化繊でも、東レの「アンチポラン」や帝人の「ポランバリア」など、花粉がつきにくく、付着しても落としやすくする素材も出ていて、スプリングコートなどに遣われています。こういう素材で着物は難しいとしても、着物にさっと羽織れるものなどがあれば素敵かもかも! な~んてまたまた妄想しているわにこでした。
ブタクサ花粉症なので、いつも夏の終わりにア"~!!となることが多いのですが、なんだか今年は春から目がショボショボ‥‥いえこれは、違う違うそうじゃそうじゃないと自分に強く言い聞かせています‥‥。
というわけで(?)花粉症にお悩みの方がいらしたら、ガーゼと化粧用のコットンのインナーマスク。あとはメガネと帽子、そして着物を着るなら大島紬か木綿をおすすめします!!(麻もいいけど、まだちょっと早いですよね)
集まれなくてもマスクでも、せめて着物で花見のお一人様散歩ぐらいはしたいな~と思う春でした。
花粉症と黄砂対策にはインナーマスクと木綿の着物!?の巻
化繊でも、東レの「アンチポラン」や帝人の「ポランバリア」など、花粉がつきにくく、付着しても落としやすくする素材も出ていて、スプリングコートなどに遣われています。こういう素材で着物は難しいとしても、着物にさっと羽織れるものなどがあれば素敵かもかも! な~んてまたまた妄想しているわにこでした。
ブタクサ花粉症なので、いつも夏の終わりにア"~!!となることが多いのですが、なんだか今年は春から目がショボショボ‥‥いえこれは、違う違うそうじゃそうじゃないと自分に強く言い聞かせています‥‥。
というわけで(?)花粉症にお悩みの方がいらしたら、ガーゼと化粧用のコットンのインナーマスク。あとはメガネと帽子、そして着物を着るなら大島紬か木綿をおすすめします!!(麻もいいけど、まだちょっと早いですよね)
集まれなくてもマスクでも、せめて着物で花見のお一人様散歩ぐらいはしたいな~と思う春でした。
大学卒業式の女子袴はいつから定番になったのか?の巻
中島先生に「知りたいことを検索するときは、いつから?とか抽象的な言葉ではなく、知りたいことがどういう風に書かれているか、使われている言葉を想像して検索するといいですよ」と教えていただきました。
わにこはひとつ賢くなりました・・・・。
そして、「袴に振袖をあわせるのは最近のことだ」となんとなく思い込んでいたのですが、いち利女将の証言によって覆されました! 確かにはいからさんしかり、大正時代の高畠華宵の絵にも振袖に袴の若い女性がたくさん描かれていますし、もともと袖が長い着物にあわせるほうがスタンダードで、むしろ70~80年代の普通の袖丈の着物に袴、という流行のほうが少しイレギュラーだったのかもしれません。この頃は、手持ちの着物に袴をあわせていた人が多数だったためと考えられます。
今は着物もレンタルが多く、ほとんど二尺袖(76センチ)か振袖(100センチ前後)になります。やはり袖が長いと華やかですよね。もちろんご自分の着物で用意されている方もいらっしゃると思いますが、普通丈の袖は先生が着るものという流れになってきています。着物といえば何か絶対のルールがあると思いがちですが、細かい常識や流行も時代によって変化しているものなんですよね。
今回は女子大生に絞って調べましたが、今は小学生も卒業式に袴を着用しますし、それも漫画「ちはやふる」の人気が関係あるという人もいるようです。それだけではないにしても、漫画の影響というのも昨年の七五三の子どもたちの「鬼滅の刃」の影響による和装人気を見ても確かにあると感じます。
今回はふとした疑問から、ネットを通じて調べただけですがいろんなことがわかりました。そして、ちょっとぐぐって一番最初に見たものを鵜呑みにしたりすることは避けて、裏をとる大事さも痛感、反省。今は、なにかあるとすぐ拡散されてそれが事実かどうかというのはなおざりにされているように感じます。いろんな情報をちゃんと読み込む検索のスキルも必要なんだなと、袴とは関係ないところでも考えさせられた一件でした。いろいろ教えてくださった皆様に、感謝です!
