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今欲しい!二部式雨コートと晴雨兼用傘の巻

星わにこ
2019/04/17 00:00
  先週から行われていた松屋銀座の「七緒の和トセトラ」に行ってきました! 銀座いち利さんも出店されていたので、早速突撃。  いつもはいち利モールのバーチャル試着室で、妄想を羽ばたかせて楽しんでいる私ですが、今回は、リアル妄想コーデに挑戦です(なんだそれ)。  あれこれステキなものの山の中、気になったものを2つご紹介します! その1:晴雨兼用傘  とにかく天候不安定な今日このごろ。雨なんて、聞いてないよ! ということもあります。着物で出かけるときはやっぱり天気は気になりまくり。これからの季節、紫外線も気になるし、日傘にもなる晴雨兼用傘は持ち歩きたいところ。  5月が1年で一番紫外線が強い時期だそうです。新しい傘で今年は美白美人!&雨にも余裕で対処したいっっっ!! いつまでも濡れないからという理由でどうしてもそこに落ち着いてしまう、70センチの透明ジャンプ傘から卒業したい!   どうせなら、軽いもの、オシャレなもの、ある程度大きいものがほしいところ。と思っていたところにピッタリの商品がありました。  東京ノーブルの晴雨兼用傘は、大きいサイズで軽くて、タッセルつき! 房スキーとしてはたまりません! 柄もいろいろあって迷っちゃうほど。大きい長傘タイプか、持ち運びが楽な折りたたみか、悩みまくり。結局買うならテンションがあがりまくる、スカーフ柄の長傘かな~と選んでみました。あーでもやっぱり折りたたみも‥‥(どっちやねん) その2:二部式雨コート「楽雨」  あの楽雨シリーズの新柄、今度はピンクとネイビーの二色です。ドットの地紋が可愛い! 以前のものよりさらりと軽量になっているかんじ。ピンクを試着させていただきましたが、雨の日でもテンションあがりそう~!  雨コートはずっと一部式を愛用しているのですが、もう何年使っているの?と思い返してみたら、かれこれ7、8年。そろそろ新しいのを買ってもいいかなと思うのと、二部式の上だけをコート代わりにして、下だけ持ち歩くとか、エプロンがわりに下だけ使う、とかそんなこともしてみたいと考え始めました。持っているのにまだ欲しい。だってタイプが違うんだもん‥‥と。人間とは欲張りなものです‥‥。  もうさ、傘も雨コートも、どっちも持ったらいいじゃない! という気分になってきました。正直、雨の日スタイルも、毎度同じだと飽きるんですよね~。本当に着物沼って深い。どこまで行ったら満足するんでしょうか? 悩む時間があったら、さっと決めてしまったほうがいいのに、と毎回思うんですが、なかなかできない優柔不断なわにこなのでした‥‥。   あまりに店頭で唸っていたら、試着させていただけました! ありがとうございます!  見ただけではわからなかったのですが、楽雨の下の裾よけのほうは、紐が途中ゴムになっていて、結ぶとすごいフィット感。紐の結び目を少し下のほうで止めると裾がはだけにくいんだとか。こういうお話も、直接聞けるのが嬉しいですね。あと、生地もテカテカしてなくて上品で、雨コートとしてだけでなく、ちりよけとしても大活躍しそう!  これならめちゃめちゃ明るい気分で、紫外線対策&雨の季節も乗り切れそうです。サイトの試着室での妄想も、誰にも迷惑をかけず(笑)バーチャルショッピングをニヤニヤと楽しめて大好きなのですが、やっぱり実物を見られるショッピングは楽しいですね!!  疑問点も聞けばすぐに解決するし、たまにはお店に足を運ぶのもいいなあと思った次第です。お話きかせてくださった店員さんもありがとうございました! さて、どのアイテムを入手するか、それが問題だ(まだ悩んどったんか~い!)

糸の飛び出し、ひっかけ直しに補修針!の巻

星わにこ
2019/04/10 00:00
 桜のお祭りのようだった先週とはうってかわって、花散らしの雨が降ったり寒かったりな東京です。3月末からずっと卒業式、入学式、春休みの家族写真撮影と、ずっと着付のお仕事をさせていただいていたのですが、お祝いのお支度は幸せを分けていただけるようで本当に楽しいです。  さてさて、皆様はうっかり何かにひっかけて、生地の糸が飛び出しちゃった!なんてことはありませんでしょうか。ひっかけた覚えはないのに、ぴょんと飛び出した糸やループ。帯なんかで、よくありませんか? あ~なんて、指で撚ってみたりしても、ひっこむわけもなく‥‥。  かといって、はさみでチョキンと切ってしまうと、そこからほつれたり穴が空きそうで怖くてできなくて、そのままにして、忘れてまた次に締めたときに、あっ、そういえば糸が飛び出してたんだよね‥‥なんて繰り返し。  上手く直らないものかな、と思っていたら、ほつれ直しの補修針というものがあることを知りました。使い方は簡単で、ほつれやひっかけで糸が出ている根本の部分に、針を差し込みます。針の先端は、細いけれどもボールポイントといって、丸くなっているので生地をいためないそうです。針の太いほうが細かいヤスリのようになっていて、そこにほつれた糸がひっかかり、針を裏側に引き抜くと、一緒に裏に抜けるのだとか。  へえ~とは思ったのですが、そんなに上手くいくのかななんて思いつつ、ネットで検索してみると何種類か違うメーカーさんから出ている模様。和裁(というほどでもないけど)するときお世話になるみすや針から出ている、その名も「ほつれのん」というベタなネーミングのものを購入してみました。  早速試してみると‥‥帯地だったためか、ちょっと引き抜くのに力がいりましたが、おおおおお!! ほつれが裏に移動して表地はなにもなかったかのように! 糸も切ったりしないので、ほつれが広がったり穴があいたりする心配もありません。  あまりに何事もなかったかのようで、ずっとずっとそのほつれが気になっていた日々がばかばかしく思えます。もっと早くやってみればよかった! すごいぜ補修針!  うれしくなって、猫にひっかかれてループ状に糸がとびだした布地のバッグとか、半衿とか洋服とか、思いつくものをいろいろ試してみたら、どれもこれもすっきり。素晴らしい~~(><)  あまり出番は多くないかもしれませんが、お針箱に必携ですね! もし御存知ない方、使ってみたことがない方がいらっしゃったら、気になるほつれに補修針。ぜひ試していただきたいスッキリ感でした!

新元号「令和」と白大島の二部式着物?の巻

星わにこ
2019/04/03 00:00
 まさに「花冷え」という言葉がぴったりの今日このごろ。桜は満開だけど、とにかく寒い(><) そんな中、新しい元号が発表になりましたね。  万葉集にある歌の序文「初春の令月にして、気淑く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫らす」からとって「令和」。最初聞いたとき、へえっ!と思いましたが、あっという間に慣れてきました。初めての国書からの引用とのことですが、元は漢詩から来ているのではないの? などいろいろ思うところはありつつ、素敵な元号に決まってよかったです。  令と聞いたとき、令嬢の令、と思った私。令月(よい月)の令だったのですね。字の形やイントネーション、アクセントは何が正しいのか、なんて話題もありますが、「決まりはない」というのが内閣府の見解です。ほんとほんと、それぞれの解釈でいいと思います。この場合、望ましいのは「自分と違う解釈をdisらない」ということだと思うのです。それが「和」だと思います。  さてさて、その元号を決める有識者会議に出席する、宮崎緑・千葉商科大学教授の着物姿も話題になっていましたね。白大島に、袖無し羽織姿ですが、帯が見えない。あの襟元の雰囲気からして二部式着物(セパレート着物)なのかなと思います。フォーマルな場所にこの着姿。好みはおいといて、いいぞもっとやれという気持ちです。着物警察が白目をむくような全てにおいての逸脱ぶりが素晴らしい! きっと新時代を感じさせるためのチョイスなのでしょうね。  映像を拝見した限りで私なりの知識で解説しますと、まず大島紬は高価ですが、紬なのでフォーマルな場所には着ない、というのが通常です。特にお召しの白大島は、大島紬親善大使もなさっているというお話ですし、下世話ですがかなりのお値段ではないでしょうか。まずはそこからズバっと外してきています。  次に二部式着物。いわゆる簡易な着方となります。帯をしないのでとっても楽ちん。二部式着物の愛用者は昔から一定数いますが、洗える二部式着物=飲食店の制服が一番ユーザーが多いイメージです。一見着物ですが、いわゆる着物とは全く着方も異なります。  そして袖無し羽織。羽織は紋付だとフォーマルになりますが、袖無し羽織はお袖がない分、気軽に羽織る防寒、ちりよけのような感じになります。お寺の奥様や呉服屋さんの女将さんが作業時や防寒に黒い袖無し羽織を着ていたり‥‥そんな印象でしょうか。あとはご隠居さん?  男性は、陣羽織のイメージでよく着ている方がいますが、こちらも着物だけではなく、作務衣とかにあわせたり、割に気軽なイメージです。  まあ、とにかく晴れの場に出る着姿としては、いわゆる常識から「これでいいのかしら?」と突っ込むどころか、あまりにすべてをズバズバ度外視してきているので、どこから突っ込んでいいかわからずしっぽを巻いて退散するしかないレベルです。実に痛快です。  どうせだったら、林真理子先生も、ばーんと志ま亀の着物とかでいらしてくださればもっともっと着物が話題になったのになと、惜しい気持ちでいっぱいです。オーソドックスな着こなしをされる林先生との対比がものすごく楽しそうです。「着物ってこんなにいろいろあるんだ!なんでもいいんだ!」と注目されたんじゃないでしょうか。内閣府にも「どちらでもいい」と言っていただきたかったところです。まあ、そこがメインの話ではないわけですが。  珍しく時事問題(?)に斬り込んでみましたが(笑)、いやほんと。新しい令和の時代には、なにが正しい、間違っているという窮屈な枠を外して、違う価値観を尊重し、世界と仲良く、和を持って尊しとなす、そんな風に生きられるようになってほしいですね。残り1ヵ月を切った平成の時代。あの、怒濤の昭和の終わりを知る人間としては、生きているうちに譲位され、混乱なく新しい時代を迎えられるよう決断された今上天皇に心より感謝して過ごしたいものです。  令和の時代。着物はいったいどうなっていくのでしょうか? いやぶっちゃけ最低限の礼さえ失しなければ、みんな好きに楽しく着たらいいですよね! 過度な「決まりはない」時代になってほしいです。ほんとに。

