衣替えの季節 これで解決!単衣と半衿と帯の組み合わせの巻
星わにこ
2015/05/27 00:00
着物の暦ではまだ袷の時期だなんて信じられない気温が続く今日このごろ。すっかり単衣で過ごしています。この時期は天気予報とにらめっこで、23度超えたら単衣。すなわち、もうすっかり単衣生活に入っています。
でも、この時期悩んでしまうのが、帯や小物との取り合わせ。早々に単衣にスライドしてしまったら、帯はいつから夏物でいいの? 半衿はなにをつけたらいいの? 襦袢は?
礼装の場合はなるべく本来の時期のとりあわせにあわせて、そうでない場合はもう6月に入ったら、小物は夏物でオッケーじゃん? と思っています。先取り上等。見ている側も「あら涼しげ」とは思っても、「早い」「寒々しい」などという感想は、真夏日には浮かばないのでは。
そんなわけで小物との取り合わせの目安を一覧にしてみました。ご参考になれば幸いです。
6月は単衣の他に、この時期しか着られない紗袷という贅沢な着物があります。本来は一年の中で6月末の10日間しか着られない、と言われたものですが、今は単衣と同じ扱いで6月と9月に着用します。
襦袢は、中旬くらいまでは単衣で以降は絽なのですが、下に着るものなのでかなりなフライングも平気なのではないでしょうか(笑)。
着物のコーディネートを考える時には、いつも季節と格の決まり事と、手持ちのものと着たいものとの間でうーんと唸ってばかり。でも、これを考えるのもキモノの愉しみの一つだと思うのです。
改まった場合でなければ、「絶対こうでなくてはならない」ということはありません。
たくさんキモトモができて、皆それぞれの着こなしを楽しんでいることを知りました。答えは一つではないと、いつも思います。
好ましいと思う着物姿も千差万別。よく「あなた間違ってるわよ!」と言う人がいますが、程度にもよりますが(笑)間違ってるというあなたが間違ってるんじゃ? と思ってしまいます。
正解不正解じゃなく、素敵かどうか、そんな基準のほうが、楽しく着られる気がします。
一方で、私はこれが着たいから着る! の一点張りも見苦しく感じるときがあります。緩やかに、でも自然と季節の決まりを意識した着こなしで「もうそんな季節なのね」と見る人に感じてもらうのも、着物の魅力かと思います。
せっかく着物を着るのですもの、自分も周りの人も快適な、着こなしがしたいですね。
カーディガン感覚☆羽織で楽しむ春のお洒落の巻
星わにこ
2015/04/01 00:00
桜!桜!で一気に春がきたようですね。満開の桜を見ていると、気持ちがわ~っと沸き上がって、胸がいっぱいになります。
岐阜の山奥で育ったわたくし、桜といえば校庭に1本のソメイヨシノか山桜が4月の下旬ころに咲くのしか知らなくて、花の下にて春死なむ、とか梶井基次郎の小説とか、さっぱり実感がわかなかったのですが、進学で東京にきたときに学校近くの坂に咲き誇る桜並木を見て、なるほど!と思った想い出が。
それから何度もお花見をしたけれど、あと何回桜が見られるのか? 来年のいまごろは、どんな気持ちで桜を見ているのか? ソメイヨシノの寿命が60年ほどということで、どんどんソメイヨシノの樹が減り、変わりに3月上旬に咲く河津桜がたくさん植えられているのだとか。あちこちで桜が伐採されたり、大幅な剪定が行われているのを感じた今年のお花見。
新しい生活が始まる年度代わりのこの時期の、不安と期待が入り交じる独特な気持ちと結びつく桜の記憶も、変っていくのでしょうか。
さてさて、また前置きが長くなってしまいましたが(汗)、春といえば羽織。寒い時期にはコートを着てしまうし、少し春の気配がしてくると「羽織でおでかけしたいな」と思います。卒業式、入学式の黒羽織姿も、この頃ですね。
羽織の時期は「楓が色づくころから、桜が散る頃まで」と言われますが、まさにいまごろが袷の羽織を楽しむ最後。でもこんなに桜が早く咲いてしまうと、まだまだ肌寒いのに心もとないですよね(笑)。
