三河芯は衿芯にもなるものですが、この場合は地衿の幅を広げる役割なので、衿芯は別途入れるようにしてあります。三河芯は使う前に揉んで洗って柔らかくすると、馴染みやすい。
普段の洋服感覚で行くと、既製品に体を合わせるように考えがちですけれど、着物はそもそもお誂え。もったいなかったり、簡単に買い替えしづらかったりするものだからこそ、自分の体型に合うように工夫すればいいんですよね。
とはいえ秋のさらなる増量は避けたいと決意を新たにする私でした……。
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三河芯は衿芯にもなるものですが、この場合は地衿の幅を広げる役割なので、衿芯は別途入れるようにしてあります。三河芯は使う前に揉んで洗って柔らかくすると、馴染みやすい。
普段の洋服感覚で行くと、既製品に体を合わせるように考えがちですけれど、着物はそもそもお誂え。もったいなかったり、簡単に買い替えしづらかったりするものだからこそ、自分の体型に合うように工夫すればいいんですよね。
とはいえ秋のさらなる増量は避けたいと決意を新たにする私でした……。
市販品もあるし、手作りされる方もいます。私は単独型(1)のタイプでたかはしきもの工房のうそつき衿を愛用しています。ウエストより下でベルトで固定するので、胸紐で固定するタイプより楽だからです。これは本当に好みだと思いますので、使いやすいものを見つけてください。
納得のいくうそつき衿が見つかると、着物ライフの楽さが格段にアップしますよ! 浴衣もまだまだ活躍しますし、ワンピースなど洋服の上にうそつき衿をつけて、着物を羽織るなんていう気軽な着方も楽しめます。1年中まだ試してないな、とかいまいちうまく使えなかったという方ももう一度、ぜひお試しください。
最後、歌舞伎版では白鷺は息絶えて終わるのですが、この舞台では『二段』という一段高い場に登って決めポーズで幕が降りました。
普段から体幹を鍛えたり筋トレをしたりしながら、2年かけて振りを覚えて舞台に臨んで、見事踊り切ったキモトモに、応援に集まった友達みんなで惜しみない拍手を送りました。本当に、素晴らしかったです。
こちらのコラムでも何度か紹介させてもらったキモトモの日舞発表会ですが、習い始めて12年。大きな演目に挑む姿に感動しました。
関連記事:日舞発表会で衣裳着付見学☆藤娘って美しい!の巻(2016年)
関連記事:Youtubeで日舞発表会。舞台裏を覗いて来たよの巻(2020年)
舞台が終わった後、衣装のままでロビーに出てきてくれる時間があり、みんなで記念写真を撮らせてもらいました。こんな風に写真タイムがある発表会は珍しいので、毎回の楽しみでもあります。
特別に着付なども見学させていただいたのですが、松竹の衣装さんの着せつけの手際のよさ!! 踊っても着崩れず、美しく、またひきぬきなどの特殊な舞台衣装を二人でサクサクと10分ほどで着付。
途中、舞台袖での着せ替えも振袖を着付け直すのも、早い!!! ここではかんざしもチェンジがあり、着替えている間は後見さんや他のお弟子さんに扇であおいでもらったり、水分補給などもさせてもらうため「ちょっとセレブ気分だった」とキモトモは言ってました(笑)
鷺娘の鬘は2キロほどあるそうで、最初は潰し島田に結われたものが、途中でかんざしを変え、さらに地獄に落ちるシーンでは髷を解かれて振り乱すため、発表会などでは鬘が落ちないように羽二重に両面テープを貼って固定するのだとか。衣装も重いし、体力がなければ務まりませんね。
今回鬘を担当された床山さんはなんと映画『国宝』で吉沢亮さんにも鬘をつけたそう。「映画をきっかけに歌舞伎を見てくれる人が増えればいいんだけど」とおっしゃっていました。
これは最初の鬘の様子で、場面が進むにつれて乱れていきます。ドラマチックですね。。。
他にも藤娘や娘道明寺など華やかな演目が続き、まさに日舞は「日本の美」。目の保養をさせていただいた感謝の1日となりました。
取材協力:「藤蔭善次朗日本舞踊教室」