卒業式は女子も男子も袴でGO!の巻

星わにこ
2019/03/27 00:00
 ソメイヨシノが咲き始めた東京です。早咲きの河津桜やおかめ、プリンセス雅もいいのですが、ソメイヨシノの輝くような薄いピンクの花をみると、やはり心が躍ります。  今年の卒業式シーズンは、袴の着付けをご用命いただいて大学生と小学生のお支度をお手伝いしました。  小学生の袴姿は、女子も男子も着たい子が着る、というかんじでマストではありません。双子の男の子で一人はボウタイでおめかしスーツ、一人は羽織袴という自分の好きなものを選んでいたのが、とってもステキでした。  女子はお友達と2人組でおそろいの緑の袴を選んで。頭にはリボンをつけて、女学生スタイルで本当に可愛かった!  小学校の卒業式での和装は、華美と言われて禁止の動きもあるようですが、キリッっと無地の袴姿が華美かな? スーツや制服姿と変わりなく、礼を感じる素晴らしい日本の衣裳。派手、派手じゃないは、和装洋装どちらということではないのではと思います。  大学の卒業式は、女の子はほとんどが袴姿の印象です。私のころ(ン十年前)は成人式の振袖も卒業式の袴も、半分いるかいないかという感じだったと思うのですが、今はマストと言っても過言ではないくらいですね。  大学生の袴姿は、本当に華があってこれまた素敵。二尺袖に刺繍の袴はレンタルが主流のようですが、お手持ちの振袖にあわせていたり、お身内のものだろうなというウールの袴をつけていたり、みんなそれぞれ。美しいです。  そして今年ははじめて、大学の卒業式で袴を着る!という男子の着付をさせてもらいました。その男子は、二年前の成人式の記念撮影で袴を着て気に入ってくれたのか、今回も卒業式に着ようと思ったのだとか。  成人式のときは、着物なんか着たことないからとちょっと恥ずかしそうでしたが、今回の卒業式での堂々とした着こなしぶりには驚きました。一度着たことがあるというのは、こんなにも違うものかというくらい板についていました。  撮影のときに「胸を張ってね」「手はこう」「羽織紐の房は上を向いてるものだよ」とうるさかったおばちゃんたちの指導をちゃんと覚えていて、ポーズも所作もばっちりでした。  卒業式では、男子で袴なのは一人だったとか。でも、着ていたらとても好評だったそうで、「自分も着たかったけど、スーツにしちゃった」と声をかけてくれた人もいたとのこと。礼装の選択肢の一つとしてもっと羽織袴が一般的になって、着る人が増えればいいのに~と思います。  男子の羽織袴は、七五三でしょとか、成人式でもヤンキーしか着ないとか、目立つからとか、敬遠されがちですが、黒の紋付姿はどっしりとかっこいい、日本男子の第一礼装。卒業式にピッタリですよね。  きっと「男子が卒業式で袴」という発想がそもそもみんなになかったのではないかなと思うのです。知っていたら、女子の袴人口が増えたように着る人増えるんじゃないかな?  もちろん、スーツも素敵です。和装洋装に関わらず、礼を持った服装であればよい。なにを選ぶか、選択肢があってもいいですよね。日本人なら、和装も選択肢に入ればいいなあと思います。  友人とやっているスタジオでの家族写真撮影のとき、羽織袴を選ばれるお父様が増えてきました。これがまた似合う。似合うのです。やはり民族衣裳なだけあるなと思います。  男性諸君! もっと羽織袴着ようぜ! と思った今年の卒業式シーズンの出来事でした。あっ、無論ママもぜひ着物で!

古本屋さんでゲット☆昔の着物雑誌が面白かったの巻

星わにこ
2019/03/20 00:00
 先日、和歌山までお仕事にいく機会がありました。制作に関わっている「フォントかるた」のイベントだったのですが、会場が「本屋プラグ」さんというカフェ、イベントスペースでもある本屋さんでだったのです。イベントもとても盛り上がったのですが、本が大好きな私も本に囲まれてテンションあがりまくり。お洒落なスペースに、懐かしかったり珍しかったりな本がずらりと並んで、新刊書だけでなく、古本やおしゃれな雑貨も置いてあり、ちょっとコダワリがあってセンスのよい友だちの家に遊びにきたような、そんな感覚に。あれも、これもと手にとって見せていただきました。  そこで古い雑誌の中から見つけたのが「きものと装い」という主婦の友の増刊号。1971年10月号でした。今からなんと48年前の本です。表紙は女優の藤純子(富司純子)さん。早速買ってお持ち帰り。  特集は「こんな場所・こんなとき きもので美しくなりましょう」「小紋・つむぎ 年代別のつむぎ」など。昭和生まれには懐かしい、若い頃の大女優さんたちが続々と登場。今より帯が高くて足をなが~くみせるような着付が多いかんじです。ポージングもいろいろで、面白い! 懸賞は「ダイヤモンド入り指輪15名に贈呈」って景気もいい! ピエール・カルダンのきものファッションショーとか、びっくりのヒッピーメイクに着物など、時代を感じます。  ストーリー仕立ての細川俊之・小川真由美夫妻のデートグラビアとか俳優さんの家族紹介ページなどのワイドショーっぽいページの一方、博多織の人間国宝のお話など着物に関しての読み応えのあるページもたくさん。  男性の着姿写真や着付も結構なページをとっています。サザエさんの波平さんのように、男性が家で着物で寛いでいた時代なのでしょうね。そういえばドラマ「太陽にほえろ」の再放送を見ていたら、ヤマさんも家に帰ると着流しでした。まだまだ着物が日常生活に息づいていた時代ですね。 「きもの姿 男のいき」という白黒のグラビアもあり、仲代達矢さんや萬屋錦之介さんの着物姿にまざって、髪がフワフワっとカールして目がくりっとしたちょっとイマ風で一瞬「斉藤工かしら?」と思うようなかっこいい男子がいて、これは誰?と思ったら、石立鉄男さんでした! お義母さんが小唄のお師匠さんとのことで着物は着慣れている‥‥という記事。えええええええ~~~~!! おまえはどこのワカメじゃ~~! ワーカメすきすき♪という姿からは想像もできない、若き日のあんちゃん。びっくり!  他にも、懐かしい女優・男優さんがとても若い姿で掲載されていて、着物を見るのも面白いんですが、なんだか懐かしいアルバムを開くようなそんな気持ちにもなってしまいました。髪型とかも、ああ、母や叔母がこんな髪型だったな、なんて思い出したり。今とは流行も違うし、帯揚や帯締めの処理も、えっ、これもいいんだ、って思うくらいにいろいろ。きものって別に決まりがどうこうじゃなく、もっと自由に着ていいんだな~という気持ちになるはず。  コートやうわっぱりの作り方ページや、「太ったミセスのきこなし12のポイント」(いや~ん参考になるわ~ん(涙))など実用ページも読み応えあり。広告や肌着の紹介なども今はないものがいっぱいで、隅から隅までフムフムニヤニヤ読んでしまいました。  他の昔の着物雑誌も読んでみたい気持ちムクムクです。もし古本屋さんに立寄ることがあったら、古い着物雑誌を探してみてはいかがでしょうか?  