令和の袴はここが違う!卒業袴にも流行あり。の巻
振袖に袴をあわせるようになったのは最近では、と思っていたのですが実はそうでもないようです。ちなみに、1994年(平成6年)の「美しいキモノ」春号には大学の卒業式の袴が紹介されていますが、早稲田大学でのスナップがまさに私の時代あるある(二尺袖も数名います)。ですが、同じ号に載っているグラビアの卒業袴は、色柄こそ地味目ではありましたが、小紋などの二尺袖、振袖に袴というスタイルが掲載されていてびっくり。いわゆる今成人式で着られるような振袖は、謝恩会のスタイルとして紹介されています。そういう雑誌や着物業界の提案が、実際に着られるようになっていったということでしょうか。
きものというと細かいルールがあって、それが絶対!のように言われることも多いですが、礼装としてきちんとしていればどんな組み合わせでも問題なく、またその形も洋服とおなじように流行があるんだということを改めて感じました。
あともうひとつ、紐を結ぶ位置が平成初期と今ではスタイルが変わってきています。以前は、前紐の付け根部分の下にやや斜めに引き下ろすように紐を回して結び、後ろ紐も少し斜めにあわせて前紐の付け根より下で飾り結びをしていました。
今は、前紐の付け根に重ねて紐を結び、後ろ紐もそれに重ねて平行に高い位置に飾り結びをするスタイルが多く見受けられます。前者は男袴と同じような着付で、このほうがしっかり締まって安定するかなと思いましたが、十二単の長袴の着付を習ったとき、前紐にすべて重ねて行くスタイルだったので、しっかり結びさえすればはずれるとかずれるとかいったことはないのでしょう。
また、結び目が少し高い位置にきますので、足長効果もあります。こんなところもアップデートされているんですね。民族衣装ではあるけれど、やはり着物も流行のもの。残って行くためには魅力的であり続けることも大切ですよね。
30年後。はたして袴は卒業式の定番スタイルでありつづけるのか? またそうだとしたらどんな進化をとげているのか? そしてそれを私は見届けられるのか? なーんて思ったりする春なのでした。
腰紐は着付けの要、姿勢の要。の巻
後ろ姿、特に下半身が大変身しますので、おしりがたわむ、裾つぼまりにならない、はだけてきちゃうなんてお悩みの方がいたらぜひお試しください。
腰紐を制する者は着付を制す!(なんてオーバーでしょうか?)
どうも襟元や裾がぐずぐずしてしまう方も、胸紐や伊達締めなど他の紐はぎゅうぎゅうする必要はありません。腰紐の締め具合がもしゆるかったら、位置や締め方を変えてみてはいかがでしょうか?
そして、やはり腰紐をいい位置にきちっと締められると、姿勢がよくなります。やはり腰は姿勢の要なんですねー。
最近よく、おはしょりがまっすぐなる裏技として腰紐をナナメに結ぶやり方を見ますが、腰紐は体の要にもなる部分なので、よい姿勢、体がゆがまないためには平行に結んだ方がよいと思います。
このあたりも好みなのですが‥‥。もちろん、ゆるゆるゆったり着付けが好きという方はそれでもいいのです。自分の目指すきもの姿にあわせて、うまくいかない原因をつきとめたり、やりかたを考えたり、いろいろな工夫をしていくのが、これまた楽しい。
昔は着付け教室で習ったままに、そのままやるのがいいと思ったこともありますが、人の体も好みも違うわけだし、いろんなやり方にトライして自分にあったものをチョイスしていくのがいいんじゃないでしょうか。
また、以前は大丈夫だったことも、年齢とともにだめになってきたり。そんなこともあります。自分にとってのベストを常に、探す楽しみを忘れないでいたいな~なんて腰紐の話から脱線してしまいましたが、もうすぐ春! 気に入ったきもの姿ときこなしでおでかけしたいですね。
<極力そのままリメイク>お袖2枚で三角トートバッグの巻
芯などもいれてないので、くったりとしたかんじが優しく、上側の端を内側に折り込めば、ちょっとかわいい三角形になります。
もう、持ち手さえ縫うのが嫌だった私(どんだけ)、取り外しのできるバッグの持ち手というのがあるのを知り、採用!!! あとは、袖口側を一旦全部解いてぐるりと表地と裏地を縫い合わせ、袖を2枚重ねてコの字型に縫い合わせてひっくり返すだけ。
ここでかなりの厚みがあるので、手縫いだと手がかなり痛いかもしれません! 私はミシンで無理矢理縫いましたが、最後に針が折れました(涙)
それが難といえば難ですが、3つのポケットがある、袋状の物体が出来上がります。あとは取っ手をパチンパチンと好きな場所にとりつけるだけ。手数はかなり少なくてバッグの形になります!(なにがしたいのか)
メインの袋部分は1つですが、外側が二重になっているので、ちょっとしたものを分けて入れたりすることもできます。やっぱり正絹、手触りもよくてなかなか満足なできあがりになりました! サブバッグとしても活躍しそうです。
あと今回初めて知った、取り外しのできる持ち手は、他にもいろいろ活用できそうです! なんとか楽ができないものかといろいろ知恵をめぐらすことも、勉強になりますねえ(そればっかりもどうかとは思いますが)。
今回どうしても2枚でなんとかしたいと思ったのでこうなりましたが、袖1枚で1つのバッグにして2つ作ってもいいと思います! ちょっと薄手なので、たよりないかもしれませんが、エコバッグにはいいかも!
