筋も伸びました。今公演真っ最中の雪組・月組以外の、各組トップさんと生徒さんがずらり。卒業式などでの式典は黒の5つ紋付に緑の袴姿ですが、それ以外はこのように思い思いの晴れ着に袴をあわせるのだそう。着物の衿は詰めて、帯は黒、袴は緑では少し短めの丈に着付けるのが宝塚流です。 この姿は5月の「すみれ募金」という行事でも見ることができます。袖丈が普通の1尺3寸よりも若干長いように感じられ、またその長さが揃っています。入学時に採寸して制服と着物を作るそうですから、その時の指定があるのではないでしょうか。ほんの少し長い袖に若さ、華やかさと気品が感じられてうっとりです。長身も多くスタイルのよいタカラジェンヌにバランスのよい袖丈なのでしょうね。 宙組の真風涼帆さんは紺地に秋草、星組の礼真琴さんは水色地に乱菊、花組の柚香光さんは白地に牡丹?金の箔が華やかな訪問着。皆様本当にお似合いで華やかで、中継映像を見ながら「頼む!一人一人アップで映してええええ!!」と悶えておりました。 そして、小池百合子都知事。リオデジャネイロ五輪の閉会式に雨をも気にせずどどーんと色留袖で登場した勇姿は忘れられないところですが、今回はきっと真夏のオリンピックにあわせて誂えたのであろう、白藍でしょうか瓶覗でしょうか。美しい淡い水色の絽の色留袖で登場でしたね。 文様は扇。扇は末広ともいい開運という意味や、邪悪を払うという意味もあります。すそ模様は扇面にそれぞれ宝尽くしやメダルを連想させるような丸紋などおめでたい古典柄尽くし。帯も桝屋高尾の鏡裏文様の『手織ねん金綴錦』とのことで、ゴージャス。留袖用の白い帯揚げ、金糸の入った帯締めをあわせて末広もさし、礼装として文句のつけどころがありません。 都民としては一言では言い表せない感情もありますが、着物好きとしてはこの姿でオリンピック旗のリレーをしてくれてありがとうという気持ちです。 実は閉会式も忘れていて、テレビもつけずにごろごろしていたのですが、着物友達からの「緑の袴!!色留袖!!」というメッセージで飛び起きて、テレビをつけた次第です(現金だなあ)。見られてよかった。最初見逃した国歌斉唱もすぐにネットで見られて、ほんといい時代ですね。 番外ですが、オリンピックと着物の話題としては、世界の国々をモチーフに振袖を製作したイマジンワールドの「KIMONOプロジェクト」が、まったく日の目を見ることなく終わってしまったのも残念なところ。職人さんたちの技術の結晶である作品がどこかで生かされるといいなあと願っております。 個人的には、存在は知っていてもなかなか実際に見ることがない(しかも単衣!)色無地の5つ紋付振袖で、オリンピックでの伝統的な着物姿の先陣を切ってくれた伊調馨さんに金メダルをさしあげたいです。本当に素敵でした。 「多様性と調和」というテーマということですし、何に関してもみんな違ってみんないいと思うのですが、やっぱり私はトラディショナルな着物が好きで、それも多様性のひとつにいれといてほしいですし、民族衣装にこめられた意味の素晴らしさが継承されていく世の中だとよいなと思ったオリンピック雑感でした。

