新着記事

アーカイブ

メールマガジン・会員登録はこちらから

七五三は家族全員で着物!の巻

星わにこ
2023/11/01 00:00
七五三のシーズンがやってきました! 休日の神社にお参りすると可愛い七五三の子どもたちの姿を見かけることが増えます。 私も写真スタジオでの撮影はこの季節は七五三がほとんど。3才、5才、7才それぞれの可愛らしさ、りりしさ、美しさがあり、着付けをする側も楽しみです。 事前に一度、衣装合わせにきてもらってサイズを測り、肩あげと腰上げをして調整しておくのですが、これが結構大事な作業。気に入った着物を選ぶのも大事なんですが、サイズ調整をしてピッタリにしておくと当日の着付けもさっとできて、お子さんへの負担も少ないのです。 衣装合わせもほんとうにその子の個性が出て、「これ!」と即決する子もいれば、なかなか決まらない子も。着物は着ないと拒否られる場合もあります(笑)。 でもこうして一度スタジオにきてもらうので、本番では「きたことがある場所!みたことがある人!」と順応してくれるお子さんが多く、楽しく撮影をさせていただいています。着替えから撮影、ロケなどを2~3時間一緒に過ごさせてもらうのですが、さよならするころにはすっかり慣れてくれて、バイバイ!と手をふってくれて、本当に可愛いです。 たまに緊張して、笑顔が出なかったり、もう眠くてぐずってしまったり、パパママに甘えたくなってしまったり‥‥。兄弟がいたりすると、片方が主役だと片方が微妙にすねたりして、そんな姿も本当に可愛い。 自分の子どもが小さいときには、いうことを聞いてくれなかったりするとがっかりいらいらもしたものですが、その子もすっかり大きくなった今は気分はもはや「ばあば」。なにをしても、可愛い。可愛い以外言葉が出てこない(笑)。 そして、七五三の撮影のときは大変で‥‥なんて、そのご家族の想い出になるんだろうなと思うと、そんな1日のお手伝いをさせてもらえることをありがたく思います。 写真スタジオの仕事をはじめてから、もう9年目! おかげさまでリピーターさんもいらしてくださるようになり、ご家族が増えた!とか、あの小さかった子がもうこんなに大きくなった!とか、えっこの間成人式だったのにもう大学の卒業式? とか結婚式? なんていうことも。 お祝いの記念写真を、晴れ着で残すという幸せのお裾分けをしていただいている気分です。このお仕事をしていてよかったな~とつくづく感じる瞬間です。 スタジオを始めた頃は、七五三も成人式も、ママが着物を着ることはあってもパパが着るということはほぼなかったのですが、「全員和装、いいですよ!」とPRしまくり、ぼちぼちと着物をきてくれるパパが増え、その写真をみてまた着てくれるパパがいて‥‥今では2人に1人は着物をきて撮影されます。 そして大体「七五三以来です」とか「はじめてです」とかおっしゃるんですが、これがまた似合うんですよね~! ママは言うに及ばずなんですが、ほんとお祝いのときには日本人は着物だよ!って思います。 それから、たまに「子どもが主役だから、親が派手にすると‥‥」とおっしゃる方もいらっしゃるんですが、大丈夫です!! 子どものかわいさ、キラキラ弾ける若さには全然勝てませんので、安心して晴れ着を着て欲しいと思います(笑) そして、七五三や成人式って、もちろん子どものお祝いなんですが、ここまでがんばって育てた親のお祝いでもあると思うんですよね。 ぜひぜひみんな着物でお祝いしてほしいな、なんて思う晴れ着シーズンでした。