帯付き(羽織ものを着ない、帯姿のこと)でのおでかけも粋ですが、羽織のお洒落ももっともっと楽しみたいものです。
羽織はカーディガン感覚で着られるもの。黒羽織以外はフォーマルには使いません。コートと違って室内で脱ぐ必要はないし、体感温度で羽織ったり、手に持ったり。気軽に楽しめます。
羽織の着用時期については去年のコラムで少し書きましたが、桜が散れば単衣の羽織、5月くらいからは薄物の羽織も活躍しはじめます。(http://ichirimall.ldblog.jp/archives/38164757.html)
羽織姿のわに的萌えポイントは、実は後ろ姿。帯で盛り上がってる背中のぽっこり感が可愛いところ、羽織の振りから、着物と襦袢の長さがぴったりと揃って色がこぼれているとうっとりです。自分で着たときも,何度も振りを触ってしまいます(^^)
この長さがぴったり添うためには、羽織の袖丈を気持ち控えて仕立てるとよいのだとか。もし、羽織の袖丈が長くてあわない場合は羽織の振りの部分を少し縫い止めると着物が飛び出てきません。
また、羽織はちりよけの役割も。私は帯の汚れ防止のために着ることもあります。お天気の怪しいときなど、洗える羽織を羽織れば、ちょっとした雨除けにもなります。昨年、セールで洗える夏物の羽織(といってもあまり透けない)を作ったので、着用を楽しみにしている私です。着られる時期は限られるので贅沢なものですが、透ける羽織に憧れていたので思い切って!
アンティークや古着などでは、紗、絽、二重紗など透ける羽織もたくさん見かけます。今より着物を着る機会の多かった時代にはもっと羽織が活躍していたのではないでしょうか。
羽織紐も、紐だけでなくビーズや石などで作ったものも可愛いです。アクセサリー感覚で楽しめますよ。羽織が好きすぎて、たまに洋服の上に羽織っているわにこです(笑)
もっと羽織を着てみませんか?
妄想お花見コーデ☆この際、桜になりきろう の巻
星わにこ
2015/03/18 00:00
春うらら、なんて言葉を思い出すようなお天気が続く東京です。先週は、桜が綺麗だったよ!という言葉に誘われて、装束着付術勉強会の皆様と椿山荘までお散歩に行ってみました。
神田川沿いの江戸川公園を埋め尽くすソメイヨシノはまだまだ先ですが、目白からのお屋敷街の梅を眺めながら椿山荘のお庭に入ると、緋寒桜、寒桜、阿亀桜に河津桜と、あちこちで満開になっている早咲きの桜が。気持ちまで花開くようです。
その桜を背景に結婚式の皆様が記念撮影をされていて、白無垢の花嫁さん、留袖や振袖の親族の方々の美しさにため息がほ~ぅ。特に振袖の帯結びをついついガン見しそうになってしまうわにこ、自制心を保つのが大変でございました(落ち着け)。
椿山荘のロビーで、桜と苺の限定ケーキセットをいただいて春気分満喫。
その後は、池袋に移動して勉強会の新歓でさくら肉をいただいて乾杯。一足早い、桜さくらの桜尽くし。なんか、大人になったなあ、なんて思う一日でございました。
これから春本番! ソメイヨシノの開花が待たれますね。お花見コーデはどうしましょう。いち利モールの試着室でまたまた妄想してみました。
http://bit.ly/18zoSqG
桜模様もいいけれど、花だけならいつでもいいけど枝が入ると時期だけ、花が咲いたらもう着られない、いやいや咲いている間はオッケー、日本の国花だからいつでもオッケー、などなど兎角いろんな意見に悩まされがちな桜の模様、えーい!と模様はやめて、色で勝負!
桜色の結城紬に、木肌と桜を連想させる絞りの帯、灰桜色の半衿と帯締めをして、幹の茶色の帯揚だけに桜吹雪を散らしてみました。
花の模様がなくても、桜コーデの出来上がり♪ まさに自分が桜の木になった気分で!(どんだけ妄想)
桜色のタッセルの帯飾りなどしても気分が盛り上がりそうです! 桜コーデでお花見、楽しんでくださいね!