もし道行スカートつくってみたわ!という方がいらっしゃったら、残りのお袖の行く先の参考になれば幸いです。
関連記事:羽織の袖で作ったバッグの話はこちら
昭和・平成・令和☆着物スタイルの変遷考の巻
ただ言えるのは、曲線着付けが戻って来たからといって補整が必要じゃないわけではないということです。足長着付けは胸をかなり抑えないと難しい。あと、年齢にふさわしいかどうかというのもあります。ここも、個人差があるとは思います。
普段着に関してはここに正解はなくて、自分が「どんな着姿」が理想なのか、ステキ!!憧れ!!なりたい!!と思うのかが最優先事項。人がどういおうと、自分が着たいように着ればいいし、なりたい着物姿に、補整するしないを含めて、寄せて行くことが一番いいんじゃないかなと思います。礼装はまた、別ですけれどね。
今はYoutubeなどもあり、いろんな人のいろんな着付け方法が見られる時代。正解はないからどんどんいいとこ取りして、自分なりのきものスタイルを見つけていけばいいんじゃないかなと思っております。せっかくこの時代に「着物を着よう」という物好き(笑)な仲間は、間違い探しをするより、お互いリスペクトして大事にしたいですよね。
昭和から一般人として着物を眺め続けて来た体感はこんなところですが、うっかり年寄りの繰り言みたいになってしまい、長文となってしまったことお許しください。こうして書いてみるとやだー!もう半世紀も過ぎちゃったわ!と驚き。でもまだまだ人生長いと信じて、いろいろなことを決めつけず、楽しむ気持ちを忘れないでいたいと思います! 皆さんもいろいろ教えてくださいね。
道行をラップスカートに!ちくちくリメイクの巻
確かに‥‥よく見ると道行そのままの形が活かされています。手ぬい作家の髙橋恵美子先生の本に掲載されていたものだそうです。
作り方があまりにも簡単だったので、私にもできるかも?と思ったっきり忘れていたのですが、先日仕事場近くのリサイクルショップを覗いたら、セールで道行が300円で売られていたのです‥‥。状態もとてもヨイ。そこで思い出しました。ラップスカートのことを。300円なら失敗しても辛くないと思い、早速挑戦してみました
まず袖をはずして、図の1の部分をカットする。(私は7センチくらい縫い代のつもりで残しました)図の2の部分が袖付けと身八つ口の部分で割れてるので、縫い合わせます。器用な人はポケットにしてもいいかもよ。
内側に三つ折りにして、ゴムが通るようにして手縫いでちくちく縫い、ゴムを通せばもうできあがり。ゴムの端は、縫い留めました。
もともとの道行のお仕立てがとてもいいし、切るときドッキドキしましたが、本当に履き心地のいいスカートができあがりました。正絹のしっとりした感じが気持ちよく、またほんとうに暖かい。
でもお洗濯はクリーニングに出すしかないかな、と思ったけど、なんとなくいけそうな生地だったので、カットして残った、肩の部分を試しに手洗いしてみました。あまりシワにもならず、脱水してすぐにアイロンをかければ問題なさそうです。
このあたりは道行の生地、裏地によって違うと思いますので、もし手洗いしてみたかったら、余った部分で手洗いテストしてみてください。
今、残った袖でバッグが作れないかな、なんて考えています。羽織の袖でバッグをつくった時と違って、衿部分の布がないから違う形がよさそう。
こういう縫うところが少ないリメイクなら私もまたできるかも? おおざっぱな私は想像だけで適当ざっくりに作ってしまいましたが、ちゃんとした道行スカートの作り方手順が知りたい方は、髙橋先生の本をおすすめします。
「簡単 手ぬいで素敵に作れる 着物リメイクの服と小物 色・柄・素材を生かすアイデア」 高橋恵美子(著/文)家の光
ステイホームでちくちく手縫い、ちょっとはまりそうです(単純)。
おひとりさま観劇☆初春大歌舞伎にいってきましたの巻
数少ない私の観劇歴ですらこれですから、歌舞伎好きの皆さんは本当に、思い入れが強いと思います。厳戒態勢とも思えるような、こんな状況でなぜ歌舞伎座の幕は上がり続けるのか。なぜ観客もオンラインではなく、チケットを握りしめて、劇場に足を運び続けるのか。
それは、文化の灯だからではないでしょうか。そして、舞台にあがっている役者や地方だけではなく、裏方の頭取や狂言方、大道具、小道具、衣裳、床山、楽屋番、照明、音響‥‥そして表方と呼ばれる場外まわりなど直接当日の舞台に関わっている人だけでもどれだけの人数かいるでしょうか。またそのまわりで公演に関わるお仕事は数限りなくあります。歌舞伎座が止まってしまったら、すべてが止まってしまう。中には、今止めてしまったらもう二度と次に繋げないようなものや技や文化があります。