しごき帯は七五三だけじゃない!?大人のしごきの巻

星わにこ
2022/10/12 00:00
七五三シーズンに入り、毎週末七五三のお子さんの着付けと撮影が楽しみなわにこです。 3歳さんの被布姿は本当に何をしても可愛いし、5歳さんは可愛い中にも袴でりりしさが、そして7歳はあどけなくもお姉さんぽさも漂って、いよいよ小さな子供の時期を卒業するのだなあ、という感慨があります。 7歳の時には四つ身といって、身長の4倍の長さの反物を使って作られる着物を着ます。袖も長く、振袖のように華やかに帯結びをします。筥迫(はこせこ)や房つきの扇子を身につけ、帯の下線にしごき(しごき帯)を結びます。 このしごきですが、裾を長く下ろして着ていた時代に、外出するときに裾をあげるために使ったもの。花嫁さんの抱え帯も同じ役割です。 しごきは、幅30センチ、長さ2メートル30~50センチほどの無地の布に、先にフリンジ状の房がついています。この房の紐がおめでたい七宝結びになっているものが一般的です。 色も、赤や黄色、ピンクなどいろいろあり、柄入りのもの、先端の房もいろんな形状のものがあります。 帯の下に巻いて、後ろでリボン結びにすると、まるで腰のあたりに蝶々が止まってふわふわ揺れているようで、本当に可愛らしいです。 しごきは花嫁衣装で引き振袖のときに使われます。しごきの代わりに抱え帯が使われることも。抱え帯は、白無垢の掛下にも使われますが、役割はしごきと同じ。柔らかい素材のしごきと違って、綾子などを細い帯の形をした抱え帯は下に垂れる房はついていません。 大人がしごきや抱え帯をするのは、裾引きの着物のときが主でしたが、令和に入って成人式の振袖にしごきや抱え帯をする人が増えてきました。 華やかになりますし、成人式の振袖はほんとうにどれだけ盛っても可愛さましましですから、いいなあと思います。抱え帯もいいですが、しごきだとだらりと垂れた房が揺れて、またこれ可愛いものです。 本来後ろで蝶々結びをするものですが、可愛いので前で結んでいる写真も見かけます。それもまたよしですです。 注意としては、子供用だと長さが足りませんので大人用の3メートル50センチ前後あるものを使いましょう。柔らかめの布やレースで、手作りしてもいいかもしれませんね。 お祝いの日の衣装を考えることは、本当にわくわくと楽しいものです。七五三や成人式のお祝いのとき参考にしていただけたら嬉しいです。 最後にちょっと宣伝です! 10月23日(日)長野県上田市で開催される「キモノマルシェ2022」にゲスト出演することになりました。 伝統工芸士で着物YouTuberの小岩井紬工房の小岩井良馬さんとトーク対談をさせていただく予定です。 お近くの方、ぜひ遊びにいらしてくださいね!

