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超簡単。清潔な晒(さらし)でつくる縫わないマスクの巻

星わにこ
2020/03/04 00:00
 コロナウイルス感染対策で小中高校が一斉休校になり、世の中の子どもがいるご家庭は阿鼻叫喚なのではないでしょうか。はい、我が家もご多分に漏れず、体力を持て余した中学生男子がおりますが、ごはんは3食山盛りだけど、学校が休みになってしまえばこっちのものよとばかりに、勉強などするわけありませんよね。まあここで頑張れた子がぐんと伸びたりすると思うんですが、そんなことわかる子なんて一体世の中に何人いるんでしょうか? 留守の間も心配すぎます。はあ~といきなり愚痴から失礼します。  先週はマスク不足に続き、トイレットペーパー不足のデマが流れて朝出勤時に薬局に開店1時間以上前から並ぶ高齢者の行列にびっくりしました。あかんて。  とはいえマスクも本当に売り切れ続出で、寒暖差&ハウスダストアレルギー持ちの私は冬は咳とくしゃみが止まらないので本当に外出先でも肩身が狭い日々が続いています。ウイルス対策にはさほど効果はないと言われているマスクですが、自分からの感染を防ぐためには有効。もう誰がウイルスをもっていてもおかしくない状況、やはり精神衛生上もマスクはしておきたいところ。  でもマスクがない! 洗って使えとか中のガーゼを取り替えろとかでガーゼも品薄だとか。手作りマスクの作り方も、縫う本格派からハンカチやキッチンペーパーで代用する簡易マスクの作り方もいっぱい出ています。家にあったストレッチ生地を使って縫うところの少ないのびるマスクを作ったりもしてみましたが、ベロアのラメという怪しい生地だったため、お出かけ用にはちょっと断念(笑)  でも、買い置きの滅菌ガーゼも底をついたのでさあどうしようかと思ったところ、あれだあれ、ガーゼってさ要するにあれよね。お着物好きの方のタンスの中には必ずあるのではないかというあれです。そうです、晒です。晒も同じことですよね!  我が家のタンスの中にも補正とか、手作り品のためにとおもって買った使ってない晒、新品が2反。世の中でまだ晒は品薄担っていない模様。しかも1反8メートルとかあるから、ガーゼより全然お安いよ!  心配だったら一度洗ったり、アイロンをかけると滅菌になりますよね。しかも、横幅が縫わずにできるハンカチマスクの作り方にぴったり。あとは耳にかけるゴムの輪っかがあればオッケー。ゴムがなければ肌当たりのいいヒモとかでもいいみたいですよ。  早速ふむふむいいながら、晒を30センチくらいに切ります。切ってたたんでゴムを挟んで、えっ! 1分もかからずにできました。  しかも、かなりの本物感(なんの本物だ)。清潔感あります!  考えてみればそうですよね! 晒はもともと台所の布巾や調理用具、肌着やおむつやなど衛生用品に使われてきた日本の衛生布なわけですから、納得です。  口のところに同じく晒を切った当て布をすれば、安心感倍増。くしゃみをしてもご迷惑をかけなさそうです。これで! マスクの心配をせずにちょっと心軽くおでかけできるで。1反買えば、20枚以上のマスクができます。ご家族分もまかなえますよ。  私の中でいきなり晒復権! 晒についていろいろ調べていたら、世の中には晒ダイエットというものもあるらしい? しばらく晒の見直しブームが続きそうです。でもこの騒動はマジはやく終わりますように。神経質になりすぎず、淡々と予防と規則正しい生活と、笑って免疫高めていきましょう! 関連記事:縫わない晒(さらし)マスクをバージョンアップ♪の巻