そんな私の20年前の出産は、今思い出しても命がけでした。私は高齢出産で子宮筋腫の手術歴もあったため、帝王切開での計画出産の予定だったのですが、予定日の2日前に思いもよらない激痛が。夜中に緊急入院したところ、子宮破裂を起こしていたそうです。あとから夫に聞いた話では、当時「母体は生存確率2割、子どもは4割」と告げられていたとか。
幸いお医者さまたちの必死の処置で二度の手術を経て、一命を取りとめました。子どもも無事で、本当に奇跡のようでした。
輸血は8リットル。全身麻酔から覚めた時、人工呼吸器をつけられていて夜間だったためしばらく外せず、それがすごく苦しかった。外科病棟にいて、子どもと対面できたのは出産から3日後でした。元気な赤ちゃんですよと聞かされていたものの、自分の状態が悪くて会うことができず、本当に無事なのかなと不安でずっと泣いていたような気がします。
出産後も体力が戻らず、上京してくれた義母や母に助けてもらう日々。母子手帳を見たお医者さんに「ご本人ですか?」と驚かれるくらい、生きているのが不思議なほどの出産だったようです。実は私自身も、仮死状態で生まれ血まみれで24時間保育器に入れられていたそうで……。まさに九死に一生を二度味わった人生。改めて産婦人科に携わる医療関係者の皆さんへの感謝でいっぱいです。
「出産は病気じゃない」なんてよく言われますが、決して安産ばかりではなく、命を賭ける場面になることもある。身をもって実感しました。
今は子どももすっかり手が離れて、あとは学費だけが課題です(笑)。友人の中にはもうお孫さんが誕生した人もいて、私も次のステージに差しかかっているんだなぁと感じます。
この頃はもう友達もお孫さんが誕生している人も多く、私もさらに大人の階段を登ったんだな~としみじみしています。このコラムの担当さんにもお子さんが生まれて勝手にばぁば気分で話を聞かせてもらって幸せのお裾分けをしてもらったり。もうね~ほんとね!!赤ちゃんは天使ですよね!!
うちの子の未来は神のみぞ知るですけれど、若い頃インド人の占い師さんに「あなたは73歳まで働き、孫もできる」と言われたことがあります(笑)。それを聞いた時は「え~そんなに働くの~」と思ったけど、今は妙に現実味のある数字になってきました。
女の人生ってまあいろいろありますよね。人には言わなくても、それぞれが何かを乗り越えて生きているんだと思います。そして、ときどきご褒美がなければやっていられない。私にとって着物はそのご褒美であり、着るたびに気分が上がるし「これはこんな風に私のところに来たな」とか「あのとき着たものだな」などと思い出を呼び起こす装置でもあります。
この先のおひとり様人生も視野にいれつつ、これから先、あと何回着物に袖を通せるのかはわからないけれど、ハッピーな気持ちでまた着物に袖が通せるよう、日々を大切に積み重ねていきたいと思っています。
きんち紐などは勿体無くて切れない……という方もいますが、もったいない>楽 なら切らなくてOK。もったいない<楽 なら、切ればよし。
着物や帯も圧倒的にマイサイズが着やすいわけですから、腰紐も自分サイズにカスタマイズしてみてください。あと、人には見えないものですが好きな色や柄、手触りなどお気に入りのものを使うとテンションがあがりますよ。たかが腰紐と侮るなかれです。
もし今、なんとなくそこにある腰紐を使っていたら……着付の要、腰紐も自分のお気に入りを見つけてくださいね。
小千谷縮、綿麻、セオアルファとそれぞれ夏らしい華やかさ、涼やかさあふれる着こなしで、素敵100万点。
五島美術館はお庭も素晴らしく、照りつける太陽と木陰のコントラストの下を日傘で歩く姿は絵になるぅぅ!! 美とは、お洒落とは、健康あってこそ……! もう若い頃のような無理はできないし、これからますます衰えるであろう体力をちょっとでもなんとかしないとと切実に思いました。
そしてほそぼそと仮名書道を習っている身としては、本で目にしている古筆切の実物が!!これでもか!!と展示されているのに大興奮! 皆様と別れてしばしぐるぐると1000年前の紙と墨を目にする奇跡!!
