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肌襦袢の小衿が衣紋から見えるときはどうしたらいいの?の巻

星わにこ
2021/05/19 00:00
なかなか人形の世界から戻って来れないわにこですが、着物の話題に戻ります。趣味の世界におつきあいいただき、ありがとうございました! ひな人形や着物のお人形など見かけたら、どんな風になっているのかな、と見てみるのも面白いと思います。 わたしの作った「さくら人形」は着付の知識も学べるような内容になっていたのですが、3体とも、いわゆる肌襦袢の小衿が衣紋から見える着付でした。赤い小衿がちらりと見える着付は、日舞などでもします。花嫁の肌襦袢もそうしたタイプもあります。 もともとは肌襦袢に小衿という細い衿がついているものは、長襦袢の衿のストッパーとしてつけられたもので、そもそも見えるものだったのです。うそつき衿で、この小衿に芯を入れてストッパーにして固定するタイプのものがありますが、その着付のやり方ですね。見えるようにする着付もある、と思っておくと他人の着付も気にならなくなります。小衿に限らず、着付はいろんなやり方があるので、知っておくといろいろあるんだな~って、心が豊かになりますよね。 間違っているわけではないのですが、今はほとんど小衿を見せない着付がスタンダードになってきているので、小衿がある肌襦袢を使って着る場合に「衿から肌襦袢が見えてしまうのはどうしたら」とよく質問されます。 衣紋の抜き具合も昔より抜きが大きくなっていますし、小衿がついてないタイプの肌襦袢でも昔のものだとあまり衣紋も抜けないので、見えてしまいがちですよね。 まず試したいのは、首から衿を離して着付けること。こうすると、後ろの衿もこんにちはしにくくなります。 後ろにぐっとひいて衣紋を抜こうと思っても、構造上抜くことは難しいものもあります。さてどうしたらよいかというと‥‥ 1)脇の馬乗り(スリップ)をほどいて深くする 2)脇の身八ツ口をほどいて深くする のどちらか(もしくは両方)を試して見てください。ほどいたときには、縫いどまりを玉止めしたり、ほつれない工夫をしておいてくださいね。 そうすると、衣紋を抜いても衿があいます。 以前、長襦袢の衿があわないときの対処法としてこの脇をほどくという技をご紹介しました。 衿があわなくても一番下だからいいや、と思われるかもしれませんが、実は肌襦袢をきちっと衿あわせすることも美しい着付のコツなのです。 肌襦袢も両胸を包むように深くあわせることで、脇のだぶつきもおさえられ、胸もまんなかに寄せられて痩せ見え効果もあります。布の面でしっかり体を包むように着ると、体もささえられますし、体の凹凸や布のシワもなくなって補整にもなり、着物が着付しやすくなります。 ゆるっと着るのが好きな方はゆるりと着付けていただいていいと思うのですが、もしピタッとサイズのあう肌着を着ることで着付が楽になるということを未体験の方がいらしたら試していただきたいです! 木綿の肌襦袢を工夫して着るのもよし、思い切って新しい肌着を求めてみるのもよし。今は、吸汗速乾機能のあるものや涼しいもの、あたたかいものなどいろんな素材のものもあります。たかが肌着と思わずに、肌襦袢こそ、ピタリと着る工夫をしてみてくださいね。

懐かしの「さくら人形」を作ってみる完結編。「八重垣姫」の巻

星わにこ
2021/05/12 00:00
緊急事態宣言が延長となった東京。相変わらず人形を作っていたわにこです。先の2体がもう着物のパーツが縫い上がっていたので、楽勝気分で3体目の「八重垣姫」の説明書を読んだら、布を断って着物を縫うところから‥‥‥。がーん!! いきなりの難易度爆上がりです。しかも、姫、ということでお振袖。果たして、出来上がるのでしょうか? よくよくこの説明書や添付案内などを読み返すと、いろんな人形ができてわーい楽しい!というガンプラ的なものではなく、作り進むに従って着物を縫ったり、髪を結ったり(!)、人形がイチから作れる人形作家に育成するというシステム。だんだん難易度があがるというわけです。 前回の下駄でもそうですが、1つ難易度の高いことをクリアすると、後の「やったことがある作業」が楽勝に思えるマジックというのがよく効いていて、最初は「縫うの?」なんて、あんなに嫌だった帯締めを作る作業などへのカッパに思えてきます。こうして人は成長していくのね。 くけ台を出してちくちく縫うも、運針が‥‥。でも見えないところについては「裏は大きい針目でもよい」などというなぐさめ(?)もあり、頑張りました。 裾ふきの構造がよくわからなかったりしつつも、なんとか形にしていくと、すごく嬉しくなってきました。お人形のものとはいえ、振袖好きとしてはめっちゃめっちゃ盛り上がります!!  襦袢にあたる部分は、衿とけだし部分だけ。徹底した見えるとこだけでヨカヨカというのが潔い。実は、人形好きなのでバービーやブライスなどいろいろ着せ替えて遊んだことがあるんですが、やっぱりこういう「見えるところだけ」とかある程度割り切っていかないとどんどん着膨れして、すっきり見えないんですよね。目指す方向性で割り切る感も、実際の着付に通じるような気がします。 帯は芯を紙で作ってとのことでしたが、ちょうど帯芯があったので使ってみました。もしかしたら経験がある方もいらっしゃるかもしれませんが、「半衿は三河芯と一緒に縫いつける」というのにチャレンジして、手が血だらけになり、普通の衿芯でいいや、ってなった、その三河芯の残りです‥‥‥。 今までのお人形は、帯も紙の芯を入れて作ってあったのでパキパキ言わせながら形を作りましたが、三河芯を使えばなんとなくいいかんじのような気もいたします(完全な自己満足)。趣味とは、こだわり始めると終わりが見えないもの‥‥。やっぱりこれも着物に通じるような気がしますね(笑)。 台につけたりするのも今回は自分で穴をあけてとりつけたり、絶妙にステップアップしている教材でした。手は前回の春雨のときに失敗してしまったものを使いましたが、見えないからヨシ!(えええ) テキストにはなかったけど、赤い布が余ったので帯揚げを追加しましたが、微妙かな~。このあたりもアレンジを加えて行くと面白いのかもしれません。沼ですね……。 そして、ドライヤーで兜の房や毛をのばし、髪のびんの部分をお姫様カットにして、完成です!! この「八重垣姫」とは、歌舞伎「本朝廿四孝 奥庭狐火の場」から題材をとったもの。長尾家の八重垣姫は、武田信玄の嫡男・勝頼の許嫁。恋しい勝頼が危機にあると知り、追いかけて知らせたいと思うが勝頼はすでに湖の向こうに。「翼が欲しい、羽根が欲しい。飛んで行きたい知らせたい」という名台詞とともに、霊力がある武田の兜を手に捧げ持って念ずると、泉水に狐の姿が映ってその願いが聞き届けられ、霊力を借りて諏訪湖の氷上をシャーーーーッと渡って追いかけて危機を知らせに行くという場面のお人形です。すごくはしょっての説明ですみません。シャーッて。 そして、願いが叶った瞬間を表現したということで「泉水を覗き来んでいる」ということなのですが、目線が下にいかなかった‥‥。ですが、情熱的なお姫様であるとともに典雅でありりりしくもあり‥‥というところはそういう目で見ればそう見えるかも。うんうん(自分を納得させている)。 こういうドラマチックな場面を人形で表現することの難しさと楽しさよ! 20年ほど前に「真珠夫人」という昼ドラが流行ったときに、その名場面を人形で再現する『パール人形劇場』というサイトをやっていたことがあり、その楽しさが蘇って参りました‥‥。(その時も着物が多くて楽しかったです!) こんなのでした。ちなみにタワシコロッケは粘土で手作り。男性の人形は黒髪にするために全部植毛しました<阿呆すぎる。この時はのめりこみすぎて、常に1/6の小物を探していましたね‥‥(遠い目)。 このコラムを読んでくれた友達から『りかさん』(梨木香歩著)という本を教えてもらいました。それは、持ち主とお話ができる人形で‥‥。というお話で、染色や、人形の衣装、着物の話も織り交ぜられて、とても興味深かったです。 様々な人形の物語が出てきますが、事情があって冠をかぶせてもらえず露頂(ろちょう)となり所在なさげにしていた男雛が、冠を頂いた瞬間からモテモテになるというエピソードも。平安貴族の男性が冠を被っていないのはパンツをはいていないのと同じくらい恥ずかしかったそうですから、冠を被ることができてほっとしたことでしょう。よかったね!男雛! 深い深い人形の世界。これで打ち止めにして、また来週からは人間の着物のお話に戻ります。3週に渡っておつきあいいただき、ありがとうございました!