三分紐の結び目の処理はどうしたらいいの?の巻

星わにこ
2020/02/26 00:00
なんだか2月なのにすっかり春みたいな今日この頃ですが、不安なニュースが続いていますね。感染予防のため、様々な対策が講じられておりますが、仕事もあるし外に出ぬわけにもいかず、粛々とやるしかないと今日もよく食べよく眠り、マスク手洗いうがいの毎日です。おでかけ予定が中止になったりする分、少しは家の片付けとかも、落ち着いてできたりするかな?と思いながら、結局寝ちゃったり(だめじゃん) さてそんな中。着物を着て帯留をしておりましたら、後ろはどうやって結んでいるのかと聞かれました。 みなさまは、どうされていますか? 私もきものを着始めたころ、三分紐の結び目の処理はどうすればいいの? ただ結んで、後ろに回すと後ろで余って帯から飛び出したりするし、なにか決まったまとめ方があるのか? と、着付けの本を見ても、ネットで調べても情報もなく。やはり着物を着ている人に聞いてみたら「え、適当」という返事でずっこけたことがあります。 誰に聞いても、解けなければいい&帯から飛び出さなければいいということで、だいたいは普通に帯締めを本結びにして、余った端の部分をもう一度結ぶことが多いでしょうか。 後ろに回すので、凝ったことをしても途中で崩れたりするし、見えないからまあよしという(適当) 最初は、なんか納得がいかなかったのですが、最近は私も聞かれたら「え、適当です」と答えるようになりました。だって適当なんだもん。。。 そして、着付けって本当はそういうものだと思うのです。洋服で育った私たちは、着物を着ることが特別だし、特別であるからにはなにか決まりやストーリーを求めてしまいがち。着付け教室などでは、着方や順番など、ルールや決まりにしてそれを守ることを大事にしたりしますが、だいたいそういうルールは独自ルール。そのお教室から一歩飛び出したら「なんじゃそれ」ということだって少なくありません。 だから、自分の知識が絶対だと思って、人にこうでなければならないよということだけは避けたいなあとよく思います。その人が気にいるように着ていたら、それで基本は正解なわけです。 でも最初は、それが正解かどうかわからない。全部にきちんとルールがあると思ってしまうから、三分紐の結び方もこれであってるの?と不安になったりするのですよね。 ぶっちゃけなんでもいいわけです。結びがゆるかったり、帯の「て」をおさえられていなかったりしては意味がないけど、きちんと帯締めの役割を果たしていれば結び方は自由。 「それ、間違ってるわよ!」と言われたり「あらあら物知らずねえ」と思われたりするのではないかと、ドキドキする必要はありません。それは被害妄想です。世間にはそんなに着物警察はいません。着れていればいいんです。と開きなお・・いえ自信を持つことです! もちろん、礼装などでは決まりがありますし、きちんと守ったほうが自分も相手も気持ちがよいものですが、普段着は本当になんでもいいのだーと声を大にしていいたいです。Tシャツの着方にどうこういう人はいませんよね。 大事なのは、自分が心地よいか。自分の美意識にかなっているかだけです。 だけど、三分紐の後ろはどうなってるの?と疑問を持つのはとても素敵なこと。なんでもいい、となんでも適当ももちろんいいのだけど、みんながやっているやり方には、それぞれ蓄積された「そのやり方がいい理由」があるわけです。それを知った上で、自分にあった方法を選んだり、自分で適当にアレンジするのが上達の近道。 なんでもいいからと、最初から我流を通すとそれはそれでなかなか綺麗に着られなかったり、却って遠回りになったりします。徒然草の兼好法師も「なにごとにも先達はあらまほしきかな」とおっしゃってますが、まあ最初は「そんなの私にはあわない!」などと言わず、こんな風に着たいな?という着姿をしている人に教わったりするのが近道。遠慮しないでどんどん聞いちゃうのもいいですよ! だいたい着物を着てる人は、いろいろ着物のことがしゃべりたくてうずうずしてる変わり者が多いはず(?) それから、着付も本や動画で見てもいいですが、私は最初の基本だけは直接習ったほうが、身につきやすいのではないかなと思います。そして、着られるようになっても、ここはどうしてこうなんだろう?とか、もっとこうしたらいいのでは?と考えるのはとっても楽しいことだし、それも醍醐味だと思うのです。メイクとかと一緒で、やっぱり着付けもおしゃれのうち。情報をアップデートして、どんどん楽に綺麗になっていったらいいと思いませんか? だから、最初に習ったことをずっとそのままにするのもいいけど、いろんな人に聞いたり調べたり、そういう気持ちは持ち続けて、いいなと思ったやりかたを柔軟にとりいれていく。それが自分の喜びにもつながる気がします。 長々と脱線してしまいました(しすぎだよ)が、とにかく、三分紐の結び方に決まりはないというお話でした。 さらに蛇足ですがそれだけでもなんなので、私のよくやっている本結びアレンジのリボン結びのやり方をイラストにしましたので、よかったら参考になさってください。これだと、結び目が平らにおさまるので帯の後ろで邪魔にならないし、リボンの大きさを調節することであまった部分の長さもなんとでもできます。あと、回しても崩れにくいです。 これも自己満足の世界なので、ぜひぜひ自分の気に入った結び方をみつけてくださいね!