特にこの3年ほど高野切第一種の臨書を続けているので、これが!!紀貫之様(推し)の書いたお手蹟!本物!!と、凝視しすぎて目が血走っていたかもしれません。印刷物では見ることのできない、料紙の雲母砂子のキラキラに気絶しそうに。
キモトモが「こんな手蹟(て)のお手紙をもらったらそれは惚れるわよね」と言っていましたがウンウンガクガク頷きまくり。
他にも藤原行成、公任、小野道風はじめ綺羅星のようなスーパースターズの書蹟がずらり!! そして表装の、使われている古裂の素晴らしいこと………。
「こんなに揃うことは滅多にありません」と館長さんもおっしゃっていましたが、弩級の感動でした。今回もキモトモに行こうよと誘ってもらって会期終わりギリギリに駆け込んだのですが(会期が終わってからコラムを書いてすみません……)、本物の持つ力に圧倒され、本や動画を見て分かったつもりになっていないで、チャンスがあれば自分のみたいものを見に行こう!という気持ちになりました。
着物に、仮名書に……目と心に栄養の夏の日でした。
ここから揚幕をくぐり、橋がかりをわたり、舞台へと進みます。釘を1本も使わず組み上げられた空間は、能舞台は日常の空間とは異なり、あの世や天国、地獄といった「異世界」を表現。やわらかな檜の舞台には、1983年の建立以来40年以上にわたってついた舞台の跡が残されています。しかし、なんとも清浄な空間で、立っているだけで気持ちが引き締まるようでした。
また、橋がかりを渡って、舞台裏に戻ったのですが、本当に異空間から現世に戻ってきた!という気持ちに。能は、神事なのだなあとしみじみ感じ入りました。
展示室も見学させていただき、無料なのにここまで見せていただいていいのでしょうか!と思わず拝むレベルでした。
最後にマスコットキャラクターの般若ちゃんと記念撮影をして帰ってきました。国立能楽堂の門を出るとこれまたさらにさらに現世に戻ってきた感。浮世の諸々が少し洗い流され、心がすっきりしたような気がいたしました。
この国立能楽堂オープンデイは毎月1回、来年の3月まで開催されています(2月はお休み)。毎回ご案内くださる流派が変わるそうです。お能が大好きな方も、どんなものか興味がある方も、大満足間違いなしの贅沢企画です。
着物で参加するときっと一層盛り上がりますよ! おすすめです!

1から順にご説明しておきますと
1)着物を着るときはキンキンに冷やした部屋で
着物を着た段階ですでに汗だくにならないように、冷房の効いた部屋で着付を!
2)衣紋は抜きをちょいと大きく、衿元は、指1本入れて少し体から浮かせるとマジ涼しい
涼しさは、風の通り道があると段違い。衣紋が詰まると夏にハイネックを着ているようなもの。衿元が少し大きく空いて、さらに少し浮くだけで風が抜けます!
3)お太鼓より半幅マジ涼しい
お太鼓は背中を大きく覆いますし、帯枕、帯揚げが暑い! 胸元の紐が2本なくなるし、半幅や兵児帯は軽くて楽ちんで涼しいです。
4)帯揚げしないとマジ涼しい
お太鼓でも、普段着だったら帯枕にかけるカバーの色が白でなければ、帯揚げをしなくても気づかれない(経験談)帯揚げがないだけでかなり涼しくなるのでぜひお試しを。
5)ステテコはいたほうがマジ涼しい
汗は肌着に吸ってもらったほうが暑くない。特にステテコは足の間の汗を吸ってくれて快適です。
6)角袖より筒袖がマジ涼しい
角袖は、袖の部分が二重になるということですよね。それが筒袖だと、布の量が減って涼しいんです。
7)日傘と扇子必携
自分で日陰を作りましょう。着物に日傘は相性よしです。携帯扇風機もいいですがやはり着物のときは扇子がいいですよね。涼しげな風情も醸せます。
8)保冷剤を味方につけよう
物理的に冷やせ! 駅まで持つだけでもありがたい。小さな保冷剤を握ったり、胸元や帯下にはさんだり。
9)暑い場所には居続けない
一番大事なのは、暑い場所に長くいることはできるだけ避けること。長時間炎天下を歩いたり冷房をつけなかったりするのはNGです
10)冷房対策も忘れずに
体を冷やすことばかり考えているとやられるのが、夏の冷房! 移動の電車や出先で汗をかいたのが冷え冷えになってつらい(とくに首筋)ということもあります。夏用のショールや、アームカバーを持ち歩くと助かります!