袴について考えた。もっと袴を楽しもう の巻
星わにこ
2015/03/11 00:00
卒業シーズン! ご卒業の皆様、本当におめでとうございます。思えば4年前は、大震災の影響で卒業式が中止になったり、延期になったり……。何事もなく、平穏に卒業式が行えることは改めて有難いことだなあと感じております。
こういった式典で着物を着るのは気持ちが改まってまたよいものですね。卒業する方も、見送る方も、また保護者も。
卒業式での和装の定番といえば「袴」。今年は、友人のお嬢さんの卒業式の袴の着付を頼まれてドキドキワクワクしています。
先日は母校の生協に立寄ったら卒業式を前に、たくさんのレンタル袴のパンフレットが積まれていました。レンタル、着付、記念写真つきでいくら、というようなパックが主流なんですね。利用すればラクラク便利そうです。そして、掲載されている着物と袴がキラッキラなのに、改めてびっくり!!
自分のときは成人式の時に誂えた鮫小紋に、母が用意してくれた紫の無地の袴でした。周りもだいたいそんなかんじだったので、パンフレットの大柄の華やかな二尺袖小紋もしくは振袖に、刺繍&グラデーションの袴に目がチカチカ。盛り盛りすぎて、せっかくの若いお嬢さんの美しさが埋もれてしまいそうでもったいないわ~とおばちゃんは思ったりするのでした。
でも、こういう盛り盛りとキラキラが似合うのも若さならではなんですけどね。礼装の範囲を外れなければ、いいんだと思います‥‥が!! こういうレンタルパックが主流なのだとすると、ニュースで話題になっていた「卒業式での和装禁止」というのも、うっすらと理解できるような気がしました。
せっかくの民族衣装、時代に合わせて変化して行くものとはいえ「着物=華美=贅沢=式典では禁止」みたいな図式になってしまうのは悲しすぎ。昔と違って初めて着物に袖を通す人だっているわけだから、提供する側も、和装の良さを伝えるという役割も少し考えていただきたいな~と成人式に続いて、思ってみるのでありました。
さて。表題のオトナの袴ですが……本来は袴は男性のもの。女性の袴は平安以来宮仕えでしか着用されなくなっていたのが、明治になって宮中の外出着して採用。その後、女学校で女子学生が活動しやすいようにと考案されたのが現代の女袴です。
また、学生だけでなく、先生も着用されていますね。袴には別に年齢制限はないわけです。
袴=女学生という図式にとらわれないで、袴姿がもっと普及してもいいのになぁと思います。
袴をはく時は着物を短く着付けますから、裾さばきが格段に楽になりますし、草履じゃなくてブーツや短靴(パンプスもOK)なんですよ。かなり活動的に動いても大丈夫で便利なものなんです。
でもやっぱり袴で外出するのはためらわれる年齢のアナタ(私のことですね、わはは)。実は卒業式シーズンはオトナの女性が袴をはいて外に出ても「先生かしら」程度でお目こぼし(笑)いただけるので、袴をはいて外出するチャンス! 慣れて来たらその他のシーズンにもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
そんなワタクシですが、昨年より女子袴普及部の活動に参加しております! 実はまだ外出叶っておりませんが、先輩方が袴姿で街を闊歩されている姿は年齢不問でかっこいい。先入観にとらわれて、袴を楽しまないなんてもったいないという気持ちになって参りました。もっと袴を。
式典では着ませんが、普段着としての袴には羽織もとっても似合うんですよ。
この3月は、袴での外出を目論んでいるワタクシです!! 無論、袴は無地でございますが(爆) あとは、袴を仕舞う紐の結び方を覚えなくては(><)何度やっても説明書を見ながらじゃないとできないんです‥‥。美しい紐の始末の形、マスターするぞ!
