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真夏に必須!麻のステテコがめちゃめちゃ涼しいの巻

星わにこ
2021/07/21 00:00
梅雨も明けていよいよ夏本番ですね! 逃げ場がなく暑いわけですが、暑ければ暑いで覚悟が決まるというか、「よしやったるで!」と着物を着る季節になりました(私だけですか?) もうこの時期はなにを着ても暑いわけなので、着物も着てしまえばさほどでもないわけですが、実は着る時に一番暑いんですよね。だからエアコンをガンガンに効かせた部屋で汗をかかずに着付けてしまえば、あとは気合いでいけます。 保冷剤を持ったり、暑さ対策はいろいろありますが、夏はとにかく汗をかくのが一番の大問題。いろいろな考え方があって、着るものを極力減らして涼しくしようと思う派と、下に汗とりの肌着をしっかり着て、肌着に汗を吸わせる派があるかと思います。 私は肌着に汗を吸わせる派です。肌着で汗をとめれば、自分も快適だし着物にも汗が移らず、安心です。洗える着物の場合でも、帯は洗えないものが多いですから、帯を守るためにも補整などに汗を吸わせるという考え方で、肌着はしっかり着ます。 特に! ゆかたなどを着る場合には足の間の汗をとってくれて、足のラインがすけすけになるのも防いでくれるステテコ! を、声を大にしておすすめしたいです。オジサンの肌着、というイメージから脱却し、レディースも増えてすっかり市民権を得たステテコ。愛用者の方も多いでしょう。私も1年中着物のインナーでステテコを履いています。そんなわたくし、昨年麻のステテコデビューをしました。 それまではずっと綿揚柳だったのですが、麻の涼しさにびっくり!! 私が購入したのはたかはしきもの工房の「麻テコ」。ローライズなので帯にももぐらず、さらに、おパンツなしで1枚ではくこともできます。最初は、ショーツなしってどうなの?と思っていたのですが、やってみたら快適すぎて夏はやめられなくなってしまいました。この快適さ、ぜひ一度体験してみていただきたいです。 あまりの快適さに、洋服のときもワイドパンツやロングスカートの下履きとして履いてみたらもうこれがやめられなーい! はいたほうが、はかないより涼しい!! いつか、オジサマが「夏はステテコ!ジーンズの下にもステテコですよ!」と言っていて、えー、2枚になったほうが絶対暑いじゃん、と思っていたのですがそれは間違いだと知りました。 麻は天然素材の中で最も涼しいといわれ、接触冷感もあり、吸水性、通気性、発散性に優れた夏に最強の素材ともいえます。じゅばんや着物で愛用されている方も多いと思いますが、ステテコ、ほんとによかったです。ちなみに冬にはいてみたら、ちょっと寒かった(笑)。それくらい、涼しい素材なのです。 コシが強く肌にはりつかないのが涼しさの一因なのですが、その繊維のコシの強さがお肌の弱い方には向かないこともあります。なので、麻を素肌に着るときにはご自分の肌との相性も大切です。 麻だけでなく綿揚柳もシボがありますのでお肌の弱い方にはNGな場合も。お肌にやさしいものは、なめらかなシルク素材のもの、ベンベルク、エアリズムなどがあります。これも合繊はあわない、などいろいろとお肌にあうあわないで選んでくださいね。 あとは、丈も大事なポイントです。私はすそよけがわりにも着るので長めが好みですが、短い方が涼しいです。これもご自分の好みで。 清少納言が生きていたら、夏はステテコ。というのではないかというくらい(言わない)、夏の着物のインナーの必須アイテムステテコ。愛用者の皆様も、ぜひ一度素材や形の見直しをされてみてはいかがでしょうか。

ショートヘアで着物を着るならボリュームとツヤが大事なのねの巻

星わにこ
2021/07/14 00:00
梅雨もゴールが見えてきたのか、暑さがじわじわ攻めて来た感がありますね。また緊急事態の東京(でもオリンピックはありますというダブルスタンダード)、今年は夏着物のいいやつ着ていくところないけど着てみたいです。 さて、長年髪を伸ばしてまとめ髪で着物を着ていた私ですが、昨年自粛中に面倒になってボブにしたのをきっかけにだんだんエスカレートしてただいま襟足刈り上げにまで行き着きました。 以前はわりとフォーマルなスタイルの着物に憧れていた部分もあり、へたくそながらもまとめ髪で頑張っておりました。あと髪の毛の量がめちゃくちゃ多くてショートにすると収集がつかなくなってしまうという問題があったためずっと短くすることに躊躇があったんですが、刈り上げの魔術師と出会い、どんどん短くなっていっています。 ショートヘア自体は、本当に楽で気に入っているのですが、最近、自分ではちょっとセルフヘアメイク頑張った!と撮影してもらった動画の「なんじゃこりゃあ!!!」感がかなりの衝撃でした。まあこんなもんでいいやろ、というのは大間違いで、やりすぎぐらいでちょうどよく、思い切ってなんでもやらないと駄目なんだなと一人大反省大会でした。美容院に行くのをさぼっていて、結構髪が伸び始めだったのも敗因化と思われ、ショートはこまめに美容院にいかないとだめなんだと痛感。 そういう客観的な姿を見て反省して次がんばるというのは、着付も同じ……。何事も訓練ですね。 そんなレベルの私の経験談で恐縮ですが、ショートヘアにしてまずなにがいいかというと、日々のお手入れが楽で早い(ロングヘアのシャンプーやドライヤーの時間とか、なんだったの!と言いたい)、そして、着物を着る時もヘアセットが本当に早くて頭が軽い! ただ、後頭部がぺったんこだと本当に貧相になってしまうので、ここのボリュームだけ気をつけています。普段はつむじが出ないように気をつけているだけですが、着物のときは後頭部にホットカーラーを巻くか、ヘアアイロンで巻いてとにかくちょっとでもボリュームをもたせるようにしています。出来る人は、逆毛をたてても。 あとはツヤ。オイルでツヤを出すのを忘れないようにしないと、本当にぼさぼさ感が出てしまう50代です。そこが大事なんですね。 ナチュラルメイクがイコール何もしない、ではないという高等テクニックなのと同じように、ショートヘアはこまめな手入れがキレイ見えの秘訣だと痛感中です。ショートヘアの素敵女性は、ナチュラルに見えて本当はちゃんと手が入っているのですね。 あと、普段だとやり過ぎかな?と思うけど、ここぞという時に使いたいのが部分ウイッグ。今手のひらサイズくらいのちょっとした付け毛が売っているので、それをつけて上から自分の髪の毛をかぶせるようにすると、かなり盛れます。この時はヘアスプレーの量が胆ですね。えええ!というくらい浴びるといいですね。まあ私が言っても説得力低いんですけどね(相当動画で見た姿がショックだったらしい)。 6年くらい前に中途半端に髪を切ったときにはフルウイッグのお世話にもなりました。これはもう一気に粗を隠してくれるので、めちゃめちゃいいですね。でも、ちょっと暑いんですよね‥‥。こちらは冬の活躍に期待です。 本当にここぞというときは、ショートヘアでもヘアメイクさんにお願いするのがいい‥‥と最近身にしみて感じています。大事。ほんとヘアメイク大事。若い頃はなんでもよかったんだけど、もうこのごろどうしようもないんですよね。特にショートとかにしていると、すっぴんでいるとおじさん、おじいさんかよになってしまう危険性が大きいので、ほんと身奇麗にしないとだめだなあと思う50代半ばでした。本当にレベルの低いお話ですみません。 今はマスク生活ですから、この粗が立たなくなっている上に、自分でもどんどんどうでもいいやとか思っていたんですよねえ。マスクを外した動画に心底、やばっ!と思い直しました。もうほんとマスクなしで顔を出すとか、無理!って思いましたね。でも、そのうちコロナ禍も収まっていくはず。収まってもらわないとですから。 人生始めるのに遅いことはない。今が一番若いとき!と思い直して、キラキラの素敵還暦着物をめざして鍛錬を詰もうと今日も顔のマッサージをしたり、ヘアオイルをつけてみたりするのでした。還暦のときは振袖で写真を撮る!と決めている私です! もし、あーもう面倒で一生マスクとりたくないなんて思ってる方がいらしたら、一緒に頑張りましょう! 