歌舞伎だけでなく、他の演劇、音楽、舞台についても同じことが言えるのではないでしょうか。その灯を繋いでいくために、今日も歌舞伎座はライトアップされつづけ、スタッフも、観客も無言で、それを守っているように思われました。
かかっている舞台が素晴らしいだけに、声に出して笑ったり、友人と感想を言い合ったり、買い食いしたり、帰りにお茶したり‥‥早くそんな日が戻ってくるといいと心から願ったおひとりさま観劇でした。
この日のお月様は、なんだかずっと忘れられないような気がします。
なんにもなくても、家で訪問着を着てみたら!?の巻
そして、あっこんなところにおりジワがついてた、なんて気付きもあったり。やっぱり色が派手でもう着られないな?。。と思ったり。後回しにしてた、袖付けのほつれに気付いたり。着付けの腕試しになったり。
着たらぱちりと写真を撮って、ちょっとお手入れをしてしまうようにすると、なかなかこれよろしいのでは?と思うように。
よく、しつけがついたままで着た形跡がない着物を受けついだ、とかもらった、とかいうお話をききますが、「もったいない!」と思っていたわたし。でも、そういえば私も仕立てたはいいがまだ袖を通してない着物があるんです。ここ一番に初めて袖を通す!というのもいいけれど、なんだかこのまましまいっぱなしになってしまいそうな気もして、だったら着てみよう!と思い切って着てみました。
実は星が流れている模様の訪問着で、初心者の頃「星だわ!」とか勢いづいて入手したもののなんというかちょっとどこに着ていけばいいの?と悩んでしまい込んでいたもの(笑)
でも実際着て見たら限りなく小紋みたいで、しかも目立つところに置き染みが。。気付いてよかった! これならもっと普段に着てしまえるなと新発見。「こんなときに着たいな」とか「ここに行ってみたい」みたいなところまで夢が膨らんで、あれこれコーデを試して、とっても楽しい時間になりました(後片付けがちょっと面倒だけど(笑))。
お出かけしないからこその、訪問着着付け練習。気分が晴れなかったら、お気に入りの着物に袖を通して見てはいかがですか。着終わるころには結構気分があがっているはず! ひとりじゃあちょっとつまらなさすぎる、なんてときはきのおけないキモト(着物友達)とオンラインでコーディネートのみせっこをしながら着るのも楽しいですよ!
男子の袴もかっこいいぞ!2021成人式所感の巻
同時にお母様方の着付けもさせていただきました。色留袖、色無地(ご自分の成人式の振袖の袖を留めたものだそうです)、訪問着。それぞれとっても美しかった! またこれキャンディーズ的な?(例えが昭和で申し訳ない)。子どもの成人式は、新成人となったお祝いでもあるけど、育て上げた親御さんのお祝いでもありますよね。男子母の私としては、20歳となった男の子を、目を細めて見守るお母様たちの気持ちが痛いほどわかります!!!よくぞここまで(涙)です。
一人の男子が「お姫様抱っこしたとこ、撮ってください。決まりなんで」って、なんとママをお姫様だっこして写真を撮影。白い羽織だったこともあって、どこの王子様かと思いました!! 母の夢ではないですか? おんぶでもいいわ、って友達に言ったら「それ介護でしょ」と突っ込まれてしまいました(笑)笹川良一が頭をよぎった私は昭和な女です。。。(昭和ネタばっかりですみません)
とにかく、あっという間の、私たちスタッフにとっても思い出深い撮影となりました。このようなお祝いごとに関わらせていただけるのは本当に有り難くまた身が引き締まる思いがします。
たくさんのお友達と会ってワーっと楽しむことは今は難しいけれど、どんな形でも20歳の想い出は残していただきたいなと思います。コロナのせいで、時期がずれるのは仕方ないこと。今は、健康に留意して生活しなくてはならないし、いたしかたのないこの経験もきっと糧になるはず。
本当に当日は、いろんな過ごし方をされたことと思います。成人式があってもなくても。行っても行かなくても。成人したことに変わりはなく。もちろん着物を着ても着なくても。生きてこの日を迎えて、大人の第一歩を踏み出した新成人の皆さんに、心からのエールを送りたいです。
そして、成長を見守った大人たちにも! 笑顔で上を向いていきたいなと改めて思う令和三年の成人の日でした。おめでとうございます!