夏の着付は衿元を抜いて浮かせると涼しいデスの巻

星わにこ
2021/08/04 00:00
暑中お見舞い申し上げます。もう何をしても暑い! 着物なんか着てられるかよう!と言いたくなりますが、やっぱり着たいんですよね。これなんの病気でしょうか。自分でも物好きとしかいいようがないなと思いますが、いいの!着たいから! それと、着物(特に浴衣)は、着てしまえば意外と大丈夫なもの。着るときは冷房が効いた部屋で着付けないと、着るまでに嫌になってしまうのでそこだけ注意。そこをクリアすればまああとは移動で暑くなったりしても適宜冷房もきいていますし、洋服と同じ感覚でいけます。 冬によく「三首(首、手首、足首)を温めろ」といいますが、夏は逆にここを涼しくしてあげればいいわけです。手首、足首はそもそも着物は解放されている部分なので無問題。あとは首ですね。 ここは、着付を変えます。少し衣紋をいつもより抜きぎみにし、耳の下の部分の衿を寄せて着ないで、5ミリでもいいので離します。浮かせる、というほうがぴったりくるでしょうか。 衣紋も抜きすぎるとセクシーが過ぎてしまうことがありますし、耳下の衿も浮かせすぎるとだらしなく見えてしまうことも。このあたりは自分のキャラクターや好みとの相談になりますが、いつもより気持ちだけでもいいので、抜いて浮かせて。 そうすると、首元を風が抜けるのです。冬はタートルネックなど衿が詰まっているものを着ると暖かい。その逆です。ほんのちょっとのことですが、体感温度が変わります。逆に冷房が効きすぎている室内に長時間いると、首もとが寒すぎると感じることも。そんなときは手を首にあてて温めたりします。 よく時代劇や昔の映画で「ああ~暑い!」と着物や浴衣の衿元を浮かせてぱたぱたとうちわを扇いで中に風を送っているシーンがありますが、あれです。人前ではなんですが、あれ、ほんとに涼しくなります。洋服と同じです(笑)。保冷剤をあててもgood。首の太い血管、頸動脈にあてると効果的です。 あとは、夏の着付は私はいつもより気持ちゆるりとします。これも好みですが、そもそも袷と同じテンションで着ると夏物は薄いので肌着などのラインも目立ちますし、縫い目にも負担がかかりそうだと思うからです。いつも同じ着方ではなく、季節によって、コンディションによって、素材によって、など、自分の快適な方向を探っていくのも大事なこと。 着付を工夫したら、夏のおでかけ必須アイテム、日傘、扇子、水分、保冷剤を忘れずに。上手に活用して、夏をのりきりましょう! 関連記事:オススメは帯下保冷剤!夏着物もW保冷剤で快適にの巻 形も手順もたいして変えられるわけではないけれど、着付って、自分の体と相談することでもあるなと思います。体調がいい、悪い。暑い、寒い。太った、痩せた。ちょっとした変化で今日はいけたなという日もあれば、いまいちだなあと思う日も。 着付も気温にあわせて、見直してみませんか。

浴衣の衿をクリアファイルでキレイなラインに!の巻

星わにこ
2021/07/28 00:00
東京オリンピックもはじまりましたね。しかし、夏祭りも中止のお知らせが続々‥‥。残念ですがもう少しの我慢でしょうか。 せめて浴衣でも着て、夏気分を味わいたいところ。浴衣はワンマイルウエアでもあり、ゆったりくつろいで着るのもよいのですが、ちょっとおでかけに着るときには、衣紋がキレイに抜けていると素敵です。また、涼しさもアップします! 以前も裏技で衿芯を入れるとキレイなラインになる!というおはなしを書きました。こちらもよかったら参考にしてください。 関連記事:浴衣のうなじ、衿芯インでキレイ見せ☆の巻 おすすめはちょっとやわらかめのメッシュor薄めの衿芯ですが、急に着ることになった! 衿芯は持ってない、どうしよう?という場合の裏技をご紹介します。 それはずばりクリアファイルで自作!です。 用意するものはA4のクリアファイル(ちょっと固めがよい)とセロテープとはさみ、以上です。 クリアファイルを4~4.5センチ幅に縦に切ります。これを2つ作ったら、接合部分を切り取り、4つの長方形にします。それを1センチくらい重ねてセロテープでしっかりと止めて行きます。これで長さが1メートル弱の衿芯もどきができます。だいたい80センチくらいの長さがあれば大丈夫です。 片方を差し込みやすくU字型に切ってととのえ、浴衣のかけ衿の裏側に通します。かけ衿はそもそも衿芯を通すためのものではないので、縫い目をすこし解いて差し込みます。 反対側の縫いどまりまで通したら、余った分のクリアファイルを切り取れば、はりのある美しい衿が完成です。こうすると衿がくしゃっとなりません。 もちろん、衿が自然にふにゃっとしているのも風情があるものですが、やっぱりしゃっきりしているとうなじがすっきり見えて美人度アップです。 このクリアファイルの即席衿芯、普通の着物のときにも襦袢に使えます。あー!衿芯が手元にない!というときに使える裏技ですので覚えておいてください。厚紙で代用したりもしますが、クリアファイルはマジ便利です。1枚で心もとなければ2枚重ねても。長さも自由自在です! でもあくまで即席ですし衿芯自体そんなに高価なものでもないので、時間のあるときは普通の衿芯を用意されるが吉ですが、クリアファイル自作えり芯、なかなか使えますよ。もしもの時の裏技に、ぜひ!