米津玄師のMV『死神』の着物の帯の位置と羽織の脱ぎ方がパーフェクト!の巻

星わにこ
2021/07/07 00:00
今年ももう半分が終わり、いよいよ夏きものの季節がやってきました。とはいえまだまだ梅雨空ですが、雨も暑さも着物を着るのにハードルが上がるコンディションですね。でもそんな中、さらりと着物を着こなしている方をみると素敵だなあと思います。 特に夏着物は、涼しげな透け感が身上。暑いし洗うのも大変だし、といつもうそつきですませてしまうのですが、今年はちゃんと襦袢で絽や紗の着物も楽しんでみたいなと思っています。 さて6月の終わりに米津玄師さんのミュージックビデオ『死神』が夜中に公開されましたね。もうご覧になった方も多いのではないでしょうか。 有名な古典落語『死神』をモチーフとした曲で、ビデオも新宿末廣亭を舞台に米津玄師さん自身が落語家に扮して登場します。内容もあの大ネタを1分59秒という映像にうまく落とし込んでいてすごいのですが、米津さんの着物の着こなしも所作も本当に素晴らしいんです!! 188センチという長身ですから、もうおそらくお誂えだろうと拝察するのですが、ぴったりサイズの単衣の白茶色の着物に、透け感の強い黒の紗の羽織。押込房という房のない羽織紐が、シンプルで粋で涼しさを増しています。白足袋も決まってます! 『死神』というテーマにふさわしく、ちょっと怖い、真夏の怪談をイメージしたのでしょうか。公開された季節にもぴったりです。 高座にあがる様も堂に入っています。上手から現れ、扇子で裾をはらって座り、扇子を前に置いて深く一礼し、扇子を脇に。お尻をあげて羽織の裾を踏まないように後ろにパッ!と払います。ここしびれる。ちょーしびれる。 そして、羽織紐に手をかけ解いてきちんと伸ばしてから、羽織の袖口を持ってツンと引き、さっと肩から外して後ろ手で隠します。めちゃくちゃかっこいい。 落語家さんは二ツ目になると羽織がつけられます。そして羽織姿で高座にあがり、お客さんに挨拶した後、枕噺をして羽織を脱いで本題に入ります。このタイミングはいろいろあるようですが、この客の前で羽織を粋に脱ぐ仕草が、本当にかっこいいんですよね。それを観るのが楽しみ!という方も多いです。米津さんの所作指導には柳亭左龍師匠が入られたそうで、ばっちりと決まっていました。 そ し て ! 着付も師匠ということだったんですが、刮目すべきが帯の位置!!! 最近の着物男子の着姿の帯の位置が高めなのがずっと気になっていて、若い人は足が長いからなんか帯位置がちょっと高くなっちゃうのかなあ~、痩せてると低い位置にならないのかなあ~なんて思っていたのですが、細身でスタイルのいい米津さんであの位置に決まるんや!!と感動しました。やっぱり着付やん!!師匠素晴らしい! もうほんと、男子、見て、この帯の位置見て、これよ、これやでこの位置やで! ウエストやないで、腰骨のとこやで!! これがジャパニーズキモノの帯の位置やで! お若い男子諸君、お若くない男子諸兄も、この帯位置を再現していただきたいのやでえ~。丹田!丹田よ!(コーフンしすぎて、もう何言ってるかわかりませんw) 本当に久しぶりに、高倉健以来かよと思うくらいに、長身男子の粋な帯の位置を見せていただきました。ありがとうございます!!! やっぱり実際かっこよく着物を着てる姿とか所作とか、観ないとわからないもの。 同じくMVで、5月に発表された東京事変の『縁酒』の着物姿も着付がほんと素晴らしくてほれぼれします。あまり着物になじみのない若い方とかも、ミュージックビデオで「着物ってかっこいいな」と思ってくださるといいですね。

単衣&夏着物。後ろ姿に気をつけて!の巻

星わにこ
2021/06/23 00:00
この時期になると、夏の和装インナーのご相談をうけるようになります。まず大事なのは「涼しい」ということですが、危険なのが「透け問題」。夏の着物は透け感があるもの、薄いものが多いので、袷のときには気にならなかった肌着のラインや色が響いてしまうことも。単衣でも気になり始めますが、これから本番の夏着物は特に注意が必要です。 前は自分でもよく見えるので、鏡でチェックして気をつけるのですが、問題は後ろ。自分ではまじまじとみることができないのが落とし穴です。 後ろ姿の透けポイントとしては ・首もとの肌着のライン ・えもんぬきのライン(背中&お尻) ・ショーツのライン ・足、裾のライン があります。 首もとの肌着のラインは、着物や衣紋のラインと沿ってないと、意外と響いたりすることがあります。洋服でも、ブラが透けて見えたりすることがありますよね。着物は襦袢を着ますが、うそつき派の人は注意です。 また襦袢の衿につけてひっぱるタイプのえもんぬきは背中に縦のラインが入ってしまいます。気にする人はつけないほうがよいでしょう。あと盲点なのが、この衣紋抜きが長すぎるとお尻のおはしょり下に見えてしまうことがありますので、要チェックです。 見えたら、着物を着てからでもいいので中で折り曲げておはしょり内に隠してください。 わたしは夏でもうそつき衿で着ることが多いので、おしりのえもんぬきの透けは大事なチェックポイントです。 ショーツのラインについては、着物に居敷当てがついていたり汗よけにすててこを履いたりしていても、意外と頑固に浮き上がって来たりするのが恐ろしいところです。浴衣はさらなりです。機能的にはローライズのものがトイレにいったときに困らないのでおすすめ。もうひとつは下のラインが問題に。レースになっているものか、シームレスのボクサータイプなどが響きにくいです。 夏着物の場合は、襦袢や裾除けが短いと足首がにょっきり透けてみえてしまいますので、居敷当てがついていない着物は、注意ポイントです。 こうやって挙げていくと、「気をつけるとこ多すぎてもうヤダ!」となってしまうかもしれませんが、あえて厳しめのチェックポイントをあえて挙げてみました。自分が「ここが気になる」というところだけ特に気をつければオッケー! こういうことがあるよ、というのを知っていてあえて楽だからとか涼しいからという理由でチョイスするのと、知らなくて恥ずかしかったあ~というのは違うと思うので頭の隅においておいていただけたらいいなあと思います。 そもそも夏着物は透けるのが身上。どこに透け感を出すか、透けていいところ悪いところの見極めができていればいいと思います。今シースルーのブラウスとかが流行っていますけど、そんなかんじです(どんなかんじ)。 そして、自分は気をつける、人のあら探しはしないというのが、着物レディのたしなみでございます(これ最重要)。 夏の着物姿は見る人の心も涼しくさせる風物詩。注目をあびるだけに、透けポイントにはちょっと気をつけて。素敵に着こなしてくださいね!

帯締めも衣替えが必要なの?夏のレース組とはの巻

星わにこ
2021/06/16 00:00
東京も梅雨入りということで、うなぎのぼりの気温も小休止。梅雨が終われば本格的な夏がやってきますね。当たり前のことだけれど、コロナ禍であったり自分も年をとってきたせいなのか、なんでも有り難いなあと思うようになってきました。 着物も6月の単衣のクッションを挟んで、7,8月の薄物の時期に入るわけですが、短い間だからこそ夏着物も楽しみたいですよね。年に一度くらいは絽の訪問着も着たいなあ、なんて思いながらなかなか機会に恵まれなかったりもするのですが、それだけに夏着物は「着たぜ!」という充実感が高いものです。 着物だけでなく、帯から襦袢から半衿から、帯締め帯揚げ、足袋に草履に着付小物に至まで「夏物」が存在します。ですが必ず夏物に、と言われるものと、通年でよいとされるものがありますよね。 例えば博多帯も通年使用OK。足袋も通年OK。帯締めも通年OKです。着付小物も見えないし、夏物にこだわる必要はありません。 それぞれ夏用の紗の博多帯もあるし、足袋なら麻やレース、帯締めにもレース組がありますが、必ず夏用でなくてはならないということもありません。逆に夏用は通年は使えません。着付小物は夏用を通年使う人もいます(見えないし・笑)。 いずれも、涼感をどれくらい求めるか、とか着用シーンとか、自分が納得できるかどうかによって判断すればOK。カジュアルであれば、自分が快適なら基本なんでもいいわけですし、基本ルールがわかっていればどんどん崩しても、和洋ミックスでもなんでも、よきようにお洒落を楽しめばよいと思います。 さてタイトルの帯締めのお話ですが、結論からいうと帯締めは通年使えるけれど、夏用のレース組というのは明らかに涼しげなので夏しか使わないということです。 夏用のレース組とは最初、スカスカにすきまがある組み方がレース組だと思っていたのですが、「正絹のレース紐を使って組んだもの」と先日知りました。通常の帯締め用の絹糸と素材が違うのです。 少し張りがある素材なので、それを組んで行くとすこし隙間ができてとても涼しげです。最初から透かして編むやり方もあります。 三つ編みのように、手で組み合わせ編んでいけるということですがカウントワークが苦手な私は絶対間違えそうです。。。 まあ帯締めが多少涼しい素材であろうがなかろうが、着ている側の実際の涼しさには一切関与してこないわけですが(笑)、夏用の帯締めをすると「ああ夏がきた。夏なのだ」と気分は盛り上がりますし、見ている方にも涼やかな気持ちにはなっていただけますよね。逆に冬なのにレース組がかっこいい!という使い方ができればそれもいいかもしれないです。 着物とは、涼しい格好をしたいという機能で選んで着るものではなく、「記号」のようなところがあります。 通年用の帯締めでも、涼やかな色を選べば問題なし。例えば太さのボリュームも控えめだったりすると、それも暑苦しくなく感じられます。夏は二分紐もキリっとして素敵です。要は、ルールがあっていても暑苦しいより、多少外していても涼しげなほうが素敵。なんでもそうですが、センスというやつにかかってくる部分ですね。。。 最初は面倒‥‥と思っても、夏物を出してくるとやっぱりテンションが上がります! その時期しか使えないもの、というのは面倒であり同時に特別感があって、やめられません。 ネットや雑誌で、いろんな着物姿を見て、自分が素敵と思ったものをイメトレしたり頭にストックしておくことも、役に立ちます。かくいう私も日々、いろいろ見たり妄想したり(妄想かよ)。梅雨の晴れ間に夏物を出しておきたいと思っております。 まだまだおでかけが制限される夏になりそうで、着られるかどうかはわからないけれど、日々着物のお洒落アンテナは張り巡らして準備怠らず。牙を研いでおきましょうぞ(牙?)。 特集:タイプもいろいろ♪夏のレース帯〆特集

洋服のベルトを帯締めに&サイズの確かめ方★の巻

星わにこ
2021/06/09 00:00
単衣の季節ですね。もう30度を超える日も出て来て、普段着は半幅帯でちょっとでも涼しく楽に着たいなあなんて思います。このごろはまっているのが、気楽な装いのときに洋服用のベルトを帯締め代わりに使うこと。 カジュアルシーンに取り入れている方もいらっしゃると思いますが、特に半幅帯のときなど、大人っぽくカルタ結びや矢の字、あとは結ばない帯結びなんかにしたときに帯締めにベルトを使うと、和洋ミックスでお洒落度がちょっぴりアップする気がしてマイブームです。 着物用として販売されているものもありますが、入手しにくかったりもします。ファストファッションのお店などで1000円以下など、結構リーズナブルなお値段で手に入りますし、色違いで揃えてもよし。ベルトは細めのものがぱっと見帯締めに帯留をつけたようで違和感なく取り入れられます。逆に、太めのものでも主張があってかっこいい。 あと、伸びる太めのものはしっかり止まって安定がいいので、結ばない帯結びのときにかなり便利。着物用で売っているものもありますが、洋服用でも探すと結構あります。金具があれば、ゴムでも自作できると思います。 ただ、洋服に使うのと違って帯の上に巻くので長さが足りるか? とか自分にあったサイズなのか? とかがわからない時がありますよね。そんなときは長さを測っておいて、持ちあるいているメジャーで‥‥とできれば一番いいのですけど、それがなかなかそううまくメジャーを持ってなかったりするのです。。。(自分) そんなとき、目安になるのがヒップのサイズ。帯を巻いたときのウエストのサイズに近いのです。なのでお尻にまわしてみてサイズが足りそう、よさそうなら買えば大丈夫なので覚えておくと便利ですよ。これはリサイクルの帯締めなどを買うときにも使えるワザです。 ベルト穴が空いている場所があわない場合は、実際帯をしてベルトを巻いてみて、目打ちなどで開けて使いましょう。1.5センチ間隔くらいで3つほど空けておくと、帯結びや補整などのコンディションが変わっても対応できます。 普通の帯締めに飽きたときは、ベルトでアクセントをつけてみてはいかがでしょうか? 浴衣のときにも使えますよ!