レッドカーペットを歩く松たか子の訪問着と着こなしが素敵☆の巻

星わにこ
2020/02/12 00:00
2月10日、第92回アカデミー賞で松たか子さんが「アナと雪の女王2」の各国のエルサ役の一人として、舞台に立ったというニュースが流れました。日本人初の歌唱とのことで話題に。そのパフォーマンスののドレスも素晴らしいものだったのですが、なんといってもレッドカーペットを歩く上品な総絞りの訪問着姿が素敵で思わずため息をもらしたわにこです。ネットでも話題になっていますね。 色は蘇芳でしょうか。疋田鹿の子の総絞りに、松の芸名にちなんでか、松皮菱取りに松と波の金糸刺繍が散りばめられている訪問着。重ね襟をしているように見えますが、白なのでおそらくは比翼襟かと拝察。比翼仕立ては留袖などおめでたい着物にするもので、より格もあがりますから、まさにアカデミー賞の場にふさわしい品格が感じられますねー。 七宝花菱文様の袋帯は、色から見て現代ものではないのではと思いましたが、やはりお母様から受け継いだ大切な帯とのこと。先に行われた英国アカデミー賞に続き、アメリカでも今年はドレスコードとして「サステナビリティ」を取り入れた服装での来場が求められていたということで、まさに! 着物こそサスティナビリティ。 サスティナビリティとは、持続可能性、再生可能という意味。といってもなんだか? ですが、環境に配慮し、使い捨てでなく、きちんと作られたもの、長く使えるものと考えると、受け継がれていく着物はとてもサスティナビリティなものと言えるのではないでしょうか。 そして、超がつくほど正統派のコーディネートと着こなし。スキッと白半衿を少しだけ覗かせているのが東京風。足元はキリリと白足袋に、礼装用の三段の白いお草履。帯揚げはほとんど見せず、帯締めも細い控えめさが、梨園の着こなしでしょうか。流行りのものなど一切取り入れないザ・礼装。高麗屋のお嬢様の矜持を見た気がしました。 松たか子さんといえば。昔、20代の頃に着物熱が上がりまくっていたころ、その振袖姿が「美しいきもの」の表紙になったことが。当時17歳くらいだったのでしょうか。もうその振袖の美しいこと。古典柄、松竹梅の紫の友禅の振袖。正座をした松さんがそっと膝に置いた手のその下に、文庫の模様が描かれて。んもーーーなにもかもが素敵で素敵で、素晴らしすぎて、自分は17歳でもなく、お嬢様でもなく、財力もなく、こんな振袖を着ることは一生叶わないのだな、と思ったら、ひどく悲しくなり、着物熱も一旦下がったという、思い出があります。今思うと、悲しくなるあたりまだまだ身の程知らず、というところかなというエピソードですが……。(拙著『おキモノ生活のすすめ』P32参照w) 友人が、そのコラムを覚えてくれていて、FBに投稿してくれたのをみて思い出したのですが。。やっぱり今回の訪問着もちょっぴり胸の奥がちりっとするような感覚がありました。ひどく悲しくなるほど、もう身の程をわきまえていないわけではないけれど……。私はアカデミー賞女優でもなければ、梨園のお嬢さまでもなく、ただのおばちゃんなんだな~って現実を、ちょっと思い出すという(笑)。 そんな現実はまあおいといて(笑)、日本の素晴らしい技巧が詰まった美しい着物を、正統派の着こなしでレッドカーペットを歩いた松さんに心からの拍手を送りたい!! 所作もさすがです。盛り盛りに足して派手にかぶくのもいいけれど、ショートヘアを美しく整え、見えない帯揚げのように、ひそやかに礼を尽くす美しさ。だがしかし圧倒的な美しさを、改めて教えてもらった気がします。ほーんと、素敵でしたねー。いやあ、いいもの見せてもらったわー!と思えるようになった分、私も大人になったかな。

お宮参りの祝い着☆赤ちゃんは誰がだっこする?の巻

星わにこ
2020/02/05 00:00
 先日、お宮参りのお写真をみせてもらう機会がありました。お宮参りとは、赤ちゃんが無事生まれて1ヵ月を迎えたことを、産土神社に報告に行く御詣りのこと。その記念の集合写真でパパが赤ちゃんを抱っこしていて 、ちょっとあれっと思ったわたし。  お宮参りといえば赤ちゃんに掛けて写真を撮る 「祝い着」「宮参り着」がありますよね。おばあさまが和装で赤ちゃんを抱っこして、祝い着をかけている写真をよく見ます。パパやママが抱っこして祝い着をかけているのはあまり見たことがないなと思い、調べてみました。  祖母がいる場合は祖母が抱っこする、というのが定番だと思っていたので(よく父方か母方かでちょっとモメる話は聞きますw )、調べてみると母親が抱っこしない理由としては、母親は出産後悪露も終わってないことから赤不浄といって2ヶ月ほどは穢れた状態であるとされていたため。  とすると、母親以外なら誰が抱っこしてもいいという理屈になりますね。お参りした神社では、どなたが抱っこしてもいいんですよと言われたということでパパが名乗りをあげたんだとか。育児疲れのママは休ませて、ここは一番体力がある人っていう選択肢もあるかもしれません。  でも、ここは祖母になった人の晴れ舞台でもありますよね(笑)せっかく着物を着ていらしていたので、ばあばに抱っこさせてあげてほしかったな、なんて思ったりしましたが、外野は黙っとけってやつでしょうか。  今はそんなにこだわることもないのでしょう。写真では、そのあと、ばあばだけでなく、双方のじいじも、おじちゃんまでみんなが交代で祝い着をつけて抱っこしていました。記念ですもんね。赤ちゃんの機嫌がよくて、みんなが幸せならそれでよし! 本当におめでとうございます。  さて私はどうだっけと思い返してみると、母親である自分が抱っこしてました(爆)だめじゃん!  両方の親が遠方住まいのため、夫婦二人でお宮参り。祝い着も写真館で借りて、なんとか自分だけ着物を着て神社へ。残っている写真をみると、着付けとかもうめちゃくちゃですが、がんばって行ってよかったなと思います。お詣りも普通は生後30日くらいで行くものですが、出産時トラブルで緊急手術だった私は体力も回復せず、3ヶ月も過ぎた頃ようやく神社に行きました。そう思ってみると赤不浄の時期は過ぎてるからいいのかも?なんて。神社でも何も言われなかったし、そんなにこだわることもないのかもしれません 。  ただ、考えてみると親とか呼べばよかったなあと。若い頃ってそういうところ、気がまわらない。赤ちゃんを抱っこしたパパのことは言えません(笑)。もし自分がおばあちゃんになることがあったら、着物で赤ちゃんを抱っこしたいというふんわりした夢はありますが、叶わなくてもなにも言えないかんじです(汗)。  あとはどのような風習なのかというのを知っていてそれを選択するのとそうでないのは違う。どうしてその着物でお祝いするのか、そういう先人の気持ちや祈りを知っておくのはいいことだと思います。  さてタイトルにも書いた本題ですが、祝い着の後ろにお守りを下げたりするんだよね、確か‥‥と思い、それも調べてみました。  祝い着は腰のところについている紐で、赤ちゃんを抱っこしている部分をカバーするように後ろで結んでとめます。このとき、紐を袖に通してかけると袖が広がって祝い着の模様がよく見えます。  この、付け紐の巾が広いのも祝い着の特徴。紐は、男子は輪が上で縫い目が下になるように、女子は逆につけます。男子が輪を上にするのは角帯と同じで刀を差しやすいようにした名残だそう。  また紐の付け根の部分には、付け紐飾りという飾り縫いをします。  そして背中で結んだ紐に、守り袋や扇子などを紐に通してつけます。つけるものは、お守りを入れる守り袋、熨斗袋に扇子をさして麻の紐をつけたもの(繁栄を長寿を願う) 。紐銭といって祝いのお金を入れた半紙や、でんでん太鼓や犬張子をつけることも。地域によっては親類などからもらったお祝い金を紐に結んでいくところも。関西方面に多いそうです。  祝着は小さいですから、一つ身といって背中に縫い目がありませんが、背中から魔が差すのを防ぐために、おまじないで背縫いをしたものもあります。仕立て方ひとつにも、いろんな意味や願いが込められていることがわかります。  赤ちゃんの健やかな成長を願い、産土神社にお詣りするお宮参り。ほんとうに赤ちゃんは宝物のような存在。形はどうあれ、みんなでハッピーにお祝いしたいものですね。