七五三の三歳の着物を二歳から五歳まで着る方法の巻

星わにこ
2021/11/24 00:00
今年も七五三のシーズンがやってきましたね。11月15日、江戸時代に徳川家が「袴着の儀」を行ったことに習い、その日に子供の成長を祝うようになったもの。現代では、日にちが前後してもだいたい11月の都合のよい日に氏神様にご挨拶にいく慣習となっています。 三歳女子は「髪削ぎの儀」、五歳男子は「着袴の儀」、七歳女子は「帯解きの儀」という平安時代の通過儀礼をもとにしていて、それぞれ三歳は着物と被布で、五歳は羽織袴で、七歳は振袖に大人と同じように帯を結んでお祝いします。 子供の着物は「揚げ」といって、肩や腰の部分をつまんで縫って裄や身丈を調整しておはしょりをとったりしなくても、羽織って紐を結べば着られるようになっています。 この「揚げ」を大きくつまめば丈が短くなるので小さいうちはたっぷりとって、育ったら揚げを小さくすればよいという、着物を買い替えなくてもすくすく育つお子さんのサイズに合わせられるという大変優れたシステムになっています。 子どもはどんどん大きくなるから洋服なんてすぐサイズアウトしてしまうし買い替えないといけないけど、その点この「揚げ」で調整できる着物はよくできているなあと思います。 七五三は毎年撮影スタジオで着付けをするのですが、いろんな身長のお子さんがいるので、レンタルのものは衣装合わせにきていただき裄や身丈を測らせていただいて、肩上げと腰上げを調整して着ていただきます。今年多かったのは、七五三のお祝いをされるお子さんの妹さんも着物が着たいというリクエスト。 一歳違うとかなり身長も違うのですが、二歳のお子さんも五歳のお子さんも、三歳のお着物の肩と腰の揚げを調整してお召しいただけました。帯は体の負担にならない兵児帯で。ひらひらと帯が揺れて、なんとも可愛らしかったです。特に小さいお子さんが大きく揚げをした着物を着ているのはえもいわれぬ可愛らしさで、魂が洗われました。 お祝いの着物はレンタルでもいいのですが、三歳の被布セットは洗える素材のものならお手頃な価格から揃っています。ネットに入れて洗濯機で洗えば綺麗になりますし、子供が汚しても気になりません。三歳の時に1回だけ着ると思うとなんだかもったいない気がしますが、二歳の頃から五歳までお正月やひな祭りに着物を兵児帯で簡単に着せてあげられる着物だと思うと、購入して楽しんでもいいのではないでしょうか? 被布はお祝いのときだけ使用して、長襦袢と着物があればOK。セットには兵児帯がついてこないことがほとんどなので、帯は別に購入されるとよいでしょう。洗える素材のものならお手頃価格です。 セットに入っている状態では三歳の平均身長にあわせて揚げがしてありますので、ここを調整すればいいのです。 コツは、もともとしてあった揚げを取らずに、その横に並行して縫うこと。元の揚げより大きくとるときは元の揚げはそのままにして(本当は取るのですが、ご自分でなさる分にはよいと思います)、お子さんが大きくなったら新しくした揚げを取ればいいのでらくちんです(ズボラ案ですみません)。 もっと大きくなって揚げを小さくするときは、もともとの縫い目は外します。 もともと揚げをしてない場合は、肩の場合は肩裄の真ん中をつまんで短くしたい分だけ縫えばOKです。あまり表に大きく縫い目が出ないよう二目落とし(一目落としでもOK)で縫っていきます。 腰の場合は、身丈を測ってその真ん中をつまんで短くしたい分だけつまんで縫います。こちらは帯で隠れる部分なので、落ちてこないようにざくざく縫えば大丈夫。 ものすごく乱暴な説明をしてしまいましたが、昔は自宅でだれでもやっていたこと。直線で縫えばいいだけなのでハードルも低いです。私も男の子でしたが、四歳のときに五歳の祝い着を買って、七五三はもちろん六歳までお正月やらなんやらと着せまくりました。転がりまくられても、食べているものをこぼしちゃっても、洗えるものなら心が穏やかです(笑)。 もちろんお祝いに正絹でよいものを、というのもまた素晴らしいことです。どんな風に着せたいか、ご自分が納得できるほうを選ばれるとよいと思います。 もし、小さなお子様お孫様がいらっしゃる方がいらしたらちょこちょこ着せられるように早めに七五三用の三歳着物・五歳着物を手にいれられるのもいいのではないでしょうか?