いつかは欲しい!憧れの紗袷(しゃあわせ)の巻

星わにこ
2021/06/02 00:00
紗袷という着物をご存知ですか? お持ちの方もいらっしゃるかとは思うのですが、私は持っていません。実際に着ている方を見たのはこの10年で4回ほど。6月のお茶会で2回。あと、観劇のときに2回。いずれも強烈に目に焼き付いています。 紗袷とは、絽と紗、もしくは紗を二重(無双)に仕立てた着物のこと。いずれも透ける生地が二重になっています。そして、仕立てもとても難しいものです。リサイクルで買って裄直しをする、ということが簡単なものでもありません。 戦後新橋の芸者さんが5月末の「東をどり」で着てから流行したものと言われていて、厳格な決まりがあるわけではありませんが、着用期間がまさにこの時期、袷から単衣に切り替わる5月末~6月頭のほんの10日間だけという人もいます。6月の前半後半など諸説ありますが、それくらい贅沢で、幻のような着物というイメージがあります。 今は単衣の時期に、単衣代わりに着てもよいというかんじでしょうか。秋に着る方もいるので、秋の模様の紗袷もあります。一時、着てみたくていろいろ調べていたのですが、なかなかにお値段もハードルも高く、着ている人に伺ってみるとどうもそう涼しくもない(二重ですもんね・笑)ということで、どんどん優先順位が下がって二の足を踏んではや10数年となります。 でも、毎年この時期になると「あああ一度は着てみたい、持ってみたい」と思う憧れの着物。それが紗袷。 二重紗というのもありますが、それは風通織、袋織とも呼ばれるもともと生地自体が二重で織られているもので、紗袷とは別物になります。こちらも着用時期は単衣と同様になります。 紗袷で、よく見かけるのは訪問着。模様が描かれた絽に無地の紗が重ねてあるもの(絽紗袷)が多く、はっきりと見えない模様がなんとも儚く、モワレ模様が幻想的です。例えるなら、御簾越しに姫を眺めるような、ヴェールに隠された花嫁の顔のような‥‥秘めた感がたまりません。 しかも訪問着となるとこれまた着用機会もなかなか限られたり、単衣の時期といえば初夏は梅雨・秋は台風となかなか難しい。よし!紗袷を着るぞ!という機会にも巡り会えるのか会えないのか。また今年も「あ~紗袷の季節だわ」と思って過ぎて行きます。 1年のほんの短い時期の贅沢な着物。でも、だからこそ。憧れなのですよね~。 いつ、なんでも好きに着ていいという自由さの一方、これをこの時期限定で着る!みたいな特別さもまた捨てがたい着物の魅力なのかもしれません。

帯がキレイに結べる?「お太鼓サポート」を使ってみたの巻

星わにこ
2021/05/26 00:00
帯付姿も颯爽と歩ける季節になりました。まだなかなか、心置きなくおでかけをできる状況ではありませんが、キレイに着るにはどうしたらいいかな~とか、着付が楽になる方法はないかな~とか、あれこれ考えては楽しんでいるわにこです。今はYoutubeでいろんな方がいろんな着付や裏技を紹介してくれているので、なるほどこんなやり方もあるんだ!と、勉強になります。 銀座いち利の女将チャンネルも春から始まりましたね。女将のキュートな笑顔とお話にほっこりしつつ、しっかり参考になる情報が詰まっています。そこで私が気になったのが「お太鼓サポート」(あづま姿)。こういうものがあるということを、知りませんでした。 早速購入してみました! で、使ってみました! どういうものかというと、 ・柔らかい帯でお太鼓がピシっと作れる ・タレが長い帯も処理がしやすい ・初心者でもお太鼓を作りやすい ということなんですが、要は手の下に板を入れることでピシっとしたお太鼓が作れるというものです。メッシュでできていて、小さな帯板をお太鼓に挟むようなイメージでしょうか。 丸みのある方を下にして、下線に仮紐を通してお太鼓の大きさを決めます。クリップでお太鼓サポートをタレに止めます(これでお太鼓の大きさが決まります)。これで両手を使って、タレの余り部分を持ち上げられるのがらくちんポイント。タレを人差し指の長さ分残して持ち上げられたら、仮紐を前でしっかり結びます。 あとは、手をお太鼓サポートの上に入れて帯締めを締め、クリップをとって仮紐もゆっっくり引き抜きます。これでできあがり。 お太鼓サポートを入れる、という一手間が加わりますが、確かに柔らかい帯はぴしっといい形になります。 それから女将動画でも紹介されていたように、補整不足でお太鼓の中で手が帯締めを締めたところがグシャっとなったり、「く」の字に折れてお太鼓の形が丸っぽくなって決まらないというのもなくなります。反り腰の人でも補整をたくさん入れなくてもキレイな形のお太鼓ができますね。 また、広い範囲でタレの折り込まれた部分を抑える働きもあるので、帯が短くて折り込みがちょっと少なくて落ちないかな、なんて心配なときもお役にたちます。お太鼓サポートに細めの紐を入れておいて、結んだら引き抜かないでそのままお太鼓の下線に入れこんでしまえば、タレが落ちる心配がなくなります。 お太鼓を作るのがちょっと苦手だわ、という方にはよい目安になりそうですし、私も柔らかすぎて扱いづらい帯とかに使ってみたいと思います。こういう便利グッズは、合う合わないがありますが、私はとりあえず使ってみるのが大好きです。合えば使えばいいし、いらないと思えば使わなければいいだけですから。 お太鼓サポートも、普段は使わないかもしれないけど、やわやわの帯とかに使っていこうと思っています。絶対これがいい!というのではなくて、いろいろ探って行くと、それぞれ自分が使いやすい、好みにあったものがあると思うんですよね。 自分の着付を楽にキレイにしてくれそう? と思うものがあったら、あまり先入観を持たずにとにかくやってみるのもいいものですよ。ぜひお試しを。 銀座いち利の女将ちゃんねる もぜひ! 【女将愛用】簡単!綺麗に!着付けが出来る便利グッズのご紹介

肌襦袢の小衿が衣紋から見えるときはどうしたらいいの?の巻

星わにこ
2021/05/19 00:00
なかなか人形の世界から戻って来れないわにこですが、着物の話題に戻ります。趣味の世界におつきあいいただき、ありがとうございました! ひな人形や着物のお人形など見かけたら、どんな風になっているのかな、と見てみるのも面白いと思います。 わたしの作った「さくら人形」は着付の知識も学べるような内容になっていたのですが、3体とも、いわゆる肌襦袢の小衿が衣紋から見える着付でした。赤い小衿がちらりと見える着付は、日舞などでもします。花嫁の肌襦袢もそうしたタイプもあります。 もともとは肌襦袢に小衿という細い衿がついているものは、長襦袢の衿のストッパーとしてつけられたもので、そもそも見えるものだったのです。うそつき衿で、この小衿に芯を入れてストッパーにして固定するタイプのものがありますが、その着付のやり方ですね。見えるようにする着付もある、と思っておくと他人の着付も気にならなくなります。小衿に限らず、着付はいろんなやり方があるので、知っておくといろいろあるんだな~って、心が豊かになりますよね。 間違っているわけではないのですが、今はほとんど小衿を見せない着付がスタンダードになってきているので、小衿がある肌襦袢を使って着る場合に「衿から肌襦袢が見えてしまうのはどうしたら」とよく質問されます。 衣紋の抜き具合も昔より抜きが大きくなっていますし、小衿がついてないタイプの肌襦袢でも昔のものだとあまり衣紋も抜けないので、見えてしまいがちですよね。 まず試したいのは、首から衿を離して着付けること。こうすると、後ろの衿もこんにちはしにくくなります。 後ろにぐっとひいて衣紋を抜こうと思っても、構造上抜くことは難しいものもあります。さてどうしたらよいかというと‥‥ 1)脇の馬乗り(スリップ)をほどいて深くする 2)脇の身八ツ口をほどいて深くする のどちらか(もしくは両方)を試して見てください。ほどいたときには、縫いどまりを玉止めしたり、ほつれない工夫をしておいてくださいね。 そうすると、衣紋を抜いても衿があいます。 以前、長襦袢の衿があわないときの対処法としてこの脇をほどくという技をご紹介しました。 衿があわなくても一番下だからいいや、と思われるかもしれませんが、実は肌襦袢をきちっと衿あわせすることも美しい着付のコツなのです。 肌襦袢も両胸を包むように深くあわせることで、脇のだぶつきもおさえられ、胸もまんなかに寄せられて痩せ見え効果もあります。布の面でしっかり体を包むように着ると、体もささえられますし、体の凹凸や布のシワもなくなって補整にもなり、着物が着付しやすくなります。 ゆるっと着るのが好きな方はゆるりと着付けていただいていいと思うのですが、もしピタッとサイズのあう肌着を着ることで着付が楽になるということを未体験の方がいらしたら試していただきたいです! 木綿の肌襦袢を工夫して着るのもよし、思い切って新しい肌着を求めてみるのもよし。今は、吸汗速乾機能のあるものや涼しいもの、あたたかいものなどいろんな素材のものもあります。たかが肌着と思わずに、肌襦袢こそ、ピタリと着る工夫をしてみてくださいね。