布を挟む、貼付けるだけで帯が因み柄に変身!の巻

星わにこ
2020/01/29 00:00
 雪になるかと思ったら夜更け過ぎに一瞬雪へと変わって、朝にはまた雨でほっとしたようながっかりしたような東京住まいのわにこです。毎年この時期どかっと1,2回降っている気がするのですが、暖かい冬ですね。  さて、もう先々週の話なのですが、友人たちと作っている「フォントかるた」の本が出た!ということで、セミナーが開催されたので着物で行ってきました。  人前に立つような場合、着る洋服がないっ!というわけで着物一択、という理由(切実)もありますが、やはりかるたといえばお正月、お正月といえば着物。着物といえば、醍醐味は因み柄。  因み柄とは、着物を着ていく場所や会う人、季節に因んだ柄を取り入れること。因み遊び、なんて言葉もあると思いますが、洋服より着物のほうが恥ずかしくなくこれができて、遊び心があるような気がするのは私だけでしょうか。  たとえば、歌舞伎を見に行くならその演目や役者さんの名前に因んだ柄の着物や帯、小物を選ぶとか、もうすぐ節分だから鬼さんの小物を帯にぶら下げて、升柄の着物を着るとか、考え始めるとウワー!楽しい!ってなるやつです。  そして、それは人に気付かれなくても自分が上がればそれでいいし、もし見つけてもらって「アラ素敵」なんて言われたらもう天にも昇る気持ちです。神に感謝です(オーバー)。  さて、そのフォントかるたに因み‥‥というお題。実は、フォントかるた制作チームメンバーでキモトモの伊達千代さんが、秋にフォントの国際イベントが東京であった際にオープニングパーティに着物で出るやで!ということで、フォントかるた柄の付け帯を作ったのです。  そのとき、自分の分もいつか作ろうと思ったはずなのに、やっぱり「ずぐ」がでないまま、「この時しないでいつするの」というシーンを迎えてしまいました‥‥。伊達さんは「もちろんあの付け帯でいくよ!」というし、えー今からじゃもう間に合わない(しくしく)と、夏休み最終日みたいな気持ちになっていたわにこですが、ピコーン!ひらめきました(古表現)  付け帯を作る時間がないなら、付け帯に布を貼付けちゃえばいいじゃない。  というわけで、自分の持っている付け帯でそういう乱暴を働いても許してくれそうな木綿の子に、布を半衿付け用のテープで貼りました。はい。貼りましたとも。  広範囲に貼ると、ヨレたりずれたりの危険が高くなるのでお太鼓の部分だけに布を貼り、胴の部分も前柄にナナメに切り嵌め風に入るように配置して、基本挟むだけ。内側の見えないところでテープで留めてあります。  これはもう、本当に付け焼き刃なので、使ったらすぐ布を外す前提です。長期でそのままにしておくと、テープが変質してヨロシクないことになってしまいますので念のため。  これだと、クリスマスの帯とかバレンタインの帯とかわざわざ買わなくても、因み柄の布が少しさえあれば、ちょっとお遊びコーデができちゃいます。  できあがったのがこちら。じゃじゃーん。  全体は洋服の中に入っても浮かないように、落ち着いた色のコーデにしてみました。前帯は、こんなかんじでナナメに布をはさみ、「フォントかるた」のロゴがいいところにくるように工夫しました。帯留は、わたくし、星でございます(笑)。  写真の後ろ姿はセミナーにきてくれたデザイナーさんのキモトモが撮ってくれました! やっぱり、着物好きは見てくれてる☆ 夏休み最後の日の工作、頑張ってよかった(笑)  時間をちゃんととって、付け焼き刃にしないようにしなくては‥‥。とおもいつつなかなかよかったので、両面テープをアイロン接着テープにして、もうこの付け帯はフォントかるた帯とすることにしました。  イチから作り帯を作るよりずっと楽。前帯だけのポイントなら、普通の帯でも簡単にできちゃいますよ。ちょっと遊びを入れたいな!というようなとき、帯+お好きな布で、トライしてみてはいかがでしょうか。  最後に、フォントかるた本、あまり売れてない!?みたいなので、ちょっと宣伝させてください(爆)。文字やフォント好きの方だけじゃなく、イメージ図や身近な用例でこんなにフォントって種類があるんだ~って楽しめるフォント入門にとってもいい本ではないかと自負しております。よかったら見てみてね!