神田明神に芸者衆の踊りと幇間芸を観に行って来たよの巻

星わにこ
2019/03/12 00:00
 江戸の総鎮守として有名な神田明神(神田神社)。商売繁盛、仕事運にご利益があるといわれ、わにこもお勤めしていた時、仕事始めに御詣りにきたものです。最近はアニメの舞台などにもなっており、境内にはアニメキャラクターの看板やお守りも。  その神田明神の文化交流館として昨年末オープンした「EDOCCO STUDIO」に、着物友達で集まって「江戸の華 六花街の芸者衆の踊りと幇間芸を楽しむ」というプログラムを観にいってきました。六花街とは、江戸の6つの花街のこと。芳町・新橋・赤坂・神楽坂・浅草・向島の6つを指すそうです。私が観た二月末は神楽坂の芸者さんによる踊りと、浅草の幇間さんの芸でした。  せっかく神田まで行くので~ということで、老舗のおそばやさん「まつや」で並んでランチ。平日少し早めにいったので、すぐに席につけました。江戸っ子気分でさっとそばをいただいたあとは、14時半の開演まで少し間があるので、その近くのこれまた老舗の近江屋洋菓子店のイートインで名物のアップルパイをつつきつつおしゃべり。フリードリンクだったのですがどれも美味しい&建物やテーブルのレトロ感がたまらずよかったです! なんとトイレも和式。  神田の老舗感を楽しんだあと、いよいよ神田明神に向かいます。まずは並んで参拝した後、御朱印をいただきました。  境内では梅が見頃で、思わず写真を撮りまくるわたしたち。記念写真もパチリ。ちょうど季節と選んだ白梅の着物にピッタリだわ~と自己満足のわにこでした。  そんなこんなで時間がやってきて、EDOCCO STUDIOに移動して、会場に入り、美味しいお抹茶と塩瀬のおまんじゅうをいただきながら、花街や踊りの話などに耳を傾け、ステージの準備を待ちます。  最初に一つ紋の訪問着を後見結びで、衿を詰め気味に着た芸者さんが長唄「松の緑」を、次にお引きをだらり帯でぐっと衣紋を抜いて着こなした芸者さんが「吉原すずめ」を、最後にかけあいで「さわぎ」を、三味線の生演奏で踊るのを眺め。所作や着物のきこなしの美しさにポ~っとなり。  とにかく!! 憧れの芸者さんの踊りと着こなしを、間近でじっくりと見られます。360度隙のない、玄人さんの着姿を堪能。ほんとにほんとに素敵でうっとりです~。  続いて、浅草の幇間、櫻川八好さんが登場。幇間さんとは、男芸者ともいい、お座敷で旦那衆が楽しく遊べるよういろんな便宜を図ったり、その場を盛り上げたり。太鼓持ち、という言葉のほうが馴染みがあるかもしれません。今や、幇間は全国、ということは世界でも、宇宙でも6人しかいないんです、と笑わせながら、花街や幇間についてわかりやすく説明してくれます。パントマイマーからの転身ということで、体を使った芸の面白いこと。話術にも魅き込まれて、笑って盛り上がりました。  すごいな~と思ったのは、もう、全身を使って動きまくって、尻っぱしょりもひょいっとしたり下ろしたりしまくっているのに、着物がまったく着崩れない。体に自然に沿ってとてもカッコいい着姿で、惚れ惚れしてしまいました。男性の着物姿は、いいですねえ~~!  その後、芸者遊び体験ということで希望者がステージにあがって芸者さんと「こんぴらふねふね」をする、というコーナーが。  こんぴらふねふねとは、とっくりをのせる「おハカマ」を使って、こんぴらふねふねの歌を歌いながら、交互に手を出し、ハカマが台の上にあるときはパーを、ハカマを持ち上げられたときはグーを出し、先に間違えた方が負け。という単純なものなのですが、かなり盛り上がります!  やってみたい人~~!という声に、キモトモのいけいけ~というかけ声にのって「ハ~~イ!!」と調子良く手をあげたわたし(えええ)。みんな手をあげるかと思ったら一人だった(爆)。で、一番にステージにあがらせてもらうことに。  芸者さんのやさしい説明と白い手にうっとりしながら、うまいとかやりますねなんて声をかけてもらいつつ、三味線と小唄に乗せて手を動かしますが‥‥ちーん!間違えた~~~! というわけで終了(笑)。記念品をいただいてしまいました。  その後も、スペインからの観光客の方がステージにあがっていましたが、誰も芸者さんには勝てませんでした(当たり前か)。その後は、芸者さんと記念写真タイムののち、解散。とても近くで芸者さんが見られて満足。お座敷で芸者遊びはなかなか敷居が高すぎますが、椅子に座って気軽に雰囲気を味わうことができました。 (写真:渡部瑞穂)  写真もOKなので、インバウンドの方を連れて行ったりするといいかも。あとはもう少し、わかりやすい説明やパンフレットがあるとよかったかな~なんて欲張りなことを思ったりしました。  EDOCCO STUDIOではオープン記念でちょっとお得にイベントが見られたりします。私はティータイムにいきましたが、食事を楽しみながらショーが見られたり、様々な「江戸の粋」に触れられるイベントが企画されています。お手頃なお土産もいっぱい。着物で遊びに行くのにピッタリな場所でした(^^)着物のレンタルもあったりしますし、お友達とワイワイ行くと楽しいですよ!  https://cocoro-k.co.jp/

和菓子で感じる春☆練切教室に行ってきたよの巻

星わにこ
2019/02/27 00:00
着物大好きコミックエッセイスト 星わにこ連載コラム「オトナの着物生活」 和菓子で感じる春☆練切教室に行ってきたよの巻    練り切りは、白あんにヤマトイモや百合根、ナガイモ、求肥などのつなぎをあわせて練り、色をつけて組み合わせたり木型で型をつけたり、細工をしたりして様々な形を表現する、和菓子を代表する上生菓子です。  茶道では主菓子として使われるので、お抹茶とセットでいただくことが多いのですが、季節にあわせた題材、美しい色や形、そしてやさしいお味にいつも魅了されてしまいます。  そんな練り切りを作る体験ができる場所があるということで、友達に教えてもらい、西荻窪の「をかしや」さんに行ってきました。  二月の題材は「梅とウグイス」とのことで、梅と、ウグイスの形の二種類の練り切りを3こずつ、合計6個作っていきます。二月はバレンタインもある、ということで、中に入れるあんこには、なんと刻んだチョコレートが混ぜてありました。一体どんなお味になるのでしょう?  先生はをかしやの店主さん。和菓子屋さんでの修行のほかに、製菓学校で助手もされていたということで、教えるのがとっても上手な女性です。型にとらわれずオリジナルな練り切りを制作して、お昼はカフェ、夜は日本酒と和菓子が楽しめると言う、和菓子好きには夢のようなお店をオープンしてもう3年以上が経つそうです。  練り切り教室も開催されているとのことで、友人と3人で予約して伺うと、西荻の駅前のバルのスタッフさんという外国人の皆さんが4人でいらしていて、総勢7人で賑やかに体験がスタート。着物だったので、割烹着を着てスタンバイです!  最初にどんな練り切りをつくるか見せてもらい、ウグイスの可愛さにノックアウト! わくわくしながらまず、梅からトライ。  赤と白の二色の練り切りを、練って丸めて棒状にしてくっつけ、たいらにつぶして二色の境目をぼかし、そこにあんを包んで形を作っていきます。手の熱で乾いたりくっついたりしてしまうので、こまめに布巾で手を拭きながら、なるべく手早く作業をしていきます。  柔らかい練り切りは、手のひらや指の付け根の柔らかい部分にあてるようにして、形にエッジがつかないようやさしくやさしく扱います。あんこが包めたら、梅の形が彫ってある木型におしつけて、整形。金箔をアクセントにのせて、できあがりです。  白梅紅梅で美しい‥‥あれっ、なんかどこかで見たかも? と思ったらポケモンボールっぽくもあり!? それはそれでとっても可愛い!  3つ、連続で作ることで手も慣れて、形が綺麗になっていきます。これを全て同じ形で作る職人さんってすごい!  次にウグイスにチャレンジ。ウグイス色と白の練り切りをあわせて、雫型に整えて、布巾でしぼって羽根の模様をつけます。これが難しい!!! 力を入れすぎると形が崩れるし、そっとやるとあとがつかないし‥‥。インチキして、竹串で羽根を描いたのは内緒です(内緒じゃないし  黄色いくちばしをつけて、ゴマで目をつけるのですが、みんなが作ったウグイスちゃん、それぞれ表情が豊か~~! 中には、ウグイスというより、クジラにしか見えなかったりするアート作品も。小器用なワタシはわりと無難なウグイスちゃんに落ち着いて、ちょっとつまらなかったです(ええ、こう見えてもA型です)。  そして、作ったその場でお抹茶を点ててもらい、できたてをいただく幸せ!! 以前、茶席でその場で職人さんが作った練り切りをいただくという超贅沢体験をしたのですが、形は不細工でもおなじできたて。愛おしくて、いっぱい写真を撮ってしまいました。  あんこが超フレッシュで、とにかくめっちゃ美味しかったです!! ザクザクしたチョコも、新食感。あう。あんこにチョコ、あう!  買ってくるものはもっと固い感じがします、というと、練り切りとあんこの水分量が違うので、時間が経つと平均化して、こういうあんこのフレッシュさは失われてしまうのだとか。めったにできない贅沢な体験でした。先生ありがとうございました~!  練切体験教室については、をかしやさんのフェイスブックページまたはツイッターからチェックしてみてくださいね。めっちゃ楽しくて美味しい体験ができますよ。お茶やお酒と楽しむのもオススメですっ。  https://www.facebook.com/kimagre.ekbo.wagashi/