懐かしの「さくら人形」を作ってみる完結編。「八重垣姫」の巻

星わにこ
2021/05/12 00:00
緊急事態宣言が延長となった東京。相変わらず人形を作っていたわにこです。先の2体がもう着物のパーツが縫い上がっていたので、楽勝気分で3体目の「八重垣姫」の説明書を読んだら、布を断って着物を縫うところから‥‥‥。がーん!! いきなりの難易度爆上がりです。しかも、姫、ということでお振袖。果たして、出来上がるのでしょうか? よくよくこの説明書や添付案内などを読み返すと、いろんな人形ができてわーい楽しい!というガンプラ的なものではなく、作り進むに従って着物を縫ったり、髪を結ったり(!)、人形がイチから作れる人形作家に育成するというシステム。だんだん難易度があがるというわけです。 前回の下駄でもそうですが、1つ難易度の高いことをクリアすると、後の「やったことがある作業」が楽勝に思えるマジックというのがよく効いていて、最初は「縫うの?」なんて、あんなに嫌だった帯締めを作る作業などへのカッパに思えてきます。こうして人は成長していくのね。 くけ台を出してちくちく縫うも、運針が‥‥。でも見えないところについては「裏は大きい針目でもよい」などというなぐさめ(?)もあり、頑張りました。 裾ふきの構造がよくわからなかったりしつつも、なんとか形にしていくと、すごく嬉しくなってきました。お人形のものとはいえ、振袖好きとしてはめっちゃめっちゃ盛り上がります!!  襦袢にあたる部分は、衿とけだし部分だけ。徹底した見えるとこだけでヨカヨカというのが潔い。実は、人形好きなのでバービーやブライスなどいろいろ着せ替えて遊んだことがあるんですが、やっぱりこういう「見えるところだけ」とかある程度割り切っていかないとどんどん着膨れして、すっきり見えないんですよね。目指す方向性で割り切る感も、実際の着付に通じるような気がします。 帯は芯を紙で作ってとのことでしたが、ちょうど帯芯があったので使ってみました。もしかしたら経験がある方もいらっしゃるかもしれませんが、「半衿は三河芯と一緒に縫いつける」というのにチャレンジして、手が血だらけになり、普通の衿芯でいいや、ってなった、その三河芯の残りです‥‥‥。 今までのお人形は、帯も紙の芯を入れて作ってあったのでパキパキ言わせながら形を作りましたが、三河芯を使えばなんとなくいいかんじのような気もいたします(完全な自己満足)。趣味とは、こだわり始めると終わりが見えないもの‥‥。やっぱりこれも着物に通じるような気がしますね(笑)。 台につけたりするのも今回は自分で穴をあけてとりつけたり、絶妙にステップアップしている教材でした。手は前回の春雨のときに失敗してしまったものを使いましたが、見えないからヨシ!(えええ) テキストにはなかったけど、赤い布が余ったので帯揚げを追加しましたが、微妙かな~。このあたりもアレンジを加えて行くと面白いのかもしれません。沼ですね……。 そして、ドライヤーで兜の房や毛をのばし、髪のびんの部分をお姫様カットにして、完成です!! この「八重垣姫」とは、歌舞伎「本朝廿四孝 奥庭狐火の場」から題材をとったもの。長尾家の八重垣姫は、武田信玄の嫡男・勝頼の許嫁。恋しい勝頼が危機にあると知り、追いかけて知らせたいと思うが勝頼はすでに湖の向こうに。「翼が欲しい、羽根が欲しい。飛んで行きたい知らせたい」という名台詞とともに、霊力がある武田の兜を手に捧げ持って念ずると、泉水に狐の姿が映ってその願いが聞き届けられ、霊力を借りて諏訪湖の氷上をシャーーーーッと渡って追いかけて危機を知らせに行くという場面のお人形です。すごくはしょっての説明ですみません。シャーッて。 そして、願いが叶った瞬間を表現したということで「泉水を覗き来んでいる」ということなのですが、目線が下にいかなかった‥‥。ですが、情熱的なお姫様であるとともに典雅でありりりしくもあり‥‥というところはそういう目で見ればそう見えるかも。うんうん(自分を納得させている)。 こういうドラマチックな場面を人形で表現することの難しさと楽しさよ! 20年ほど前に「真珠夫人」という昼ドラが流行ったときに、その名場面を人形で再現する『パール人形劇場』というサイトをやっていたことがあり、その楽しさが蘇って参りました‥‥。(その時も着物が多くて楽しかったです!) こんなのでした。ちなみにタワシコロッケは粘土で手作り。男性の人形は黒髪にするために全部植毛しました<阿呆すぎる。この時はのめりこみすぎて、常に1/6の小物を探していましたね‥‥(遠い目)。 このコラムを読んでくれた友達から『りかさん』(梨木香歩著)という本を教えてもらいました。それは、持ち主とお話ができる人形で‥‥。というお話で、染色や、人形の衣装、着物の話も織り交ぜられて、とても興味深かったです。 様々な人形の物語が出てきますが、事情があって冠をかぶせてもらえず露頂(ろちょう)となり所在なさげにしていた男雛が、冠を頂いた瞬間からモテモテになるというエピソードも。平安貴族の男性が冠を被っていないのはパンツをはいていないのと同じくらい恥ずかしかったそうですから、冠を被ることができてほっとしたことでしょう。よかったね!男雛! 深い深い人形の世界。これで打ち止めにして、また来週からは人間の着物のお話に戻ります。3週に渡っておつきあいいただき、ありがとうございました!

昭和な「さくら人形」を作ってみるその2。「春雨」の巻

星わにこ
2021/05/05 00:00
さて、GWもすっかりおこもり体制で人形を作っているわにこです。東京高等人形学院の通信教育を受けているつもりの第二弾。ファーストステップの「おとずれ」に続いて今度は「春雨」と名前のついてるお人形さんです。 さっきまでシトシトと降っていた春の雨も、いつしか小振りになり、どこからか三味の音が聞こえてくるような粋な花街の昼下がり……。お稽古ごとの帰り道でしょうか? うら若い一人の芸者が心持ち蛇の目傘を傾けて歩いてまいります。そんな情景を思い浮かべて製作してください(!)と書いてございます。 そう、今回は芸者さん。黒のお引きを桃色の腰紐でからげて、雨下駄で歩いている様子。 今回は、顔にも染みが出ておらず(おそらく、最初のお人形は取り出して眺めて仕舞ったりしたけど、次はもビニールの封をあけもしなかったのではと推測)キレイな状態。髪も結ってあり着物も縫ってあるので、あとはあなたが組み立てるだけ。とあったので、まあ腰紐縫うくらいなら楽勝じゃね、と軽い気持ちで教本を開いたら、いきなり下駄に鼻緒を縫ってすげろと書いてある‥‥。 さてこのお人形、だいたい出来上がりが45センチ前後。いわゆる1/6ドール(実際の1/6で作られる)と呼ばれるバービーやジェニーちゃんは25~27センチですから、その大きさたるや。かなりな迫力です。小物もそれに付随して大きめ‥‥とはいえ、下駄の鼻緒‥‥細かい作業が老眼につらい(;;)。しかもすげろと書いてあり、ちっさい穴に鼻緒を通すのが難しいのなんのって。きいい!!きいいい!! もう「ちょっと慣れたし、ちゃちゃっと組み立てるだけ」とか思っていた私の心はいきなり打ちのめされました。 人形作家への道は険しい‥‥。 細雪の四女気分になり、「人形への情熱は誰にも負けしまへん」とか適当につぶやきながら、なんとかこの難関を乗り切りました。 さてそこから先はボディの組み立て。一度やっているから楽勝か!?と思いきや、今度はプラスチック製の手を、傘が持てるように指を曲げてお湯で茹でて成形しろと書いてある。んがー。 でもまあ、これは人形の髪にパーマをかけるのにお湯で煮たりしたことがあったので、そういうこともあるか、という気持ちでとりかかる。が、手を握った状態にして固定するのに木綿の布でくるんで縫えと書いてある。んんん‥‥ラップでくるんで輪ゴムで止めればいいじゃん! と思った私は早速実行に移してみると‥‥ がびょーん! ゴムが強すぎたのか、手首にゴムの後がついてしまった!! お人形の完成図を見ると、けっこう手首もあらわになっているので、こりゃいかん!!と真っ青に。3体目にとりかかる予定の人形も同じく握った手にするのであるが、ほとんど隠れて見えない仕上がりのようなので、ごめんねして手をとりかえてもらい、真面目に木綿でくるんでお湯成形をしなおしました。マニュアル通りにしなくてごめんなさい‥‥。 今回はちょっとポーズもひねり気味で、傘を持つので手の曲げ具合もなかなか難しいところ。でもなんとかポーズをつけ、綿で補整をし、いよいよ着せつけに入ります。 今回は芸者さんということで、「なまめかしい色気と芸の道を追求する厳しい女の情熱をじょうずにミックスさせて」(原文ママ)という課題。お、おう。 髪型はつぶし島田。お嬢様とは違い、ちょっとゆったりめに首から離して衿をあわせ、赤い下衿がちらりと片方だけ見えるようにします。色気です。色気。でもちょっと上手く衣紋が抜ききれなかったかなあと反省。本当にこのあたりは、実際の着付でもそうなのですがミリ単位で印象が変わるもの。ましてや人形、本当にちょーっとのことで変わってしまいます。うーむ奥が深い。 帯はだらり。虫ピンでざくざく止めていくだけでした。帯締めはないので縫わなくてもいいのですが、今回は裾をからげるための腰紐を縫いました。もうね、鼻緒に比べたらどうってことないですね。あのいきなりの試練は、上達するために必要なことだったんだなと思えてきました。 そして、お引きの裾を持ち上げて、腰紐で結んで止めます。傘はよくできていて、好きなところまで開いて、手に持たせます。できた!!!! 苦戦した下駄ですが、黒塗りの台に映ってとてもキレイです。裾の中が映って見えないかちょっとどきどきしてしまいました。ううーむ、どうでしょうか、「粋できりっとしていてなまめかしく」できたでしょうか。 実は実家に似たような人形があり、子どもの頃どきどきして眺めたものでした。それがお人形のお色気というものだったのでしょうか。母はそれを結婚祝いにもらったと言ってましたが(何故)、昭和な時代は博多人形やこういう日本人形がどのお宅にも飾ってありましたよね。今のようにネットですぐにいろいろな情報が手に入れられる時代ではなく、ひな人形や五月人形と同じようにこういう美しいお人形を飾ることに、昭和な人々の夢や憧れや祈りが込められていたのかなあとも思います。 さてお人形が完成したら、写真を撮って送ると「担当講師がていねいな批評を差し上げます」と書いてありました。教本の文章もなかなか大げさだったり詩も載っていたり、夢と妄想が暴走しがちな人形愛好者(ワシのことか)の傾向がよく出ています。半世紀の時を超えて、やはり人形を愛して止まなかったであろう講師の先生の批評を伺ってみたいところです‥‥。 さて、いよいよ次週、この初心者コース(若衆)の最後のお人形「八重垣姫」にとりかかります。詰むや、詰まざるや!(そういうお話ではない