明菜ちゃん風に振袖を着こなせ☆の巻

星わにこ
2020/01/22 00:00
 そろそろ正月気分も抜けて来たかなと思いつつ、お餅をまだ食べているわにこです(また太るよ)。実は成人式が終わっても、しばらくは後撮りで振袖の撮影をさせていただくことが多いシーズン。先日、めっちゃ楽しい後撮り現場があったのでちょっとお話させてください!  ママ振を着ることになったお嬢さん。やはり自分の好みの振袖も着たい!ということで、両方撮っちゃおう!ということになりました。ママ振は正統派のお着付けで、レトロっぽい耳隠しのようなウエーブヘアで。そして自分好みの方は「明菜ちゃん風の振袖」というリクエスト。  明菜ちゃんといえば! ゲラッゲラッ♪ おかっぱヘアでのDESIREの着物アレンジが強烈な印象ですよね。私も、カメラマンさんもヘアメイクさんも世代ド真ん中なので、「マジか!」と大盛り上がり。  ネットで拾った当時の写真を見ると、かなり攻めたアレンジ。着物風の上着は絣っぽい模様の入ったもので片肌脱ぎ。袖は船底でちょっと短めで下に着た紫のインナーの色が効いています。がっつり肩パットが入っているのが時代を感じさせます。帯は細帯にシャネル風のポーチがついたチェーンベルトをON。裾は膝丈でブーツ。黒の手袋と大振りのゴールドネックレス&イヤリングにバングルがバブル前夜を感じさせます。  そういえば、当時の成人式、明菜ちゃんみたいに振袖にハイヒールで出ましたよ!と言ってた子がいたな~。いつの時代も、お洒落にかける想いは一緒だなあ~なんて。そして、動画など見返しつつ、本当に中森明菜ってすげえ歌姫だな!って再認識しました。新しいことは覚えられないけど、昔の歌は忘れないものですね……。  この衣裳、振袖では難しいかな~と思っていたところ、レコードジャケットは振袖ではないものの着物を浮世絵美人風に裾引きで着ていることが判明。色は少し違うけど、当時流行った濁り系の鶸色の振袖があったため、そちら寄りでコーディネートすることに。コスプレではないので、あくまでも風、ということなのですが‥‥。  正統派の振袖を着た後、おかっぱのウイッグにチェンジ。メイクも切れ長のアイメイクに目尻に赤を挿して。少しだけ低めに結んだ帯、振袖なのでしごきを足してみました。長めの房のピアスと、黒の半衿の上に重ねたブラック&ゴールドのネックレスがポイントです。  ポーズとライティングも思いっきり凝って、明菜ちゃん風振袖コーデの出来上がり! いかがでしょうか。こんな想い出もいいものですよね~。お母様含めアラフィフスタッフでキャッキャさせていただきました。  ママ振のほうも、結局成人式に一度しか着なかったということで、お嬢さんが袖を通すと「着物が喜んでるみたい!」とお母様も嬉しそうでした。  その当時は、どうしても振袖を着せたいという親の気持ちがわからず、着ろと言われるし仕方ないからなんでもいいやみたいに、適当にセットのやつを呉服屋さんで買ったし思い入れも全然なかったけど、こうして親になってみるとやはり着せたいものなんだと。着ておいてよかったなとおっしゃってました。  この写真、おばあちゃんに見せたら、喜ぶよねー!と。本当にそう思います。  明菜振袖のほうは怒られそうだから見せないでおく(笑)と言っていましたが、それも喜ばれると思いますよ! え、だめかなあ? 以前も、ママ振+自分の好みで写真を撮影したお嬢さんがいましたけど、どっちも楽しめていいですよねー。  20歳の時には、そんな写真とかお金かけて撮るとか意味わからん親の無駄遣いそんなお金あるなら○○したいぐらいに思っていましたが、今となってはそのときにしかできない想い出、撮っておいてよかったなと思います。20歳って何を着ても、美しいもの(しくしく<何故泣く)。それになにより、親孝行なんだなと。  そして、意外と和洋ミックスアレンジは昭和の方が斬新だった気もしたり。決まりにとらわれずもっと着物も洋服に溶け込ませていいのではないかな~とも感じましたよ。  ともあれ楽しい撮影をさせていただき感謝のお仕事でした。着物って本当に、楽しいわ~~~!