生きているうちに、やってみたいことは何でもやってみよう! なんて気持ちになっている、春間近でございました。
雪が降ったらどうする!?雪対策の巻
星わにこ
2015/01/14 00:00
寒いですね! 今年の成人式は、東京は気温は低かったものの本当によいお天気でしたね。新成人の皆様、おめでとうございます。関係ない私ですけども、まだ記憶に新しい二年前、大雪で大変だったことを思うと、ほっとしました。親御さんたちも、感慨深いものがあったのではないでしょうか。
でも、雪が降った地域もありましたね。雪の日の振袖も、見ている分には風情があって美しいものですが、寒かったのでは。またお手入れのことも想像するとドキドキしてしまいます(^^;)
どうしてもというのではない場合。雪が降った日は着物はあきらめたほうがいいのでしょうか? いえいえそんなことはありません。基本は雨の日対策と同じ。足元の工夫と、防寒対策さえしっかりすれば雪の日でも着物は楽しめます。
防寒対策は、とにかく首、手首、足首をカバーして。着物は重ね着ですし、帯まわりも暖かいですから、下着を着込んでしまうと暖かい室内で暑い思いをすることも。マフラー、手袋、アームカバー、膝下の足袋下タイツなど着脱可能なもので調節するとよいでしょう。
外で過ごす時間が多い場合は、使い捨てカイロを持ったり帯にはさんだりもよいです(これも貼るタイプを背中などに貼ってしまうと暑くなったとき困るので、取り出せる場所に)。
雪対策としては、着物が濡れたり汚れたりしないように、雨コートを着て(二部式なら下だけでOK)、その上から防寒のコートを。もしくは、道行き等を羽織った上から雨コートを着ればOK。気温と相談してプラスマイナスしてください。
寒くてサラサラの雪ならまだよいのですが、ボタ雪や溶けかけで泥はねが懸念される場合は裾をまくっておくか、洗える着物にしてしまうのもテ。
そして足元ですが「雪国の草履」といえば、憧れるのが「アザラシの毛皮の草履」です。アザラシの毛皮は撥水もしてくれ、暖かいのだとか。見た目もゴージャスで暖かそうです! 他にも、底の部分に凸凹加工がしてある、雪でも滑りにくい草履もあるそうです。
ですがですが。雪国の人に聞いてみたら「つま先も足元も寒いし、着物でもブーツはいて移動して、会場で履き替えるよ。普段着だったらそのまま」とばっさり。あ、ですよねー。
荷物は増えちゃうかもですが、一番賢い方法かも。車移動や、クロークがある場所へ行ったりするのであれば問題なし。着物=草履&下駄、と決めつけないで、状況を見て判断するフレキシブルさが大切なんですね。
ついつい着物はお約束がたくさんあって、正解かどうか答え探しにやっきになってしまう部分がありますが、ハードルをあげすぎて着ること自体を止めてしまうよりは、少し外れたってなんだって、着て楽しむ、お洒落をする、そういう気持ちのほうを大切にしたいなと、思う年のはじめでした。
着物の防寒対策最強アイテム現る!?南の国からきたあいつの巻
星わにこ
2014/12/03 00:00
もう師走! 今年も残すところわずかと思うか、あと1ヶ月もあると思うか。まだまだ2014年、あれもこれもやること山積で、もう一踏ん張りせねばと思いつつ、こたつで日々ゴロゴロ過ごしてしまい反省中のわにこです。
そして気圧配置も冬型に。本当に寒くなってまいりました。着物は体の中心部が帯で保護されているせいなのか、重ね着で空気の層ができるせいなのか、洋服でいるときほど寒さを感じないのですが、やはり、この時期は防寒対策をしっかりしたいところ。
とはいえ暖房の強い室内などでは暑くなってしまうことも多々あるため「なるべく簡単に着脱できるもの」で防寒対策をするようにしています。
着物で冷える部分は3つの首「首、手首、足首」なので、ここをカバーするものを用意します。
まず首はマフラーやショール。
手首は薄手のアームウオーマーと手袋で。長手袋も暖かいのですが、セパレートにしておくとなにか作業したいときに手袋だけさっととって、ひじはアームウオーマーで暖かいままというのが便利です。暖かかったらアームウオーマーは外してもいいのですが、薄手のものにしておけば、ひじの上にまくりあげておいてもあまり邪魔になりません。
足首は足袋の下にはくタイプの足袋インナーや、カジュアル着物のときにはロングタイプの足袋ソックスを愛用しています。足首からすねが冷えなければ、本当に着物は暖かく着られます。
いずれも、外したときにスマートにバッグに入れられるよう、薄手でかさばらないものにこだわっております。
さてここで問題です。寒いといえば雪。昨冬の東京の大雪のとき、着物ででかけた私を助けてくれた最強防寒アイテムはなんでしょう。ウールのコートはもちろんですが、着物のすそや足元を寒風からも雪はねからも守ってくれたすごい奴です。
答えは(早)、サルエルパンツです!