もったいないはもったいない!どんどん着物を着ようの巻

星わにこ
2019/02/20 00:00
 お手入れのこととか考えてしまうと、ついついたんすから出して着るのは、結局いつも一緒‥‥。ず~っとたんすに入りっぱなしの着物ってありませんか?  私にも結構あって、先日ひさびさに20歳のころ作った鮫小紋をひっぱり出して着たお話をさせてもらったのですが、着てないのに置き染みができてしまっていたりして「ああ~時々は出してみないとだめだな」と思ったのです‥‥。もったいないからって着ないとそのままだめにしちゃうこともあるのかなと。  いただきものの着物でも、大事に思うあまりいつか着ようと思いつつ袖を通せてないものもあり、「いつかは来ない! 今でしょ!」と林先生の声が聞こえた気がして、ずっとしまってあった結城紬を出して袖を通すことに。  せっかくだから、楽しいおでかけで着たいと思い、友人のピアノ発表会に誘ってもらったのでウキウキと着てみました。  まだ新しいその結城は張りがあってバサバサ歩くと足元がめくれてしまうくらい。そうでした、結城紬は着て、洗い張りをすることで真綿のケバがとれて艶やかに柔らかく着やすくなるそう。だから、昔は最初は女中さんに着せて、柔らかくなってから奥様が着たとか。女中さんはいないので~せっかくだからどんどん着て洗い張りに出せるくらい着倒さなくては!  結城に限らず、紬のものは洗い張りをすると柔らかく着やすくなります。3度目ぐらいが一番着やすいとも。私も、洗い張りをした紬は着やすくなるので愛用しています。自分で育てて着ている!って満足感もあります。  いただいてから二年以上経っていて、その前もあまり着られていた様子のない新品同様の着物。ご縁があってわたしのところにきてくれて、久々のおでかけと、ピアノの生演奏、楽しんでくれたかな~。  ステージに立つキモトモ(着物友達)は美しいドレス姿。華やかなショパンの調べにわたしも心の洗濯ができました。  その日のコーディネートは、その結城紬にキモトモとの思い出のあるものをチョイス。一緒に浴衣写真を撮影して賞品でいただいた帯や、一緒に桜染め体験で染めた帯揚げなど。思えば、長く一緒にいろいろ遊んでもらっているなあ~としみじみありがたく。  普段は、仕事で着やすく動きやすいものばかりを選んでしまいますが、たまにはこうして会う人のことを考えて、うきうきと小物を選ぶ時間もまた楽しいものだなあと改めて。  今年は、たんすに眠っている着物をどんどん出してどんどん外に連れ出そう。もったいないと、眠らせておくのがもったいない。そんな楽しい着物でおでかけを増やせたらいいなあ~と思う春の一日でした。

前だけじゃない!帯揚の見せポイント☆の巻

星わにこ
2019/02/13 00:00
 帯揚って、ほんとにいろいろな模様がありますよね。ちらりと見えるだけなのに、とても凝った模様や絞りや、大きな柄のものもあります。  柄があったら、見せたい!と思うのが人情だと思うのですが、帯揚って見えるのは本当にちょっとなので、なかなか思うところに柄が来てくれなかったり、大きくて見えないことも多々あります。  あまりに大柄な模様は見せるのは無理なので、「その柄の帯揚をしている」という本人の満足感があればいい、とするところであります。それって、着物には結構共通した愉しみですよね。  羽裏に凝る、とか、八掛の模様とか、そういう自分にしかわからない「贅沢」なものだと思います。  先日、ちょっとかわいいワンちゃんの絞りの帯揚をゲットしました。でも、顔の部分は大きすぎて、見えるようにはできません。でも、可愛い足跡をなんとか出したい!  帯揚は、前だけじゃなくもう一つ人から見えるポイントがあって、それが枕の横の隙間のところ。これも自分では見えず、人からもめったなことでは見えない部分なのですが、それでも、ちらりとここにいい模様が来ると、自分が非常に嬉しい(笑)。  帯揚のデザインをみてみると、ちょうどこの部分(枕の両サイドにくるところ、真ん中から15センチから25センチのあたりに模様やポイントがきているものが。絞りの帯揚なども、枕の部分が絞ってなくて、サイドの見え始めるあたりから絞ってあるものがあったりしますよね。  第二の帯揚の露出ポイント(?)、脇の部分にも気を配ってみましょう。  腕を上げてみてみると、鏡では自分でも見える位置なので、着物を着る時にちょっと気をつけてみてください。模様がなくても、この部分が綺麗だと、前に回した時に余計なシワが入らないので帯揚も綺麗に整いますよ。  写真の部分です。帯が柔らかくてちょっといろいろフニャフニャしてますが……(^^;)こんな風に、ちょっと腕を前にやったりすると、ふと見える部分になります。お茶のお点前をしている人を真横から見ていると、結構見えたりします。  帯枕の両サイド、気にし始めると意外と気になるポイント。つい他の人のサイドも気になったりして……あっでも、くれぐれも、他の人の脇の下をじっと見すぎる怪しい人にならないようにしてくださいね!(お前だよ)

遺影用の写真は、ありますか?の巻

星わにこ
2019/01/30 00:00
 先日、父ととても仲のよかった従叔父さんが亡くなり、そのときに写真加工の作業ならお手伝いができるかなとおもい、ご家族に聞いてみると写真がないのよ‥‥と返事が。結局お役にはたてなかったんだけど、いろいろアルバムを開いて写真を探したようで、私の父と一緒に写っている子供の頃の写真をメッセージで送ってくれました。  二人は母親同士が姉妹の従兄弟同士で同級生で。お母さんと息子同士の4人で撮ったその写真は初めてみるものでした。祖母たちもとても若く、父たちも可愛い可愛いあどけない子どもでした。  こんなときもあったのだと、今はみんな天国にいってしまったけど、確かにこの写真を撮ったときがあり、ワタシの今に繋がっているのだと思うと、とても暖かい気持ちになり。当時と違って、今はスマホとかで気軽に写真もとれるけど、家族揃っての写真ってなかなかないもの。いつかその写真を、自分子供や下の世代の人が見てこんな気持ちになってくれるかもと思うと、やっぱり写真はちゃんと撮っておくといいものだなあと改めて感じた出来事でした。  それと同時に、あ~今私もなにかあったら、どの写真が遺影になるんだろ?とぼんやりと思っていたら。  仕事場のスタジオに「就活用のポートレートを撮影したい」という依頼があって、ヘアメイク+撮影をしたのですが、わたしたち、話を聞いて「就活用」だとばっかり思っていたら、話を聞いたら「『終活』用よ、エンディングフォトよ!」とのこと。つまり、遺影用の写真を撮りにきたということだったのです。  えー!そっちのシュウカツ!? アラフィフなのに早くない!? と思ったのですが、お客様が言うには、なにかあったときに遺影にする写真もないし、適当なのを使われてもやだし、とっておきたい!とのこと。  う~んなるほど‥‥確かに先日の件もあったし、私も両親のとき、写真苦労したなあ~なんて思い出し……遺影用というとちょっとネガティブなイメージがありますが、実際始まってみると‥‥‥  眼鏡を外して、メイクをして、ひっつめ髪を軽くカールしたダウンスタイルにしたお客様は、えっ!というほどキレイに大変身。見ている私達もテンションが上がって、「わー!女優さんみたい!」「キレイ!」「可愛い!」などと大盛り上がり。  お客様も、どんどん表情が柔らかくなって、今の年齢にふさわしい、本当に素敵なポートレートが撮れました。  ヘアメイクさんによると、こういったエンディングフォトは、毎年撮る人も多いのだそう。そのとき綺麗な写真を撮るために、スキンケアをしたり、ダイエットしたり、あと、段々衣裳が華やかになったり(笑)。1年間、どんな風に過ごして、いい顔ができるか。それを楽しみに、日々努力して、イキイキしてくる方がほとんどなんだそう。前の年よりも若返ってる感じがする人もいるとか!  お客様が「こんなにほめてもらってキレイにしてもらって、シンデレラ気分。 なんか自己肯定感が上がった気がする‥‥。私も毎年撮りたい! 一里塚として、それを支えにやっていけそう!(笑)」とおっしゃってましたが、ウンウン、わかる気がする~! 私も俄然撮りたくなってきた!  私だったら着物で残したいな。どの着物にしようかな。ああっマジで悩む!!! あの訪問着? いや留袖でも……うーん暗いかな、色無地は地味? なんて、まだ撮る前からこの悩みよう‥‥。「ポートレートを撮る」と心の中で思ったなら、その時スデに行動は終わってるんダッ!というくらいの勢いで妄想してしまいましたッ。心の中ですっかり撮った気になってしまいましたが、いやいや実際に撮れ、私(笑)  キレイにヘアメイクした写真が1枚あれば、これが私!と思うと、ほんとキレイになれる気がします。自己像のイメトレになりますよね!! 遺影といわず、プロフィール写真としても使えるし、免許やパスポート用にもついでに正面写真を撮っておけばいいわけで。  遺影というと、ドキッとしますが、今現在の自分の姿をリアルタイムでキレイに更新するって、いいことですよね~。いつまでも若い頃とは同じじゃないし、何年も前の奇跡の1枚をずっと使い回してるのも、今の自分に自信がないみたいだし。  堂々と、今の自分が一番いい!と思えるような写真が1枚あれば、ほんとうにそうなれるような気がする‥‥。今日の撮影を見ていて思いました。  さあ、早速自分に予約を入れよう。手帳に書こう。人生は短く、いつまでも続かない。先延ばしにしないで、やれることやりたいことをどんどんやろう! ちょっと着物の話とは離れてしまったかもしれませんが、着物もワタシの人生の一部なんだと思い。どんどん着れるときに着なくては!  前向きな気持ちをもらった出来事でした。