昭和な「さくら人形」を作ってみるその2。「春雨」の巻

星わにこ
2021/05/05 00:00
さて、GWもすっかりおこもり体制で人形を作っているわにこです。東京高等人形学院の通信教育を受けているつもりの第二弾。ファーストステップの「おとずれ」に続いて今度は「春雨」と名前のついてるお人形さんです。 さっきまでシトシトと降っていた春の雨も、いつしか小振りになり、どこからか三味の音が聞こえてくるような粋な花街の昼下がり……。お稽古ごとの帰り道でしょうか? うら若い一人の芸者が心持ち蛇の目傘を傾けて歩いてまいります。そんな情景を思い浮かべて製作してください(!)と書いてございます。 そう、今回は芸者さん。黒のお引きを桃色の腰紐でからげて、雨下駄で歩いている様子。 今回は、顔にも染みが出ておらず(おそらく、最初のお人形は取り出して眺めて仕舞ったりしたけど、次はもビニールの封をあけもしなかったのではと推測)キレイな状態。髪も結ってあり着物も縫ってあるので、あとはあなたが組み立てるだけ。とあったので、まあ腰紐縫うくらいなら楽勝じゃね、と軽い気持ちで教本を開いたら、いきなり下駄に鼻緒を縫ってすげろと書いてある‥‥。 さてこのお人形、だいたい出来上がりが45センチ前後。いわゆる1/6ドール(実際の1/6で作られる)と呼ばれるバービーやジェニーちゃんは25~27センチですから、その大きさたるや。かなりな迫力です。小物もそれに付随して大きめ‥‥とはいえ、下駄の鼻緒‥‥細かい作業が老眼につらい(;;)。しかもすげろと書いてあり、ちっさい穴に鼻緒を通すのが難しいのなんのって。きいい!!きいいい!! もう「ちょっと慣れたし、ちゃちゃっと組み立てるだけ」とか思っていた私の心はいきなり打ちのめされました。 人形作家への道は険しい‥‥。 細雪の四女気分になり、「人形への情熱は誰にも負けしまへん」とか適当につぶやきながら、なんとかこの難関を乗り切りました。 さてそこから先はボディの組み立て。一度やっているから楽勝か!?と思いきや、今度はプラスチック製の手を、傘が持てるように指を曲げてお湯で茹でて成形しろと書いてある。んがー。 でもまあ、これは人形の髪にパーマをかけるのにお湯で煮たりしたことがあったので、そういうこともあるか、という気持ちでとりかかる。が、手を握った状態にして固定するのに木綿の布でくるんで縫えと書いてある。んんん‥‥ラップでくるんで輪ゴムで止めればいいじゃん! と思った私は早速実行に移してみると‥‥ がびょーん! ゴムが強すぎたのか、手首にゴムの後がついてしまった!! お人形の完成図を見ると、けっこう手首もあらわになっているので、こりゃいかん!!と真っ青に。3体目にとりかかる予定の人形も同じく握った手にするのであるが、ほとんど隠れて見えない仕上がりのようなので、ごめんねして手をとりかえてもらい、真面目に木綿でくるんでお湯成形をしなおしました。マニュアル通りにしなくてごめんなさい‥‥。 今回はちょっとポーズもひねり気味で、傘を持つので手の曲げ具合もなかなか難しいところ。でもなんとかポーズをつけ、綿で補整をし、いよいよ着せつけに入ります。 今回は芸者さんということで、「なまめかしい色気と芸の道を追求する厳しい女の情熱をじょうずにミックスさせて」(原文ママ)という課題。お、おう。 髪型はつぶし島田。お嬢様とは違い、ちょっとゆったりめに首から離して衿をあわせ、赤い下衿がちらりと片方だけ見えるようにします。色気です。色気。でもちょっと上手く衣紋が抜ききれなかったかなあと反省。本当にこのあたりは、実際の着付でもそうなのですがミリ単位で印象が変わるもの。ましてや人形、本当にちょーっとのことで変わってしまいます。うーむ奥が深い。 帯はだらり。虫ピンでざくざく止めていくだけでした。帯締めはないので縫わなくてもいいのですが、今回は裾をからげるための腰紐を縫いました。もうね、鼻緒に比べたらどうってことないですね。あのいきなりの試練は、上達するために必要なことだったんだなと思えてきました。 そして、お引きの裾を持ち上げて、腰紐で結んで止めます。傘はよくできていて、好きなところまで開いて、手に持たせます。できた!!!! 苦戦した下駄ですが、黒塗りの台に映ってとてもキレイです。裾の中が映って見えないかちょっとどきどきしてしまいました。ううーむ、どうでしょうか、「粋できりっとしていてなまめかしく」できたでしょうか。 実は実家に似たような人形があり、子どもの頃どきどきして眺めたものでした。それがお人形のお色気というものだったのでしょうか。母はそれを結婚祝いにもらったと言ってましたが(何故)、昭和な時代は博多人形やこういう日本人形がどのお宅にも飾ってありましたよね。今のようにネットですぐにいろいろな情報が手に入れられる時代ではなく、ひな人形や五月人形と同じようにこういう美しいお人形を飾ることに、昭和な人々の夢や憧れや祈りが込められていたのかなあとも思います。 さてお人形が完成したら、写真を撮って送ると「担当講師がていねいな批評を差し上げます」と書いてありました。教本の文章もなかなか大げさだったり詩も載っていたり、夢と妄想が暴走しがちな人形愛好者(ワシのことか)の傾向がよく出ています。半世紀の時を超えて、やはり人形を愛して止まなかったであろう講師の先生の批評を伺ってみたいところです‥‥。 さて、いよいよ次週、この初心者コース(若衆)の最後のお人形「八重垣姫」にとりかかります。詰むや、詰まざるや!(そういうお話ではない

50年前の「さくら人形」を作ってみる。「おとずれ」の巻

星わにこ
2021/04/28 00:00
三度目の緊急事態宣言まっただなかの東京。もはや緊急慣れしてしまっているのか、人の動きは変わらないような気もしないでもない中。大腸ポリープの内視鏡手術をうけたのもあり、しっかりステイホーム予定のわにこです。 ゆっくり家にいる時間があるときにしか出来ないこと‥‥と以前、キモトモからご実家から出て来たという日本人形の制作キットを託されていたものを出してきました。「さくら人形」というものだそうです。 ご両親が新婚時代、見知らぬ土地に転勤となり、お母様がなにかやってみようと思って揃えられたのではないかと言っていましたが、東京高等人形学院というところの通信教育で人形を制作することで、資格も得られて人形作家になれるというもの。初心者の「若衆」コースは3体セットで、それが完成すると高等科・師範科へとすすむことができ、やがて雅号をもらって人形作家として活躍できる!!と書いてありました。 昭和41年当時、1体約2,000円と当時男子の初任給が17,550円(昭和国政総覧 下)とのことですから、結構よいお値段。でも結局すぐに子どもを授かりそれどころではなくなってしまったのでしょう。以来50年以上そのままになっていたというわけです。 「さくら人形」とは日本古来の人形技法にフランス人形の技法を取り入れたものだそう。顔はジョーゼットを貼った上に描かれていて、うちの実家にもあった、こういうの。きっと昭和な時代を知っている方は「どこかでみたことあるー」となる和服のポーズ人形です。よくガラスケースとかに入れられてました。うちにあったのは芸者さんのお人形でした。そして結構大きい。 まずは入門編「おとずれ」という名の人形からトライすることに。このお人形は江戸時代の武家娘であり、高島田を結ってひそかに待ち続けた恋しい人からの文にふと物思いにふける乙女心を、あなたのフレッシュなセンスやアイディアを活かしてじゅうぶんに表現して、と書いてあります。お、おう。 もう頭や体(木屑をつめてあって針金でポーズがつけられる)は出来上がったものがあり、それを組み合わせて着物をきせるというものです。文箱やかんざしなども入っていて、人形者属性がある私としてはかなりかなりかなり盛り上がります! さてここで問題が。なにしろ古いものなので、お人形と足袋と白いジョーゼットに茶色い置き染みが。はい、怖くありません。ジェニーやバービー人形のカスタマイズは顔のペイントはもとよりパーマどころか植毛までしていたことのある私です。躊躇なく漂白です! 薄めた台所用の漂白剤で、キレイになりました!(水洗いは十分に行います。個人責任でw) 最初のこのキットでは縫って作るものは帯締めだけ(帯止め、と書いてありました)。布に脱脂綿をくるんでくけて作ります。久々にくけ台を取り出しました。帯は作り帯形式でパーツにわかれているので、形を作って糸で止めます。 ここで漂白した足袋や顔が乾いたのでボディにとりかかりました。ボディに足袋をはかせて綿を入れて足を作り、腕や顔を取り付けます。頭をとりつける穴ははさみであけろと書いてあり、かなり迫力のある絵柄でした。 台にとりつけてポーズをつけて、着物を着せる前に綿で補整をしていきます。これはもう、補整や着付の知識がなくてはちょっと難しいのでは?という内容。でも、髪型や衣装などについても勉強になり、とても楽しい作業でした。 着物は、上下にわかれていて、それを虫ピンでボディに止め付けて行くスタイル。けだし(裾除け)も本当に見える部分の布しかなく、上手くできてます。裾引きは、ちょっとコツがわからないと図だけでは難しいかも。 補整も着付も、もはや人形作りというよりは花嫁着付を思い出して没頭してしまいました。お人形作りを通じて、和裁や着物への知識も深まりそうです。 そして、で、できた~~~!! 武家のお嬢様人形「おとづれ」(通称おとちゃん)の完成です!! そして、で、でかい~~~!! すごい迫力です。猫も興味津々。 ここまで、わりとさくさくっとできまして。調子にのった私は、次の「春雨」というお人形に着手するのでした。来週につづく(つづくんかい!)

2021のトレンドカラーを着物コーデに取り入れようの巻

星わにこ
2021/04/21 00:00
まだ4月なのに、真夏日!? 早速普段着用に単衣の着物をひっぱり出してきたわにこです。真夏日といえども、朝晩は涼しいし、日陰に入ればまた体感温度も下がるので、まだまだ洋服は手放しで半袖!とはなれませんよね。そんなとき、着物は羽織かショール1枚持っていればまあまあ困ることはありません。 とはいえ、また不要不急の外出が制限されそうなので、なかなか着物でおでかけもハードルが高くなってきましたが、季節のおしゃれを考えるだけでも楽しいものです。 JAFCA(日本流行色協会)によると、今年の流行色は「Zero White」。白いスカートや白いトップスを取り入れている方も多いのではないでしょうか。そういえば、今年の卒業式の袴では白を結構おみかけしました。 ゼロホワイトは、まあいわゆる「白」なのですが、ゼロというネーミングの意味は「はじまり」であり、清廉潔白、知性などを象徴するものだそう。コロナ禍の中、新しい生活様式での生活が始まり、真実を見抜く知性や政治の清廉潔白さが求められる世の中に。そんな年を象徴する色となります。 また、白は清潔な色。消毒や除菌など、今、より強く求められるものかもしれません。 JAFCAではこれに組み合わせて使う色として「フレッシュブルー」「インサイトグレー」を、アクセントにする色として「デイライトピンク」「バイタルイエロー」を挙げています。白だけでは‥‥というときコーディネートに取り入れるとぐっと今っぽくなります。 また、色見本帳で有名なPANTONEでは「アルティメットグレイ」と「イルミネーティング」。薄いグレーと黄色を2021年流行色として発表しています。 このあたりの色を組み合わせると、洋服だけでなく着物にも今年っぽい雰囲気が取り入れられそうです。 どちらにしても、どーんと濃い色、派手な色というよりは優しく気持ちに寄り添うようなトーンのほうが、今のトレンドということでしょうか。 やさしげな色使いの着物や帯にちょっと元気になるアクセントカラーを帯締めや帯揚げ、帯留めなどで取り入れてみてはいかがでしょうか。 私も手持ちの着物と帯で組み合わせてみました。優しい感じを目指しつつ、帯揚げはスカーフでちょっと洋服テイストを意識。ここにデイライトピンクの小物があったりするとピリっと決まりそうですね。 ミヤコレのモレッティガラス帯留(グラデーション):ピンクルビーなんかどうでしょう~。元気がでそう!! 意外と色イメージにピッタリなものを探そうとするとないものですね。あと、手持ちのものは好きな色に偏っていることが多いので、そういうものも見直すチャンスになるかもしれません。 お天気がいい日が続きます。虫干しかねてこんなコーディネート遊びはいかがでしょうか。そして早く普通におでかけできる日がきますように‥‥。