50年前の「さくら人形」を作ってみる。「おとずれ」の巻

星わにこ
2021/04/28 00:00
三度目の緊急事態宣言まっただなかの東京。もはや緊急慣れしてしまっているのか、人の動きは変わらないような気もしないでもない中。大腸ポリープの内視鏡手術をうけたのもあり、しっかりステイホーム予定のわにこです。 ゆっくり家にいる時間があるときにしか出来ないこと‥‥と以前、キモトモからご実家から出て来たという日本人形の制作キットを託されていたものを出してきました。「さくら人形」というものだそうです。 ご両親が新婚時代、見知らぬ土地に転勤となり、お母様がなにかやってみようと思って揃えられたのではないかと言っていましたが、東京高等人形学院というところの通信教育で人形を制作することで、資格も得られて人形作家になれるというもの。初心者の「若衆」コースは3体セットで、それが完成すると高等科・師範科へとすすむことができ、やがて雅号をもらって人形作家として活躍できる!!と書いてありました。 昭和41年当時、1体約2,000円と当時男子の初任給が17,550円(昭和国政総覧 下)とのことですから、結構よいお値段。でも結局すぐに子どもを授かりそれどころではなくなってしまったのでしょう。以来50年以上そのままになっていたというわけです。 「さくら人形」とは日本古来の人形技法にフランス人形の技法を取り入れたものだそう。顔はジョーゼットを貼った上に描かれていて、うちの実家にもあった、こういうの。きっと昭和な時代を知っている方は「どこかでみたことあるー」となる和服のポーズ人形です。よくガラスケースとかに入れられてました。うちにあったのは芸者さんのお人形でした。そして結構大きい。 まずは入門編「おとずれ」という名の人形からトライすることに。このお人形は江戸時代の武家娘であり、高島田を結ってひそかに待ち続けた恋しい人からの文にふと物思いにふける乙女心を、あなたのフレッシュなセンスやアイディアを活かしてじゅうぶんに表現して、と書いてあります。お、おう。 もう頭や体(木屑をつめてあって針金でポーズがつけられる)は出来上がったものがあり、それを組み合わせて着物をきせるというものです。文箱やかんざしなども入っていて、人形者属性がある私としてはかなりかなりかなり盛り上がります! さてここで問題が。なにしろ古いものなので、お人形と足袋と白いジョーゼットに茶色い置き染みが。はい、怖くありません。ジェニーやバービー人形のカスタマイズは顔のペイントはもとよりパーマどころか植毛までしていたことのある私です。躊躇なく漂白です! 薄めた台所用の漂白剤で、キレイになりました!(水洗いは十分に行います。個人責任でw) 最初のこのキットでは縫って作るものは帯締めだけ(帯止め、と書いてありました)。布に脱脂綿をくるんでくけて作ります。久々にくけ台を取り出しました。帯は作り帯形式でパーツにわかれているので、形を作って糸で止めます。 ここで漂白した足袋や顔が乾いたのでボディにとりかかりました。ボディに足袋をはかせて綿を入れて足を作り、腕や顔を取り付けます。頭をとりつける穴ははさみであけろと書いてあり、かなり迫力のある絵柄でした。 台にとりつけてポーズをつけて、着物を着せる前に綿で補整をしていきます。これはもう、補整や着付の知識がなくてはちょっと難しいのでは?という内容。でも、髪型や衣装などについても勉強になり、とても楽しい作業でした。 着物は、上下にわかれていて、それを虫ピンでボディに止め付けて行くスタイル。けだし(裾除け)も本当に見える部分の布しかなく、上手くできてます。裾引きは、ちょっとコツがわからないと図だけでは難しいかも。 補整も着付も、もはや人形作りというよりは花嫁着付を思い出して没頭してしまいました。お人形作りを通じて、和裁や着物への知識も深まりそうです。 そして、で、できた~~~!! 武家のお嬢様人形「おとづれ」(通称おとちゃん)の完成です!! そして、で、でかい~~~!! すごい迫力です。猫も興味津々。 ここまで、わりとさくさくっとできまして。調子にのった私は、次の「春雨」というお人形に着手するのでした。来週につづく(つづくんかい!)

2021のトレンドカラーを着物コーデに取り入れようの巻

星わにこ
2021/04/21 00:00
まだ4月なのに、真夏日!? 早速普段着用に単衣の着物をひっぱり出してきたわにこです。真夏日といえども、朝晩は涼しいし、日陰に入ればまた体感温度も下がるので、まだまだ洋服は手放しで半袖!とはなれませんよね。そんなとき、着物は羽織かショール1枚持っていればまあまあ困ることはありません。 とはいえ、また不要不急の外出が制限されそうなので、なかなか着物でおでかけもハードルが高くなってきましたが、季節のおしゃれを考えるだけでも楽しいものです。 JAFCA(日本流行色協会)によると、今年の流行色は「Zero White」。白いスカートや白いトップスを取り入れている方も多いのではないでしょうか。そういえば、今年の卒業式の袴では白を結構おみかけしました。 ゼロホワイトは、まあいわゆる「白」なのですが、ゼロというネーミングの意味は「はじまり」であり、清廉潔白、知性などを象徴するものだそう。コロナ禍の中、新しい生活様式での生活が始まり、真実を見抜く知性や政治の清廉潔白さが求められる世の中に。そんな年を象徴する色となります。 また、白は清潔な色。消毒や除菌など、今、より強く求められるものかもしれません。 JAFCAではこれに組み合わせて使う色として「フレッシュブルー」「インサイトグレー」を、アクセントにする色として「デイライトピンク」「バイタルイエロー」を挙げています。白だけでは‥‥というときコーディネートに取り入れるとぐっと今っぽくなります。 また、色見本帳で有名なPANTONEでは「アルティメットグレイ」と「イルミネーティング」。薄いグレーと黄色を2021年流行色として発表しています。 このあたりの色を組み合わせると、洋服だけでなく着物にも今年っぽい雰囲気が取り入れられそうです。 どちらにしても、どーんと濃い色、派手な色というよりは優しく気持ちに寄り添うようなトーンのほうが、今のトレンドということでしょうか。 やさしげな色使いの着物や帯にちょっと元気になるアクセントカラーを帯締めや帯揚げ、帯留めなどで取り入れてみてはいかがでしょうか。 私も手持ちの着物と帯で組み合わせてみました。優しい感じを目指しつつ、帯揚げはスカーフでちょっと洋服テイストを意識。ここにデイライトピンクの小物があったりするとピリっと決まりそうですね。 ミヤコレのモレッティガラス帯留(グラデーション):ピンクルビーなんかどうでしょう~。元気がでそう!! 意外と色イメージにピッタリなものを探そうとするとないものですね。あと、手持ちのものは好きな色に偏っていることが多いので、そういうものも見直すチャンスになるかもしれません。 お天気がいい日が続きます。虫干しかねてこんなコーディネート遊びはいかがでしょうか。そして早く普通におでかけできる日がきますように‥‥。