真夏に必須!麻のステテコがめちゃめちゃ涼しいの巻

星わにこ
2021/07/21 00:00
梅雨も明けていよいよ夏本番ですね! 逃げ場がなく暑いわけですが、暑ければ暑いで覚悟が決まるというか、「よしやったるで!」と着物を着る季節になりました(私だけですか?) もうこの時期はなにを着ても暑いわけなので、着物も着てしまえばさほどでもないわけですが、実は着る時に一番暑いんですよね。だからエアコンをガンガンに効かせた部屋で汗をかかずに着付けてしまえば、あとは気合いでいけます。 保冷剤を持ったり、暑さ対策はいろいろありますが、夏はとにかく汗をかくのが一番の大問題。いろいろな考え方があって、着るものを極力減らして涼しくしようと思う派と、下に汗とりの肌着をしっかり着て、肌着に汗を吸わせる派があるかと思います。 私は肌着に汗を吸わせる派です。肌着で汗をとめれば、自分も快適だし着物にも汗が移らず、安心です。洗える着物の場合でも、帯は洗えないものが多いですから、帯を守るためにも補整などに汗を吸わせるという考え方で、肌着はしっかり着ます。 特に! ゆかたなどを着る場合には足の間の汗をとってくれて、足のラインがすけすけになるのも防いでくれるステテコ! を、声を大にしておすすめしたいです。オジサンの肌着、というイメージから脱却し、レディースも増えてすっかり市民権を得たステテコ。愛用者の方も多いでしょう。私も1年中着物のインナーでステテコを履いています。そんなわたくし、昨年麻のステテコデビューをしました。 それまではずっと綿揚柳だったのですが、麻の涼しさにびっくり!! 私が購入したのはたかはしきもの工房の「麻テコ」。ローライズなので帯にももぐらず、さらに、おパンツなしで1枚ではくこともできます。最初は、ショーツなしってどうなの?と思っていたのですが、やってみたら快適すぎて夏はやめられなくなってしまいました。この快適さ、ぜひ一度体験してみていただきたいです。 あまりの快適さに、洋服のときもワイドパンツやロングスカートの下履きとして履いてみたらもうこれがやめられなーい! はいたほうが、はかないより涼しい!! いつか、オジサマが「夏はステテコ!ジーンズの下にもステテコですよ!」と言っていて、えー、2枚になったほうが絶対暑いじゃん、と思っていたのですがそれは間違いだと知りました。 麻は天然素材の中で最も涼しいといわれ、接触冷感もあり、吸水性、通気性、発散性に優れた夏に最強の素材ともいえます。じゅばんや着物で愛用されている方も多いと思いますが、ステテコ、ほんとによかったです。ちなみに冬にはいてみたら、ちょっと寒かった(笑)。それくらい、涼しい素材なのです。 コシが強く肌にはりつかないのが涼しさの一因なのですが、その繊維のコシの強さがお肌の弱い方には向かないこともあります。なので、麻を素肌に着るときにはご自分の肌との相性も大切です。 麻だけでなく綿揚柳もシボがありますのでお肌の弱い方にはNGな場合も。お肌にやさしいものは、なめらかなシルク素材のもの、ベンベルク、エアリズムなどがあります。これも合繊はあわない、などいろいろとお肌にあうあわないで選んでくださいね。 あとは、丈も大事なポイントです。私はすそよけがわりにも着るので長めが好みですが、短い方が涼しいです。これもご自分の好みで。 清少納言が生きていたら、夏はステテコ。というのではないかというくらい(言わない)、夏の着物のインナーの必須アイテムステテコ。愛用者の皆様も、ぜひ一度素材や形の見直しをされてみてはいかがでしょうか。

