ずっと晴れていた東京も、しばらく雨模様が続いています。涼しくなって、体はほっとしていますが、豪雨のニュースが気になります。私も先週の帰省中はずっと雨。帰りは電車が土砂崩れで運休になり、予定が大幅にずれました。被害にあわれたり、避難など心配が続く皆様、心よりお見舞い申し上げます。
さてさて、今年の夏は念願の染め体験ができました。それは「生藍染め」です。収穫してから、30分以内に生の藍の葉をミキサーにかけた液に絹地を浸すと、それはそれは美しい、空の色に染まるのです。
それを知ったのは去年のことでしたが、機会を逃して挑戦することはできませんでした。藍の種をわけてもらったのですが、栽培に失敗し、染めるのに十分な量を収穫できず。キモトモが、藍の葉を冷凍してくれてそれを使ってみたのですが、染まるには染まったけれど、「白緑」とでも言うような、淡いグリーンでした。
それはそれで気に入ったのですが、やはり、空の色を切り取ったような、鮮やかな抜けるような、なんとも透き通った水色を染めてみたい!
今年は、二人のキモトモに種をわけてもらい、庭の一角で栽培。帯揚が1枚染まるくらいの量が収穫できました。また、キモトモが畑でたくさん収穫できたという藍を使って、皆で生藍染め体験も!
この夏から、友人と二人で共同の仕事場を借りて仕事をするようになったのですが、そこがもと小料理屋さんということで水場が充実しています。そこを使って、染めをやろう!と皆で集まりました。
とにかく、収穫してから時間が経つと色が濁ってしまうということで、スピード勝負。畑から土つきで運んで来た藍を、大人も子どももワイワイ言いながら葉っぱをちぎって洗ってミキサーにかけて‥‥。
出来上がった緑色の液に布を浸し、引き上げて空気に触れさせると、緑色がみるみるうちに水色に変化していきます。それを水でさっと洗って干せば染め上がり、
その水色が、生っぽいというか、レアというか、なんともいえない瑞々しく、鮮やかな空色なのです!!
用意した帯揚やシルクのスカーフに輪ゴムでしぼりの模様を入れたり、一部分だけ液につけてグラデーションにしたり。素敵な作品がいっぱいできました!
ず~っと欲しかった、空色の絽の帯揚が染められて大満足でした。
この生藍染めでは、絹や羊毛はよく染まるのですが、木綿は残念ながらあまり上手く染まりませんでした。呉汁(大豆の汁)につけたり、助剤を使ったりと研究の余地がありそうです。
あとは、「たたき染め」という、葉っぱを布で挟んで石などでたたき、葉の汁を布に移すというのもやりました。こちらは青ではなくて、綺麗な緑色の葉っぱそのままが布に染まって、これも綺麗でしたよ!
私は、葉っぱをワニの形に切って、たたき染めしてみました(^^)v 葉脈も、美しく写ります。
そして、今年はいわゆる「藍染め」を、小金井の麻生工房さんで体験させていただきました。タデ藍を発酵させて作った「藍瓶」に布を漬けて染めるものです。
こちらは生藍と違い、藍の葉を発酵させ、長い時間と手間をかけて建てられた染液なので、木綿もしっかりと染まります。
わたしは大きめの風呂敷を染めることに。ワンポイントでワニの形の「縫い絞り」とあとは染めない部分をビニールでくるんで絞って止める「帽子絞り」で水玉模様にチャレンジ。一緒にいったキモトモは「巻き絞り(軍隊絞り)」にチャレンジしていましたよ。
藍瓶の藍液の表面は、濃い紺に緑、紫や茶が混じった金属的な光沢があり、写真には映っていませんが、ふわふわと泡立った部分は「藍の花」と呼ばれているそう。
絞った布を藍液の中に漬け、ひきあげると最初は茶色っぽい色が、空気にふれると酸化して最初は濃い緑に変化し、それが段々と青くなっていきます。
水でさっと洗って脱水すると、馴染みのある「藍色」に。江戸時代から盛んになり、明治時代に来日した外国人が「ジャパンブルー」と呼んだ、この藍染めの色は、もしかしたら日本人が一番好きな色なのかもしれませんね。私も大好きです!!
絞りの部分をはずすと、白く残った部分が模様になります。ワニさん、なかなか可愛いでしょう?(自画自賛ですみません)
藍で染めた布は、アク抜きのため一晩水につけた後、70度くらいのお湯でさっと洗うと、お湯が少し黄色くなります。それが「アク」なんだそう。その後、晴れた日に万遍なく天日干しをすると、アクが抜けてより藍の色がクリアになるそうです。
ご指導くださった麻生先生、渡辺さんありがとうございました。
大好きな色の染めを体験できて、大満足の夏でした\(^O^)/
様々な染色の体験をすると、着物や帯を作られる職人さんたちのご苦労がよくわかり、持っている着物や布への愛着もアップする気がします。機会があったら、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。