毎日足袋を履き続けたら足のサイズがさらに!変わったはなし。の巻
星わにこ
2021/12/22 00:00
あと少しでクリスマス、そして大晦日。いろいろあった今年も暮れていきます。ここのところ少しお出かけもできるようになり、日常が戻ってきた感がありますね。直接会ったり話したりできる有り難さを噛み締めています。
先日東京でゑびす足袋さんの催事があったので、新年用の新しい足袋を買いに行きました。そこでまた足のサイズを見てもらったところ、なんと! 足首がさらに1センチ、足幅周りが5mm減って、細形の足袋が履けるようになっていたのです。
昨年毎日のように足袋と「こたび」を履いていて、劇的な変化を遂げた私の足ですが、今年もしつこく履き続けていたら、さらに変化を遂げていました!
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なんとこの2年で、ゆったりから普通、普通から細形に変わったのです。
どんだけ緩んで幅が広がってたの!私の足!!
アーチ部分が柔らかくなり、きゅっと縮むようになっていました。
「本当は小さい華奢な足なのよー。サイズがあった足袋を履いていたから、本来の足の形が戻ってきた」と言われ驚きです。華奢! 私の人生に縁のなかった華奢という言葉!!
足幅も変わったけど、浮き指で足裏を使って外体重で歩いていたせいでできていた大きなタコが、柔らかくなりほぼ消えて足がとても柔らかくなりました。体重の掛け方が治ってアーチができたためです。
こたびを履き続けて外反母趾が治った方のお話もありました。私の外反母趾はまだ治ってはいないけど、何十年もかけてなったものだから、すぐには治らないけどちゃんと歩けるようになれば変わってくるとのこと。
今までゆるいぶかぶかの靴とかストレッチ足袋とかで広がり放題だったものが、きちんと自分サイズの足袋を履くことで本来の足の形が戻ってきたのです。
道理でこのごろ、こたび(S)が脱げやすいなあと思っていたのです。すごいなー人間の足。
ゆるくなったこたびも、両サイドを縫い縮めればサイズが小さくなるので使えるとのこと。早速直して、さらに足幅きゅっとしなくては!
万年ゾウ足だった私が、細形とか!! こたびはSSでいいとか! こんな日がくるなんて!! うっそ! ゑびす足袋の白記さんの手をとってぴょんぴょんしてしまいました。ゑびす足袋のある大阪に足を向けて眠れません!!
眠るといえば、足にアーチができて血流がよくなったせいか、冷え性で寝る時は靴下を2枚履いていた私が、このごろは裸足で寝ているんです。あと、股関節も痛くなくなりました。この変化もすごい!!
まださすがに新しいこたびSSはちょっと履くのによいしょよいしょという感じですが、これも履き続ければ変わってくるはず。
こたびよりも、足袋を履いていたほうが足首までカバーするので、より足の使い方がよくなると聞きました。家の中でも足袋を履いてみるか!(フンス(鼻息
でも、足袋の裏がすぐ汚れちゃうんだよね~(※掃除しろ)というと、裏の汚れが落ちにくくなってきたら、家用のものは墨汁で染めちゃうといいよ、と白記さん。
紅茶やコーヒー染めもいけるそうです。そんなに濃くしなくても、家庭で汚れが目立たない程度の色に染めて、洗って薄くなったらまた染めるとのこと。
染料などを使って染めてもいいけれど、家にあるもので気軽にできるからいいですね。白足袋も活躍期間が伸びそうです。
そんな話を聞いていたら、裏が黒の柄足袋も自分サイズで作っていただけると聞き、オーダーしたくなってお願いしてしまいました。着物のときは白足袋派だけど、和洋ミックスや洋服に足袋も来年は挑戦してみようかな!