ショートヘアで着物を着るならボリュームとツヤが大事なのねの巻

星わにこ
2021/07/14 00:00
梅雨もゴールが見えてきたのか、暑さがじわじわ攻めて来た感がありますね。また緊急事態の東京(でもオリンピックはありますというダブルスタンダード)、今年は夏着物のいいやつ着ていくところないけど着てみたいです。 さて、長年髪を伸ばしてまとめ髪で着物を着ていた私ですが、昨年自粛中に面倒になってボブにしたのをきっかけにだんだんエスカレートしてただいま襟足刈り上げにまで行き着きました。 以前はわりとフォーマルなスタイルの着物に憧れていた部分もあり、へたくそながらもまとめ髪で頑張っておりました。あと髪の毛の量がめちゃくちゃ多くてショートにすると収集がつかなくなってしまうという問題があったためずっと短くすることに躊躇があったんですが、刈り上げの魔術師と出会い、どんどん短くなっていっています。 ショートヘア自体は、本当に楽で気に入っているのですが、最近、自分ではちょっとセルフヘアメイク頑張った!と撮影してもらった動画の「なんじゃこりゃあ!!!」感がかなりの衝撃でした。まあこんなもんでいいやろ、というのは大間違いで、やりすぎぐらいでちょうどよく、思い切ってなんでもやらないと駄目なんだなと一人大反省大会でした。美容院に行くのをさぼっていて、結構髪が伸び始めだったのも敗因化と思われ、ショートはこまめに美容院にいかないとだめなんだと痛感。 そういう客観的な姿を見て反省して次がんばるというのは、着付も同じ……。何事も訓練ですね。 そんなレベルの私の経験談で恐縮ですが、ショートヘアにしてまずなにがいいかというと、日々のお手入れが楽で早い(ロングヘアのシャンプーやドライヤーの時間とか、なんだったの!と言いたい)、そして、着物を着る時もヘアセットが本当に早くて頭が軽い! ただ、後頭部がぺったんこだと本当に貧相になってしまうので、ここのボリュームだけ気をつけています。普段はつむじが出ないように気をつけているだけですが、着物のときは後頭部にホットカーラーを巻くか、ヘアアイロンで巻いてとにかくちょっとでもボリュームをもたせるようにしています。出来る人は、逆毛をたてても。 あとはツヤ。オイルでツヤを出すのを忘れないようにしないと、本当にぼさぼさ感が出てしまう50代です。そこが大事なんですね。 ナチュラルメイクがイコール何もしない、ではないという高等テクニックなのと同じように、ショートヘアはこまめな手入れがキレイ見えの秘訣だと痛感中です。ショートヘアの素敵女性は、ナチュラルに見えて本当はちゃんと手が入っているのですね。 あと、普段だとやり過ぎかな?と思うけど、ここぞという時に使いたいのが部分ウイッグ。今手のひらサイズくらいのちょっとした付け毛が売っているので、それをつけて上から自分の髪の毛をかぶせるようにすると、かなり盛れます。この時はヘアスプレーの量が胆ですね。えええ!というくらい浴びるといいですね。まあ私が言っても説得力低いんですけどね(相当動画で見た姿がショックだったらしい)。 6年くらい前に中途半端に髪を切ったときにはフルウイッグのお世話にもなりました。これはもう一気に粗を隠してくれるので、めちゃめちゃいいですね。でも、ちょっと暑いんですよね‥‥。こちらは冬の活躍に期待です。 本当にここぞというときは、ショートヘアでもヘアメイクさんにお願いするのがいい‥‥と最近身にしみて感じています。大事。ほんとヘアメイク大事。若い頃はなんでもよかったんだけど、もうこのごろどうしようもないんですよね。特にショートとかにしていると、すっぴんでいるとおじさん、おじいさんかよになってしまう危険性が大きいので、ほんと身奇麗にしないとだめだなあと思う50代半ばでした。本当にレベルの低いお話ですみません。 今はマスク生活ですから、この粗が立たなくなっている上に、自分でもどんどんどうでもいいやとか思っていたんですよねえ。マスクを外した動画に心底、やばっ!と思い直しました。もうほんとマスクなしで顔を出すとか、無理!って思いましたね。でも、そのうちコロナ禍も収まっていくはず。収まってもらわないとですから。 人生始めるのに遅いことはない。今が一番若いとき!と思い直して、キラキラの素敵還暦着物をめざして鍛錬を詰もうと今日も顔のマッサージをしたり、ヘアオイルをつけてみたりするのでした。還暦のときは振袖で写真を撮る!と決めている私です! もし、あーもう面倒で一生マスクとりたくないなんて思ってる方がいらしたら、一緒に頑張りましょう!