総絞りの帯揚げをアイロンで伸ばして大人の帯揚げに☆の巻

星わにこ
2021/09/22 00:00
総絞りの帯揚げは買うととても高いものですが、やはり七五三や振袖など子供や若いお嬢さんの礼装に使うイメージが強いですね。 若い時には帯揚げはボリュームたっぷりに結びますし、年齢が上がってくると控えめにしますから、総絞りは似合わなくなってきます。 大人が使って悪いというわけではありませんが、若い頃のものをそのまま使っているなあ、という感じになってしまいがちです。もう使わない(使えない)なあ、とたんすの肥やしになっているものをお持ちの方もあるのではないでしょうか。 譲ったり、小物を作ったりするのもよいですが、色など気に入ったものであればアイロンで伸ばして自分で使うというのもおすすめです。 スチームアイロンをしっかりと生地をひっぱりながらかけると、絞りの山が平らになります。まったく平らにはなりませんが、これだけでちょっとふんわりした使いやすい帯揚げの出来上がりです。 絞りを伸ばすと、糸をくくって染まっていない白い部分がよく見えるようになるので、絞ってある状態より少し色が薄く見えます。それもまた大人っぽく使いやすいのではないでしょうか。 総絞りではありませんが、よくある見える部分だけ絞ってある帯揚げにアイロンをかけて伸ばしてみました。 左側がビフォーで右側がアフターです。幅もぐんとひろがりますね。色もやさしくなってよい感じです。 優しい雰囲気のかわいい帯揚げになりました。これなら50代の私でも使えます! ふんわりしていて、ちりめんに近い感じで伸縮性も少し残っているので、とても扱いやすいです。ちょっとドレッシーな装いの時に。 ただし、一度伸ばしてしまうと元には戻りませんのでご注意を! 絞りが伸びてしまった時は 今回は、絞りの帯揚げに関する情報をもうひとつ。総絞りに限らず、飛び絞りやりんだしなど、一部の絞りの帯揚げは、ちょっと絞りが伸びてしまったなと思ったら、やかんの湯気や、スチームアイロンの湯気(押し当てないで、蒸気だけをあてる)ことで、もとの絞りの高さが戻ります。 この方法は、自然にのびてしまった場合は元に戻りますが、今回のようにアイロンで強く引き伸ばしてしまったものはもどりませんので悪しからずです。 絞りの帯揚げ豆知識でした。

七五三異変!鬼滅の刃が和装を救う?の巻

星わにこ
2020/12/02 00:00
もう今年も残すところあと1か月を切りましたね! こんなに世の中の常識が変わってしまったと感じる年も、いままでになかったように思います。流行語大賞は「3密」。アマビエやGotoなどコロナ関連のものが多い中、着物的には、アレも入ってました。そうです、鬼滅の刃。 もう皆様よくよくご存知かと思いますが、大正時代が舞台なので、当然登場人物は着物姿が多く、中でもキャラクターごとに斬新なデザインの羽織を隊士服とよばれる洋服の上に羽織っているのが特徴的です。あのチェッカーフラッグみたいな緑と黒の市松模様とか、金のウロコとか。鬼になった妹はピンクの麻の葉模様の着物を着ています。 今年の撮影スタジオでのお仕事は、おかげさまで七五三の撮影が例年より多かったのですが、中でも特徴的なのが「男子が羽織袴を嫌がらない」ということでした。今まではだいたい、女子はキレイだね~というとおすまししてくれるが、男子は着ない脱ぐとゴネたりするのが定石でしたが、今年は男子が積極的。 中には衣装合わせで羽織った羽織を「このまま着て帰る」と言った子も。そうです。鬼滅の影響ですね。しかも、着付け中に動いたりしたときに、「全集中の呼吸!」というとじっとしてくれるので、めちゃくちゃ着付けが楽になりました! すごい! そしてパパが羽織袴を着るケースも増えてきました。親御さんはだいたいスーツか、着物を着てもママだけというのが多かったのですが、うちのスタジオでは「家族写真は全員和装で!」とおすすめしているので、その効果か!?と喜んでいたのですが、もしかしてコレも鬼滅効果なの!? いやほんと、すごい。 なにがそんなに子どもから大人までの心を捉えたのか。私自身も週刊誌連載を読んでいたので、面白いとは思っていましたが、そんなに!? チェーンソーマンとか呪術廻戦など厨二すぎておばちゃんの心には痛々しすぎたりするのですが、鬼滅にはそういうところがないですよね。てらいのないまっすぐさというか、どこまでも澄み切った青空のような精神世界を持つ主人公と、退治される鬼たちにも事情と悲しみがあるという(ラスボス以外)「善き心」が報われることに飢えているのかもしれません。勧善懲悪の時代劇みたいなものなのかも。 古き良き時代の古き良きおはなしとともに、着物もよいなあ!かっこいいなあ!と思う人が増えているなら、すごく素敵なことですよね。便乗商法とかそういうことでなく、人はたくさん目にしたものに親しみや安心を覚えるもの。着物も、たくさん見て形に親しんでいると、着たときのしっくり度が全然違うと思います。 このコラムも便乗と言われると、えへへ(笑)ですけれども。なんでもいい、着物に親しみを持ってくれる人が増えて、着物の文化がこの先へも繋がれていくとよいなあと願う、コロナ禍の師走でございました。