選んだのは布がたっぷり使ってあるタイプで、ひろげるとほぼ三角形になっているくらい股上がふか~いもの。裾が細くなっていないタイプをアジアンショップで見つけて「これはもんぺや水屋袴替わりに使えるかも!」とゲットしました。
股の切れ込みがほとんどないので、着物を普通に着た上に着物の裾をあげることなくそのまま履いてしまってOK。生地も厚手のコットンで、縞の織り模様なので和服とも相性よし。アジアはつながっているな~と実感。
雪の日はこれを履いてブーツを履き、上にウールのコートを羽織れば雪もへっちゃらです! 寒くない! 着物も汚れない! ブーツなのでぱっと見、着物姿には見えないですが(笑)
それからサルエルパンツは自転車に乗るときも超便利! 裾がはだけてもまったく見えないし、汚す心配もありません。帯つきのシーズンは、すれ違う人にちょっと「ぎょっ」とされますが(笑)快適です。
構造を見てみると、幅広の布を直線で折りたたんで縫ってあるだけ。作っても簡単そうです。でも、なんと2000円を切るという布代より買ったほうが安いお値段だったり(汗)
難点は、人前で脱ぎ履きするのがちょっぴり恥ずかしいことと、この季節着物の上にいったん履いたら暖かいので脱ぎたくなくなること(笑)普段着物はタートルネックセーターの上にウールの着物を着てサルエルパンツをON。こんなお気軽スタイルもたまにはおすすめです。
水屋袴もいいんですが、紐じゃなくてゴムなのがまた気軽で。考えてみたら、サルエルパンツって裁着袴(たっつけばかま)に形が似てますよね! 私が使っているタイプはもっとゆったりしたものですが。
夏はちょっと暑いな~と思いましたが、逆に考えると冬はこれくらい強い味方はない!というわけで防寒にも大活躍のサルエルくん。キモトモに紹介したところ「買ったよ」「わたしも買った」と大人気です。
先日、着る人がつくる着物情報誌「月刊アレコレ」で防寒についての特集でも紹介したところ、編集長さんも早速購入されたそう。112号に掲載されています。「七緒」でも大活躍の佐川由希さんや、元くるり店長の草萌さん、365日着物生活中のカメラマン渡部瑞穂さんと対談させていただいたのですが、皆さんそれぞれのこだわり防寒アイテムがあって目ウロコでした! やっぱり日常的に着物を着ている方のお話は勉強になります。そして皆さんとっても素敵でした
さてさてこんな便利なサルエルパンツなのですが、こうなると欲が出てくる! ほかの素材ではどうだろう? 冬用にエクセーヌみたいな素材とか夏用に涼しい素材はどうかとか、防水タイプもいいな、とか。袴みたいにサイドにスリットが入っていると通気性がよくなるんじゃない?などなど、次々理想のサルエルパンツを妄想してしまいます(笑)いち利モールさん、オリジナルサルエルハカマ、作りませんか~(なんて言ってみたりして……)
皆様も、和装用だけにこだわらず使えるアイテム探してみませんか? そして見つかったらぜひ、わにこにも教えてくださーい。
9月の着物と襦袢と帯と小物は?の巻
星わにこ
2014/09/03 00:00
急に涼しくなり30度を超える日が減ってきました。今年は秋が早く来たような気がします。20度台になってくると、単衣にも手がのびやすいですね。