30年前に作ってもらった3枚の色無地の話。の巻

星わにこ
2021/04/14 00:00
4月から新生活が始まった方も多いのではないでしょうか。我が家は子どもが高校に入学して、日々いろんな経験をしているようです。中学まではなんだかんだと今日はなに、帰りは何時と気にしていましたが、高校生ともなると一気に手が離れる感じがします。義務教育は終わったんだなあと、実感します。 その卒入式ですが、今年は感染症防止対策で短めの開催ながら保護者も出席して見守ることができました。小学校ではぼっち、中学校では2人だった保護者の着物姿。高校ではどうか!と思いましたら2人でした。さ、寂しい‥‥。でも卒業式も着るもんね(スーツを持っていないとも言う)。 卒園式と小学校の卒業式は雨だったので洗える着物にしましたが、小・中学校入学式と卒業式は同じ白緑の色無地と黒羽織を帯を変えて着ました。でも、あまりにワンパターンでちょっと自分が飽きて来て、高校の入学式には、お宮参りと七五三の参拝のときに着た紅掛空色の一越ちりめんの色無地をひっぱりだしてきました。 30年前。社会人になりお茶を習い始めたと母に言ったところ、だったら、と嫁入り着物の前払い(?)のように色無地を3枚仕立ててくれました。その時はもう離れて暮らしていたので、電話でどんな色がいいかと言われて、臙脂色と銀鼠とあとはおまかせ、と頼んだら、臙脂は濃い色は玄人っぽいのでやめたらと京染め屋さんに言われたそうで、却下。自分としてはスクールカラーなので、と思ったのですが、残念。玄人っぽいってなんじゃと思いましたが、昭和な感覚では仕事着っぽいというところでしょうか? 当時、憧れていたイラストレーターの大橋歩さんの「どきどき着物」という本に、成人式で着た振袖の色を抜いて、銀鼠の色無地に仕立て直して、洋服感覚でいろんなシーンに着ていける万能選手に生まれ変わったという素敵な話が載っていて、銀鼠だけはお願いします、と食い下がったのですが‥‥。 仕立て上がってきた着物と対面したら、白緑(薄い竹色)、梔子(くちなし:黄色)、紅掛空色(薄い水紫色)で、え、え、私の銀鼠ドコ!?となりましたが、どうも私には紅掛空色に見えるものが銀鼠、と言われたらしいです。まあ、素敵な色だし、喪にも使えそうな万能選手ですが、でも銀鼠じゃないー! となった想い出のある着物です。 しかも、日向紋という白抜きの一番格の高い一つ紋が入っているので、どうにもこうにもカジュアルダウンには無理そうなものです。 白緑の色無地は、ケシ縫いの一つ紋で少し大きめの蔦の地紋入りでちょっと華やかな印象があります。 でも紅掛空色のほうは、地紋もなく日向紋が入っており、ザ・礼装という感じ。若い頃はそのプレーンな感じと色が気に入って着ていましたが、一度地紋のある白緑の華やかさを経験してしまうと、そちらばかりを着るようになってしまいました。 でも今回、さすがにちょっとワンパターンすぎるな、と久々に紅掛空色をとりだしました。自分の記憶の中ではつるんとしていてなんとなく物足りないと感じていたのですが、 袖を通してみると、とっしりとした重みもあり、纏うと気持ちも引き締まって「おお~これが礼装パワーか!」と感じ入りました。絹のパワーってすごい。 入学式の頃には、桜ではなくすでに新緑がまぶしく、これからの子どもたちの新しい学校生活が楽しく輝くものになりますようにと祈りました。 色無地にはつづれの帯と、母から受け継いだいつもの一つ紋の黒羽織をあわせました。 黒羽織のお話はこちら:母の黒羽織をリメイクしてみましたの巻 いち利の女将さんとの対談でもお話しています:ほしわにこさん&女将の着物談義 母の黒羽織と義母の羽織紐は、子どもの卒業入学のお祝いのときには一緒に見届けてほしい気持ちで、着ていくようにしています。 あとはお祝いの気持ちで、昨年国立博物館の「きものKIMONO」展の帰りに清水の舞台からダイブしてしまった道明の奈良組を初おろししました。新しいものがなにかあると、特別感がありますよね! あ、買い物の言い訳じゃないですよ、はい(怪しいw)。きっと、この帯締めを使うたびに「子どもの入学式で使った」という晴れやかな想い出が、蘇ることでしょう。 カジュアルダウンもできるという色無地ですが、やっぱりこういうちょっと控えた式服、略礼装に一番しっくりくるものなんだなと改めて思いました。自分のために好きなものを着る、ということと、人のために装う、ということは違うし、それぞれ意味があることなのですね。 それにしても多少体型や年齢や流行が変わっても、着続けられるのが着物のすごいところ。30年前のスーツではこうはいきません。(あとは着られないほど太らないようにしないと‥‥モゴモゴ) ちなみに、もう一枚の色無地、梔子(日向紋)はちょっと色が濃い目で、地紋が四君子や立涌など吉祥文様の雲取で一番ゴージャスな感じです。一度黒い袋帯をしたら、お寿司の卵焼きのような色合わせになってしまい(笑)以来なんとなく手がのびていません。でもこれもまた、5年、10年と時間が過ぎていつか気に入って着こなせる日がくるかもしれません。虫干しで、取り出しては仕舞い。また思いついては取り出して、仕舞い。母を想い、来し方行く末を想い。それが、着物なのかなあとこのごろ思います。 そして、これはいつ着た、あのときも、このときも、とアルバムのように想い出を刻むもの。30年前に母が作ってくれた色無地たちと、残りの人生も過ごしていくのでしょう。感謝とともに‥‥。

帯板の種類と使い分け。なければ作れる!の巻

星わにこ
2021/04/07 00:00
皆様はどんな帯板をお使いですか? 帯板といっても、本当にいろんな種類があります。最初は母にもらった、赤い布が紙に貼ってあるタイプ(周囲をミシンで縫ってある)ものをず~~~っと使っていましたが、紙のタイプってヘビーユースをすると折れたりぺこぺこになったりしてしまうんですよね。あとなんか、汗でシミができてしまったり‥‥。 着付け教室に行ったり、着付けをしたりするようになっていろんな帯板を見て、その種類に改めてびっくり。いろんなものを試してきました。よく見る帯板の種類は大きく分けて3種類。ベルト付きとそうでないものと、前結び用の胴をぐるっと巻くタイプです。さらに、それぞれメーカーによって長さや幅、素材などで分かれて行きます。 振袖や花嫁着付けをするときには、後ろ板といって、後ろ姿を美しくするための帯板を使いますが、ここでは帯の前側を美しくするために使ういわゆる前板についてお話します。 帯板は、帯締めをしても帯がぐしゃっとならず、シワを防いで美しく見せてくれるもの。長くて脇までカバーできて幅も締める帯幅より少し狭いくらいが、一番シワも作らずキレイに仕上がります。 ただ、あまり長かったりすると腰骨にあたったりもしますし、圧迫感もあります。幅がひろいとはみ出すことも。かといって短すぎたり幅が狭かったりすると今度はシワが気になる。 あと、帯板の張りも好みがあると思います。張りが弱いとふにゃっとなりますし、強いと今度はかなりきちっと帯と帯締めを締めないと、ぼわん、と横に広がって見えてしまうことも。 好みもありますし、意外とその人の体型にも左右されるんです。なんとなーくほとんどの方が最初に手にしたものを使っているのではないかなと思われる帯板ですが、自分にぴったりの帯板を見つけるのって実は結構難しいことかもしれません。 ベルトがついていないものは、帯を結んだとき、帯の1周目と2周目の間に挟みます。これは帯板の上に帯は1周しかしないので、より帯の表面がキレイになります。シンプルな形で、たくさんの大きさの種類があります。素材も、紙芯に布が貼ってあるだけのもの、片面パイル地で滑りにくくなっているもの、メッシュになっているものなどなど。夏用では麻やへちまの帯板などもあります。変わり種としては、透明な帯板も! これは夏の羅など透ける帯をしたときに挟み込んでも、色がひびかないというものです。上級者アイテムですね! ベルトがついているものは、着物を着て、伊達締めをした上に胴に巻き、その上に帯を巻くものです。なので、帯板の上に帯が2周することになるので、帯の表面は挟み込むタイプより少しソフトに。挟み込む動作がいらないので、自分で着るときなど便利です。素材は同じくいろいろ。ベルトがついている分少しお値段がアップします。 前結び用のものは、前でお太鼓を作ってぐるんとまわせるように、ウエストを1周して作ってあります。ツルツルですべるプラスチックのものや、サテンのような布でできたものなど。 あれこれ試すと結構使い心地が違うんです。今、私がなにを使っているかというと、たかはしきもの工房の「べっぴん帯板」です。これは、長さはあるけど腰骨の部分で斜めにカットされているので、帯締めが通る部分はくしゃっとならずに腰骨の邪魔にもならないという優れもの。あと気に入っているポイントはソフトなところ。そして帯の上側にクッションが入っていて前下がりの帯姿に自然になるというのと、帯を当社比でかなりキュっと締めても苦しくないんです。 やはり着姿的には、着物も帯もなるべくピタっとキュっと身につけた方がキレイになります。帯を巻いたときに、体と帯の間のクッションになってくれるようです。締め付けが怖くてちょっと帯がゆるめで、ぐずっとなりがちだったりしたのですが、それが解消されました。 相性があう帯板を見つけるって、結構大事なことです。 でも、帯板って実は長いのだと持ち運びにめっちゃかさばりますよね! 旅行とか旅先で着替えるとかだったら、短いものでもいいのではと思います。あと、忘れた!とかいうことも起きるかもしれません。私は忘れたことあります(笑) 出張先だったので、デパートの紙袋を底の形を活かしてくるくる折り畳んで挟み込んで使いました(実話)。キモトモも同じことをしたことがあるそうです(笑)。 キモトモの中には、普段楽に着るときには帯締めの結び目のところがあたるあたりだけにハガキサイズくらいの厚紙(お菓子の箱のフタなどを利用)を切ってはさんで使っているわ、という先達も。帯板の面積が大きいと、やはり暑いし、重いですから。 手作り派も結構いて、厚紙だけじゃなくダンボールやPPクラフトシート、クリアファイルなどで作ったりも。着付師さんがお客様が忘れていらっしゃったときに代用したりすることもあります。衿芯はコピー用紙で、とか腰紐をストッキングで乗り切ったとかいろんな逸話(?)も。案外、なんでもいけちゃったりもしますよね! 締める帯やシーンによっても、ふさわしい帯板って変わってくるんだと思います。昔の人はあまり使っていませんよね。写真などを見ても結構帯がシワシワです。まあそういうことをいうときりがないですが、好みや目指す方向で帯板も変わると思うんです。 たかが帯板。されど帯板。お手持ちの帯板、見直してみませんか?