振袖はいつでも着れるけど、20歳の振袖はまた特別の巻
振袖じゃなくてもいいけれど、振袖は日本の未婚女子の第一礼装。日本のプリンセスドレスです。ぜひ着て、装う喜びを味わっていただきたいなと思います。マジ、テンションあがるから!! 袖が長いだけだけど! すごいから!! 振袖を着るときは頭もメイクもがっつり盛らないと、振袖に負けちゃいますので、ばっちりと決めて着ていただきたいです。
そして振袖は、成人式だけじゃなくて、機会があったら着るとよいですよ。振袖ってほんとに美しい衣装ですから。私なんて、用がなくても着ちゃいます(それもどうかと)。
礼装を着る。普段着でないものを身につけるというのは、やはり人生において、ここでひとつ区切りですよというけじめや区切りを表す様式美のひとつでもあると思います。礼装でそれを表したり、また礼装を着ることで自覚が芽生えることもある。
わたしも成人式当日は振袖ではなかったけど、別の日に母が誂えてくれた鮫小紋を伯母に着付けてもらって写真を撮りました。当時はメイクを大失敗して写真が気に入らなかったし、後も封印したい(笑)とか思っていたけど、母も伯母ももう亡くなった今、かけがえのない想い出になっています。なによりその写真を母が喜んでくれていたのが、撮っておいてよかったなあと思う一番です。
着なくても成人には変わりはないけれど、それを経験しないのは、ちょっともったいないことかなとも思うのです。成人式を諦めた新成人の皆さんも、もし機会があったら振袖や羽織袴を着てみてほしいなあと思うおせっかいなおばちゃんの、新年のはじめなのでした。
どちらも素敵!花嫁衣装☆白無垢と色打掛の巻
懐剣を身につけることからもわかるように、打掛姿は武家の婚礼衣装がルーツ。白無垢と色打掛は、いわばウエディングドレスとお色直しのカラードレスのような関係で使われるのが一般的です。挙式には、白無垢とされていますが、最近は寺社によっては色打掛でも挙式OKのところもあるそうです。一生に一度は着てみたい衣装のひとつですよね~。
さてさてそんな打掛の着付けですが、本当に大変! 帯を胸高に高く結ぶため補整もしっかりしますし、花嫁用の伊達締めは通常のものの2倍の長さがあります。2年前から勉強して、練習して、やっと一人でも着付けができるようになりました。着物も帯もそれぞれがとても豪華でボリュームがあるので、大変ですが、とてもやりがいのあるお着付です。心をこめてキレイに仕上げてもほぼ打掛で隠れてしまうという掛下ですが、それも美学が感じられます。
関連記事:憧れの花嫁着物☆白無垢の下はどうなってるの?の巻
スタジオ撮影とロケ撮影、両方しっかりさせていただきました。お祝いの写真はとにかく輝くような笑顔を見られることがなによりもなによりも、嬉しいことです。
写真があれば、年賀状ででもご挨拶ができますよね。七五三も、帰省することができない今、せめて写真だけでも見せてあげたいという想いからか、例年より撮影が多かった気がします(鬼滅ブームもあるかもしれないけど)。スマホの写真もいいですが、やはりプロの写真はひと味違います。節目には、いい写真を残すのも大切な想い出になりますよね。
自分の結婚式の写真を久しぶりにひっぱり出して、撮っておいてよかった、美しくしていただいて有り難かったなあ~なんて思い出しました。ただ、私の白無垢写真には誰に言っても「え~~!!」と言われる衝撃エピソードがあって(笑)。