ママの晴れ着で七五三☆の巻

星わにこ
2019/11/20 00:00
 お天気のよい日が続く東京、七五三のお祝いの親子連れを見ると幸せな気持ちになるわにこです。3歳も5歳も7歳も、それぞれに愛らしく美しい。子どもが無事育ったお祝いに、節目節目にお祝いし、感謝する。今よりも、医療が発達していなかった時代には、その有難さはまた別格のものだったことでしょう。自分も、息子の5歳のお祝いが出来たときは、なんだかほっとしたものです。  記念写真撮影のお仕事は、そんな節目のお祝いを写真に残すものですが、七五三の撮影はやはり子どもが主役だけあって、思うようにはならないし、ごきげんにあわせての進行となります。でも、その姿はそのときだけのもの。そう思うと、ハプニングがおこっても、それも想い出になりますよね。 「何度髪飾りをつけてもすぐ投げ捨てた」とか「七五三で袖を破ったので、それ以降着物を着ろと二度と言われない」とか「草履をいやがって足袋で神社の外をかけまわった」とか、中にはご祈祷のとき、申込書にパパが自分の名前を書いたため、お子さんでなくパパの名前で祈祷された、とか(爆)みんなそれぞれ、七五三あるあるです(笑)  今年はお客様から、ママが自分のおばあちゃんに縫ってもらった晴れ着でお祝いをしたので、それを娘さんにも着せたいというご相談がありました。 「自分が3歳のときにきた写真があるんですが、娘のほうが大きいはずなのに、羽織らせたらなぜかぶかぶかで‥‥使えますか」と言われたのですが、7歳でも着られる晴れ着で、肩揚げと腰揚げが解いてあったため、娘さんには大きかったのでした。  お預かりして、肩揚げと腰揚げをし、サイズをピッタリに調整。御詣りと記念撮影のお手伝いをさせてもらいましたが、すごーくよく似合っていました!   御詣りにはママのお母様もいらしていて、少しお話をさせていただいたのですが、ママの小さい時には、草履で歩けなかったのだとか。確かにママの小さいときのお写真も見せていただいたのですが、娘さんのほうがちょっと身長も高くしっかりしている印象。草履もちゃんと履いてしっかり歩いていました。  月齢で3歳になってすぐか、4歳近くなっているかの差もありますよね。「義母が縫ったものなんです。クリーニングに出してしまっておいたんだけど、少しくすんでしまったかも‥‥まさかまた着られる日がくるなんて」と喜んでいらっしゃいました。  そう、お母様がお手入れしてしまっておかなければまたこうして受け継がれることもなかったんですよね。その時点では、将来その女の子が女の子のママになって‥‥なんてことは想像もつかなかったはず。  着物を用意したひいおばあちゃんも、きっと喜んでらっしゃることでしょう。  そして、揚げさえすれば、サイズの調整が出来て着られる、着物ってすごいなと思いました。  ママも「私より似合っているみたい」なんておっしゃってましたが、本当にキラキラ輝く陽の光の中で、とってもとっても可愛らしかったです。  また7歳でも着られるね、とお話しましたが、3歳は被布で、7歳は帯姿で。同じ着物でお祝いできるってよくできていますよね。着物は鴛鴦の可愛らしい模様なのですが、3歳の今は鴛鴦のあたまがちょっぴり被布に隠れてしまっているけれど、7歳になったときは絵羽の模様が全部、キレイに見えることでしょう。想像しただけで胸アツです。  振袖は最近ママ振といってママの振袖を着るお嬢さんも増えていますが、七五三も、晴れ着が残っている方は受け継いで着られたら素敵だなと思います。全部ではなく、一部でも、ご先祖様から守られているようで、嬉しいものではないでしょうか。  着物のよさ、ってそういう「受け継ぐ喜び」にもあるのではないかなと思います。民族衣裳なのですから、ここイチ!なときにはぜひ着てほしいなと思います。日本人に着物って本当に似合いますから~~(力説)  子どもの着物姿に「似合うなあ~」と目を細めるパパママを見て、ほんとに似合いますよねえ~とウンウン頷くおばちゃんでした。子どもたちにも着物を身近に感じてほしいな!  この11月、七五三を迎えたお子様とご家族の皆様、本当におめでとうございます(^^)