最後に書きましたが、実は夏は冷房も油断大敵なのですよね。
12年前にこんなコラムを書いていました。
関連記事:冷房対策にアームカバーを!の巻
首筋にスカーフを巻くのがカッコ悪いみたいなことを書いてますが、今の私は、ちょっとでもひやっとしたらすかさずショールを巻いています! 格好よりも健康第一!と思うようになったのは、年齢を重ねたせいでしょうか(笑)
無理せず、楽しみたいですね。とはいえ夏着物を着るには1に気合い、2に気合い、3,4がなくて5に気合い、です(私の場合)。工夫をして、ちょっとでも楽に、ですが、それだけでは歯がたたないのが夏着物。
だけど、頑張って着る甲斐がある、それが夏の着物だと思います。今年の夏も、着物を楽しめますように!
そんなの~ずっと前から知ってた!という方も多いかと思いますが、わにこ的にはコペルニクス的発見(大袈裟)だったので、書いてしまいました!
ただしクリップをつけっぱなしにしないよう注意!ですね(笑)
これだけではちょっと短めなので、最近のお話をちょっと。
暑い!とにかく暑いですよね。でも着物は結構覚悟を決めて着てしまえば、ずっと屋外にいたりしないかぎり、意外となんとかなります。
今年は小千谷縮の産地見学に行ったこともあって、毎年「ちょっと太って見えるから~」なんて思っていたのですが、気にしているのは自分だけで何を着てもそう変わらない誤差の範疇だなあと最近は思うように。
敬遠しないで着てみたらやっぱり涼しいですね~。半幅帯も「背中が広く見えるから」「お尻が大きく見えるから」と思っていたけど、まあそれも元が太いんだからお太鼓しようが半幅しようが誤差の範疇ですよねえ~という気持ちになり、半幅をしてみたらやっぱり涼しい。
半幅をしても、以前はなんか物足りなくて帯揚げをしたり、三重ゴム紐を使ったりしていたんですが、それもしない結び方をすると俄然楽で涼しい。ほんと、1本でも紐を減らすと涼しいですよね。
気に入っているのは笹結びです。
関連記事:紐も帯揚げも帯締めもいらない。変形笹結びが気に入ってますの巻
そこから変形させたり、あれこれ楽しんでいます。今年はちょっと半幅帯を探求してみよう!と思っているわにこでした。
そして、卒業後永きに渡ってずっと友情を持ち続けられるということも本当に素晴らしいですよね。集まった皆さんは、女子大生に戻ったみたいにとっても楽しそうで、私も一緒に盛り上がってしまいました。
成人式の時にも思うのですが、何事もそのお祝いの日が迎えられるのが普通、なんてことはなくて、無事に生きてこられたことの尊さ。特に還暦ともなると、そんな重みも増してきます。
こうやって大事に想ってくれる人たちがいる限り、人は生きているのだろうなと思います。また、人生を大事に生きなくてはと、亡くなってからも励まし続けてくれているのだろうなと。私も先日亡くなって30年経つ弟の学生時代の友達からお墓参りをさせてほしいという連絡を受け、家族以外にも大事に思ってくれている人の存在に涙が出ました。私も亡くなった大切な人たちのことを忘れずにいたいと強く思います。
山あり谷あり。順風満帆でなにもない平坦な人生など滅多にないのではないでしょうか。それぞれがいろんなことを乗り越えて迎えた干支ひとまわり、還暦からの出発の振袖姿はとっても輝いていました。オトナの振袖、やっぱり素敵です。
なんか胸がいっぱいでなかなか書けなかったのですが、やっぱり書き残しておきたいと思いキーボードをたたきました。
時には自分のポンコツぶりに嫌になってしまうこともあるけれど、生きていられることに感謝して、また着物を楽しめることにも感謝して、日々過ごしていきたいと改めて思っているわにこでした。