スマホで試着!入学式の母コーデの巻

星わにこ
2021/03/31 00:00
東京はあっという間に桜が満開になってあっと言う間に散り始めてしまいました。まだ3月なのに今年は本当に早いですね。これから桜前線が北上していくと思いますが、いつもより少しだけ早い春。まだ集まってお花見はできないけれど、上を見上げて花を楽しむ心を忘れないでいたいなあと思います。 さてさて春はまた、お別れと出会いの季節ですよね。4月から新生活を始める方もたくさんいらっしゃると思います。我が家も子どもが高校生に。入学式には保護者が1名だけ参加できるとのこと。手持ちの着物で出席しようと思っておりますが、もしももしも新しく誂えるとしたらどんなかな?とふと思い。 おりしも、いつも妄想の翼を羽ばたかせているいち利モールの試着室のスマホ版ができたとのことで早速試してみました。 可愛いイラストの女性に、帯や着物を選んで着せていきます。指でぽちぽち選んで行くアクションでPC版より直感的に操作できます。後ろ姿もすぐ確認できて、帯姿もどんなかんじか見つつ、コーデを決められます。 よいな!と思ったのは帯締めや帯揚げ部分、着物の模様などさっとスワイプで拡大して確認できるところ。今までは帯締めなど正直細かい部分どうなってるの? という時がありましたがこれならばっちり!! 帯締めは丸組で、白に少し赤が入ったもので、おめでたい気持ちを表してみました。 着物はおめでたい花菱地紋のピンク。帯は西陣の葡萄唐草の袋帯。帯揚げは銀糸入りの若葉×薄緑の縦ぼかしでちょっと桜に新緑もまぜて。ああ~~楽しい!!やっぱり妄想コーデはめちゃ楽しい。 控えめだけどちょっと華やかな春の色無地入学式出席妄想コーデの出来上がりです! >コーデ詳細はコチラ 式典色無地の注意としては、実は濃い色を選ぶと旅館の仲居さんのようになってしまうこともあり、薄めのお色が無難かも。あとは、なにしろ1色で面積が広いですから、顔映りのよい自分に似合った色を選ぶことが大切です。好きな色も大事ですが、肌の色などにあうものをあらかじめ知っておけるといいですね。 地域性もあるかとは思いますが、卒入式へ着物で出席する場合は、訪問着や色無地などに袋帯の礼装~略礼装での出席が一般的。スーツ相当の服装になりますので、訪問着や付下でもあまり派手ではない、控えめなものが好ましいとされています。主役はあくまで子どもということで、母は付き添い。式典などに出席する場合は、自分の好きなものを着るというよりは、場にふさわしいものを選びましょう。 私自身はもともと色無地好きということもあって、略礼装と言われる一つ紋の色無地で、黒羽織を羽織るスタイルでずっと出席してきましたが、小中学校ともに着物で出席されるお母さんが1、2人という状態だったので、地域性とは。という状態でしたが‥‥。 着物は華美だと言われることもありますが、体型が多少変わっても流行や自分の年齢が変わっても、何十年も着られるスーツやワンピースというのはないのではないでしょうか? 自分で着られれば着付け代もかかりませんし、かかるのはお手入れ代くらい。なにより着物を着ることで気持ちが引き締まってよいものです。 もし、入学式着物を着ようかどうか迷っている方がいらしたら、ぜひ!袖を通してください。春の日の、よき想い出になると思います。 子どもに「そういえばあのとき母は着物を着ていたな」なんて思い出してもらえたらいいなあなんて、ふと思う春でした。

花粉症と黄砂対策にはインナーマスクと木綿の着物!?の巻

星わにこ
2021/03/17 00:00
東京は14日午後に桜の開花宣言が出ましたね。昨年に引き続き観測史上最も早いそうで、我が家の近くの桜もぽちぽちと咲き始めています。今年も皆でわいわいお花見、というのは叶いそうにありませんが、やはり桜を見ると晴れやかな気持ちになります。 花は花でも、花粉症にお悩みの皆様にとっては今は辛い季節ではないでしょうか。今年は黄砂もすごいようで、花粉症でない私でも目がしょぼしょぼ‥‥。そして去年からず~っと不織布マスクをつけているので、密着させる頬のあたりがもうちくちくして限界感ありありです。着物でお散歩したいな~なんて思っても、ちょっとためらわれてしまうのでは。 花粉症対策としては、環境庁の「花粉症環境保健マニュアル2019」によるとマスクの中にインナーマスクをするとよいとのこと。インナーマスクとは、ガーゼを10センチ角に切ったものを用意し、1枚はそのままマスクの内側にあて、もう1枚は化粧用コットンをくるんで、鼻の下にあてるもの。これをマスクと併用することで花粉の吸い込みを99%以上除去できるそう。 この、化粧用コットンをガーゼでくるんだものがちょっと鼻水とかがたれたときに(汚くてスミマセン)いい仕事をしてくれます‥‥。もうガーゼでくるむのが面倒で無印良品の生成カットコットンをそのまままるめて鼻の下にあてているのですが、今までマスクの中に水滴がついたりして不快だったのも解決されていいかんじです。 マスクの内側にあてるガーゼですが、手作りが得意な方はコットンなどでプリーツのついたものを手作りしてもいいですよね。抗ウイルスの市販品などにすれば、えい花粉はウイルスより大きいので効果はより高くなりそうです。 次に衣類は、帯電しやすい素材が花粉を吸着しやすくNG。綿が最も帯電しにくい素材で、「綿.麻<絹<化繊<ウール」の順で花粉付着率が高くなっていきます。もちろん同じ素材でも、織り方によっても付着率は変わります。 繊維の表面が滑らかなもののほうが花粉がつきにくく、付着しても落ちやすいので、着物でいうと、結城紬のようなほっこりとした真綿系は花粉がつきやすく、大島紬のようなツルツルとして生地の密度が高いものは付着しにくいということになります。ほっこりした木綿の着物より、なんとなくツルツルの大島のほうが花粉がつきにくいような気がしますが、どうでしょうか。 また着物は、長着と長襦袢の素材の相性で静電気が起きる(絹+ポリエステルなど)ので、そのあたりも気をつけるとよりGOOD。肌を露出したところに花粉がつきやすいので、体を覆ってくれる着物はなかなかよいチョイスでしょう。 化繊でも、東レの「アンチポラン」や帝人の「ポランバリア」など、花粉がつきにくく、付着しても落としやすくする素材も出ていて、スプリングコートなどに遣われています。こういう素材で着物は難しいとしても、着物にさっと羽織れるものなどがあれば素敵かもかも! な~んてまたまた妄想しているわにこでした。 ブタクサ花粉症なので、いつも夏の終わりにア"~!!となることが多いのですが、なんだか今年は春から目がショボショボ‥‥いえこれは、違う違うそうじゃそうじゃないと自分に強く言い聞かせています‥‥。 というわけで(?)花粉症にお悩みの方がいらしたら、ガーゼと化粧用のコットンのインナーマスク。あとはメガネと帽子、そして着物を着るなら大島紬か木綿をおすすめします!!(麻もいいけど、まだちょっと早いですよね) 集まれなくてもマスクでも、せめて着物で花見のお一人様散歩ぐらいはしたいな~と思う春でした。

大学卒業式の女子袴はいつから定番になったのか?の巻

星わにこ
2021/03/10 00:00
先週、袴の流行について調べていて、「女子大生・卒業式・袴・いつから」で検索したところ、90年ごろから1987年の映画「はいからさんが通る」の流行で女子大生が卒業式に袴をはき始めたという記事があり、当時女子大生だった自分の実感とは合わないなあと思ったのがきっかけで、調べて見ました。二週連続袴の話題で失礼します。 まずはお知恵拝借!と、その頃以前に女子大生だった皆様に卒業式の服装についてSNSで聞いてみました。ちなみに91年卒のわたしは、1尺4寸(53センチ。ちょっとだけ長め)の袖のピンクの江戸小紋に紫の無地の袴でした。同級生は袴もいれば、振袖もスーツもいました。生協でレンタルもありました。 83年卒:友達はほとんど袴姿 85年卒:袴。写真をとっておけばよかった! 85年卒:自分も友達も袴。謝恩会はドレス。84年卒の姉も袴。75年卒のいとこが着たピンク付下とえんじの袴を借りた。 85年卒:色無地に袴(デパートレンタル)。ほかにも付下、振袖に袴の人もいた。 85年卒:うす橙色の色無地と母の黒い袴。袴と振袖は半々だった。 90年代卒:ほぼ振袖。袴は女性の先生が着るイメージだった 88年卒:東京女子大はほとんど袴(矢絣は禁止だった) 88年卒:キャップとガウン 86年卒:袴(レンタル)着用。袴は多かったが、振袖やドレスもいた。 91年卒:保育園の先生である伯母(今88歳)はずっと卒業式は袴だった。その袴を借りた。 91年卒:成人式の振袖にレンタルのグラデーションの袴。 80年代から袴は定番のようですね。ちなみに、銀座いち利の女将にも伺ってみたところ、74年卒業で振袖に袴だったそうです。周りも小紋や色無地に袴で、先生も袴だったと教えてくださいました。 「はいからさんが通る」の映画の影響で袴が復活して履かれ始めたということではなく、礼装として卒業式では定番の服装のひとつであったのではないでしょうか。原作漫画の連載開始が1975年、アニメ化が78年ですので、そちらのほうがブームへの影響はありそうです。私自身も子どもの頃から大好きだった漫画ですし、刷り込みになっていると感じます。 袴が定番でこれが流行、というように雑誌にとりあげられたりするのには、女子の進学率も関係があったのでは?との指摘も。70年代に大学が大衆化し、女子の進学率も上がり、80年代には女子大生ブームがやってきます。 ふーむと思っていると、『スキルアップ!情報検索 基本と実践』の著者の一人である中島玲子先生に「女子大生 袴 1980」で検索したら共立女子大の文献がありましたよと教えてもらいました。 田中淑江ほか.卒業式に見る袴の現代的着装の研究Ⅲ : 「伝統的な視点から.共立女子大学家政学部紀要」2015,Vol.63, p. 23 - 35.によると注の(1)に「筆者が新聞4 紙(朝日新聞・読売新聞・毎日新囲・繊研新聞)を用いて分析した結果、袴復活の黎明期を1980年代初期-1980年代後期、定着期を1980年代末期-1990年代中期、安定期を1990年代後期~現代と時代区分を行った。」とあります。 全文もpdfで読めますし、この研究にはⅠやⅡもあり、卒業式の袴の着付の考察(衿あわせやえもんの抜き具合など)や流行などについて研究されておりものすごく面白い。ぼんやりと袴について「そんなかんじ?」と思っていたことが明文化されていて老眼鏡をかけたときのような気持ちになりました(婆)。 また、togetterのまとめ記事もありました。引用されていた1980年代バブルのころの謝恩会のドレスが度肝を抜かれる華やかさです!! 1970年代から女子大生の数が増えたのに伴い、1980年代初期には袴を履く女子大生の絶対数が増え、今では卒業式といえば袴、というような状況になったと考えられます。レンタル業者が着付までまとめて校内で行ったりするようになった時期とも重なるのでは。あとは、校風や学部や専攻にも関係があるかもしれませんね。 中島先生に「知りたいことを検索するときは、いつから?とか抽象的な言葉ではなく、知りたいことがどういう風に書かれているか、使われている言葉を想像して検索するといいですよ」と教えていただきました。 わにこはひとつ賢くなりました・・・・。 そして、「袴に振袖をあわせるのは最近のことだ」となんとなく思い込んでいたのですが、いち利女将の証言によって覆されました! 確かにはいからさんしかり、大正時代の高畠華宵の絵にも振袖に袴の若い女性がたくさん描かれていますし、もともと袖が長い着物にあわせるほうがスタンダードで、むしろ70~80年代の普通の袖丈の着物に袴、という流行のほうが少しイレギュラーだったのかもしれません。この頃は、手持ちの着物に袴をあわせていた人が多数だったためと考えられます。 今は着物もレンタルが多く、ほとんど二尺袖(76センチ)か振袖(100センチ前後)になります。やはり袖が長いと華やかですよね。もちろんご自分の着物で用意されている方もいらっしゃると思いますが、普通丈の袖は先生が着るものという流れになってきています。着物といえば何か絶対のルールがあると思いがちですが、細かい常識や流行も時代によって変化しているものなんですよね。 今回は女子大生に絞って調べましたが、今は小学生も卒業式に袴を着用しますし、それも漫画「ちはやふる」の人気が関係あるという人もいるようです。それだけではないにしても、漫画の影響というのも昨年の七五三の子どもたちの「鬼滅の刃」の影響による和装人気を見ても確かにあると感じます。 今回はふとした疑問から、ネットを通じて調べただけですがいろんなことがわかりました。そして、ちょっとぐぐって一番最初に見たものを鵜呑みにしたりすることは避けて、裏をとる大事さも痛感、反省。今は、なにかあるとすぐ拡散されてそれが事実かどうかというのはなおざりにされているように感じます。いろんな情報をちゃんと読み込む検索のスキルも必要なんだなと、袴とは関係ないところでも考えさせられた一件でした。いろいろ教えてくださった皆様に、感謝です!