さて、9月の着物と襦袢と帯と小物は何をあわせたらいいの? と毎年1年前の事を忘れて悩む私です。
まず着物は、9月は単衣、と言われていますが今は前半、気温によっては半ばくらいまでは夏物(絽)を着る方も。
また本来は5月後半だけに袷から単衣に切り替わる期間楽しむという贅沢な「紗袷」も、「単衣」と考えて秋の紗袷を楽しむ方も増えています。
襦袢は夏物で。後半は単衣の襦袢でも。半襟は単衣の季節、絽縮緬が大活躍です。絽ほど夏っぽくもなく、適度にボリュームもありでも涼しげでもあり。涼しくなってくれば単の襦袢、塩瀬などのすっきりした袷用の半襟も。
帯は、前半は絽の帯。中旬からは単や袷用(塩瀬など)の帯をあわせます。
帯揚げは、半襟と同じく絽縮緬が活躍です。袷の帯には袷用の帯揚げ、帯締めを合わせますが、これも透けないけど薄い、軽いなど気温に対して即したものを使います。
よく、着物は先取り!といいますが、春先などとは逆に、秋に暑いのに先取りで袷の小物を持ってくるのは体感的にも見た目的にも結構厳しいですよね。色目などで秋を感じさせながら、残暑でも暑苦しくない装いが理想ですね。ご自分のお洒落ゴコロとじっくり相談してみてください。
普段着は、気温にあわせてあまり細かいことは気にしなくてよいと思います! 絶対正しいとか間違ってるなんていうことはないけれど、衣替えの季節の知識があると自分が選んだものに自信がもてるかと思いますので、ちょっと頭の隅に「着物の季節表」を入れておくと便利です。
いずれにせよ、9月は夏から袷の季節に移り変わっていく過渡期となりますので、中旬とか前半とか後半とか、区切りが結構曖昧です。温暖化の昨今、10月までこの曖昧時期が続くと思います。
これは個人的な目安なのですが、27度くらいが絽と単衣の境目、22度くらいが単衣と袷の境目で(いずれも後者の上限温度感覚)暦とにらめっこしつつ、着分けています。下に着るものでも結構調整はききますので、皆さんも、自分なりの目安を見つけてみてください。
1年十二ヶ月、移り変わる四季も二十四節気や七十二節気に分けるほど、日本人は季節に敏感でした。着物のお洒落は、そんな季節にとても関わりが深いもの。ほんの短い期間でも、その時期だけしかできないお洒落を楽しみたいですねっ。
暦
残暑を忘れて心は秋へ!お月見兎さん妄想コーデの巻
星わにこ
2014/08/20 00:00
残暑お見舞い申し上げます。お盆も過ぎて少々夏バテ気味なのか、夏草でボーボーの庭の草取りをしたら、腰をぎっくりしてしまったわにこです。随分よくなってきたのですが、まだ動作に不安が‥‥。そんなとき、浴衣を着ていると帯で腰がしゃっきりしていいかんじです。帯って、腰にいいんでしょうね。座り仕事が多いので、もう少し普段も着物を着る回数を増やしてみようかなと思っています。もう少し涼しくなったら……(弱)。
さて今月も、いち利モールの試着室で欲しい着物のコーディネートを考えてあーでもないこーでもないと想いを馳せまくる「妄想コーデ」のお時間がやってまいりました(長)。
8月に入って始まった、秋の先取りセールももうあと少し。だんだん「売切れました」の表示も多くなってきて、なんだか夏休みの宿題の積み残しが気になる子どものように、なんとな~く焦ってみたり!?
