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因(ちな)み柄と推し着物というジャンルの巻

星わにこ
2021/12/08 00:00
やっとおでかけも普通にできはじめた昨今ですが、先日友人に誘ってもらって東京宝塚劇場にいってまいりました。一体何年ぶり!?という宝塚観劇でしたが、お芝居もさながらショーの魅力にどっぷり浸かって、キラキラパワーチャージしてきました。 トップさんたちの歌やダンスももちろん楽しみなのですが、一番ぐっとくるのはロケットというラインダンス。主に春に宝塚音楽学校を卒業したばかりの下級生が踊るのですが、初々しくて本当にきゅんとします。「ヤァ!」という掛け声を聞くと、涙と元気が湧いてくるのです。 私のようにたま~にしか見に行かないものでも、いつも変わらず安定のキラキラで初見でも序列がわかる親切設計が素晴らしく、感動します。 仕事帰りにそのまま観劇に行ったので洋服だったのですが、着物姿の方もちらほらいらしていました。友人に紹介いただいた方は、お芝居の舞台が会津ということで、会津木綿コーデで。シルクウールのドット柄の羽織は、星組の星のよう。 今まで因みコーデといえば、因み柄の言葉通りモチーフばかりを気にしていましたが、素材や産地もありなんだなと目から鱗でした。 着物での観劇は、この因(ちな)みコーデが醍醐味なのですよね~! 会津木綿も教えていただくまで気づかないというさりげなさ。でもたとえ誰も気がつかなくても、自分が満足できていればいい。それが因み柄とか、因みコーデの楽しみです。 気がついて「素敵!」と言ってくれる人がいたらなお嬉しい。 因むのは、なんでもいいのです。着物でも帯でも、帯留めや半襟、足袋や草履でも。演目に因む場合もありますし、応援している役者さんに因む場合もあります。江戸時代からあった、着物の楽しみのひとつですね。 最近はこの、因みコーデは「推し着物」という名称のほうが親しみやすいかも。 まさに「推し」に因んだコーディネートの総称が推し着物。色や柄を取り入れるだけでなく、もっと積極的に着物や帯にそのものズバリの絵を描いてしまったりすることも。 私ただいまゴールデンカムイという漫画にはまっているのですが、Twitterで尾形上等兵というキャラの推し着物コーデをされてる方を発見。軍服モチーフの着物はもちろん、長襦袢も刺青人皮柄。帯も尾形の絵だらけです。しかも!帯は自作のゴールデン色の帯に油性ペンで絵を描いちゃうという大胆さ! 他にも自作のセーラームーンなどの推しコーデも紹介されていて、感動してしまいました。限界突破感半端ない。 他にもこの推しコーデの表現として、「Tシャツかぶせ帯」というものもあると知りました。半幅帯を結んだ上にバンドTシャツなど、好きなTシャツを銀座結びのような形にかぶせてとりつけるという荒業です。バンドネームや、好きなTシャツの柄がそのまま帯の柄になるという画期的な方法。 以前「布を挟む、貼付けるだけで帯が因み柄に変身!の巻」というコラムで、帯に布地を挟んだり貼ったりする方法をご紹介しましたが、それより簡単です。すごい。 いやあ~因み柄も時代にあわせて進化を遂げているんですね! ちなみに(笑)私のゴールデンカムイでの推しは鯉登少尉なのですが、クリスマスイブイブがお誕生日だそう。私も推しコーデデビューを目論んでいます! 完成したらお披露目しますね! お楽しみに! えっ誰も楽しみにしてない? いいのいいの、因み柄は自分が楽しければいい、密やかな楽しみなのです(開き直り? 書いた時点で密やかでもなんでもないですが(笑)推しと着物、大好きな組み合わせを考えるだけでも楽しいものですよね。皆様もぜひ推し着物、さりげないものから全開まで、お楽しみくださいませ!