香、満ちました♪雅な香りの世界を体験の巻

星わにこ
2019/01/23 00:00
 先日、お香の会にお誘いいただき参加してきました。  以前、いち利モールのおでかけの会で銀座・香十さんでのお香を楽しむ会に参加させていただいたり、何度か体験をさせていただいている香席ですが、貴重なお香を聴かせていただくというのは本当に心が鎮まります。  今回はお正月の香席開きということで「萬歳香(ばんざいこう)」という、5種の香りを聞き比べる大変贅沢な組香を体験させていただきました。  香道では「聞香(もんこう)」と言って、香りを「聞く」と表現します。実際に、香炉を手にとって目を瞑り、心を鎮めて香りを味わうとき「聞く」という表現は、ぴったりくる気がします。  お香は香木を細かく刻んだものを、香炉であたため、ふわりと香りをたてます。香木は、長い時間をかけて樹木の成分が固まり芳香をまとった自然の産出物で、現在ではほぼ産出されない貴重なもの。東南アジアが産地で、地名が名前となっているものもあります。非常に高価なものなのだそうです。  組香は「香りを当てる」ゲームのようなもの。まず、証歌(しょうが)という、その香席のテーマともなる和歌を詠み、香元(主催者)が連衆(客)に香炉を回します。連衆は、香を聞いて、答えを書き、香元に渡します。香元はそれを奉書に記録し、正解した人は奉書をいただくことができます。複数正解者がいた場合は、正客に近い人がいただきます。  この日は、5種の香を聞き、その後にそのうちの1種の香を聞いてどの香がをあてる、というものでした。私は残念ながら外れ‥‥。2種で迷って、選ばなかった方が正解でした。他の連衆の皆様もその2つで迷われたよう。答えは2つに割れ、8人の連衆のうち、3人が正解でした。すごい!  香りは、聞くタイミングでも微妙に変わったり、非常に繊細なものなのだそうです。五味といって、香りは辛・甘・酸・苦・鹹で味わうのだそう。五感をフルに活用して、全身で感じる。目を瞑り、時も空間も超えるような、なかなか普段の生活では使わない脳や感覚と向き合う貴重な経験をさせていただきました。  香席が終わるとき、香元から「香、満ちました」という声がかかります。とっても気持ちが豊かになる、素敵な言葉ですね。  代官山のサロン・ドゥ・コロナで毎月開催されている、香道研究家の林先生による「和の香りと親しむ会」は初心者でもお香を楽しめる素敵な会です。お作法なども、教えていただけるので、ご興味のある方は参加されてみてはいかがでしょうか。  普段、バタバタと慌ただしい日々を送る中で、久しぶりにゆったりと自分の内側を意識したような気がします。  また、お正月のおめでたい席ということで、琵琶に房模様の付け下げと、大牡丹の袋帯で張り切ってお洒落をしていきました。やはり柔らかモノは気分が上がりますね~。おでかけでもお呼ばれの席でも着物で参加すると、席が華やぎます、と喜んでいただけるのも嬉しいです。  相変わらずあたふたしているうちに時間が過ぎていきますが、そんな中でも今年は少し余裕をもって、お洒落してでかけたりしてみたいなあと思う、新春でありました。

祝!成人の日☆着付で参加してきましたヨ!の巻

星わにこ
2019/01/16 00:00
 平成最後の成人式が終わりましたね。新成人の皆様、おめでとうございます!  今年も、振袖コーデの相談や前撮り、後撮りで沢山のお祝いに関わらせていただきました。振袖はもちろん、男子の羽織袴も本当にステキです。輝くような20歳の本人はもちろん、ご家族の笑顔が見られるのも嬉しいお仕事です。ほんとに、着付ができるようになってよかったなーと思う瞬間です。  毎年成人式当日はお一人かお二人の着付しかしたことがなかったのですが、今年は声をかけてもらって、美容室での着付に入りました。  8人の着付を2人で、一人のお着付けの時間は20分という条件。一生に一度の成人式、快適に美しくお支度しなくては! ということで、当日を迎えるまでに自主練の毎日。撮影のときは、予めどんなお嬢さんがいらっしゃるかわかっているので気持ち的にも余裕があるのですが、当日どんなお嬢さんがくるかわからない。前日まで結構緊張しておりました。  そして、朝は4時起きで会場へ。知り合いの着付師さんにお話を伺っていると、早朝から着付なので前乗りや、0時から会場設営をしたりというお話もあり。まさに成人のみんなやご家族も大変やけど、この晴れの日のためにスタッフもがんばっとるんやでー!   会場につくとまだ暗いうちからお店にあかりが灯っていて、ヘアメイクは始まっており。最初のお持ち込みの振袖がシワがきつく、アイロンをかけている先輩が! はわはわ言いつつ、お持ち込みの小物を並べて着付けがスムーズにいくよう準備。  普段は一人で着付けていますが、当日は二人で前と後ろにわかれて、着付をしました。この二人着付けなのですが、二人の息があわないとほんとに難しいのです。自分のパートだけでなく、次に、なにをするのかを察して、相手が作業しやすいようにサポートしなくてはいけません。ここで大事なのが、タイミング。たとえば相手が今、これがしてほしい、と思ったところで、さっとモノを渡したり、受け取ったりする。早かったり遅かったりすると、テンポがずれたり、あおってるみたいになったり(笑)息が合う相手じゃないと、うまくいかないんですね~。  今は前撮りをする人が多いのですが、振袖を初めて着る場合もあるし、撮影と違って当日は移動するし着ている時間も長いし、途中で苦しくならないよう気をつけて紐をあてたり、緊張しないよう説明しながら着付けていきます。本人が不安になるのが一番いけないので、私達はどーんと!構えてニコニコと、褒めまくるのも仕事。可愛い可愛い煩いかもしれませんが、ほんとに可愛いのでそれは許していただきたい(笑)。  帯結びだけじゃなく、帯揚や帯締めの結び方のアレンジでも結構雰囲気がかわるので、クラシックなかんじがいいか、可愛いのがいいかなどお話しながら決めていきます。  全部決まってるのじゃなくて、ちょっとアレンジを入れたりすると可愛い~って喜んでくれたり、やばいやばいめっちゃあがる、なんて言ってくれたりするとおばちゃんほんとに嬉しくなります。  途中で、あれが足りない!これがない! なんてことも乗り越えつつ、だんだん何人着付をしたかわからなくなってきたり(汗)でも二人なので、一人がおっ!となってももう一人がフォローできるのが心強い。なんとか、時間内に全員を無事送り出すことができて、いやあ、ほんとに終わった瞬間、座り込みました(笑)。ペアを組んでくれた友人に感謝!  ひたすら着付をしながら思ったことは、着付の作業は、祈りに似ているなと。包む、折る、結ぶ。子供が一人、成人するということは、当たり前のようで当たり前じゃなく、ここにくるまでにはいろんなことがあり、沢山の人の愛や力で成長してきたんだなあと。そんな宝物のような、成人の姿を、第一礼装の振袖で美しく着付けていく。これからの人生に幸あれと、胸がいっぱいになりながら、お支度させていただきました。  毎年成人式までは振袖で頭がいっぱいで(笑)トルソー着付や雑誌をみて流行を研究したり、YouTubeで動画を見てイメトレしたり、楽しみでもあり、緊張もする日々を過ごし、終わった途端に緊張がとけて寝込んだりするのですが、今年は子供がインフルにー! 伝染しないよう気をつけなくてはっ!  といいつつ、また来年にむけて、振袖のことを考えていたりもしますが(どんだけ好きやねん)18歳成人になると、また成人式の様子も変わってくるのかもしれませんが、第一礼装に身を包んでお祝いする風習は残ったらいいなあと思います。  新成人に幸あれ~! そして着付師&美容師の皆さんもお疲れさま~! ツルツルの指先にクリーム塗って、労ってあげてくださ~い! 