そこで、セールの着物と帯で、秋の単衣コーデを考えてみました。
http://bit.ly/1pRRorR
9月と言えば、月に兎! 波に兎の帯でコーデを考えてみました。すっかり秋の色ですね~。鏨錦(たがねにしき)の技法を用いて織り上げられた西陣袋帯だそうです。袋帯ですが、紬にあわせてドレスダウンしてみます。
大好きな塩沢紬、生地に「しぼ」があるのでポコポコしていて肌に張り付かず、しっかりした厚みもあるので、秋の単衣にピッタリです。濃紺で秋の夜空をイメージしてみました。
そこに大きめの満月のようなまあるい帯留はいかがでしょう。秋のお月見としゃれてみたいものです。お遊びで背中に、洒落紋のように押し絵のお月様アップリケも楽しいかも!
半襟は気になっている「ミヤコレ」を。レースの半襟って、フォーマル以外のシーンでちょっとアクセントが欲しい時、気軽にできていいですよね。
今年の中秋の名月は9月8日とちょっと早めなので、この帯は暑くて締められないかな‥‥。ヒグラシが泣き始め、虫の声も聞こえ始めていますが、まだまだじわ~っと暑い毎日……。早く秋がきて、おキモノ生活ベストシーズンに入らないかな~!などと天気予報を眺める毎日です。
でもまだなにかやり残したことがあるような、ちょっと寂しいような夏の終わりの妄想タイムでした。
オススメは帯下保冷剤!夏着物もW保冷剤で快適にの巻
星わにこ
2014/08/06 00:00
暑い!!この暑さの中、着物で出かけるのはかな~り勇気が必要ですよね。でも着たいものは着たい!!
移動の電車やバス、建物の中に入ってしまえば冷房が効いているのでむしろ冷えすぎることもなく着物は快適ですが、問題は「屋外」。
カンカン照りの中では、いくら日傘をさしても扇子であおいでも、サウナに入っているかのような猛暑には太刀打ちできません!
そんなときは保冷剤でなんとか駅までの道のりを乗り切っているわたしです。
昨年もご紹介しましたが、ケーキなどを買ったときについてくるあの小さな保冷剤を手ぬぐい等にくるみ、出し入れしやすい帯の下に入れています。背中が冷たいと、シャキーンとします!
関連記事:浴衣にも、着物にも!保冷剤で猛暑を乗り切れ!
帯の下にいれるだけでなく、手に持って、首筋や手のひらを冷やすのも、涼が感じられてよいもの。先日は、可愛いポーチに入れて胸元に忍ばせている着物美人がいました。出し入れもラクですし、早速真似しちゃいました!
今は市販で可愛い形や模様の保冷剤もあって、保冷剤専用のポッケタオルというタオルポーチもあり、選ぶのも楽しいです。私は、ダブルガーゼでポケット型のポーチをちくちく手作りしました(^^)
保冷剤から出る水滴も吸ってくれるし、やはりなにかに包んで使うのがオススメです。手ぬぐいでくるむと、包む回数で冷たさを調整できますよ。
でも、ミニ保冷剤は結構あっという間に冷たくなくなってしまうんですよね~(^^;)30分持てばよいほうでしょうか。
そんなときはバッグに、保冷ポーチに入れた予備の保冷剤を忍ばせておくと、倍の時間、保冷剤の恩恵にあずかれます。もうほんと、助かったぁぁ~~という気持ちになります(笑)。
保冷剤の中味は水を凍らせただけのもの、ジェル状のもの、いろいろあります。なかには、お子さんやペットが口にすると危険なものもあるそうですので、おうちに小さな家族がいる方は、一寸注意してくださいね。
そして、もうひとつ夏のおでかけに必須アイテムなのが保冷のできるマグタイプの水筒。あまり大きな容量のものは持ち歩くのに大変なので、250m~300mlくらいで十分。水や麦茶などに氷を多めにいれておき、外で一口補給するだけで、ずいぶん涼しくなります!