成人おめでとうございます!振袖雑感2020☆の巻

星わにこ
2020/01/15 00:00
 連休は、全国で成人式が行われましたね。街のあちこちで振袖姿や初々しいスーツ姿ときには羽織袴姿を見つけると、おめでとう!と心の中で声をかけていたあやしいおばちゃん、わにこです。  今年は振袖着付のお支度のあとに、近くの中野区の成人式会場まで散歩して、振袖ウオッチングをしてきました。会場の前に、たくさんの振袖姿が華やかに集っていて、テンションマックス! 色、柄、帯結び、帯揚帯締めなどなど、友人と二人で「いいねえ」「いいねえ」と言いながら、拝見してまいりました。  色は、赤が多いかなと思いますが、ママ振も増えたせいかバラエティに富んでいる印象でした。私達が若い頃は、大正ロマン的なシブい色が流行していたけど、やはり明るい色のほうが若さがあっていいですね。シブい色でも本人が若ければ華やぐので問題ないのですが。  帯結びは三重紐を使った変わり結び全盛で、昔からのふくら雀や文庫はほぼ見かけませんでした。帯に飾りをつけている結び方もあり、それがとっても華やかだったので要研究課題になりました。  髪型は三つ編みアレンジで、髪飾りも以前ほど盛り盛りではないものが多いです。サイドに髪を一束たらすアレンジも多かったです。  正統派の着付が多い中、アナ雪のような髪型にブルーの振袖や、黒に黄色でヘアも同じ色に染め分けているアゲハ系、ポップなデザイン系振袖をちょっと短めに着て厚底ブーツのお嬢さんなどなど、個性豊かな着こなしも。男子もスーツだけでなく、日章旗を持ったお揃いの羽織袴の男子集団もいましたよ。  きっと、地域によってもいろいろなのでしょうね。でも服装に関わらず、本当に、みんな表情がキラキラしていて素敵でした。20歳の輝きですね~。  あと、昔から変わらないのがあの白いモフモフ。羽毛やファーのショールなのですが、これまた成人式でしかほぼ使われないですよね。首元もあまり暖かくはならないし、実用的にはうーむと思ったりもしますが、振袖の華やかさを引き立てて、白で顔も明るくする、振袖の強化装備だと思えばよいかと思います。あれをつけると、お嬢さんたちのテンションがぶわっと上がりますし(笑)そういう、なんか、20歳のときにだけ生える特別な羽根みたいな、そんなものかと理解しています(笑)。  ニュースにもなっていましたが、レンタル業者の倒産事件以来、ママ振(お母さんが着た振袖)を着る割合が増えているとのこと。そう思ってみると、確かにママ世代の振袖が多かったかも。でも、帯や小物で印象も変わりますし、なにしろ着ている本人がピチピチなので(笑)決して古いという感じはしませんでした。それぞれに、とっても素敵ですよね。  無論、新しく用意して、自分の好きなものを選ぶのもいいですし、まあなんなら振袖じゃなくてもいいわけです。とにもかくにもその日を無事に迎えられたことに、心からお祝いをしたいです。  それと同時に、この振袖の数だけ、着付をがんばった着付師さんがいるのだなと身が引き締まる思いがしました。わたしもまた当日まではかなり緊張していました。責任もあるから、体調も崩せない。年末も前撮りでたくさんの振袖着付けをし、帯結びの練習もしていたので指紋がつるつるです。時々スマホも反応しません。去年は爪が割れたため、今年はジェルネイルで補強して臨みました。  昨年は美容室に入りましたが、今年は昭和な家スタジオで前撮りしてくれたお嬢さんがたを、本番に送り出すお支度。お二人とも、お母様の振袖を小物を変えてコーディネートしての出席でした。受け継いで着るお嬢さんも、それを見るお母様も、本当に嬉しそう。それを用意したお母様のご両親もまた喜び一入ではないかと思います。  着付の仕事は、いつも緊張するものですが、振袖はやっぱりちょっと特別な思い入れがあります。特に成人式は、ついつい保護者目線になってしまうせいでしょうか。自分の成人式のときなんて、大人になる自覚もなければ友達に久しぶりにあえるな~くらいの、軽い考えでしかいませんでしたし、自治体の方針もあって振袖も着ることもありませんでした。  でも、その5年後、弟が20歳になりたてで交通事故で他界。成人式に出席は叶いませんでした。母はことあるごとに、成人式のスーツを着せたかった、着せたかったと亡くなるまで言い続けていました。若いころは、その言葉の重みをあまり感じませんでしたが、母親となった今となっては、子どもが無事成人し、晴れ姿を見ることがどんなに尊いことか、ひしひしと感じます。  周りの友達が、子どもが成人してほっとする、というのを聞くたび、よかったなあと思うと同時に私もその日を無事迎えられるよう祈るばかりです。成人のお祝いの着付は、私にとって祈りのようなものでもあるのかもしれません。  ともあれ、成人を迎えた皆様、そしてご家族の皆様、本当におめでとうございます。これからの人生に幸多からんことを祈ります。  そして、その日を支えた美容師、着付師はじめスタッフの皆様お疲れさまでした! また来年も、幸せのお手伝いができるよう、日々精進していきたいなと気持ちを新たにする、成人式の夜なのでした。