30年前に作ってもらった3枚の色無地の話。の巻

星わにこ
2021/04/14 00:00
4月から新生活が始まった方も多いのではないでしょうか。我が家は子どもが高校に入学して、日々いろんな経験をしているようです。中学まではなんだかんだと今日はなに、帰りは何時と気にしていましたが、高校生ともなると一気に手が離れる感じがします。義務教育は終わったんだなあと、実感します。 その卒入式ですが、今年は感染症防止対策で短めの開催ながら保護者も出席して見守ることができました。小学校ではぼっち、中学校では2人だった保護者の着物姿。高校ではどうか!と思いましたら2人でした。さ、寂しい‥‥。でも卒業式も着るもんね(スーツを持っていないとも言う)。 卒園式と小学校の卒業式は雨だったので洗える着物にしましたが、小・中学校入学式と卒業式は同じ白緑の色無地と黒羽織を帯を変えて着ました。でも、あまりにワンパターンでちょっと自分が飽きて来て、高校の入学式には、お宮参りと七五三の参拝のときに着た紅掛空色の一越ちりめんの色無地をひっぱりだしてきました。 30年前。社会人になりお茶を習い始めたと母に言ったところ、だったら、と嫁入り着物の前払い(?)のように色無地を3枚仕立ててくれました。その時はもう離れて暮らしていたので、電話でどんな色がいいかと言われて、臙脂色と銀鼠とあとはおまかせ、と頼んだら、臙脂は濃い色は玄人っぽいのでやめたらと京染め屋さんに言われたそうで、却下。自分としてはスクールカラーなので、と思ったのですが、残念。玄人っぽいってなんじゃと思いましたが、昭和な感覚では仕事着っぽいというところでしょうか? 当時、憧れていたイラストレーターの大橋歩さんの「どきどき着物」という本に、成人式で着た振袖の色を抜いて、銀鼠の色無地に仕立て直して、洋服感覚でいろんなシーンに着ていける万能選手に生まれ変わったという素敵な話が載っていて、銀鼠だけはお願いします、と食い下がったのですが‥‥。 仕立て上がってきた着物と対面したら、白緑(薄い竹色)、梔子(くちなし:黄色)、紅掛空色(薄い水紫色)で、え、え、私の銀鼠ドコ!?となりましたが、どうも私には紅掛空色に見えるものが銀鼠、と言われたらしいです。まあ、素敵な色だし、喪にも使えそうな万能選手ですが、でも銀鼠じゃないー! となった想い出のある着物です。 しかも、日向紋という白抜きの一番格の高い一つ紋が入っているので、どうにもこうにもカジュアルダウンには無理そうなものです。 白緑の色無地は、ケシ縫いの一つ紋で少し大きめの蔦の地紋入りでちょっと華やかな印象があります。 でも紅掛空色のほうは、地紋もなく日向紋が入っており、ザ・礼装という感じ。若い頃はそのプレーンな感じと色が気に入って着ていましたが、一度地紋のある白緑の華やかさを経験してしまうと、そちらばかりを着るようになってしまいました。 でも今回、さすがにちょっとワンパターンすぎるな、と久々に紅掛空色をとりだしました。自分の記憶の中ではつるんとしていてなんとなく物足りないと感じていたのですが、 袖を通してみると、とっしりとした重みもあり、纏うと気持ちも引き締まって「おお~これが礼装パワーか!」と感じ入りました。絹のパワーってすごい。 入学式の頃には、桜ではなくすでに新緑がまぶしく、これからの子どもたちの新しい学校生活が楽しく輝くものになりますようにと祈りました。 色無地にはつづれの帯と、母から受け継いだいつもの一つ紋の黒羽織をあわせました。 黒羽織のお話はこちら:母の黒羽織をリメイクしてみましたの巻 いち利の女将さんとの対談でもお話しています:ほしわにこさん&女将の着物談義 母の黒羽織と義母の羽織紐は、子どもの卒業入学のお祝いのときには一緒に見届けてほしい気持ちで、着ていくようにしています。 あとはお祝いの気持ちで、昨年国立博物館の「きものKIMONO」展の帰りに清水の舞台からダイブしてしまった道明の奈良組を初おろししました。新しいものがなにかあると、特別感がありますよね! あ、買い物の言い訳じゃないですよ、はい(怪しいw)。きっと、この帯締めを使うたびに「子どもの入学式で使った」という晴れやかな想い出が、蘇ることでしょう。 カジュアルダウンもできるという色無地ですが、やっぱりこういうちょっと控えた式服、略礼装に一番しっくりくるものなんだなと改めて思いました。自分のために好きなものを着る、ということと、人のために装う、ということは違うし、それぞれ意味があることなのですね。 それにしても多少体型や年齢や流行が変わっても、着続けられるのが着物のすごいところ。30年前のスーツではこうはいきません。(あとは着られないほど太らないようにしないと‥‥モゴモゴ) ちなみに、もう一枚の色無地、梔子(日向紋)はちょっと色が濃い目で、地紋が四君子や立涌など吉祥文様の雲取で一番ゴージャスな感じです。一度黒い袋帯をしたら、お寿司の卵焼きのような色合わせになってしまい(笑)以来なんとなく手がのびていません。でもこれもまた、5年、10年と時間が過ぎていつか気に入って着こなせる日がくるかもしれません。虫干しで、取り出しては仕舞い。また思いついては取り出して、仕舞い。母を想い、来し方行く末を想い。それが、着物なのかなあとこのごろ思います。 そして、これはいつ着た、あのときも、このときも、とアルバムのように想い出を刻むもの。30年前に母が作ってくれた色無地たちと、残りの人生も過ごしていくのでしょう。感謝とともに‥‥。

帯板の種類と使い分け。なければ作れる!の巻

星わにこ
2021/04/07 00:00
皆様はどんな帯板をお使いですか? 帯板といっても、本当にいろんな種類があります。最初は母にもらった、赤い布が紙に貼ってあるタイプ(周囲をミシンで縫ってある)ものをず~~~っと使っていましたが、紙のタイプってヘビーユースをすると折れたりぺこぺこになったりしてしまうんですよね。あとなんか、汗でシミができてしまったり‥‥。 着付け教室に行ったり、着付けをしたりするようになっていろんな帯板を見て、その種類に改めてびっくり。いろんなものを試してきました。よく見る帯板の種類は大きく分けて3種類。ベルト付きとそうでないものと、前結び用の胴をぐるっと巻くタイプです。さらに、それぞれメーカーによって長さや幅、素材などで分かれて行きます。 振袖や花嫁着付けをするときには、後ろ板といって、後ろ姿を美しくするための帯板を使いますが、ここでは帯の前側を美しくするために使ういわゆる前板についてお話します。 帯板は、帯締めをしても帯がぐしゃっとならず、シワを防いで美しく見せてくれるもの。長くて脇までカバーできて幅も締める帯幅より少し狭いくらいが、一番シワも作らずキレイに仕上がります。 ただ、あまり長かったりすると腰骨にあたったりもしますし、圧迫感もあります。幅がひろいとはみ出すことも。かといって短すぎたり幅が狭かったりすると今度はシワが気になる。 あと、帯板の張りも好みがあると思います。張りが弱いとふにゃっとなりますし、強いと今度はかなりきちっと帯と帯締めを締めないと、ぼわん、と横に広がって見えてしまうことも。 好みもありますし、意外とその人の体型にも左右されるんです。なんとなーくほとんどの方が最初に手にしたものを使っているのではないかなと思われる帯板ですが、自分にぴったりの帯板を見つけるのって実は結構難しいことかもしれません。 ベルトがついていないものは、帯を結んだとき、帯の1周目と2周目の間に挟みます。これは帯板の上に帯は1周しかしないので、より帯の表面がキレイになります。シンプルな形で、たくさんの大きさの種類があります。素材も、紙芯に布が貼ってあるだけのもの、片面パイル地で滑りにくくなっているもの、メッシュになっているものなどなど。夏用では麻やへちまの帯板などもあります。変わり種としては、透明な帯板も! これは夏の羅など透ける帯をしたときに挟み込んでも、色がひびかないというものです。上級者アイテムですね! ベルトがついているものは、着物を着て、伊達締めをした上に胴に巻き、その上に帯を巻くものです。なので、帯板の上に帯が2周することになるので、帯の表面は挟み込むタイプより少しソフトに。挟み込む動作がいらないので、自分で着るときなど便利です。素材は同じくいろいろ。ベルトがついている分少しお値段がアップします。 前結び用のものは、前でお太鼓を作ってぐるんとまわせるように、ウエストを1周して作ってあります。ツルツルですべるプラスチックのものや、サテンのような布でできたものなど。 あれこれ試すと結構使い心地が違うんです。今、私がなにを使っているかというと、たかはしきもの工房の「べっぴん帯板」です。これは、長さはあるけど腰骨の部分で斜めにカットされているので、帯締めが通る部分はくしゃっとならずに腰骨の邪魔にもならないという優れもの。あと気に入っているポイントはソフトなところ。そして帯の上側にクッションが入っていて前下がりの帯姿に自然になるというのと、帯を当社比でかなりキュっと締めても苦しくないんです。 やはり着姿的には、着物も帯もなるべくピタっとキュっと身につけた方がキレイになります。帯を巻いたときに、体と帯の間のクッションになってくれるようです。締め付けが怖くてちょっと帯がゆるめで、ぐずっとなりがちだったりしたのですが、それが解消されました。 相性があう帯板を見つけるって、結構大事なことです。 でも、帯板って実は長いのだと持ち運びにめっちゃかさばりますよね! 旅行とか旅先で着替えるとかだったら、短いものでもいいのではと思います。あと、忘れた!とかいうことも起きるかもしれません。私は忘れたことあります(笑) 出張先だったので、デパートの紙袋を底の形を活かしてくるくる折り畳んで挟み込んで使いました(実話)。キモトモも同じことをしたことがあるそうです(笑)。 キモトモの中には、普段楽に着るときには帯締めの結び目のところがあたるあたりだけにハガキサイズくらいの厚紙(お菓子の箱のフタなどを利用)を切ってはさんで使っているわ、という先達も。帯板の面積が大きいと、やはり暑いし、重いですから。 手作り派も結構いて、厚紙だけじゃなくダンボールやPPクラフトシート、クリアファイルなどで作ったりも。着付師さんがお客様が忘れていらっしゃったときに代用したりすることもあります。衿芯はコピー用紙で、とか腰紐をストッキングで乗り切ったとかいろんな逸話(?)も。案外、なんでもいけちゃったりもしますよね! 締める帯やシーンによっても、ふさわしい帯板って変わってくるんだと思います。昔の人はあまり使っていませんよね。写真などを見ても結構帯がシワシワです。まあそういうことをいうときりがないですが、好みや目指す方向で帯板も変わると思うんです。 たかが帯板。されど帯板。お手持ちの帯板、見直してみませんか?