国王陛下謁見は訪問着で!?の巻

星わにこ
2018/12/19 00:00
   今年の流行語大賞や漢字も発表され、1年を振り返る時期になりましたね。皆さんはどんな1年でしたか? 私は、6月に友人に「絶対大画面で見なくてはいけない映画があるので、一緒に見よう」と、その映画がなにかもよくわからないまま連れていかれて観たインド映画「バーフバリ」にはまってしまい、気がつくとハニャハニャとサントラを口ずさんでしまう日々を過ごしました、というか過ごしております。 「バーフバリ」は、ざっくり言うと古代のマヒシュマティという架空の王国の王位継承争いのお話なんですが、とにもかくにも最初から最後まで超スペクタクル。ありえない級の見せ場決め絵の連続でこれでもかとぐいぐいに継ぐぐいぐいでこられる二時間半。見終わった時には頭が飽和状態で、バーフバリ!バーフバリ!という感想しか出てこない映画です(なんだそれ)。  なにかあっても、バーフバリ!バーフバリ!とかけ声をかけると、やる気がわいてきます! 倒れかけた黄金像も立て直せます!(観てないと意味不明)  世間ではクイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」で盛り上がっていますが、バーフバリも、絶叫上映などのイベントがあり、ファンが紙吹雪をまいたり鈴やタンバリンを鳴らしたり、すごい盛り上がりなんですよ。おばちゃんは応年の「ロッキー・ホラー・ショウ」を思い出してムネアツ。もしまだ未見の方がいらしたら、ぜひ見ていただきたい映画ナンバーワンです!!  この12月にはなんと、その映画の主人公バーフバリの兄役で、マヒシュマティ王国の国王陛下役のラーナー・ダッグバーティさんが来日! という一大事があり、わたくしもバーフバリ仲間と大盛り上がり。 「国王陛下に謁見なんだから、訪問着だよな!」という女子ながら漢らしい友人の一言で、それぞれがこんなのいつ着るんだよ、っていう派手な訪問着を引っ張り出してイベントに行くことにしたのでした(笑)。  コミコンのゲストと、映画の舞台挨拶に登場ということで、コミコンはなんと2ショット撮影もあるとのことでしたが、仕事で参加を断念。舞台挨拶のチケットを友人と手分けして申しこみ、なんと最前列をゲット!!!! これは国王陛下の視界に入るかもしれないし、もう訪問着しかない。  ラーナーさん推しの友人には、バラー陛下のイメージカラーの赤い伊達衿に赤い帯揚・帯締でコーディネート。私は命の河をイメージした水色の辻が花に金の帯。とにかく、なんだか笑っちゃうくらいハデになっちゃいましたが、敬意を表してのめいっぱいの民としての盛装でございます(阿呆)。  舞台挨拶は30分ほどでしたが、映画のセリフを生で聞けたり、ステキエピソードを聞けたり、なにより超絶かっこいい実物が目の前にいるというのがもうこれ、夢!?夢ですか!?と、すっかり盛り上がりきって燃え尽きてしまった我々でございました。途中、目が合った!目が合ったよねえええええ!!(ええ、思い込みでもいいんですよ!)とか、久々に若々しい気持ちになれたのでございます。  コミコンに行った友人(訪問着だよな!と言った張本人)も、これまたどういうことになっとんねんというくらい派手な訪問着で謁見&記念撮影をしてきたということで、私達の国王陛下訪問着謁見プロジェクトは終わったのでした。  それにしても、やっぱり訪問着って気分が上がる!! 久々に袖を通したキラッキラの銀通しの生地で、私の気持ちも上がりっ放しでした!  いくつになっても、萌え活動って、ほんとに楽しいものですね。ファンの集いなどにも着物で行くと、結構楽しいですよ! 目立つからかもしれませんが、目が合う回数が多い!という報告も受けます! 私は、ライブでピックをもらったこともありますよ~~。これを着物効果と呼んでおります。  また、推しにちなんだ着物を選ぶのも楽しいものです。今まで聞いたことがある中で、一番すごいなと思ったのは、レスリー・チャン(張國榮)のファンの方が、一つ紋のところに「張」と入れていたというお話。でもわかるな~。だってだって楽しいもの!!  ほんとにほんとに楽しくて、二次元でも三次元でも、萌えがあるというのはいくつになってもいいことだな!と実感しております。わたしのバーフバリブームはいつまで続くのでしょうか(笑)。そしてなんでも着物に寄せて来る病気というのも、なかなか治らないようです(笑)。いいか! 楽しいから!  バーフバリ役のプラバースさんの来日はないものか!などと夢見ながら、ハニャニャホンニャニャと鼻歌を歌う年末。もしそんなことになったら、象の帯とか買っちゃいそうな勢いです(笑)。スタートはもう、人生どうなることかと思うくらいハードだった今年ですが、こんな風に平和な(?)気持ちで後半過ごせたことに感謝して‥‥。  来年も、楽しいことがいっぱいありますように! あれっまだ気が早いですか(笑)。バーフバリ!バーフバリ!

紅葉狩りと野点を楽しむ☆の巻

星わにこ
2018/11/21 00:00
 朝晩冷え込むようになりましたね。紅葉も気になる季節になりました。先日、お誘いいただいて着物友達と成田山の紅葉祭りに行ってきました。  今年の紅葉は夏が暑すぎたり、先日の台風での塩害で葉がやられてしまったものも多いということで、美しく紅葉している姿をあまり見ることはできなかったのですが、とてもよいお天気で、遠足気分の楽しい一日となりました。  まずは車で移動して「春夏秋冬わき田」さんでランチ。みそ味のビーフシチュー美味しかった\(^o^)/ 腹ごしらえのあとは、駅から成田山新勝寺まで参道をぶらぶら。軒を連ねる鰻屋さんの、鰻を捌いていたり焼いていたりするのを目を丸くして見たり、ゆるキャラグランプリのうなりくんに癒されたり、古道具やさんにふらりと入っていろいろ買い込んじゃったり(笑)  実はわたくし、初!成田山新勝寺。成田屋さん所縁ということや賑やかな初詣の様子などはテレビで見たことがあったけど、ここが有名な!とテンションがあがってしまいました。お不動様がご本尊とのことで、母がよく「頑張らなければいけないときは、お不動様の御真言を唱えるといい」と言っていたので覚えていた御真言を唱えて、強い気持ちで頑張れるようお祈りしてきましたよー。  着物で散策すると、なんだかそれだけでも楽しい。しかもお友達も一緒だとなお楽しい。お互いのコーデを褒めっこしたり、写真の撮りっこをしたり、観光客の方に一緒に撮ってと言われて写真に収まったり、テンションもまさにうなぎ登り(笑)。  ワクワク庭園のほうまで歩いていくと、なんと、お抹茶を点てるセットを籠に詰めて持って来てくれた方が。お湯もお茶碗も重かったでしょうに、とっても嬉しいサプライズ! おもてなしの心に感動しました。  まさに野点。成田名物ピーナッツ饅頭&もなかを食べ、外でいただく一服の美味しかったこと。習っている流派で点てかたが違ったり、織部流の方もいらして、茶筅の持ち方も違うと教えてもらって感心したり、おしゃべりは尽きなくて楽しい時間を過ごしました。  コーヒーや紅茶も外で飲むとまた美味しいように、お抹茶も外でいただくのもまた格別。お天気のよい日にうらうらと、外でお茶。自分でもやってみようかな~と思う、素敵な発見でした。  小春日和に好きなお茶のセットを持って、着物でお散歩にでかけてみませんか?

疲れない足袋選びは「足幅」がキメ手☆の巻

星わにこ
2018/11/14 00:00
 皆様、足袋ってどんな基準で選んでますか? 私は外反母趾で足首がむくみやすいという、ピッタリ合う足袋がなかなかないお悩み足で、足首に合わせてぶかぶかのキャラコかゆるいストレッチ足袋を履いたりしていました。  一度老舗足袋屋さんで足をみてもらったこともあるのですが、足袋は小さめをキュッとシワなくピン!と履くのが粋、と選んでもらったキャラコの足袋は痛くて履き続けることができず、断念。誂えるのも大変だし、私の足にはピッタリの足袋はないからもうタビックスでもいいや、なんて思っていたのですが‥‥。  先日きものEXPOにもいらしていたゑびす足袋本舗さんで採寸をしてもらい、選んでもらったキャラコの足袋を履いてみたら、痛くなかったんです! そしてストレッチ足袋より断然足が綺麗に見えるのです。下を見たとき、足袋が目に入ると嬉しくなってしまうくらい。  何が違うのか!? 採寸をしてくださった創業158年という大阪の老舗、ゑびす足袋本舗五代目の白記澄子さんに足袋選びのポイントについて伺ってみました。  まず、足の長さについては小さめは選ばないこと。足が痛くなってしまう原因はつま先が圧迫され続けることだからです。  次に足の幅(指の付け根のあたり)は、少し足の裏がアーチ型になるくらい、キュッとホールドされるものを選ぶこと。足の幅に余裕があると、足の裏がぺったりと地面に着いてしまうので却って足が痛くなったり疲れてしまうのだとか。  程よくホールドされて足の裏がアーチになることによって、足が着地するたびにクッションになって衝撃も吸収され、またその部分がポンプのように動くことで、血液の循環が良くなり、足が疲れにくくなるのだそうです。  てっきり、余裕のあるサイズを選んだほうがラクだと思っていたのでこれは目からウロコなお話でした! ゑびす足袋の三代目のご当主が大学教授の指導のもと人間工学に基づいて戦後の日本人の足形の研究を行い、たどり着いた足袋の形。足裏の筋肉をサポートして、長時間歩いても疲れにくい構造になっているそう。  実際、ゑびす足袋を履くと、決して窮屈ではないのに足が一回り小さく見えるのはその足の幅や足袋の縫い目など細部にこだわった作りのせいなのですね。  そしてやはりきちんと足のサイズにあった足袋を選ぶことが最大のポイント。なので、ゑびす足袋さんでは「採寸」をとても大事にしています。誂えなくても、長年の積み重ねから生まれた豊富な足形の既製品から自分にあったものを選ぶことができます。ホームページにも詳しい足のサイズの測りかたが書いてありますが、自分ではなかなか正確には測れないので、採寸してもらうチャンスがあったらぜひ出向いてみてください。お近くのお店で足袋の採寸をリクエストするのもアリ!ですよ。 http://www.ebisutabi.co.jp/  足袋のメーカーさんもいろいろあってそれぞれ特色があります。もし自分が今ピッタリだなと思う足袋があったら、どこのメーカーのものかちゃんと覚えておくのも大事なこと。なにかあったら問い合わせや相談もできます。  おしゃれは足元から。白足袋がキリリと決まった足元は本当に美しいものです。色柄足袋、レース、いろいろありますが、まずはサイズ選びから足袋のキホン、見直してみませんか。