振袖の襦袢の袂が飛び出さない「つばさ」が便利☆の巻

星わにこ
2020/01/08 00:00
 新年あけましておめでとうございます。本年もふふふと笑っていただけてちょっとお役にたつコラムをお届けしたいと思っております。どうぞかわらぬご愛顧よろしくお願い申し上げます。  さてさて、いよいよ成人式本番ですね! 今年成人を迎える皆様、本当におめでとうございます。急に子どもから大人になるわけでもありませんが、やはり大きな一区切りですね。20年間の成長の軌跡と、見守り育てられたご家族のお気持ちを想うだけで胸がいっぱいになります(はい、箱根駅伝を泣きながら応援するタイプです)。どうか自分を大切に、幸せになってほしいと心から願います。 そして成人式といえば、女子の振袖率、本当に高いですね。振袖で出席される新成人の方は、振袖を着るのは初めて!という方も多いのでは。  振袖でなにが大変かというとあの振袖最大の魅力でもある、長~いお袖です。ただでさえ慣れない着物姿、大変だとは思いますが、ちょっと動作に気をつければ大丈夫!  トイレ、車、座る時、そして階段。とにかく袖を引きずらないように、スマートに扱えればカンペキです。 振袖を着るときは。しぐさ美人で差をつけよう!の巻  あと、お袖で困るのが、強風。先日も成人式前撮りのロケ中、北風に悩まされたのですが、裾もはだけたりするけどなによりお袖の襦袢がぷわ~んと膨らんで外に出て来てしまうのが困り者。  そこで解決策として思い出したのが、「つばさ」です。「つばさ」とは、お袖の襦袢の内側、まるみの部分に、落としておく錘(おもり)。錘といっても、15グラムくらい、5円玉3つ分くらいの重さです。重さが負担になるようなことはありません。  これを入れることで、お袖の中で襦袢が泳ぐことなく安定し、飛び出しも防げますし、お袖自体も、ストンと落ちてキレイな形になってくれます。  ビー玉等が入っていて、袖の底に安定しやすいように筒型の形になっているもの、香りつきのものも市販されていますが、自分で手作りもできます。5円玉3つ(か同じくらいの重さで着物が汚れたりしない素材)をハンカチなどにつつんでもいいですし、どうせならちょっと可愛い布で袋をつくって入れるとよいと思います。  私も、撮影仕事用に作ってみました。  わかりやすく上に5円玉を置いていますが、中に入れて縫い込んで落ちないようにして使います。別に5円玉ではなくてもよいのですが、なんだか縁起がよさそうではありませんか? という理由です。ジャラジャラしそうで気になる、というときは、ボタンみたいに穴のところで糸止めしてもGOOD。  風がないときでも袖がひらひらしすぎないで落ち着いてよい感じです。成人式のとき、ちょっとお袖に忍ばせてみてはいかがでしょうか。着付け師さんにつばさを入れて下さい、って手渡しすれば、入れてくれると思いますよ。  今年の成人式、どうぞ全国よいお天気でありますように。晴れの一日、どうぞよい想い出になりますように。