スマホで試着!入学式の母コーデの巻

星わにこ
2021/03/31 00:00
東京はあっという間に桜が満開になってあっと言う間に散り始めてしまいました。まだ3月なのに今年は本当に早いですね。これから桜前線が北上していくと思いますが、いつもより少しだけ早い春。まだ集まってお花見はできないけれど、上を見上げて花を楽しむ心を忘れないでいたいなあと思います。 さてさて春はまた、お別れと出会いの季節ですよね。4月から新生活を始める方もたくさんいらっしゃると思います。我が家も子どもが高校生に。入学式には保護者が1名だけ参加できるとのこと。手持ちの着物で出席しようと思っておりますが、もしももしも新しく誂えるとしたらどんなかな?とふと思い。 おりしも、いつも妄想の翼を羽ばたかせているいち利モールの試着室のスマホ版ができたとのことで早速試してみました。 可愛いイラストの女性に、帯や着物を選んで着せていきます。指でぽちぽち選んで行くアクションでPC版より直感的に操作できます。後ろ姿もすぐ確認できて、帯姿もどんなかんじか見つつ、コーデを決められます。 よいな!と思ったのは帯締めや帯揚げ部分、着物の模様などさっとスワイプで拡大して確認できるところ。今までは帯締めなど正直細かい部分どうなってるの? という時がありましたがこれならばっちり!! 帯締めは丸組で、白に少し赤が入ったもので、おめでたい気持ちを表してみました。 着物はおめでたい花菱地紋のピンク。帯は西陣の葡萄唐草の袋帯。帯揚げは銀糸入りの若葉×薄緑の縦ぼかしでちょっと桜に新緑もまぜて。ああ~~楽しい!!やっぱり妄想コーデはめちゃ楽しい。 控えめだけどちょっと華やかな春の色無地入学式出席妄想コーデの出来上がりです! >コーデ詳細はコチラ 式典色無地の注意としては、実は濃い色を選ぶと旅館の仲居さんのようになってしまうこともあり、薄めのお色が無難かも。あとは、なにしろ1色で面積が広いですから、顔映りのよい自分に似合った色を選ぶことが大切です。好きな色も大事ですが、肌の色などにあうものをあらかじめ知っておけるといいですね。 地域性もあるかとは思いますが、卒入式へ着物で出席する場合は、訪問着や色無地などに袋帯の礼装~略礼装での出席が一般的。スーツ相当の服装になりますので、訪問着や付下でもあまり派手ではない、控えめなものが好ましいとされています。主役はあくまで子どもということで、母は付き添い。式典などに出席する場合は、自分の好きなものを着るというよりは、場にふさわしいものを選びましょう。 私自身はもともと色無地好きということもあって、略礼装と言われる一つ紋の色無地で、黒羽織を羽織るスタイルでずっと出席してきましたが、小中学校ともに着物で出席されるお母さんが1、2人という状態だったので、地域性とは。という状態でしたが‥‥。 着物は華美だと言われることもありますが、体型が多少変わっても流行や自分の年齢が変わっても、何十年も着られるスーツやワンピースというのはないのではないでしょうか? 自分で着られれば着付け代もかかりませんし、かかるのはお手入れ代くらい。なにより着物を着ることで気持ちが引き締まってよいものです。 もし、入学式着物を着ようかどうか迷っている方がいらしたら、ぜひ!袖を通してください。春の日の、よき想い出になると思います。 子どもに「そういえばあのとき母は着物を着ていたな」なんて思い出してもらえたらいいなあなんて、ふと思う春でした。

花粉症と黄砂対策にはインナーマスクと木綿の着物!?の巻

星わにこ
2021/03/17 00:00
東京は14日午後に桜の開花宣言が出ましたね。昨年に引き続き観測史上最も早いそうで、我が家の近くの桜もぽちぽちと咲き始めています。今年も皆でわいわいお花見、というのは叶いそうにありませんが、やはり桜を見ると晴れやかな気持ちになります。 花は花でも、花粉症にお悩みの皆様にとっては今は辛い季節ではないでしょうか。今年は黄砂もすごいようで、花粉症でない私でも目がしょぼしょぼ‥‥。そして去年からず~っと不織布マスクをつけているので、密着させる頬のあたりがもうちくちくして限界感ありありです。着物でお散歩したいな~なんて思っても、ちょっとためらわれてしまうのでは。 花粉症対策としては、環境庁の「花粉症環境保健マニュアル2019」によるとマスクの中にインナーマスクをするとよいとのこと。インナーマスクとは、ガーゼを10センチ角に切ったものを用意し、1枚はそのままマスクの内側にあて、もう1枚は化粧用コットンをくるんで、鼻の下にあてるもの。これをマスクと併用することで花粉の吸い込みを99%以上除去できるそう。 この、化粧用コットンをガーゼでくるんだものがちょっと鼻水とかがたれたときに(汚くてスミマセン)いい仕事をしてくれます‥‥。もうガーゼでくるむのが面倒で無印良品の生成カットコットンをそのまままるめて鼻の下にあてているのですが、今までマスクの中に水滴がついたりして不快だったのも解決されていいかんじです。 マスクの内側にあてるガーゼですが、手作りが得意な方はコットンなどでプリーツのついたものを手作りしてもいいですよね。抗ウイルスの市販品などにすれば、えい花粉はウイルスより大きいので効果はより高くなりそうです。 次に衣類は、帯電しやすい素材が花粉を吸着しやすくNG。綿が最も帯電しにくい素材で、「綿.麻<絹<化繊<ウール」の順で花粉付着率が高くなっていきます。もちろん同じ素材でも、織り方によっても付着率は変わります。 繊維の表面が滑らかなもののほうが花粉がつきにくく、付着しても落ちやすいので、着物でいうと、結城紬のようなほっこりとした真綿系は花粉がつきやすく、大島紬のようなツルツルとして生地の密度が高いものは付着しにくいということになります。ほっこりした木綿の着物より、なんとなくツルツルの大島のほうが花粉がつきにくいような気がしますが、どうでしょうか。 また着物は、長着と長襦袢の素材の相性で静電気が起きる(絹+ポリエステルなど)ので、そのあたりも気をつけるとよりGOOD。肌を露出したところに花粉がつきやすいので、体を覆ってくれる着物はなかなかよいチョイスでしょう。 化繊でも、東レの「アンチポラン」や帝人の「ポランバリア」など、花粉がつきにくく、付着しても落としやすくする素材も出ていて、スプリングコートなどに遣われています。こういう素材で着物は難しいとしても、着物にさっと羽織れるものなどがあれば素敵かもかも! な~んてまたまた妄想しているわにこでした。 ブタクサ花粉症なので、いつも夏の終わりにア"~!!となることが多いのですが、なんだか今年は春から目がショボショボ‥‥いえこれは、違う違うそうじゃそうじゃないと自分に強く言い聞かせています‥‥。 というわけで(?)花粉症にお悩みの方がいらしたら、ガーゼと化粧用のコットンのインナーマスク。あとはメガネと帽子、そして着物を着るなら大島紬か木綿をおすすめします!!(麻もいいけど、まだちょっと早いですよね) 集まれなくてもマスクでも、せめて着物で花見のお一人様散歩ぐらいはしたいな~と思う春でした。

大学卒業式の女子袴はいつから定番になったのか?の巻

星わにこ
2021/03/10 00:00
先週、袴の流行について調べていて、「女子大生・卒業式・袴・いつから」で検索したところ、90年ごろから1987年の映画「はいからさんが通る」の流行で女子大生が卒業式に袴をはき始めたという記事があり、当時女子大生だった自分の実感とは合わないなあと思ったのがきっかけで、調べて見ました。二週連続袴の話題で失礼します。 まずはお知恵拝借!と、その頃以前に女子大生だった皆様に卒業式の服装についてSNSで聞いてみました。ちなみに91年卒のわたしは、1尺4寸(53センチ。ちょっとだけ長め)の袖のピンクの江戸小紋に紫の無地の袴でした。同級生は袴もいれば、振袖もスーツもいました。生協でレンタルもありました。 83年卒:友達はほとんど袴姿 85年卒:袴。写真をとっておけばよかった! 85年卒:自分も友達も袴。謝恩会はドレス。84年卒の姉も袴。75年卒のいとこが着たピンク付下とえんじの袴を借りた。 85年卒:色無地に袴(デパートレンタル)。ほかにも付下、振袖に袴の人もいた。 85年卒:うす橙色の色無地と母の黒い袴。袴と振袖は半々だった。 90年代卒:ほぼ振袖。袴は女性の先生が着るイメージだった 88年卒:東京女子大はほとんど袴(矢絣は禁止だった) 88年卒:キャップとガウン 86年卒:袴(レンタル)着用。袴は多かったが、振袖やドレスもいた。 91年卒:保育園の先生である伯母(今88歳)はずっと卒業式は袴だった。その袴を借りた。 91年卒:成人式の振袖にレンタルのグラデーションの袴。 80年代から袴は定番のようですね。ちなみに、銀座いち利の女将にも伺ってみたところ、74年卒業で振袖に袴だったそうです。周りも小紋や色無地に袴で、先生も袴だったと教えてくださいました。 「はいからさんが通る」の映画の影響で袴が復活して履かれ始めたということではなく、礼装として卒業式では定番の服装のひとつであったのではないでしょうか。原作漫画の連載開始が1975年、アニメ化が78年ですので、そちらのほうがブームへの影響はありそうです。私自身も子どもの頃から大好きだった漫画ですし、刷り込みになっていると感じます。 袴が定番でこれが流行、というように雑誌にとりあげられたりするのには、女子の進学率も関係があったのでは?との指摘も。70年代に大学が大衆化し、女子の進学率も上がり、80年代には女子大生ブームがやってきます。 ふーむと思っていると、『スキルアップ!情報検索 基本と実践』の著者の一人である中島玲子先生に「女子大生 袴 1980」で検索したら共立女子大の文献がありましたよと教えてもらいました。 田中淑江ほか.卒業式に見る袴の現代的着装の研究Ⅲ : 「伝統的な視点から.共立女子大学家政学部紀要」2015,Vol.63, p. 23 - 35.によると注の(1)に「筆者が新聞4 紙(朝日新聞・読売新聞・毎日新囲・繊研新聞)を用いて分析した結果、袴復活の黎明期を1980年代初期-1980年代後期、定着期を1980年代末期-1990年代中期、安定期を1990年代後期~現代と時代区分を行った。」とあります。 全文もpdfで読めますし、この研究にはⅠやⅡもあり、卒業式の袴の着付の考察(衿あわせやえもんの抜き具合など)や流行などについて研究されておりものすごく面白い。ぼんやりと袴について「そんなかんじ?」と思っていたことが明文化されていて老眼鏡をかけたときのような気持ちになりました(婆)。 また、togetterのまとめ記事もありました。引用されていた1980年代バブルのころの謝恩会のドレスが度肝を抜かれる華やかさです!! 1970年代から女子大生の数が増えたのに伴い、1980年代初期には袴を履く女子大生の絶対数が増え、今では卒業式といえば袴、というような状況になったと考えられます。レンタル業者が着付までまとめて校内で行ったりするようになった時期とも重なるのでは。あとは、校風や学部や専攻にも関係があるかもしれませんね。 中島先生に「知りたいことを検索するときは、いつから?とか抽象的な言葉ではなく、知りたいことがどういう風に書かれているか、使われている言葉を想像して検索するといいですよ」と教えていただきました。 わにこはひとつ賢くなりました・・・・。 そして、「袴に振袖をあわせるのは最近のことだ」となんとなく思い込んでいたのですが、いち利女将の証言によって覆されました! 確かにはいからさんしかり、大正時代の高畠華宵の絵にも振袖に袴の若い女性がたくさん描かれていますし、もともと袖が長い着物にあわせるほうがスタンダードで、むしろ70~80年代の普通の袖丈の着物に袴、という流行のほうが少しイレギュラーだったのかもしれません。この頃は、手持ちの着物に袴をあわせていた人が多数だったためと考えられます。 今は着物もレンタルが多く、ほとんど二尺袖(76センチ)か振袖(100センチ前後)になります。やはり袖が長いと華やかですよね。もちろんご自分の着物で用意されている方もいらっしゃると思いますが、普通丈の袖は先生が着るものという流れになってきています。着物といえば何か絶対のルールがあると思いがちですが、細かい常識や流行も時代によって変化しているものなんですよね。 今回は女子大生に絞って調べましたが、今は小学生も卒業式に袴を着用しますし、それも漫画「ちはやふる」の人気が関係あるという人もいるようです。それだけではないにしても、漫画の影響というのも昨年の七五三の子どもたちの「鬼滅の刃」の影響による和装人気を見ても確かにあると感じます。 今回はふとした疑問から、ネットを通じて調べただけですがいろんなことがわかりました。そして、ちょっとぐぐって一番最初に見たものを鵜呑みにしたりすることは避けて、裏をとる大事さも痛感、反省。今は、なにかあるとすぐ拡散されてそれが事実かどうかというのはなおざりにされているように感じます。いろんな情報をちゃんと読み込む検索のスキルも必要なんだなと、袴とは関係ないところでも考えさせられた一件でした。いろいろ教えてくださった皆様に、感謝です!