令和の袴はここが違う!卒業袴にも流行あり。の巻

星わにこ
2021/03/03 00:00
3月、卒業の季節ですね。ご卒業の皆様、おめでとうございます。昨年はちょうどコロナ禍への突入の時期と重なり、卒業式も入学式も中止や縮小が相次ぎましたね。今年は対策を取りながら開催のところが多く、大学などは例年のようにで袴をレンタル当日会場で着付‥‥というようなこともないようです。いろいろなことが変わってはいますが、人生の節目であることには変わりなく。それぞれの形でお祝いできるよう、心より祈っております。 今年は小学生、大学生はじめ卒業式の袴着付をご依頼いただいているのですが、自分の卒業式(30年前‥‥がーん)の時と比べるといろいろなことが変わったなあと思います。ネットで調べてみると、1987年の映画「はいからさんが通る」の流行で、90年代から大学生が卒業式に袴を着るようになった、と記述されています。 私の卒業式のとき(平成初期)には、すでに「やっぱり卒業式は袴でしょう!」と母が張り切って用意してくれたのですが、ネットもない時代にそんな超流行に乗ったんでしょうか。「はいからさんが通る」の原作は1975年連載開始、大人気で1978年にはアニメ化され、私も子どもの頃夢中でした。だから、映画の流行ではいからさんブームが、というのはあったとは思いますがそれだけかなという疑問が。もう母も亡くなっているので聞くこともできませんが、このあたりもう少し調べてみたいですね。 実際の卒業式では今のように女子はみんな袴!ということもなく、スーツもあれば振袖もいる、というような状況でした。成人式も同じくですから、和装がこんなに増えた背景にはレンタル業者さんの仕掛けと躍進が凄かったということなのかなあと拝察いたします。 最近の袴姿が変わったと感じるのは、とにかく華やかになっているということ。 平成初期は色無地もしくは江戸小紋や小紋などに伊達衿をあわせたものに無地袴が主流。矢絣のはいからさんスタイルもありました。普通の着物に袴をあわせる、というかんじで、袖も普通でせいぜい若いので少し長めかな、という程度でした。レンタルも主流ではなく私も袴をその日のために買ってもらいましたし、「家にある着物に袴をあわせる」ということだったのかもしれません。 今はニ尺袖がベースで、振袖に袴をあわせるのも普通になってきています。最初振袖に袴をあわせるのを見てびっくりしましたが、もうすっかり慣れてしまって普通丈のお袖だと、先生ですか?と思ってしまうほど地味に感じるようになりました。慣れってすごい。また、袴も刺繍、グラデーション、バイカラーと華やか。紐の裏表で色が違うタイプも増えて、結び目も乙女結びだけではなく飾り結びなどバリエーションも豊富です。 振袖に袴をあわせるようになったのは最近では、と思っていたのですが実はそうでもないようです。ちなみに、1994年(平成6年)の「美しいキモノ」春号には大学の卒業式の袴が紹介されていますが、早稲田大学でのスナップがまさに私の時代あるある(二尺袖も数名います)。ですが、同じ号に載っているグラビアの卒業袴は、色柄こそ地味目ではありましたが、小紋などの二尺袖、振袖に袴というスタイルが掲載されていてびっくり。いわゆる今成人式で着られるような振袖は、謝恩会のスタイルとして紹介されています。そういう雑誌や着物業界の提案が、実際に着られるようになっていったということでしょうか。 きものというと細かいルールがあって、それが絶対!のように言われることも多いですが、礼装としてきちんとしていればどんな組み合わせでも問題なく、またその形も洋服とおなじように流行があるんだということを改めて感じました。 あともうひとつ、紐を結ぶ位置が平成初期と今ではスタイルが変わってきています。以前は、前紐の付け根部分の下にやや斜めに引き下ろすように紐を回して結び、後ろ紐も少し斜めにあわせて前紐の付け根より下で飾り結びをしていました。 今は、前紐の付け根に重ねて紐を結び、後ろ紐もそれに重ねて平行に高い位置に飾り結びをするスタイルが多く見受けられます。前者は男袴と同じような着付で、このほうがしっかり締まって安定するかなと思いましたが、十二単の長袴の着付を習ったとき、前紐にすべて重ねて行くスタイルだったので、しっかり結びさえすればはずれるとかずれるとかいったことはないのでしょう。 また、結び目が少し高い位置にきますので、足長効果もあります。こんなところもアップデートされているんですね。民族衣装ではあるけれど、やはり着物も流行のもの。残って行くためには魅力的であり続けることも大切ですよね。 30年後。はたして袴は卒業式の定番スタイルでありつづけるのか? またそうだとしたらどんな進化をとげているのか? そしてそれを私は見届けられるのか? なーんて思ったりする春なのでした。

腰紐は着付けの要、姿勢の要。の巻

星わにこ
2021/02/24 00:00
皆様、腰紐はどのあたりに締めていらっしゃいますか? 腰骨のあたり、ウエスト、いろいろ好みの位置があると思います。きちっと締められればどこでも好きなところでいいと思うのですが、私の腰紐の位置変遷のお話、ちょっとおつきあいください。 きもの初心者の頃。着付け教室で「腰紐だけはしっかり締めなさい」と言われたものの、とにかく締め付けが苦手、ユルユル大好きな私は「まあ~これくらいでいいよね~」と自分を甘やかしがちな締め具合でおりました。 この頃とにかく着崩れやすかったのは、この腰紐がゆるかったせいが大きいと思います。「胸元がどんどん詰まって、ぐだぐだになる」「立ったり座ったりしているうちに、お尻にU字型のシワができていく」「下前が落ちやすい」という三重苦を背負っておりました。 40代になって着付けをちゃんと習い直そうと思ったところ、この腰紐のゆるさを毎回毎回指摘され「そんなにゆるいのかな」と、驚きました。自分ではまあまあ締めていたつもりだったのですが、全然足りなかったみたいです。 おへそのあたりで腰紐をなるべく平らにあてたら、後ろの腰の部分で交差させたときに真横にぐっ!と引き締めること。前ではぎゅうぎゅう締めないで、でもゆるまないように結ぶこと。 こうすると、ぎゅっと締めても後ろは苦しくなく、むしろ姿勢がシャン!として気持ちがいいのです。 位置ですが、最初は締めて痛いのが怖くて、腰骨のところで結んだりしていたのですが、そうするとやっぱりずれがちになってしまって、もう少し上、おへそのあたりから少し後ろ上がりになるように締めるようにしたところ、安定しました。 この位置に結べるようになったのは、ウエスト補整をするようになったのも大きいかもしれません。補整がクッションになってくれて多少きゅっとしめても苦しく感じなくなりました。 適切な補整と、腰紐をしっかり締めることで、ぐずぐず着付けから卒業できました!(当社比) 後ろ姿、特に下半身が大変身しますので、おしりがたわむ、裾つぼまりにならない、はだけてきちゃうなんてお悩みの方がいたらぜひお試しください。 腰紐を制する者は着付を制す!(なんてオーバーでしょうか?) どうも襟元や裾がぐずぐずしてしまう方も、胸紐や伊達締めなど他の紐はぎゅうぎゅうする必要はありません。腰紐の締め具合がもしゆるかったら、位置や締め方を変えてみてはいかがでしょうか? そして、やはり腰紐をいい位置にきちっと締められると、姿勢がよくなります。やはり腰は姿勢の要なんですねー。 最近よく、おはしょりがまっすぐなる裏技として腰紐をナナメに結ぶやり方を見ますが、腰紐は体の要にもなる部分なので、よい姿勢、体がゆがまないためには平行に結んだ方がよいと思います。 このあたりも好みなのですが‥‥。もちろん、ゆるゆるゆったり着付けが好きという方はそれでもいいのです。自分の目指すきもの姿にあわせて、うまくいかない原因をつきとめたり、やりかたを考えたり、いろいろな工夫をしていくのが、これまた楽しい。 昔は着付け教室で習ったままに、そのままやるのがいいと思ったこともありますが、人の体も好みも違うわけだし、いろんなやり方にトライして自分にあったものをチョイスしていくのがいいんじゃないでしょうか。 また、以前は大丈夫だったことも、年齢とともにだめになってきたり。そんなこともあります。自分にとってのベストを常に、探す楽しみを忘れないでいたいな~なんて腰紐の話から脱線してしまいましたが、もうすぐ春! 気に入ったきもの姿ときこなしでおでかけしたいですね。