母と着物と家族写真と☆の巻

星わにこ
2018/11/07 00:00
 成人式の前撮りシーズン真っ盛り。私もお着付やコーディネート相談をさせていただき、幸せのおすそわけそしていただいております。  断然母目線でのお支度のお手伝いになるのですが、ほんとうにお嬢さんがたが可愛くて可愛くて仕方ありません。それもそのはず、私が20歳を迎えた時には、私の母は今の私より若かったわけですから。  私の田舎では当時「新生活運動」が盛んで、冠婚葬祭の虚礼を少なくしようということから成人式の振袖も着用禁止だったのです。いつの時代だよ、と言われますけど、平成最初の頃のお話です。  それで振袖は作らなかったけれど、代わりに少しだけ袖の長いピンクの鮫小紋を誂えてくれて、それで記念写真を撮りました。  その時、色違いで自分のために紫の鮫小紋を誂えていたのは後になって知ったことですが(笑)今となると、子供の成人記念にいい自分へのご褒美だなと思います。大学の卒業式では、私はその鮫小紋に袴をあわせ、母もお揃いの鮫小紋で列席してくれました。とってもよい思い出です。  母の鮫小紋はいつか私がもらおうと密かに狙っていたのですが(笑)、私もそろそろ紫が似合う年頃になって母に聞いてみると、伯母の家が火事で焼けてしまい着物もなくなってしまったからと、伯母にもらってもらったそう。  そんな風に、母のあのときの着物、このときの着物、なんていうものは結構覚えていたりするものですが、なにしろ母とは身長が18センチも違うので、よっぽどな手入れをしてからでないと着ることはできません。  唯一、黒羽織だけは引き返しがたくさんあったので、肩に接ぎを入れて仕立て直して着ています。 母の黒羽織をリメイクしてみましたの巻  そんな中、お母様を早く亡くされた友人が、自分の振袖をお嬢さんに着せたいと相談に来てくれました。着物のことはよくわからないけど、もってきてみた!と見せてもらったのですが、きちんと手入れされて小物もわかりやすく仕舞ってあったのだろうなと拝察されて、母の想いに涙が出そうになりました。51歳で亡くなられたというお母さん。今のワタシとほぼ同じで、末っ子はまだ小学生。どんな想いだったのだろうと胸が詰まります。  孫娘が、自分が娘のために用意した振袖を着た姿を見たら、本当に嬉しいものだろうなと。実際に見ることは敵わなくても、想いは残って、受け継がれていくのだと思うと、人間はその想いを受け取ってくれている人がいる限り、そこにいるのだなと思うのです。  また、別の日の撮影ではご両親の双方のお母様、つまり成人したお嬢さんの二人のおばあちゃまが、一緒に写真を撮りにきてくれたり。目を細めながら可愛い孫の晴れ姿を見るお二人の姿に、ほっこり。  私自身は、弟が成人式を迎える前に亡くなり、母が弟の成人式の姿を見たかった、見たかったと何度も言うのを聞いていたので、子が無事に成人の日を迎え、晴れの姿で写真を撮るというのは本当に幸せなことだと、撮影のたびにじーんとしてしまいます。自分は記念撮影してもらったけれど、両親と弟の家族4人揃って撮ったまともな写真がないので、それも心残りが。いつでも撮れると思っていると、意外とそうでもないのです。明日は何が起こるかわからないし、人生の節目に思い切ってちゃんと写真を残しておけばよかったとしみじみ思うのです。  成人式の前撮りの、ご本人とご家族の笑顔を見ていると様々な想いで胸がいっぱいになり、これからの幸せを心から願わずにはいられません。私にとって、家族写真を撮影する仕事は、特別な気持ちがあり、勝手ながらライフワークのひとつだと思ってお手伝いさせてもらっています。  人には寿命があり、叶うこと叶わないこと様々ですが、あれがないこれがないと嘆くよりも、今あるものに感謝をして、どんな状況でもそのときのベストを尽くして生きていけばよい。そして、そのときの笑顔を忘れないよう、一枚の写真があったらなおよくて。やがてそれを次の世代が見て「これがおばあちゃんか、ひいばあちゃんか」なんて思ってくれたらとてもとても素敵じゃないかなと。家族写真にはそんなロマンがある。  今日は立冬。母の命日に、そんなことをつらつらと思ってみました。

ママ振袖で成人式!準備のチェックポイントは?☆の巻

星わにこ
2018/10/31 00:00
 あっという間に10月も終わりっ! 今年もあと2ヵ月になってしまいました。来年、再来年の成人式の用意が気になっている方、そしてご家族も多いのではないでしょうか。  購入やレンタルもありますが、最近「ママ振袖」という言葉を耳にすることが増えてきました。オトナ振袖を提唱しておる身といたしましては、最初は「なにっ!ついにママも振袖を着る時代に!?」(私の時代がきた!!<間違)と思ったのですが、「ママの振袖を娘が着る」ということ。  着物は受け継いで行く文化。お母様やおばあさまが着た振袖を着るというのはとってもとっても素敵ですよね~。ただ、そのままのコーデで着てしまうとママの年齢によっては「ザ☆昭和」なコーデで周りから浮いてしまうかもしれません。  そこで今回は、ママ振袖をイマ風に着こなすための方法と準備のチェックポイントを紹介します!  大前提として、着ようと思っている振袖が「着られる状態か」ということをまずチェックする必要があります。  汚れやシミがないか。サイズはあっているか。  着るのに支障があるような汚れがないかまずチェック。もしあったら、お手入れに出しましょう。 ママと10センチ以上身長が違うなら、サイズが合わないかもしれません。その場合、仕立て直しや裄直しなどサイズ直しもできるかもしれないので、専門家に相談してみましょう。  どちらも費用がかかるので、まずは見積もりしてもらってその金額を払ってもいいかどうかで決めてもいいと思います。  汚れに関しては、多少のことであればそんなに気にすることはないと思いますが、例えば襟元や胸元、上前など目立つところにあると気になりますよね。  一番いいのは、洗い張りに出してマイサイズに仕立て直してもらうことですが、費用もかかるし、作り替えたいサイズに仕立て直しが可能かどうかなどもありますので、着物に詳しくない時は、一度知っている人に見てもらうのが近道だと思います。  さて、着られそう!となったらば、次はコーディネート。ママとそっくり同じでもいいけれど、自分らしさも入れたいですよね。  まずは帯が別のものがあれば、替えてみる。新しいものを探してもいいし、おばあちゃんの若い頃の帯とかだって使えるのが着物のいいところ!   帯が変わらなくても、小物類と髪型、バッグを替える。  親子といえども、似合う色や好きな色は意外と違うもの。半衿や、伊達衿、帯揚帯締めを変えると、かなり雰囲気が変わります。髪型や髪飾りも、自分好みにアレンジするとぐっと今風に。  小物類も買おうと思うと意外とお金がかかりますが、振袖を買うことを考えるとなんのその。リサイクルもありますし、可愛いものを探すのもいいですよ。前撮りをすると、撮影スタジオで貸してくれるプランも。  振袖と帯以外で特に気をつけたいチェックポイントとしては、長襦袢の半衿、足袋、草履。半衿は古くてダメになっていることもあるので、新しいものにつけかえたほうがいいことが多いです。半衿としても売っていますが、自分の好きな布やレースをつけてもいいかも!  足袋や草履はサイズもありますし、特におふるの草履は劣化していたりすることも。長時間出歩く場合は、足が痛くないかなども事前に履いてみるなどしてチェックして、だめそうだったら新調をおすすめします。  それから、肌着もいろいろなものがあります。お胸の大きい人は和装ブラがあると安心ですよ。生理のときも安心の防水タイプの肌着もあります。意外と快適な肌着かそうでないかは着心地を左右します。  一言で振袖といっても、一体準備するものは何アイテムあるんだという煩雑さ! そしてキリがない選択肢! ですが、それでも振袖は着ると嬉しいもの。人生の節目を飾る改まった装いです。めんどくさーといわず、一度は着て欲しいもの。そして、できたら、何度も着てほしいものです。ほんとにほんとに、振袖って、普段着とは違って、いつも着られるってわけじゃない、スペシャルなプリンセスドレスなのですから。  ママ振袖がある方は、ぜひ、ママと一緒に晴れの日の装いを考えて、お支度してみて下さい。ママにとっても嬉しいことだし、なによりもそれは、きっと、あなたの一生の思い出になるはずです。