令和の袴はここが違う!卒業袴にも流行あり。の巻

星わにこ
2021/03/03 00:00
3月、卒業の季節ですね。ご卒業の皆様、おめでとうございます。昨年はちょうどコロナ禍への突入の時期と重なり、卒業式も入学式も中止や縮小が相次ぎましたね。今年は対策を取りながら開催のところが多く、大学などは例年のようにで袴をレンタル当日会場で着付‥‥というようなこともないようです。いろいろなことが変わってはいますが、人生の節目であることには変わりなく。それぞれの形でお祝いできるよう、心より祈っております。 今年は小学生、大学生はじめ卒業式の袴着付をご依頼いただいているのですが、自分の卒業式(30年前‥‥がーん)の時と比べるといろいろなことが変わったなあと思います。ネットで調べてみると、1987年の映画「はいからさんが通る」の流行で、90年代から大学生が卒業式に袴を着るようになった、と記述されています。 私の卒業式のとき(平成初期)には、すでに「やっぱり卒業式は袴でしょう!」と母が張り切って用意してくれたのですが、ネットもない時代にそんな超流行に乗ったんでしょうか。「はいからさんが通る」の原作は1975年連載開始、大人気で1978年にはアニメ化され、私も子どもの頃夢中でした。だから、映画の流行ではいからさんブームが、というのはあったとは思いますがそれだけかなという疑問が。もう母も亡くなっているので聞くこともできませんが、このあたりもう少し調べてみたいですね。 実際の卒業式では今のように女子はみんな袴!ということもなく、スーツもあれば振袖もいる、というような状況でした。成人式も同じくですから、和装がこんなに増えた背景にはレンタル業者さんの仕掛けと躍進が凄かったということなのかなあと拝察いたします。 最近の袴姿が変わったと感じるのは、とにかく華やかになっているということ。 平成初期は色無地もしくは江戸小紋や小紋などに伊達衿をあわせたものに無地袴が主流。矢絣のはいからさんスタイルもありました。普通の着物に袴をあわせる、というかんじで、袖も普通でせいぜい若いので少し長めかな、という程度でした。レンタルも主流ではなく私も袴をその日のために買ってもらいましたし、「家にある着物に袴をあわせる」ということだったのかもしれません。 今はニ尺袖がベースで、振袖に袴をあわせるのも普通になってきています。最初振袖に袴をあわせるのを見てびっくりしましたが、もうすっかり慣れてしまって普通丈のお袖だと、先生ですか?と思ってしまうほど地味に感じるようになりました。慣れってすごい。また、袴も刺繍、グラデーション、バイカラーと華やか。紐の裏表で色が違うタイプも増えて、結び目も乙女結びだけではなく飾り結びなどバリエーションも豊富です。 振袖に袴をあわせるようになったのは最近では、と思っていたのですが実はそうでもないようです。ちなみに、1994年(平成6年)の「美しいキモノ」春号には大学の卒業式の袴が紹介されていますが、早稲田大学でのスナップがまさに私の時代あるある(二尺袖も数名います)。ですが、同じ号に載っているグラビアの卒業袴は、色柄こそ地味目ではありましたが、小紋などの二尺袖、振袖に袴というスタイルが掲載されていてびっくり。いわゆる今成人式で着られるような振袖は、謝恩会のスタイルとして紹介されています。そういう雑誌や着物業界の提案が、実際に着られるようになっていったということでしょうか。 きものというと細かいルールがあって、それが絶対!のように言われることも多いですが、礼装としてきちんとしていればどんな組み合わせでも問題なく、またその形も洋服とおなじように流行があるんだということを改めて感じました。 あともうひとつ、紐を結ぶ位置が平成初期と今ではスタイルが変わってきています。以前は、前紐の付け根部分の下にやや斜めに引き下ろすように紐を回して結び、後ろ紐も少し斜めにあわせて前紐の付け根より下で飾り結びをしていました。 今は、前紐の付け根に重ねて紐を結び、後ろ紐もそれに重ねて平行に高い位置に飾り結びをするスタイルが多く見受けられます。前者は男袴と同じような着付で、このほうがしっかり締まって安定するかなと思いましたが、十二単の長袴の着付を習ったとき、前紐にすべて重ねて行くスタイルだったので、しっかり結びさえすればはずれるとかずれるとかいったことはないのでしょう。 また、結び目が少し高い位置にきますので、足長効果もあります。こんなところもアップデートされているんですね。民族衣装ではあるけれど、やはり着物も流行のもの。残って行くためには魅力的であり続けることも大切ですよね。 30年後。はたして袴は卒業式の定番スタイルでありつづけるのか? またそうだとしたらどんな進化をとげているのか? そしてそれを私は見届けられるのか? なーんて思ったりする春なのでした。

腰紐は着付けの要、姿勢の要。の巻

星わにこ
2021/02/24 00:00
皆様、腰紐はどのあたりに締めていらっしゃいますか? 腰骨のあたり、ウエスト、いろいろ好みの位置があると思います。きちっと締められればどこでも好きなところでいいと思うのですが、私の腰紐の位置変遷のお話、ちょっとおつきあいください。 きもの初心者の頃。着付け教室で「腰紐だけはしっかり締めなさい」と言われたものの、とにかく締め付けが苦手、ユルユル大好きな私は「まあ~これくらいでいいよね~」と自分を甘やかしがちな締め具合でおりました。 この頃とにかく着崩れやすかったのは、この腰紐がゆるかったせいが大きいと思います。「胸元がどんどん詰まって、ぐだぐだになる」「立ったり座ったりしているうちに、お尻にU字型のシワができていく」「下前が落ちやすい」という三重苦を背負っておりました。 40代になって着付けをちゃんと習い直そうと思ったところ、この腰紐のゆるさを毎回毎回指摘され「そんなにゆるいのかな」と、驚きました。自分ではまあまあ締めていたつもりだったのですが、全然足りなかったみたいです。 おへそのあたりで腰紐をなるべく平らにあてたら、後ろの腰の部分で交差させたときに真横にぐっ!と引き締めること。前ではぎゅうぎゅう締めないで、でもゆるまないように結ぶこと。 こうすると、ぎゅっと締めても後ろは苦しくなく、むしろ姿勢がシャン!として気持ちがいいのです。 位置ですが、最初は締めて痛いのが怖くて、腰骨のところで結んだりしていたのですが、そうするとやっぱりずれがちになってしまって、もう少し上、おへそのあたりから少し後ろ上がりになるように締めるようにしたところ、安定しました。 この位置に結べるようになったのは、ウエスト補整をするようになったのも大きいかもしれません。補整がクッションになってくれて多少きゅっとしめても苦しく感じなくなりました。 適切な補整と、腰紐をしっかり締めることで、ぐずぐず着付けから卒業できました!(当社比) 後ろ姿、特に下半身が大変身しますので、おしりがたわむ、裾つぼまりにならない、はだけてきちゃうなんてお悩みの方がいたらぜひお試しください。 腰紐を制する者は着付を制す!(なんてオーバーでしょうか?) どうも襟元や裾がぐずぐずしてしまう方も、胸紐や伊達締めなど他の紐はぎゅうぎゅうする必要はありません。腰紐の締め具合がもしゆるかったら、位置や締め方を変えてみてはいかがでしょうか? そして、やはり腰紐をいい位置にきちっと締められると、姿勢がよくなります。やはり腰は姿勢の要なんですねー。 最近よく、おはしょりがまっすぐなる裏技として腰紐をナナメに結ぶやり方を見ますが、腰紐は体の要にもなる部分なので、よい姿勢、体がゆがまないためには平行に結んだ方がよいと思います。 このあたりも好みなのですが‥‥。もちろん、ゆるゆるゆったり着付けが好きという方はそれでもいいのです。自分の目指すきもの姿にあわせて、うまくいかない原因をつきとめたり、やりかたを考えたり、いろいろな工夫をしていくのが、これまた楽しい。 昔は着付け教室で習ったままに、そのままやるのがいいと思ったこともありますが、人の体も好みも違うわけだし、いろんなやり方にトライして自分にあったものをチョイスしていくのがいいんじゃないでしょうか。 また、以前は大丈夫だったことも、年齢とともにだめになってきたり。そんなこともあります。自分にとってのベストを常に、探す楽しみを忘れないでいたいな~なんて腰紐の話から脱線してしまいましたが、もうすぐ春! 気に入ったきもの姿ときこなしでおでかけしたいですね。