それは、できるだけ結婚式のお金も節約しようとホテルのブライダルフェアでレンタル料が一番安い白無垢の中から、悩んで悩んで選んだ私を尻目に、花婿さんはこの3種類です、と羽織袴のセットを見せられて「じゃあこれで」と白無垢より高いものを選んだ彼。「ちょっと待って」とさすがに声をかけた私に「だってこれが一番いいから」という返事。そりゃあいいでしょう。でも、でもですよ。花嫁衣装より高い袴を着る花婿がどこにおんねん! あのとき考え直しておけばよかったと思わなくもないその後の私の結婚生活(笑)。まあ、過ぎてしまえばいい想い出‥‥ってそんなことあるかーい! 写真を見ながら当時の恨み(笑)が再燃した私でした。確かに、素敵でした。羽織袴(笑) 写真はその時の気持ちも、一緒に写っている気がするので、スタジオに撮影にきていただいたお客様には楽しい想い出にしていただけたらいいなあといつも思っています。
話がめちゃくちゃそれましたが、そんな年末の仕事納め。命を守るために優先すべきこと、経済のこと、生きていくというのは本当に大変。着物を着るどころではない、という気持ちになったこともありますが、やはりお洒落や心の潤いや、節目の装いは大切なものだと改めて気付かされた1年でもありました。
今年もとりとめのないコラムにおつきあいいただき本当にありがとうございました。いつもとは違った年末年始になりそうですが、心静かに新たに、また来年お会いできるのを楽しみにしております。どうぞよいお年をお迎えください。 わにこ 拝
毎日足袋を履いたら足のサイズが変わったはなし。の巻
1年ほどほぼ毎日足袋とこたびを履き続けて、採寸しなおしてもらったところ、お誂え白足袋は23,5センチの足幅ゆったりから中型の足袋になり、普通の型の足袋は少し大きめの24.0センチを履いて足首のこはぜを留める位置を調整してなんとか包んでいたものが、本来の足の長さの23.5センチのものが履けるようになったんです~~感涙(><)足首はなんと2.5センチ、足巾周りは1センチ減りました。足でこのサイズ減って、相当見た目が変わります。
もうサリーちゃんの足(この表現も古いぞう)ゾウの足みたいだったのが、うっすら足首の筋も出て、ほっそりとは言いませんが当社比マジですっきりしたので本当に嬉しくて、ずっと封印していたスカートも今年は履くようになりました。
そんなわけで足袋のサイズが変わったこともあり、お正月からは新しい足袋で歩こう!と足袋をぽちりました。体にあったものを身につけるって、大事だなと心底思った一年でした。
毎年と同じことができないお正月ですが、せめてできることで清々しい気持ちで迎えられますように。皆様もなにかひとつ、新しいものを用意して、着衣始ができるようお正月準備してみませんか。
帯締めの房のヨレはくるくるドライヤーで一発解決!の巻
「くるくるドライヤーでとかしながら熱をあてる」です!
えっ、それでなおるの?とおっしゃるあなた、一度やってみてください! もちろん櫛+スチームアイロン、湯気でもきれいになるのですが、くるくるドライヤーだと、そっと房をブラシでなでるだけ。何度か繰り返すと、つやつやのツヤもよみがえります!
切り房はもちろんなのですが、撚り房にも効果覿面!
花嫁着付の練習をしていて、懐剣の長い房が微妙にヨレッとなっているのがよろしくないよな~と思ったわたし、ふとくるくるドライヤーで房をとかしたところ、あらびっくり!! なが~い撚り房がすっきりまっすぐに!
うおおおお!!これは!と帯締めの房にもためしてみたところ、ばっちり。房という房にくるくるドライヤーをかけ、掛け軸の風鎮の房までまっすぐにできてしまいました。
ドライヤーでもいいってことかな?とためしてみたのですが、房を櫛でときながらドライヤーをあてるには、たこのはっちゃんか朱紗丸みたいに腕がたくさんないとちょっと難しかったです。
その点、ブラッシングしながら熱風をあてられる「くるくるドライヤー」はこのためにあるのかと思うくらい便利。房も、絹糸ですものね。髪の毛と同じように、熱風をあててとかしてあげれば、くせもなおるというものです。なぜいままで気付かなかったか!
