東京も梅雨入りということで、うなぎのぼりの気温も小休止。梅雨が終われば本格的な夏がやってきますね。当たり前のことだけれど、コロナ禍であったり自分も年をとってきたせいなのか、なんでも有り難いなあと思うようになってきました。
着物も6月の単衣のクッションを挟んで、7,8月の薄物の時期に入るわけですが、短い間だからこそ夏着物も楽しみたいですよね。年に一度くらいは絽の訪問着も着たいなあ、なんて思いながらなかなか機会に恵まれなかったりもするのですが、それだけに夏着物は「着たぜ!」という充実感が高いものです。
着物だけでなく、帯から襦袢から半衿から、帯締め帯揚げ、足袋に草履に着付小物に至まで「夏物」が存在します。ですが必ず夏物に、と言われるものと、通年でよいとされるものがありますよね。
例えば博多帯も通年使用OK。足袋も通年OK。帯締めも通年OKです。着付小物も見えないし、夏物にこだわる必要はありません。
それぞれ夏用の紗の博多帯もあるし、足袋なら麻やレース、帯締めにもレース組がありますが、必ず夏用でなくてはならないということもありません。逆に夏用は通年は使えません。着付小物は夏用を通年使う人もいます(見えないし・笑)。
いずれも、涼感をどれくらい求めるか、とか着用シーンとか、自分が納得できるかどうかによって判断すればOK。カジュアルであれば、自分が快適なら基本なんでもいいわけですし、基本ルールがわかっていればどんどん崩しても、和洋ミックスでもなんでも、よきようにお洒落を楽しめばよいと思います。
さてタイトルの帯締めのお話ですが、結論からいうと帯締めは通年使えるけれど、夏用のレース組というのは明らかに涼しげなので夏しか使わないということです。
夏用のレース組とは最初、スカスカにすきまがある組み方がレース組だと思っていたのですが、「正絹のレース紐を使って組んだもの」と先日知りました。通常の帯締め用の絹糸と素材が違うのです。
少し張りがある素材なので、それを組んで行くとすこし隙間ができてとても涼しげです。最初から透かして編むやり方もあります。
三つ編みのように、手で組み合わせ編んでいけるということですがカウントワークが苦手な私は絶対間違えそうです。。。
まあ帯締めが多少涼しい素材であろうがなかろうが、着ている側の実際の涼しさには一切関与してこないわけですが(笑)、夏用の帯締めをすると「ああ夏がきた。夏なのだ」と気分は盛り上がりますし、見ている方にも涼やかな気持ちにはなっていただけますよね。逆に冬なのにレース組がかっこいい!という使い方ができればそれもいいかもしれないです。
着物とは、涼しい格好をしたいという機能で選んで着るものではなく、「記号」のようなところがあります。
通年用の帯締めでも、涼やかな色を選べば問題なし。例えば太さのボリュームも控えめだったりすると、それも暑苦しくなく感じられます。夏は二分紐もキリっとして素敵です。要は、ルールがあっていても暑苦しいより、多少外していても涼しげなほうが素敵。なんでもそうですが、センスというやつにかかってくる部分ですね。。。
最初は面倒‥‥と思っても、夏物を出してくるとやっぱりテンションが上がります! その時期しか使えないもの、というのは面倒であり同時に特別感があって、やめられません。
ネットや雑誌で、いろんな着物姿を見て、自分が素敵と思ったものをイメトレしたり頭にストックしておくことも、役に立ちます。かくいう私も日々、いろいろ見たり妄想したり(妄想かよ)。梅雨の晴れ間に夏物を出しておきたいと思っております。
まだまだおでかけが制限される夏になりそうで、着られるかどうかはわからないけれど、日々着物のお洒落アンテナは張り巡らして準備怠らず。牙を研いでおきましょうぞ(牙?)。
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