窮屈はいや、のびのびがいいとずっと思っていたのですが、足を適切に支えてくれる足袋の力ってすごいのですね。自分の足にあった足袋を履くことの大切さをさらに痛感した年末でした。
あとは痩せることができたら。。。(切実(切実(大事なことなので2回言いました)
皆様はどんな年末をお過ごしでしょうか。少し早いですが、今年のコラムはこれで最後となります。今年もとりとめのないコラムにおつきあいいただき本当にありがとうございました。どうぞよいお年をお迎えください。 わにこ 拝
お太鼓の山、丸くするか四角くするか?の巻
星わにこ
2021/12/15 00:00
急に寒さが厳しくなった気がする東京、そろそろ厚手の着物コートを出さねばと思いはじめました。10月からの袷のシーズンに入ると着付の仕事も増えるのですが、お客様によって体型がいろいろ。補整もなんですが、訪問着の場合帯の形も大きなポイントだよな~と感じます。
背の高い方やふくよかな方は、お太鼓を大きめに。小柄な方やきゃしゃな方は控えめにというのを心がけていますが、お太鼓の山の形もお好みがありますよね。
着付けの時は礼装ということもあり、お太鼓の帯山はまっすぐ大きめに華やかにと心がけますが、丸い自然なラインを好まれる方もいらっしゃいます。近年主流は真っ直ぐラインですが、年配の方やアンティーク好きな方はこの丸いラインを好まれる気が。
そもそもお太鼓結びってなんぞやということですが、江戸時代後期に亀戸天神のお太鼓橋再建のお祝いの折に深川の芸者さんたちがだらりの帯ではなく、下を持ち上げて結んだ新しい帯結びで練り歩いたのが「お太鼓結び」の起源だとか。太鼓じゃなくて太鼓橋にちなんだ名前なのですね。
だから形的には、四角いがよい、丸いがよいということもないわけなんですが、今まで着物を着てきて言われたことや調べたことをまとめると。
四角いお太鼓は現代的、粋なかんじ。丸いお太鼓はやさしく、はんなりとしたかんじ。関東ではまっすぐ、関西では丸いラインが好まれるとも。粋筋の人は帯山をまっすぐして、素人さんは丸くするものよと年配の方に言われたこともあります。
あとは自分が持っていきたいベクトルに合わせればよいですよね。
私は帯山が真っ直ぐ作りやすいということで帯枕の幅が25センチのものを愛用しています。帯山がまっすぐでお太鼓が大きめのほうが、ちょい太めのおばちゃん(私)は背中の幅やお尻の大きさが目立たないというのがその理由です(切実)。
が、普通の帯枕の幅は20センチ前後。これだとどうしても帯山の端を支える部分がないので、丸めのラインになります。それも自然で優しい感じでよいですよね。きゃしゃな方や小柄な方は長い帯枕を使うと帯が大き過ぎるように見えてしまうので、ちょっと控えた長さのほうがよいかもしれません。
あとは厚みもありますね。一般的には礼装はふっくら大きめな帯枕、普段着は控えめと言われています。
が、どれも「絶対そうでなくてはならない」という「ルール」や「決まり」ではありません。
着付けは教科書通りや習った通りにしなくては!という気持ちが強い方も多いと思いますが、ここは何センチが正解!角度はこう!というようなものでもなく、もっと感覚的に自分の「好み」も反映してもオッケー!
お太鼓の形や大きさは、個性と好みで決めてよい。着付けや着姿も然りです。自分に合っていて、気持ち良い方法や形をチョイスしてくださいね。
因(ちな)み柄と推し着物というジャンルの巻
星わにこ
2021/12/08 00:00
やっとおでかけも普通にできはじめた昨今ですが、先日友人に誘ってもらって東京宝塚劇場にいってまいりました。一体何年ぶり!?という宝塚観劇でしたが、お芝居もさながらショーの魅力にどっぷり浸かって、キラキラパワーチャージしてきました。
トップさんたちの歌やダンスももちろん楽しみなのですが、一番ぐっとくるのはロケットというラインダンス。主に春に宝塚音楽学校を卒業したばかりの下級生が踊るのですが、初々しくて本当にきゅんとします。「ヤァ!」という掛け声を聞くと、涙と元気が湧いてくるのです。
私のようにたま~にしか見に行かないものでも、いつも変わらず安定のキラキラで初見でも序列がわかる親切設計が素晴らしく、感動します。
仕事帰りにそのまま観劇に行ったので洋服だったのですが、着物姿の方もちらほらいらしていました。友人に紹介いただいた方は、お芝居の舞台が会津ということで、会津木綿コーデで。シルクウールのドット柄の羽織は、星組の星のよう。
今まで因みコーデといえば、因み柄の言葉通りモチーフばかりを気にしていましたが、素材や産地もありなんだなと目から鱗でした。
着物での観劇は、この因(ちな)みコーデが醍醐味なのですよね~! 会津木綿も教えていただくまで気づかないというさりげなさ。でもたとえ誰も気がつかなくても、自分が満足できていればいい。それが因み柄とか、因みコーデの楽しみです。
気がついて「素敵!」と言ってくれる人がいたらなお嬉しい。
因むのは、なんでもいいのです。着物でも帯でも、帯留めや半襟、足袋や草履でも。演目に因む場合もありますし、応援している役者さんに因む場合もあります。江戸時代からあった、着物の楽しみのひとつですね。
最近はこの、因みコーデは「推し着物」という名称のほうが親しみやすいかも。
まさに「推し」に因んだコーディネートの総称が推し着物。色や柄を取り入れるだけでなく、もっと積極的に着物や帯にそのものズバリの絵を描いてしまったりすることも。
私ただいまゴールデンカムイという漫画にはまっているのですが、Twitterで尾形上等兵というキャラの推し着物コーデをされてる方を発見。軍服モチーフの着物はもちろん、長襦袢も刺青人皮柄。帯も尾形の絵だらけです。しかも!帯は自作のゴールデン色の帯に油性ペンで絵を描いちゃうという大胆さ! 他にも自作のセーラームーンなどの推しコーデも紹介されていて、感動してしまいました。限界突破感半端ない。
他にもこの推しコーデの表現として、「Tシャツかぶせ帯」というものもあると知りました。半幅帯を結んだ上にバンドTシャツなど、好きなTシャツを銀座結びのような形にかぶせてとりつけるという荒業です。バンドネームや、好きなTシャツの柄がそのまま帯の柄になるという画期的な方法。
以前「布を挟む、貼付けるだけで帯が因み柄に変身!の巻」というコラムで、帯に布地を挟んだり貼ったりする方法をご紹介しましたが、それより簡単です。すごい。
いやあ~因み柄も時代にあわせて進化を遂げているんですね!