<極力そのままリメイク>お袖2枚で三角トートバッグの巻

星わにこ
2021/02/17 00:00
先日作った道行ラップスカート 早速うきうき履いてでかけようとしたところ、正絹の袷でやや重めなのかやはり小さなホック2つではウエストに止まりきらん。すぐ外れるばい(私の腹圧がありすぎという話も)ということで、どうしようかな~と思っていたところ、友達がロックつき前カンという秘密兵器を送ってくれました。 前カンとは、スカートやパンツのウエストのところについている、ジッパーをあげてからよいしょっと留めるあの金具のことです。皆様ご存知かと思いますが、もうウエストゴムの衣類と着物で生活してるとどんどん洋服に疎くなってしまって、思いつきもしませんでした! ですよね~~いりますよね~~。 ということで早速とりつけて、外れて落ちてドリフのコント(昭和)みたいなこともなく快適に履けております。ありがとうございます! この他にも紐をつけて結ぶようにすれば調整もきいていいよ、というご意見もありなるほどと思いました。肩の部分の余り布でちょっと幅広のリボンのような紐を作り、ウエストに取り付ければアクセントにもなって素敵ですよね!! 私がマメで器用なら‥‥(汗)というわけでこちらの案は、器用な方ぜひ採用お願いします。そして見せて☆ と、前置きが長くなってしまいましたが、道行ラップスカートを作ったあとに、ポロンと袖が2枚余ってしまい、これをなんとかできないものか眺めていたのですが、できるだけ縫うとこ減らしてなんとかしたい。。。。でもなんか作りたい。。。 そう思って作ったのがこちら! 袖を2枚くっつけてバッグにしちゃったバッグ(なんだそれ)。 芯などもいれてないので、くったりとしたかんじが優しく、上側の端を内側に折り込めば、ちょっとかわいい三角形になります。 もう、持ち手さえ縫うのが嫌だった私(どんだけ)、取り外しのできるバッグの持ち手というのがあるのを知り、採用!!! あとは、袖口側を一旦全部解いてぐるりと表地と裏地を縫い合わせ、袖を2枚重ねてコの字型に縫い合わせてひっくり返すだけ。 ここでかなりの厚みがあるので、手縫いだと手がかなり痛いかもしれません! 私はミシンで無理矢理縫いましたが、最後に針が折れました(涙) それが難といえば難ですが、3つのポケットがある、袋状の物体が出来上がります。あとは取っ手をパチンパチンと好きな場所にとりつけるだけ。手数はかなり少なくてバッグの形になります!(なにがしたいのか) メインの袋部分は1つですが、外側が二重になっているので、ちょっとしたものを分けて入れたりすることもできます。やっぱり正絹、手触りもよくてなかなか満足なできあがりになりました! サブバッグとしても活躍しそうです。 あと今回初めて知った、取り外しのできる持ち手は、他にもいろいろ活用できそうです! なんとか楽ができないものかといろいろ知恵をめぐらすことも、勉強になりますねえ(そればっかりもどうかとは思いますが)。 今回どうしても2枚でなんとかしたいと思ったのでこうなりましたが、袖1枚で1つのバッグにして2つ作ってもいいと思います! ちょっと薄手なので、たよりないかもしれませんが、エコバッグにはいいかも! もし道行スカートつくってみたわ!という方がいらっしゃったら、残りのお袖の行く先の参考になれば幸いです。 関連記事:羽織の袖で作ったバッグの話はこちら

昭和・平成・令和☆着物スタイルの変遷考の巻

星わにこ
2021/02/10 00:00
いつも、着物はボディを寸胴にしたほうが布が体に添ってキレイに着られます! 胸やヒップが目立たず、まっすぐなI(アイ)ラインを作った方がスマートに見えます。だから補整は大事です、と言い続けているワタシですが、先日、でも昭和の女優さんの着物姿とか帯は胸高で体もすっごくカーブしてますよね?と質問されました。 そうなんです。昭和中期のきもの雑誌を見ますと、今と全然着付けもモデルさんのポーズも違っています。流行、ということもあったと思いますが何を目指して着付けられていたのかということがまず違ったのではないでしょうか。 着物が生活に根付いていたこの頃は「着物だって、洋服と同じように足長でほっそりスタイルに見えたほうがいい!」ということがまずありました。だから、モデルさんの立ち姿もまっすぐ立つのではなく、ひねりを加えたり足を曲げたり。帯もウエストに食い込むような形で、ヒップのまるみも感じられる着付けです。 この頃の雑誌「美しいキモノ」や「きものと装い」(主婦の友別冊)などを見ても、特集で「温泉旅行にいったらこんな装い」とか、「夫婦でデート」などなど、様々なシチュエーションでの着物姿が紹介されていますし、自分で作る着物の小物やうわっぱりの製図など、まったくの普段着というよりはちょっとよそ行きだったかもしれませんが、日常に着物姿があったことがわかります。私(50代)がちょうど子どもの頃。祖母は着物が当たり前、母の世代もお正月や卒入式、なにかがあると着物を着ていた世代で、着物になじみがある人も多いでしょう。 もともと、礼装は昭和の時代でも、動き回ることが前提ではありませんから、この頃から美しくシワなく着るという傾向がありました。特に戦後に着物が着られる人が減って行く中での着付け教室などによる「着物のルール」が厳格化していく中で、いろんなしばりも生まれていき、着物離れはどんどん進んでいきました。 それが決定的になったと感じられるのがバブル時期。普段に着物を着ることがほぼなくなってきたときに、着物を「冠婚葬祭の必需品、高級品」として販売した呉服業界によって、着物は日常生活から切り離されてしまいました。このころ創刊されたのが「きものサロン(現在のきものSALON)」。女優さんたちが美しく、一分の隙もなく呉服屋さん提供の高級呉服をモデル仕立て(本仕立てではない)で着ていました。それもあって、ポーズに動きがなくなっていきました。それはそれで絵のようで美しくはありますが、これは日常生活では再現しにくい美しさといえます。 もちろん着物を愛して、普段に着ていた人もいますけれど、本当に少なかったのではないでしょうか。雑誌でも、普段に着物を楽しもう、というよりは、高級なものをいかにシワなく美しく装うかというようなところが主眼だったような気がします。このころの雑誌の着物や帯の値段を見ると「ひっ」と思うような金銭感覚です(笑)。当時20代だった私は、着物に憧れて着たいなと思っていましたが、着物一枚に帯三本なんて呪文のように言われ、言われるがままに着物を買って行ったらどうなるの?と不安にもなり、着物を一旦諦めた思い出があります‥‥。 また少し流れが変わってきたと思うのが平成中期。平成14年の「KIMONO道(後のKIMONO姫)」16年の「七緒」創刊。リサイクル着物やアンティーク着物などを安価におしゃれに楽しんで着ようという流行がやってきたのです。当時古着などで本当に安価に手に入った着物。この頃、バブルを知っている身としては「えー!着物500円とかどういうこと!?そしてこんなに自由でいいの!?」と、楽しさに再開眼して、どっぷり着物沼にはまったワタシ。 東京では、本当にこの15年で普段に着物を楽しむ人の姿が増えたなと実感します。着付教室や呉服業界リードではない、「やっぱ着物着たいじゃん!」という普段着物の流れ、そして着物を着るうちに「いいものはいいよね」と知る、伝統の技もあり。新しい素材の普段着物あり。またやはり、ここでリバイバルとでもいいましょうか、あの足長でヒップのまるみが感じられる曲線着付けが戻って来ているようにも感じます。 ただ言えるのは、曲線着付けが戻って来たからといって補整が必要じゃないわけではないということです。足長着付けは胸をかなり抑えないと難しい。あと、年齢にふさわしいかどうかというのもあります。ここも、個人差があるとは思います。 普段着に関してはここに正解はなくて、自分が「どんな着姿」が理想なのか、ステキ!!憧れ!!なりたい!!と思うのかが最優先事項。人がどういおうと、自分が着たいように着ればいいし、なりたい着物姿に、補整するしないを含めて、寄せて行くことが一番いいんじゃないかなと思います。礼装はまた、別ですけれどね。 今はYoutubeなどもあり、いろんな人のいろんな着付け方法が見られる時代。正解はないからどんどんいいとこ取りして、自分なりのきものスタイルを見つけていけばいいんじゃないかなと思っております。せっかくこの時代に「着物を着よう」という物好き(笑)な仲間は、間違い探しをするより、お互いリスペクトして大事にしたいですよね。 昭和から一般人として着物を眺め続けて来た体感はこんなところですが、うっかり年寄りの繰り言みたいになってしまい、長文となってしまったことお許しください。こうして書いてみるとやだー!もう半世紀も過ぎちゃったわ!と驚き。でもまだまだ人生長いと信じて、いろいろなことを決めつけず、楽しむ気持ちを忘れないでいたいと思います! 皆さんもいろいろ教えてくださいね。

道行をラップスカートに!ちくちくリメイクの巻

星わにこ
2021/02/03 00:00
リサイクルきもののイベントで、すごく素敵な着物のリメイクスカートを履いている方がいて、思わず声をかけたら「これ? 作るのめちゃくちゃ簡単なのよ!」とおっしゃる。 またまた‥‥。お裁縫が得意な人の「簡単」は、私信じないことにしてるんです‥‥って思っていたんですが、説明を聞いたらめちゃ簡単な行程でした。 道行の袖を外して、衿の横部分を活かして、その上で縫い代分残してまっすぐカット。三つ折りにしてゴムが通せるように縫うだけ。道行の前であわせる部分がそのままスカートの前面にきて、くるみボタンがついたとてもおしゃれなラップスカートが出来上がる!という寸法。 確かに‥‥よく見ると道行そのままの形が活かされています。手ぬい作家の髙橋恵美子先生の本に掲載されていたものだそうです。 作り方があまりにも簡単だったので、私にもできるかも?と思ったっきり忘れていたのですが、先日仕事場近くのリサイクルショップを覗いたら、セールで道行が300円で売られていたのです‥‥。状態もとてもヨイ。そこで思い出しました。ラップスカートのことを。300円なら失敗しても辛くないと思い、早速挑戦してみました まず袖をはずして、図の1の部分をカットする。(私は7センチくらい縫い代のつもりで残しました)図の2の部分が袖付けと身八つ口の部分で割れてるので、縫い合わせます。器用な人はポケットにしてもいいかもよ。 内側に三つ折りにして、ゴムが通るようにして手縫いでちくちく縫い、ゴムを通せばもうできあがり。ゴムの端は、縫い留めました。 もともとの道行のお仕立てがとてもいいし、切るときドッキドキしましたが、本当に履き心地のいいスカートができあがりました。正絹のしっとりした感じが気持ちよく、またほんとうに暖かい。 でもお洗濯はクリーニングに出すしかないかな、と思ったけど、なんとなくいけそうな生地だったので、カットして残った、肩の部分を試しに手洗いしてみました。あまりシワにもならず、脱水してすぐにアイロンをかければ問題なさそうです。 このあたりは道行の生地、裏地によって違うと思いますので、もし手洗いしてみたかったら、余った部分で手洗いテストしてみてください。 今、残った袖でバッグが作れないかな、なんて考えています。羽織の袖でバッグをつくった時と違って、衿部分の布がないから違う形がよさそう。 こういう縫うところが少ないリメイクなら私もまたできるかも? おおざっぱな私は想像だけで適当ざっくりに作ってしまいましたが、ちゃんとした道行スカートの作り方手順が知りたい方は、髙橋先生の本をおすすめします。 「簡単 手ぬいで素敵に作れる 着物リメイクの服と小物 色・柄・素材を生かすアイデア」 高橋恵美子(著/文)家の光 ステイホームでちくちく手縫い、ちょっとはまりそうです(単純)。