とってもとっても簡単なので、くるくるドライヤーを持っているかたはぜひ、試してみてください。面白くなって房を探してしまうことうけあいです(夢中すぎ)。
七五三異変!鬼滅の刃が和装を救う?の巻
なにがそんなに子どもから大人までの心を捉えたのか。私自身も週刊誌連載を読んでいたので、面白いとは思っていましたが、そんなに!? チェーンソーマンとか呪術廻戦など厨二すぎておばちゃんの心には痛々しすぎたりするのですが、鬼滅にはそういうところがないですよね。てらいのないまっすぐさというか、どこまでも澄み切った青空のような精神世界を持つ主人公と、退治される鬼たちにも事情と悲しみがあるという(ラスボス以外)「善き心」が報われることに飢えているのかもしれません。勧善懲悪の時代劇みたいなものなのかも。
古き良き時代の古き良きおはなしとともに、着物もよいなあ!かっこいいなあ!と思う人が増えているなら、すごく素敵なことですよね。便乗商法とかそういうことでなく、人はたくさん目にしたものに親しみや安心を覚えるもの。着物も、たくさん見て形に親しんでいると、着たときのしっくり度が全然違うと思います。
このコラムも便乗と言われると、えへへ(笑)ですけれども。なんでもいい、着物に親しみを持ってくれる人が増えて、着物の文化がこの先へも繋がれていくとよいなあと願う、コロナ禍の師走でございました。
こたつ開きと炉開きと亥の子餅の巻
などと偉そうに言っていますが、私は万年初心者。月1回のお稽古をほそぼそと続けてお茶に親しむ程度。そんな頻度にも関わらず、以前は忙しい中ばたばたで、なにも準備しないで参加していることに申し訳ない気持ちになることもあったのですが、先生に「そうやって時間を作らないといつまでたってもヒマな時間なんて作れないんだから、お稽古の時間だけでも心を静かに豊かに過ごせばいいのよ」とおっしゃっていただいたことが。
今回も、お休みが長く時間はたっぷりあったはずなのに、やっぱり準備不足(爆)。それでもその時間を持てることがどれだけ自分にとって大切だったかと思い知りました。さらにいろいろキレイさっぱり忘れて、着物で立ったり座ったりもヨレヨレで、体力の衰えに愕然でした。月イチでもなんでもいい、続けていることが大事だったんだなと。。
そしてひさしぶりにやわらかものに手を通しました。仕事もほとんど紬やお召しだったので、何か月ぶりでしょうか。特有の絹のしとっという重さを体に纏う心地よさ。付け下げですが、大好きな房がたくさん描かれた図柄に気分も浮き立ちます。着付けの仕事で日々晴れ着には触れさせていただいているけれど、自分で着るとまた違った嬉しさがありますね。
猫のお尻ご容赦です。
今月は母の祥月命日があり、自分の誕生日がある月でもあり。そんなことをふと思って母の袋帯を締めました。静かに座って、呼吸をするとクク‥‥ククク‥‥と絹鳴りがして、なんだか母とおしゃべりしたみたいな、不思議な気持ち。
仕事以外では家の中にいることが増えおでかけもせず、適当な洋服で過ごす毎日ですが、やはりたまには自分のために手をかけなくてはと思います。その大切さと有り難さが身に染みました。
また感染者が増加して、そんなことばかりも言ってはおられないのかもしれませんが、日々の中で美しいことやもの、文化に触れる時間もやはり人間が生きていくうえで大事なもの。我慢とココロの贅沢と、うまくバランスをとって暮らしていきたいなあと、マスクをつけてのお稽古、炉の中で鳴る釜の松風の音を聞きながら思った一日でした。
Youtubeで日舞発表会。舞台裏を覗いて来たよの巻
自粛期間になってから、社中のお稽古もままならなくなり、オンライン稽古を始めたのと平行して、なんと自身の舞踊の動画を100日連続Youtube動画配信した善次朗さん。日舞界の先輩方がオンラインで発信をされているのを見て、自分も願掛けも兼ねて100日踊ってみようと思ったそう。
100日連続というのは踊るのも演目を決めるのも大変で、演歌に振り付けをして踊ったりも。最後は衣装付きで「千本桜」を披露。そういった経験値の積み上げもあり、3時間以上の発表舞台も、自分で編集して配信。
無観客でのオンラインながら本格的に衣装付きの舞台にしようと思ったのは、微力ながら日舞を支えている裏方さんたちにもお仕事をお願いできればとの気持ちもあったそう。伝統芸能の世界で培われてきた技術も、一度途絶えてしまえばそれを復活させることは本当に難しい。着物の世界にも通じるお話だと思って伺いました。
今は映像を誰もがスマホで気軽に撮影できるし、発信もできる時代。とはいえ旧時代の自分はなかなかなじみきれない部分もありましたが、こうして自分で軽々と映像も扱い、発信する姿を見せていただくと、感ずるものがあります。。。
まだまだ踊りたい演目がいっぱいあるんで、それを踊るまでは絶対くたばれません!という善次朗さん。今年日舞を教えはじめてから10周年、コロナ禍で日舞も従来のやり方では続けて行けないかもしれない中、試行錯誤で活動を続けられています。Youtubeでの発信も、実は6年前から。続けているうちにチャンネル登録者数が少しずつ増えてきているそう。何事も継続ですよねー。
今までは限られた人しか知らない、見られなかったこともYoutubeなら全世界に発信できるのがすごい。有料での舞台配信も増えているし、新しい可能性もいろいろ生まれてきそうです。衣装を片付けている動画やメイキング動画もとっても面白く、私も、何度も動画を見せてもらっているうちに日舞に親しみがわいてきました。たくさんの方に日舞の魅力が伝わりますように。着物ファンにはぜひみていただきたいチャンネルです!