ちなみに(笑)私のゴールデンカムイでの推しは鯉登少尉なのですが、クリスマスイブイブがお誕生日だそう。私も推しコーデデビューを目論んでいます! 完成したらお披露目しますね! お楽しみに! えっ誰も楽しみにしてない? いいのいいの、因み柄は自分が楽しければいい、密やかな楽しみなのです(開き直り?
書いた時点で密やかでもなんでもないですが(笑)推しと着物、大好きな組み合わせを考えるだけでも楽しいものですよね。皆様もぜひ推し着物、さりげないものから全開まで、お楽しみくださいませ!
クリスマスは着物も和洋ミックスコーデで?の巻
星わにこ
2021/12/01 00:00
え!うそ!もう年末!? 焦る気持ちもありつつも、楽しいこともいろいろある12月。今年のクリスマスもまだおうちクリスマスなのかなとは思いますが、おしゃれは楽しみたいですよね。
クリスマスはもともとキリスト教の行事ですし、和洋ミックスコーデはいかがでしょうか。自分が楽しむおしゃれなら、決まりに囚われずいろんなミックスができますよね。西洋の文化が流れ込んできた明治時代から、着物の下にシャツを着るなどいろんな組み合わせが行われていきました。
若い方たちもとっても自由に楽しんでいますよね! むしろ着物について先入観がなかったりするほうが頭が柔らかくていいのかもしれません。今日はいろんなミックスコーデの中から取り入れやすそうなものをご紹介します。
<長襦袢チェンジタイプ>
・スタンドカラーのシャツを着る
明治時代の書生さんスタイルが思い浮かびますね。女性だとフリルタイプのシャツをよく見かけます。スタンドカラーに限らず、シャツを襦袢がわりにするもの。
・パーカー(フーディ)を着る
パーカーの前が、衿にいいかんじにフィットします。後ろから見ても可愛い! 最近はパーカーって言わないんですって? フーディだと子どもに教えてもらいました。。
・ハイネックのセーターを着る
冬の普段着には最高のあったかさ。着物の欠点、首が寒い!を解決してくれる神コーデです。
<スカートにチェンジタイプ>
・スカートイン
裾除け代わりにロングスカートを履いて、着丈をちょっと短くして裾フリルみたいに見せちゃいます。これだと身丈が短い着物も着られるし、高身長さんにおすすめ。
・スカートオン
袴がわりにスカートを着物の上に着ます。楽。自由。
<帯をベルトに>
帯をしないで、サコッシュベルトのようなものにしたり、腰紐だけ結んであえて上はカシュクールスタイルのワンピース風に着物を着ます。
<洋服メインの場合>
・ワンピースに半幅帯
先日、「この冬は帯揚げスカーフ&帯締めベルトで決まり!?の巻」でご紹介した和洋ミックスの達人さんが教えてくれた技です。大きなリボンみたいで可愛い!
・道行をワンピース風に
最初見た時は目からウロコでした。はあ~。やわらか頭がほしい。
などなど、もうほんと、いくらでも自由に組み合わせて楽しめます!
冬は、着物の上に洋服用のコートを着るのもいいですよ。袖はどうするの?とよく言われますが。お袖は体にくっつけて、腕だけコートの袖に入れればいいんです。
あまりジャストフィットのアウターは難しいですが、ちょっと余裕のあるサイズなら大丈夫です!(ゴールデンカムイの杉元スタイル)
あとは自分のセンスと美意識とのすりあわせ。年齢や決まりにとらわれず、楽しむ心を忘れずに、きものの可能性を探ってみませんか?