おひとりさま観劇☆初春大歌舞伎にいってきましたの巻

星わにこ
2021/01/27 00:00
緊急事態宣言中の東京ですが、動ける部分は動かし続けている‥‥という感じで、日中もさほど人出が減少した様子はありませんね。私も、感染対策に気をつけながら仕事がある限り動いているような状況です。 そんな中、第三部の終幕の時間が早まったため、行けなくなったお友達からチケットを譲ってもらって歌舞伎座へ行ってきました。不要不急?と思いましたが迷っていたら「楽しいことは免疫力もあがりますよ」と言うお言葉ももらい、着物を着て出かけることに。 歌舞伎座について空を見上げると、月がかかっていてとても奇麗でした。 そして、なんと静かな歌舞伎座‥‥。座席をあけてあるため、入場人数が少ないのはもちろん、みんなマスクで無言です。座席で食事をしながらわいわい見ることはもちろん、大向こうや、かけ声もありません。食べ物を売っている売店もすべてクローズ。万全の感染症対策です。スタッフの誘導もスムーズで、観客もみな無言で従っています。 あの華やかな芝居見物気分の、さんざめくロビー、正月の晴れ着、新春の賑わいはありませんでしたが、いざ幕があくと、そこは確かに初春の歌舞伎座。 「菅原伝授手習鑑」は車引の段。高麗屋三代による三つ子の松王丸、梅王丸、桜丸というなんともめでたく華やかな舞台。これぞ歌舞伎!な衣装に隈取りに見得。坂東彌十郎の時平もこれまた憎々しく、それぞれの型を堪能しました。 上方落語をもとにした「らくだ」は、肩の力を抜いて見られる世話物。中村芝翫と片岡愛之助の掛け合いが面白く(芝翫のスキャンダルを愛之助がいじるシーンも‥‥)左團次と彌十郎の因業大家夫婦もサイコーです。 襲名披露から2年過ぎ、染五郎くんも大きく見える。染五郎というと、まだ現白鸚さんの若い頃をイメージしてしまう昭和な女ですが、やっと現幸四郎さんの染五郎に慣れて来たかなと思ったらもうお孫さんが染五郎かよという、いやはや時の流れを感じずにはおられません。らくだも、三津五郎と勘三郎のときはねえ‥‥なんてほんと、歌舞伎で昔語りをするばあさんになるとは、若い頃には思いもしませんでしたわー。いやあねえ。。。 数少ない私の観劇歴ですらこれですから、歌舞伎好きの皆さんは本当に、思い入れが強いと思います。厳戒態勢とも思えるような、こんな状況でなぜ歌舞伎座の幕は上がり続けるのか。なぜ観客もオンラインではなく、チケットを握りしめて、劇場に足を運び続けるのか。 それは、文化の灯だからではないでしょうか。そして、舞台にあがっている役者や地方だけではなく、裏方の頭取や狂言方、大道具、小道具、衣裳、床山、楽屋番、照明、音響‥‥そして表方と呼ばれる場外まわりなど直接当日の舞台に関わっている人だけでもどれだけの人数かいるでしょうか。またそのまわりで公演に関わるお仕事は数限りなくあります。歌舞伎座が止まってしまったら、すべてが止まってしまう。中には、今止めてしまったらもう二度と次に繋げないようなものや技や文化があります。 歌舞伎だけでなく、他の演劇、音楽、舞台についても同じことが言えるのではないでしょうか。その灯を繋いでいくために、今日も歌舞伎座はライトアップされつづけ、スタッフも、観客も無言で、それを守っているように思われました。 かかっている舞台が素晴らしいだけに、声に出して笑ったり、友人と感想を言い合ったり、買い食いしたり、帰りにお茶したり‥‥早くそんな日が戻ってくるといいと心から願ったおひとりさま観劇でした。 この日のお月様は、なんだかずっと忘れられないような気がします。

なんにもなくても、家で訪問着を着てみたら!?の巻

星わにこ
2021/01/20 00:00
緊急事態宣言の範囲が広がって、またおでかけが遠のいてしまったなという方も多いのではないでしょうか。私も、おでかけもなく、お茶のお稽古もなく、着物をきる機会がぐんと減ってしまいました。着付けのお仕事はしていても、なかなか自分で着る機会がありません。 着付けのレッスンもしているのですが、ご希望でしばし様子見になることも。そんな中、リクエストをいただいてオンラインレッスンをすることになりました。在宅ワークでも、オンラインレッスンとなれば化粧もして、着物をきて、生徒さんとお話し。メッセンジャーでの動画通話ですが、1対1でじっくりとお話ししながら、やわらかものを着て袋帯を結んで、綺麗に着あがると、やっぱりテンションがあがります。 なんだろう、この着物の力。偶然にもFBで、なんにもないけど家で着物を着ました、という投稿を3件ほど見ました。着物を着ると、ちょっと嬉しくなる。みんなそんな気持ちになりたいのではないでしょうか。 何度かレッスンなどで家で着物を着たのですが、やはり、とくに気分の上がり方が半端ないのが訪問着。晴れ着ってすごい。ほんとに気分が晴れるようです! もったいないとか、以前のわたしなら思ったかもしれませんが、しまいっぱなしより時々取り出してあげたほうがいいのでは?と思うように。いざ着るときのシュミレーションにもなりますし、虫干しにもなります。家の中で練習で着て、コーデ写真をとるだけならたいして汚れもしません。 着物はやっぱり手を動かして着るとどんどん上達するし、手早くもなります。やはりちょっと自分で着ることに関しては機会も減っていたので、着てみるとカンも戻ってきますね。 家で普段着を着るのもいいのですが、練習だけだったらどーんと晴れ着を着てみるのも楽しいですよ。気分が爆上がりします。どうせ出かけたりもしないしと、このごろちょっとテンションが下がり気味だったのですがおとっときの訪問着に袖を通したら、気分もハレバレ(単純) そして、あっこんなところにおりジワがついてた、なんて気付きもあったり。やっぱり色が派手でもう着られないな?。。と思ったり。後回しにしてた、袖付けのほつれに気付いたり。着付けの腕試しになったり。 着たらぱちりと写真を撮って、ちょっとお手入れをしてしまうようにすると、なかなかこれよろしいのでは?と思うように。 よく、しつけがついたままで着た形跡がない着物を受けついだ、とかもらった、とかいうお話をききますが、「もったいない!」と思っていたわたし。でも、そういえば私も仕立てたはいいがまだ袖を通してない着物があるんです。ここ一番に初めて袖を通す!というのもいいけれど、なんだかこのまましまいっぱなしになってしまいそうな気もして、だったら着てみよう!と思い切って着てみました。 実は星が流れている模様の訪問着で、初心者の頃「星だわ!」とか勢いづいて入手したもののなんというかちょっとどこに着ていけばいいの?と悩んでしまい込んでいたもの(笑) でも実際着て見たら限りなく小紋みたいで、しかも目立つところに置き染みが。。気付いてよかった! これならもっと普段に着てしまえるなと新発見。「こんなときに着たいな」とか「ここに行ってみたい」みたいなところまで夢が膨らんで、あれこれコーデを試して、とっても楽しい時間になりました(後片付けがちょっと面倒だけど(笑))。 お出かけしないからこその、訪問着着付け練習。気分が晴れなかったら、お気に入りの着物に袖を通して見てはいかがですか。着終わるころには結構気分があがっているはず! ひとりじゃあちょっとつまらなさすぎる、なんてときはきのおけないキモト(着物友達)とオンラインでコーディネートのみせっこをしながら着るのも楽しいですよ!

男子の袴もかっこいいぞ!2021成人式所感の巻

星わにこ
2021/01/13 00:00
11日は、成人の日でしたね。新成人の皆様、ご家族の皆様、心よりおめでとうございます。 緊急事態宣言、大雪などなど成人式の開催がこんなに揺れた年はないのではないでしょうか。東京では結局成人式を開催したのは23区中2区だけ。結局、私が着付けをさせていただく予定だった新宿区・中野区の新成人も、直前に成人式が中止・延期となりキャンセルに。着付けのお仕事をさせていただくようになってから初めて、なにも予定がない日となりました。仕方のないことですが、残念です。 そんな中で、直前に写真スタジオでの撮影をご希望の新成人が。なんと友人同士の男子3人でとのこと。お支度の時間をずらしたり、スタジオ撮影は短時間で、集合の撮影は屋外でなど、工夫して撮影をさせていただきました。 自分たちで好きな袴を選んでレンタルしてお持ち込み。白や黒の柄に紋のところに西洋の紋章っぽいのが入っていたり、華やかなスタイル。幸い晴天に恵まれて、キラキラのロケ撮影が出来ました。袴姿がとっても気に入ったみたいで、成人式はないけど当日もやっぱり着たい、ということで急遽2日連続着付けもさせてもらいました。嬉しかった(^^) 振袖の着付けがなくて残念‥‥なんて思っていましたが、男子の袴もこれまたかっこいいもので。いつも黒紋付の着付けばかりをしているのですが、きらびやかな羽織袴もいいもんだなあと思いました。なにより、自分たちが気に入って選んだものなので、テンションが高い! ポーズも決まってとてもかっこ良かったです。成人式の装いは礼装であるとともに、祭の衣装のような意味もあるのだなーと。なんかもうアイドル撮影みたいでした! 3人組といえばシブがき隊とか少年隊とか思うので年が丸ばれなわたしです。 同時にお母様方の着付けもさせていただきました。色留袖、色無地(ご自分の成人式の振袖の袖を留めたものだそうです)、訪問着。それぞれとっても美しかった! またこれキャンディーズ的な?(例えが昭和で申し訳ない)。子どもの成人式は、新成人となったお祝いでもあるけど、育て上げた親御さんのお祝いでもありますよね。男子母の私としては、20歳となった男の子を、目を細めて見守るお母様たちの気持ちが痛いほどわかります!!!よくぞここまで(涙)です。 一人の男子が「お姫様抱っこしたとこ、撮ってください。決まりなんで」って、なんとママをお姫様だっこして写真を撮影。白い羽織だったこともあって、どこの王子様かと思いました!! 母の夢ではないですか? おんぶでもいいわ、って友達に言ったら「それ介護でしょ」と突っ込まれてしまいました(笑)笹川良一が頭をよぎった私は昭和な女です。。。(昭和ネタばっかりですみません) とにかく、あっという間の、私たちスタッフにとっても思い出深い撮影となりました。このようなお祝いごとに関わらせていただけるのは本当に有り難くまた身が引き締まる思いがします。 たくさんのお友達と会ってワーっと楽しむことは今は難しいけれど、どんな形でも20歳の想い出は残していただきたいなと思います。コロナのせいで、時期がずれるのは仕方ないこと。今は、健康に留意して生活しなくてはならないし、いたしかたのないこの経験もきっと糧になるはず。 本当に当日は、いろんな過ごし方をされたことと思います。成人式があってもなくても。行っても行かなくても。成人したことに変わりはなく。もちろん着物を着ても着なくても。生きてこの日を迎えて、大人の第一歩を踏み出した新成人の皆さんに、心からのエールを送りたいです。 そして、成長を見守った大人たちにも! 笑顔で上を向いていきたいなと改めて思う令和三年の成人の日でした。おめでとうございます!