真夏の着物で外出するときは、まずは日傘と扇子、そして保冷剤と水分補給を忘れずに。楽しいおでかけにして下さいね\(^O^)/
雨の日も快適に★キモノの雨対策 雨コートいろいろ2014の巻
星わにこ
2014/06/11 00:00
先日までの夏日が嘘のような梅雨日が続いております。
先週の日曜日はいち利モールの着物deおでかけイベントで明治座「細雪」を観劇してきました。
生憎の雨でしたが、皆様ばっちり雨対策をしていらして全員がお着物で集合。紗袷、単衣、綿麻と目の保養でした。そして、色とりどりの雨コートもまた目の保養??! 明治座への道を傘と雨コートの女性たちが向かう姿は本当に素敵でした。
ところで、皆様雨コートはどんなものを使っていらっしゃいますか? 二部式、一部式などいろいろありますね。
私は最初お値段の手頃な化繊の二部式を使っていましたが、一部式のものを使ってみたら、装着する手間が少ないし、すっきり見えるので一部式をメインで使うようになりました。でも最近に二部式も利点が多いなと見直し中です。
ざっとプラスマイナスをあげてみると
二部式
・ お値段が手頃なものが多い
・ 身丈など着る時にサイズ調整ができるので共用もOK
・ セパレートで使える
・ 着る時、ちょっと面倒
一部式
・ 羽織る時手間が少なく、すっきりスマート
・ お誂えで作る楽しみ
・ 身丈などきちんと合わせなくてはいけない
というかんじでしょうか。
化繊の二部式は、最初の一枚として持っている方も多いのではないでしょうか。
私は冬の雪の時など下の巻きスカート部分だけを使って、上はウールのコートにしてしまったりもします。逆に、キモトモは暑い時期に下だけ使って上は薄いショールで帯をカバーして傘でしのぐ、という使い方をされてました。
これなら蒸れなくていいですね。
濡れたり汚れたりをあまり気にしなくていいので、お茶のお稽古とき、水屋着の替わりにも使えたりします。
いち利モールの二部式雨コートは、色も上品でワンランクアップできそう。銀座いち利の女将がちりよけ替わりに上だけ使っていらっしゃるのも、素敵でしたよ。
工夫次第で、いろいろできそうですね。うちの箪笥で眠っているのも、どんどん使ってあげたいかも。
一部式は、市販のものもありますが、なんといっても自分にぴったりに作る贅沢さが醍醐味です。私は、ポリでフルレングスの袷のコートを作ってもらい、冬の雨コート代わりに使っています。いつかは正絹で作ってみたいですね。
もともと水をはじく性質のある大島紬で雨コート、なんて憧れです!(撥水加工は必要だそうです)
あとは、雨コートは室内では脱ぐものですから、携帯性もある程度高いほうがよいです。専用ポーチがついているものもありますが、きちんとたたまないと入らなかったりするので(汗)、ビニールやポリのエコバッグなどを用意しておき、あまりにもびしょびしょのときはそちらに入れるようにしています。
話は戻りますが、明治座におでかけの日は、傘も役にたたないような霧雨だったので、濡れてもいいやという気持ちでポリの着物と紗布コートで家を出ました。自宅から駅に着く頃には、襟元もしっとり濡れていました。濡らしたくない着物の場合は、襟元のスカーフは必須だなと改めて実感。
他の方のご迷惑にならないよう、手ぬぐいでコートの水分を吸い取って、電車に乗りました。心配した足元はそれほどでもなく、雨草履でカバーでき、足袋の替えは使わなくて済みました。
着物で出かけるときの雨グッズもだいたい季節ごとに揃った今は、出かけるハードルは低くなりましたが、逆に雨の日だと決まった一式になってしまい、雨だから?と思うあまりに、バッグもビニールので出かけて、お洒落は二の次になっていたかも。劇場について皆様の素敵な装いに大反省でした(^^;)
そしてやっぱりポリのフル装備は気軽だけど、蒸れました(><)
またこれからの時期には晴れていても、ゲリラ豪雨や通り雨もありますので、着物で出かける日は天気予報をチェックして、晴雨兼用の傘やコート、雨除けになる大きめのストールなども持ち歩くようにするとよいですよ。
雨ニモ負ケズ! おしゃれな着物ライフを楽しみましょう!(自戒)
おまけ:おでかけイベント 雨の日のわにコーデ
むじな菊のポリ江戸小紋風 博多帯 細雪にちなんで雪の結晶の帯留 6月なのでパールのピアスと指輪と髪飾りにしてみましたでした!