毎年どんどん花の時期が早くなっているような気がするのですが、今年はいつも5月中旬に咲くお庭の紫蘭がもう咲いてびっくりしているわにこです。
こう暑くなったりするともう単衣の出番だったりするのですが、襦袢も単衣や夏のものを使って対策していかないと厳しいときもあります。
私はうそつき襦袢で通していますが、最近はカラフルでやわらかい麻の襦袢や新素材の襦袢も人気ですよね。
さて、いただきものや久々に出してきた着物を着ようと思った時、あれっ!襦袢と着物の袖丈が合わない、なんていうことはありませんか?
襦袢のほうが長い場合は中で畳んでしまえばいいのですが、短いときが困りものです。着物の袖から、ぴょんと飛び出してきてしまうからです。
よくやる処置は、お袖の振りを1箇所縫いとめてしまうこと。襦袢の袖丈より上の部分を縫います。こうすることで、襦袢の飛び出しを防げます。
(1)袖の振りを縫う
一番簡単なのは、着物の袖の振りをあわせて縫ってしまうことです。
ちょっと内側で糸の長さに少しゆるみをつけて縫っておくと、振りの飛び出しを自然なかんじで防げます。
(2)袖の内側から安全ピンで止める
着てから長襦袢の内側から着物の裏地に袖同士を安全ピンで止めても。もしくは人にやってもらえるのであれば、縫い止める。(脱ぐときには安全ピンをとる、糸を切ってから。それか襦袢と着物と一緒に脱ぎましょう)
(3)襦袢の振りを折る
もしくは襦袢の振りを三角に内側に折って、縫うもしくは安全ピンで止めるという応急処置もあります。
(4)アメピンで振り同士を挟む
先日、着付けレッスンにいらした方がレースの道中着と着物の袖丈が微妙に合わなくて振りが出てきてしまうのを防ぐために、ヘアピン(アメピンと呼ばれるやつです)で袖の振りを目立たないところで止めていらっしゃいました。袷の着物であれば、表地と裏地の縫い目の間にすべりこませれば、ほぼ見えなくなりますね。
ぱっと見て全然気づきませんでしたし、自分でできる応急処置でなるほどな!と思いました。早速コラムに書かせてくださいとお願いしたのは言うまでもありません。。
ただしアメピンやスモールピンなどのヘアピンを使う場合、万が一錆びていたりすると着物が汚れてしまいますから、使う前に確認しましょう!
いろんなやり方を知っておくと、その時できる方法で対応できますよね。
(5)うそつき袖なら筒袖にするか、最初からつけない
わたしはうそつき袖なので本来はその着物にあった長さのうそつき袖をつけるわけですが、ない場合は筒袖にするorつけない!という対処もしたりします。
それからもうひとつ。着物と襦袢の袖丈、合っているはずなのに襦袢のほうがちょっと短くなっちゃう。なんていうことはありませんか?
そんなときは、着付けが原因です。襦袢の袖付けのところを胸紐や伊達締めでしっかり押さえて袖側の布まで引っ張りすぎている場合。
そんなときは、身八つ口の部分から襦袢の袖付けを上にひっぱって少し緩めてあげると、着物と袖丈がぴったりになりますよ。
袖の振りが、羽織やコート、着物、襦袢とピッタリ重なって層になり色のグラデーションが見えたりすると本当にうっとりしますよね~。
でもなかなか全てがそうはいかないからこそ、その尊さも分かろうというもの‥‥。
袖丈が合わないからといって諦めるよりも、多少のことはちょっとした工夫で乗り切って、楽しみましょう!