振袖はいつでも着れるけど、20歳の振袖はまた特別の巻

星わにこ
2021/01/06 00:00
あけましておめでとうございます。早いものでこのコラムもなんと8回目のお正月のご挨拶です。毎回目を通してくださる方、いらっしゃるのかなあ?と思いつつ、続けさせていただいていることに感謝です。昨年末、コラムのアクセスが多かった年間ランキングというのをイケメンの担当さんに教えていただいたんですが、ダントツでさらしマスクの記事でした。コロナで大変だったんだなあとしみじみです。あとは、うそつき衿長襦袢の衿のたたみ方など、過去の実用記事にアクセスが多かったです。 Youtube全盛時代で、こういうハウツーものも動画で発信する人も見る人も多いと思うのですが、やっぱり文字や図で見るのが落ち着くわというお声もいただくので今年も頑張って余計な戯言込で書かせていただこうと思っておりますので、どうぞ変わらずよろしくお願い申し上げます。 さて、また緊急事態宣言が出そうな一都三県。予断を許さない状況だと思うのですが、まさに成人式直前の発表で、新成人の皆さん、ご家族の皆さんは本当に振り回されてしまった(ている)のではないでしょうか。各自治体も対応本当に大変だと思います。私も当日は着付けのお仕事があるのでドキドキしているのですが、キャンセルもあり、様子見もありで、どのようになっても対応できるようにしておくしかない状況です。このコラムを読んでくださっている着物好きな皆様も気になるところではないでしょうか? でも感染が増えてしまうとそれどころではなくなってしまうので、ここは耐えていくしかないですね。式がなくても、新成人となったお祝いの日には違いないですし、友達と会えなくても、自分をお祝いして、また成人になったと自覚してほしいと思います。ご家族と過ごせる方はご家族と、会えなかったらオンラインや写真で、今までお世話になった方に連絡をとってみてはいかがでしょうか?  成人式がなかったら、振袖や羽織袴を着ないというのもちょっと寂しいお話なので、前撮りをしそこねた方はぜひ折をみて後撮りしてみてもいいのではないでしょうか。20歳のときの写真はそのときしか撮れないもの。 そして自分のためにもそうですけれど、「この子が成人したんだ」というおじいちゃんおばあちゃん、お父さんお母さんの喜びのためにも(笑)ぜひ成人の記念写真を撮っておかれるといいと思います。 振袖じゃなくてもいいけれど、振袖は日本の未婚女子の第一礼装。日本のプリンセスドレスです。ぜひ着て、装う喜びを味わっていただきたいなと思います。マジ、テンションあがるから!! 袖が長いだけだけど! すごいから!! 振袖を着るときは頭もメイクもがっつり盛らないと、振袖に負けちゃいますので、ばっちりと決めて着ていただきたいです。 そして振袖は、成人式だけじゃなくて、機会があったら着るとよいですよ。振袖ってほんとに美しい衣装ですから。私なんて、用がなくても着ちゃいます(それもどうかと)。 礼装を着る。普段着でないものを身につけるというのは、やはり人生において、ここでひとつ区切りですよというけじめや区切りを表す様式美のひとつでもあると思います。礼装でそれを表したり、また礼装を着ることで自覚が芽生えることもある。 わたしも成人式当日は振袖ではなかったけど、別の日に母が誂えてくれた鮫小紋を伯母に着付けてもらって写真を撮りました。当時はメイクを大失敗して写真が気に入らなかったし、後も封印したい(笑)とか思っていたけど、母も伯母ももう亡くなった今、かけがえのない想い出になっています。なによりその写真を母が喜んでくれていたのが、撮っておいてよかったなあと思う一番です。 着なくても成人には変わりはないけれど、それを経験しないのは、ちょっともったいないことかなとも思うのです。成人式を諦めた新成人の皆さんも、もし機会があったら振袖や羽織袴を着てみてほしいなあと思うおせっかいなおばちゃんの、新年のはじめなのでした。

どちらも素敵!花嫁衣装☆白無垢と色打掛の巻

星わにこ
2020/12/23 00:00
今年はコロナの影響で、結婚式の延期をやむなくされたカップルも多いと思います。お世話になっている大切な皆さんに祝福されて晴れの門出を、というのが難しいとは‥‥。冠婚葬祭が中止や縮小となり、どれだけ人と人とのつながりやふれあいが大切なものだったかと改めて知ったこの1年でした。 そんな中でも、記念写真だけでも撮っておこうというカップルの撮影を年末に続けてお手伝いしました。白無垢での撮影と、色打掛での撮影の両方があったんですが、本当にどちらも素敵で(><)花嫁衣装の素敵さを堪能しました。黒紋付の花婿さんも、これまたかっこいいんですよね。 結婚して何年か経ち、挙式をしていなかったけど写真だけ撮っておきたいというお二人は白無垢で。赤ちゃんが生まれる前にということで安定期での撮影でした。おめでたさ倍増の撮影です☆ 日本髪が結ってみたかったという花嫁の希望で、自毛で新日本髪を結っての撮影。べっ甲調の簪が黒髪と色白の肌に映えて、これぞ日本の花嫁姿!という美しさでした。 挙式を延期しているお二人は、白無垢は挙式で着たいので、色打掛で撮影のご希望でした。やっぱり色打掛って華やかなんですよね~! 豪華でお姫様みたいで、これまた本当に美しい。 衣装の美しさもさることながら、小物もまた美しいのですよね~~。懐剣、はこせこ、扇子。いずれも美しく長い撚房がついて、胸元で揺れるのが本当に素敵!! 花嫁姿はなんといっても、一番幸せで一番美しい。着付をしながら、撮影をしながら、感動してしまいました。本当に、どちらも素敵でした!! 時間があれば、白無垢を色打掛に掛け替えたりすることもできます。そうすると両方楽しめちゃいますよね! 懐剣を身につけることからもわかるように、打掛姿は武家の婚礼衣装がルーツ。白無垢と色打掛は、いわばウエディングドレスとお色直しのカラードレスのような関係で使われるのが一般的です。挙式には、白無垢とされていますが、最近は寺社によっては色打掛でも挙式OKのところもあるそうです。一生に一度は着てみたい衣装のひとつですよね~。 さてさてそんな打掛の着付けですが、本当に大変! 帯を胸高に高く結ぶため補整もしっかりしますし、花嫁用の伊達締めは通常のものの2倍の長さがあります。2年前から勉強して、練習して、やっと一人でも着付けができるようになりました。着物も帯もそれぞれがとても豪華でボリュームがあるので、大変ですが、とてもやりがいのあるお着付です。心をこめてキレイに仕上げてもほぼ打掛で隠れてしまうという掛下ですが、それも美学が感じられます。 関連記事:憧れの花嫁着物☆白無垢の下はどうなってるの?の巻 スタジオ撮影とロケ撮影、両方しっかりさせていただきました。お祝いの写真はとにかく輝くような笑顔を見られることがなによりもなによりも、嬉しいことです。 写真があれば、年賀状ででもご挨拶ができますよね。七五三も、帰省することができない今、せめて写真だけでも見せてあげたいという想いからか、例年より撮影が多かった気がします(鬼滅ブームもあるかもしれないけど)。スマホの写真もいいですが、やはりプロの写真はひと味違います。節目には、いい写真を残すのも大切な想い出になりますよね。 自分の結婚式の写真を久しぶりにひっぱり出して、撮っておいてよかった、美しくしていただいて有り難かったなあ~なんて思い出しました。ただ、私の白無垢写真には誰に言っても「え~~!!」と言われる衝撃エピソードがあって(笑)。 それは、できるだけ結婚式のお金も節約しようとホテルのブライダルフェアでレンタル料が一番安い白無垢の中から、悩んで悩んで選んだ私を尻目に、花婿さんはこの3種類です、と羽織袴のセットを見せられて「じゃあこれで」と白無垢より高いものを選んだ彼。「ちょっと待って」とさすがに声をかけた私に「だってこれが一番いいから」という返事。そりゃあいいでしょう。でも、でもですよ。花嫁衣装より高い袴を着る花婿がどこにおんねん! あのとき考え直しておけばよかったと思わなくもないその後の私の結婚生活(笑)。まあ、過ぎてしまえばいい想い出‥‥ってそんなことあるかーい! 写真を見ながら当時の恨み(笑)が再燃した私でした。確かに、素敵でした。羽織袴(笑) 写真はその時の気持ちも、一緒に写っている気がするので、スタジオに撮影にきていただいたお客様には楽しい想い出にしていただけたらいいなあといつも思っています。 話がめちゃくちゃそれましたが、そんな年末の仕事納め。命を守るために優先すべきこと、経済のこと、生きていくというのは本当に大変。着物を着るどころではない、という気持ちになったこともありますが、やはりお洒落や心の潤いや、節目の装いは大切なものだと改めて気付かされた1年でもありました。 今年もとりとめのないコラムにおつきあいいただき本当にありがとうございました。いつもとは違った年末年始になりそうですが、心静かに新たに、また来年お会いできるのを楽しみにしております。どうぞよいお年をお迎えください。 わにこ 拝