姿勢と所作で着物姿がキマるのだ!の巻

星わにこ
2018/10/17 00:00
 やっと袷に袖を通してもいいな~と思える気温になってきましたね。やっぱり袷の心地好い重みといいましょうか、を感じると、「着物を着ているな~」という喜びというかワクワク感が沸き上がります。  先週補整をすると着付がラクですよ~と言いましたがもうひとつ。姿勢と所作で着物姿がぐんとかわります!というお話です。着物にあった動作をすると、着崩れ方も違ってくるなと日々実感しております。  中学生のころお茶を習い始めたときに、何故こんな動作をするのか?というのがよくわかりませんでした。畳を何歩で歩くとか、建水をひくとか、肘を張るとか、そういった動作が、着物を着た時にはじめてピタッとはまって「あっ」と思ったものです。着物を着ている前提での動きだから、洋服での動きとは違うのですよね。  でも、実際着物で動いてみないとわからないこともいっぱい。洋服のときは一度も邪魔に思ったことのないドアノブが、着物を着ると袖にひっかかってものすごく邪魔になるとか。腕をバーンと上にあげるとテキメンに着崩れちゃうとか。  着物だからってそんなに楚々とばかり動くわけにもいかないし、なんだってできることはできるんですが、洋服の時とはちょっと違う動きを意識すると、いいのだと思います。  そうはいっても、日本人の体型もかわってきているし‥‥と思っていたのですが、着物をきこなすのは体型じゃなくて姿勢と所作だ!と思い知ったのはアメリカ人の俳優さんのポスター撮影を行ったときのことです。    写真撮影のお手伝いしたのは、10月21日に行われる国際京都学シンポジウム「テレビドラマの外国語~京都育ちアメリカ人の役者人生~」。 大河ドラマ「西郷どん」や正露丸CMにも出演されている京都育ちのバイリンガル俳優ブレイク・クロフォードさんは日本語ペラペラ。だけど見た目は完全にアメリカ人なので、ドラマ出演の際にはわざとヘタクソな日本語をしゃべることもある? ドラマの台詞や演出を通して考える、英語と日本語のコミュニケーションについてのお話です。そんなシンポジウム用のポスター用にスーツと浴衣姿で撮影をしたのですが‥‥。  背が高くて足が長くて胸板も厚い西洋人体型ですから、もちろんスーツの似合うことこの上なし。やっぱり日本人のスーツ姿と全然違うわ~なんて思っていたのですが、浴衣に着替えていただいたら、あれっ!これまた似合うのなんのって。イケメンに限る、っていうだけじゃなくて、浴衣のときの所作とポーズが、スーツのときと違って重心が低いというか、腰が決まってるんですよね。  うかがってみると、クロフォードさんは若い頃歌舞伎をされていて、京都南座でも働いていらしたんだとか。そんじょそこらの日本人よりずっとずっと着物姿が板についているのも納得でした。もちろん着替えもご自分で「ずいぶん久しぶりに着るから~」とおっしゃってましたがササッと着られて、これまたかっこいい~!  着物が板についてるかついてないかって、どこの国の人だからじゃなくて、着た回数なんだなと。民族衣裳だから、わたしたち日本人に似合うけれども、それと「着こなし」は別ものなんだなと。  スーツの時とスイッチを切り替えて、つぎつぎと着物姿がカッコよく見えるポージングをカメラのまえで繰り出すクロフォードさんに、仕事を忘れかけてキャーキャー言ってしまったワタシたちでした(笑)。シンポジウムは当日参加もOKだそうなので、興味のある方はぜひおでかけ下さい!  着物を着たら背筋を伸ばして、そういわれると胸を張る人が多いのですが、私はむしろ「腰を立てる」ではないかと思っています。帯を締めると洋服のように腰を曲げて猫背で座るようなことはできません。クっと腰を立てると背筋もしゃんとします。あとはスマホを見るような前肩をストン、と後ろに流すとムリに胸を張らなくても流れるような綺麗な姿勢になります。胸を張ると肩もいかってしまうので、ちょっと違う気がするのですよね。  まあ、急に着物が板についたり、着こなしがアップするということはないわけで、私もまだまだ全然なんですが、着物を着る回数を重ねるのと同時に「こう動いたらキレイ」とか「こう動いたらラク」ということを意識するとよいのだろうなと思います。  立ち方座り方‥‥時代劇や日本舞踊など、写真だけではわからない、実際動いている着物姿の動画を見てイメトレをするのもひとつです。なんでも型を真似することから。洋服のときとはちょっと違った「着物の所作」を意識してスイッチを切り替えれば、着姿もぐんとアップすること間違いなしですよ~!

補整がうまくいくと着付はとってもラクになる!の巻

星わにこ
2018/10/10 00:00
 着物を着始めた頃、言われるがままにタオルを2本縫い付けてウエストに巻いていました。胸を押さえたり、ベストのようなものを着たり。  太って見えるだけじゃない?とずっと思っていたけど、良く着るようになって補整がうまくいくと着付が楽だということに気がつきました。着崩れも断然しないし、体もラク。どうしてなのでしょうか?  なぜ補整をするのか。その大前提は着物が平面でできている衣類だからです。洋服のように体の凹凸にあわせて型紙ができているわけではなく、平らな布を凸凹のある体に巻き付けていくわけですから、どうしてもシワになったりギャザーが寄ったり。体と布の間に空間ができると、そこから着崩れもします。  なので、土台になるボディをなるべく凹凸がなく整えてあげると、着物は断然着やすくなるというわけです。でも、ただ凹んでいるところを埋めて行くとどんどん太ってしまう! スッキリと、しかもゆるやかで女性らしいラインは残しつつ、着付のしやすいボディにはならないものか?   そんなとき、たかはしきもの工房の補整グッズに出会いました。胸はつぶすのではなく、寄せてアップする。ウエストはちょい足しで、お腹はひきしめる。  さらしやタオルなどでも補整はできるのですが、テクニックが必要。簡単にラクにできるグッズに目からウロコでした。補整さえきちんとできれば、着付の8割は上手くいったようなものと言われましたが、なるほど~の目からウロコの連続でした。  5年前にいち利モールさんのイベントで女将の髙橋和江さんにお話をきいて肌着や補整への関心がぐっと深まったのですが、さらに工房の補整は進化しつづけています。  先日そんな髙橋女将の補整術の本がついに出ました。手ほどき七緒永久保存版『「たかはしきもの工房」髙橋和江さんの十人十色の「補整」術』です(タイトルが長い!)。タイトル通り、いろんな体型の方に「どういう補整が必要か。そしてそれはどうしてなのか」という理論も教えてくれる本です。  今まで補整なんて必要ないわ!と思っていた方にも、補整のよさをよく御存知の方にもぜひ手に取っていただきたい一冊です。私自身は、キレイに着付ができるということももちろんですが、補整をすると自分の体がラクなので続けています。  体に食い込む腰紐、胸元をしめつける伊達締め‥‥キレイに着るにはきつく締めないとだめよと言われ、本当に嫌でした。でも、動くと崩れてしまうし‥‥。そんな悩みも、ウエストにしっかり補整を入れることで紐を締めても苦しくないし、胸元をきつく締めなくても、着物が体に添ってくれるので着崩れしにくくなりました。  そして気になる下腹、ヒップ。年齢とともに気になる部分もキュっと引き締めることでスッキリ。ちょっと待って、引き締めたら苦しいんじゃないの!?と思ったアナタ、骨盤周りは引き締めても苦しくないどころか、腰骨が立ってすごくキモチいいんですよ! 裾よけを正しくつけると、姿勢もよくなって一石二鳥なんです。  ゆるめるところと引き締めるところを間違えずに体にぴったり着物を添わせて布地で体を支えれば、楽で着崩れない着姿の完成です。補整入れる派入れない派はあると思うのですが、ちょい補整、一度入れてみては。または入れすぎ補整を抜いてみてはいかがでしょうか。  来週から開催の「キモノEXPO」でも、補整講座があります。わにこも16日~20日、たかはしきもの工房のブースでお手伝いしておりますよ。なぜ補整をするのか。補整のメリットを知って、自分の体型にあう補整を探しにいらしてください。  キモノEXPOは他にもいろんな着物周りの「知りたい」に応える講座や、手作り小物の講座もたくさんありますよ。やっと過ごしやすい気候になってきた10月半ば。おキモノまわりの楽しみを見つけにきてね! ▼キモノEXPOはコチラから▼ https://www.ichiri.ne.jp/lp/1810_expo/  

夏の小物をいっきに仕舞う☆衣替えの巻

星わにこ
2018/09/26 00:00
 秋の長雨,急に肌寒くなりましたね。もう絶対袷なんか着られる日がくる気がしないと思っていましたが、やっぱり季節は巡るのだなあと感心。  こうなったら諦めて(何を)天気予報とにらめっこして、天気のよい日に帯締めと帯揚の入れ替えをしなくては~~と思っているわにこです(思ってるだけかよ!)。  まだ少し暑い日もありそうですが、絽や麻の帯揚はもうおしまい。縮緬を使いたくなるまで、綸子などのすっきりとした帯揚で過ごします。  インナーや着物は気温にあわせてまだまだ夏仕様だったり、単衣だったり‥‥ですが、小物から季節先取りのお洒落を楽しみましょう。逆に、夏に向かう5月後半からは小物に夏物を取り入れて、先取りを楽しみます。  昨日にしがみつかないで、さらりと次の季節に進めたら、かっこいいですもんね。まあ現実は、なかなか衣替えもおっくうだったりするわけですが。。。  浴衣や絽、紗など完全な夏の着物は、普段のものは6つに畳んで(イラスト参照)風呂敷につつんで、夏物と書いた押入れケースに入れてしまいます。  帯締め帯揚も、夏のものは全部集めて、また使う季節まで風呂敷にくるんで同じケースに入れます。  帯揚は、すごく汗をかいたときにしたものなど、おしゃれ着用の洗剤で洗います。夏物は汗じみができやすいので、薄い色のものは特に気を使います。そうでないものも、さっとアイロンをかけてから仕舞っておくと次に出したときにとても気持ちがいい!  私は帯揚を箪笥の引き出しに入れているので、そこに入れる大きさにたたんで風呂敷に包んでおいて、入れ替えの季節にそのままズボっと冬物と入れ替えます。これ結構快感。  一度、この帯締めと帯揚をまとめて箱に入れておいたんですが、箱に入れたこととどこにおいたかを引越し騒動でわからなくなってしまい、季節の小物が全部ない~~~! と真っ青になったことが(笑)<あんまり笑い事じゃないという。。。  それ以来、季節が終わったものは全部一カ所にまとめておくことを心がけています。小物がないと、本当に困るんだ!!と身に染みた出来事でした(そんなことばっかり)。今も、あーおちよ(妄想のお手伝いさん)が全部虫干しして箪笥の入れ替えしてくれないかな~と積み上がった夏物とにらめっこしているわけですが‥‥。仕方ないので自分がお手伝いさんに変身してがんばりたいと思います。まあ~わにこ奥様ったら、こんなところに染みをつけて! キレイにしておかなくては!! 来年の夏に見つかったら叱られちゃう! な~んて(どんなプレイ)。  A型のサガなのか、やるとなったらとことんやらないと気がすまないので、とりかかるまでに時間がかかるのが難点‥‥。日々の積み重ねがあるとらくちんなのはわかっているんですが。  さあ、ため息をついてないで、雨があがったら衣替え。がんばれワタシ! がんばれみんな!(えっ!もう終わってる? 私だけですかっっ!