振袖や訪問着の伊達衿のゆるみを直す方法☆の巻

星わにこ
2019/12/25 00:00
 今年も残りあとわずか! クリスマスも平日でなんだか慌ただしく目を回しながら年を越しそうな予感しかないわにこです。  でも!お正月になれば、晴れ着。そして成人式の振袖と、華やかな着物を着る機会もあるのではないでしょうか。  そういった晴れ着に使われることが多い「伊達衿」。いつもの訪問着や付け下げ、色無地に足すとあら不思議。胸元が華やかになってフォーマル度がぐっとアップしますよね。  振袖には1本挿したり、2本、3本と重ね付けすることも多い伊達衿。伊達衿大好きな私は、十二単風に5本で着付けたりもすることも。5ミリくらいの幅で、一筋色が入るだけなのですが、意外と効きます! 八掛の色が結構効くように、よいポイントになります。  淡い同系色をあわせれば上品に、反対色を合わせればアクセントに。  色あわせも重要なポイント。例えば同じ赤でもちょっとした色の違いで着物がパっとしたり、くすんだりするので、気がついたら伊達衿がちょっとしたコレクションのように増殖してしまっております(阿呆)。  そんな素敵な伊達衿ですが、実は座ったり立ったりしていると、ちょっと緩んできやすいです。こうなると、せっかくのポイントが台無しに。  一番いいのは姿勢を崩さないこと。猫背にならないように気をつけていると、あまり胸元は緩まないのですが、それでもちょっと緩んで来ちゃったな‥‥と言う時に、緩みを直す方法がひとつあります。  それは、コーリンベルトのクリップを上から押すこと!  伊達衿を使う着付の場合、押さえる意味もあって、コーリンベルトというクリップがついた着付小物を使うことが多いです。コーリンベルトを使って着付けた場合、クリップで、衿と伊達衿を挟んで押さえてあるので、衿が緩んで浮いて来たら、帯の中のコーリンベルトのクリップ部分を探して、上からぐっと押すと衿の緩みがなおる、というわけです。  このクリップがある場所は左右の脇から10~15センチくらい(イラスト参照)。帯の上から指を入れると、あばら骨のあたりに固いものがあるはずです。それを指でぐっと押す。結構押すのに力がいるので、指で押せない場合は、扇子やなにかちょっと固いものを差し込んでぐっと下に押し下げると、衿の緩みが押さえられます。(ペンなど使う場合はインクが着物や帯につかないようめっちゃ気をつけて下さい!!)※コーリンベルトを使ってない場合は、この方法は使えません。  伊達衿を挿して着物を着たら、この裏技をちょっと思い出してください。  でも着物を着た時一番大事なのは姿勢。どんなにキレイな着物でも、姿勢が悪いとしょぼぼーんです。胸をはって、素敵な晴れ着姿を楽しんで下さいね。  今年も拙いコラムをお読みいただき、本当にありがとうございました。皆様どうぞよいお年をお迎え下さい。

お正月は家族で着物を!パパ着物もカッコイイの巻

星わにこ
2019/12/18 00:00
 あーー今年ももうすぐ終わってしまう! 気ばかり焦ってしまう師走です。4年ほど前から、成人式や七五三など記念写真撮影の着付のお仕事をさせていただいています。家族全員が揃う年末年始は実はご予約が多いのです。  成人式は、男子の凛々しい羽織袴の記念写真も結構多いのですが、パパの和服はほとんど見ません。家族写真で主役やママが着物でもいつも「なぜお父さんだけがスーツなのか」というのが疑問でした。  そこで、お父さんもぜひ和装で! と提案してレンタルを始めたところ、ぽちぽちと着てくれるパパが現れ、今では家族写真撮影のときの半分くらいが羽織袴姿をチョイスしてくれるようになりました。  これが、かっこいいんですねー。    だいたい、着物はよくお召しになりますか?と聞くと、結婚式以来です、とか七五三以来です、とか中には着た記憶がないですとおっしゃる方も。でも、これが似合うんですね~。  実はスーツって、西洋人体型が一番似合うようにできているんですね。逆に言うと、着物は日本人体型に一番合うようにできている。のでので、着物は日本人に一番似合うな~と実感しています。  この冬、七五三、成人式、結婚式とそれぞれのお父様の紋付袴姿の着付をさせていただいたのですが、若くても、年を重ねても、かっこいいのが紋付袴だなあ~としみじみです。  着たことがないものを着るのは、ちょっと勇気がいるかもしれませんが、こういう時にぜひ着てほしいなと思います。最近の着付の課題は正装のときの補整。男性も紋付のときにはちょっと補整を入れるといいかんじになるなということ。お腹まわりだけでなく、胸元もちょっと入れると紋がしっかり出るのですね。女性と同じだけど、体型が違うのでもっと勉強が必要だなと痛感しているところです。  お正月は、家族で着物で迎えるのも素敵ですね。正装とちがってもっと気楽にチャレンジできるとよいと思います。紬やウールもいいですね。タートルネックのセーターやパーカーの上に着物を羽織るミックススタイルから入るのもいいかもしれません。  私もお正月は着物で!という夢があったので、結婚してはじめてのお正月、相方にウールの着物を着てもらったのですが、そのときステテコという秘密兵器を知らなかったため、着物って寒いからやだ、と次の年から着てもらえなくなってしまいました。トホホ。  先日、中学生の息子がパーカーとスパッツの上に着物を着ていましたが、なかなかいいかんじでしたよ。銀魂とかに出て来るキャラみたいでした。あったかくするとか、着たときの快適さや楽さの工夫も大事かと思います(^^;)。そういう姿で、帯の位置とか、袂のさばきかたなんかに慣れると、どんどん所作もかっこよくなりますよね。  ただ着物もまた、昔の着方のままでなく、新しい着方、新しい所作がスタンダードになってくるのかもしれないなあ~と思ったり。  結局なにが言いたいかと言うと、おしなべて日本男子はめっちゃ着物かっこいいので、もっと着物を着て!というお話でした(えええ)