羽織の着用時期についてのコラムです。
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今年はあっという間に桜の見頃が去ってしまったような気がする東京ですが、花吹雪やピンクに染まる地面や水面も、まだまだ名残を楽しませてくれています。桜を追いかけて北に旅してみたいわにこです。
もう入学式も終わった頃でしょうか。
あちこちで新一年生と親御さんをみかけると、思わず顔がほころびますね。
また今年もママ友の着付けをお手伝いしましたよ。晴れの日のお手伝いができるのは、本当に嬉しい!
新しい学校、新しい環境。うちの子どもも、クラス替えがありちょっと興奮気味に帰ってきました。
これからはじまる1年間、子どもたちには楽しい学校生活を送ってほしいです。
もちろん、社会人もですね(^^)
さて、桜が散るのと同時に日中の温度がぐっとあがり、そろそろ袷の羽織には手が伸びなくなってきました。
袷の羽織を着るのは「楓が色づく頃から、桜が散る頃まで」とよく言われます。
秋から春までの長い活躍も、そろそろおしまい。単の羽織や、もう少しして5月に入れば薄物の羽織もちりよけやお洒落で楽しめます。
羽織も好きですが、暖かくなってくると、帯付きの軽快な姿で歩きたくなりますよね。
着物を着始めて、最初「帯付き」という言葉を聞いた時、何の意味かわかりませんでした。
要は羽織や道行などの羽織りものなしで、帯が見える状態のこと。
そして「帯付き」で出歩くなんて失礼よ、というようなことも耳にしました。
帯を見せて歩くのははしたない、とか、礼装を着たら道行などを着て訪問先まで汚さないように行くのがマナーだとか、いろいろ言われることもありますが、それは昭和も半ば過ぎくらいまでのことだとか。
一般的に、今は帯付き姿で出歩いてもマナー違反ではないと言われています。
あとは、個人の感覚ですね。一部のしきたりが厳しい世界では、いろいろ言われることもあるようですので、気になった時には身近な方に聞いてみるとよいでしょう。
普段着物を楽しむ分には、暖かかったら着なくてもいいんじゃない? と私は思います。
もう少し暖かくなってきて、帯付き姿を見かけると「ああ、季節が変わったなあ」と、爽やかな風を感じます。
一方、薄物の羽織やレースのちりよけも、素敵なんですよね?。さらりと羽織っている方を見かけると「おっ☆上級者!」と目で追ってしまいます。透け感が、目に涼やかでうっとりします(実は着ている本人の体感的にあまり涼しくなくても、です(笑))
着物ほど厳格に衣替えが決まっているわけではない羽織りもの。
だからこそ、季節と感覚を大事に、気持ちよく着こなしたいですね。
……とここまで書いてちょっとだけ。前回の「花の季節」についてもそうですが、いろんなルールは知識として一応頭の片隅に入れておいてソンはなしという程度でいいと思うのです。
なにか言われても、あとは「好きだからこれを着ています!」ってニッコリ笑って楽しく着たもの勝ち(^^)v
ルールを楽しむのも着物の醍醐味ですが、でもやっぱり着た時楽しくなくちゃ自分にとってのお洒落=ヨロコビじゃない気がするのです。ルールにとらわれすぎずに、どんどん着物を楽しみましょう!