ふじかげよしじろうチャンネル袖無し綿入れ半纏「つんぬぎ」って知ってますか?の巻
綿入れの防寒具は、しょっちゅう洗ったりするものではなく、布団等と同じような扱いでお手入れをします。1シーズンに一度押し洗い、綿がへたったりちぎれてきたりしたら仕立て直しをするもの。だから、汚れやすい衿の部分は黒い繻子で作られていました。
寒い地方では、必須アイテムだったもの。懐かしく思う方も多いでしょう。まだまだ愛用者も多いと思います。以前「どんぶく」をいただいたのですが、これがマジ暖かくて、布団をかけているようなかんじで、着て作業していると眠気が襲ってくるほど(笑)。
早速いただいた「つんぬぎ」を着てみると、「ねこ」よりも、前身頃がある分暖かい。でも、「ねこ」は背中により密着しているので、背中は「ねこ」のほうがダイレクトに暖かい感じがするかも。
一度着たら手放せなくなって、今も着て原稿を書いております。最近、気分転換に髪の毛を切ってボブスタイルにしたのですが、シャツの上につんぬぎを着て、ふっと鏡をみたら、そこに見覚えのあるものがいました。おい!鬼太郎!(CV.田の中勇)
どこまでも昭和の呪縛から逃れられない私でした。。。(またこのオチですみません。。)
着物の上に羽織っても、もちろんあったか。外出着ではありませんが、さむ~い季節のおうち着物の強い味方です。袖がないのって、動きやすいんですよね。「つんぬぎ」は入手しにくいかもしれませんが、袖無し半纏やポンチョ、ちゃんちゃんこは手軽に購入できますので、昭和感を恐れない勇者はぜひお試しを! それにしても、いろんな名前がついていて、定義がよくわからないけど、あったかければいいや(いいのか)。今風に言ったら、綿入りベストとかジレ?とかになるのかな。
そんなこんなで、ちょっとショッピングサイトを覗いたら、緑と黒の市松模様やピンクの麻の葉模様の半纏(袖無しじゃない)がたくさんありました! うぬぬ、どこまでいっても鬼滅の刃、恐るべし。お後がよろしいようで。
黒羽織をジャケットに、が流行る!?の巻
羽織ってコートと違って、体の前がちょっと開くじゃないですか。なんかちょっとあるといいかなと思って、ストールを巻いたのが主な敗因(笑)かとは思いますが……。
あとは私が、イギリス人でも若い人でもないということですかね……。昭和生まれだから、やっぱり昭和の呪縛から逃れられないってことですかね……。おばーちゃんの羽織を着たら、やっぱりおばーちゃんになるってことですかね……。とか、しばらく思ってたんですけど、おしゃれな人は、老若男女性別国籍関係なく、どんなアイテムでもバシっと決められるもんなんだよな、と思い当たりました。
同じコーディネートでも「お洒落だね!」と言われる人と、「あんたそれ間違ってるよ」と思われる人がいますよね。。まあそういうことです。おしゃれな人は、天賦の才だけでなく、努力もしてますしね!
もうちょっと流行って黒羽織スタイルが認知されると、私でも着やすくなるかもしれません(他力本願)。洋服でも着物の黒羽織風の羽織ものも見かけたりするし、おしゃれな人、ばんばん洋服にも着物にも、黒羽織を羽織って流行らせてください!!
腰紐がさっと使える「ヘビちゃん」のつくり方の巻
ヘビがとぐろを巻いているような形になるので「ヘビちゃん」と心の中で呼んでいるのですが、特に決まった名前はないと思います(笑)。こうして置いておくと、さっと輪を持てばはらりとほどけて腰紐が使いやすい。こういうちょっとした準備の差で着付け時間にも差がでてきます。
普段自分が着るときには、椅子や鏡にだらんと腰紐をひっかけておくことが多いのでヘビちゃんにはしませんが、かけるスペースがなかったりしたときには使えるワザです。
着付けをさせていただくたびに、支度や始末の差が、着付けの時間や仕上がりの差にも繋がってくるのだなとしみじみと感じています。精進しなくては(><)
スタジオも、ソーシャルディスタンスがとれるように改装して、荷物を大移動したので、ああでもないこうでもないと片付け中。動線をしっかり考えて、スムーズに着付けができるよういろいろと考えております。なんでもこういう積み重ねなんですね。怠け癖と闘いながら、がんばっております!
着物を着るというのは、私にとって、放っておくとずーっとだらだらごろごろしたい自分との闘いなのかも~~(笑)。











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