筥迫(はこせこ)には何が入っているの?の巻

星わにこ
2015/11/11 00:00
 七五三シーズンですね! この季節、休日に神社を覗くと可愛らしい和服姿の子どもたちが千歳飴を持ってご家族と歩いている姿が目につきます。あどけない三歳の被布姿も、きりりと決まった五歳の袴姿も、可愛いけれどお姉さんな七歳の四つ身姿も微笑ましく、すくすく大きく育って‥‥と、他人なのにおばちゃんの涙腺は緩むのでした(阿呆)。  さて、七歳の女の子のお祝いは「帯解き(おびとき)」という、子どもの着物の付け紐を取って、初めて帯を結ぶ人生の通過儀礼。着物も四つ身という大人とほぼ同じ作りのものになります。また帯の下には、しごき帯を結びます。  その四つ身を着たときに胸に入れている、房やびらびらがついてる小さな箱のようなものが、筥迫(はこせこ)。気になりませんか? 白無垢や打掛の花嫁さんも懐中に入れていますよね。あの中には一体なにが入っているのかな~と思ったことはありませんか?  筥迫は、江戸時代の大奥や武家の女性が、打掛を着た時に懐中に入れた紙入れの一種。お金や守り札、紅板(口紅)なども入れたりしたようです。贅を競って、華やかなものを正装の時に身につけて、今で言うならパーティのクラッチバックのような感覚だったのでしょうか。サイズも現代に見られるものより大振りでした。  それが明治に入り、庶民も身につけられるようになって、サイズも小さくなり、装飾要素だけが残りました。現代では、七五三や成人式等のお祝いと婚礼の時に、飾りとして残っています。  筥迫のパーツを見てみましょう。 (わにコレ(笑)より、花嫁さんの筥迫)  まずは筥迫本体。外側は錦の艶やかな布が使ってあるものや、豪華な刺繍を施してあるものなど、とにかく華やかです。  中をあけてみると、紙を挟めるようになっていて、鏡がついているものが多いです。「はこせこ」と言っても、箱になっているわけではないのですね~。  それを開かないようにまんなかで留めているのが「胴締め」。  胴締めには、胴締めを締める紐がついていて、その先にぶら下がっているのが「落とし巾着」。匂い袋やお守りが入っているのですが、これは帯にはさんで筥迫が落ちないようにストッパーになる役割のものです。よくこの袋が可愛いので外にぶら下がっているのを見かけますが、帯の中に仕舞うのが本来の使い方です。  そして、飾り房。筥迫の上部、胴締めに差し込みます。赤いもの、白いもの、ハーフ(笑)、金、撚り房のもの、切り房のもの‥‥。これが胸元からこぼれて揺れると、うっとりしますね~(ええ?私だけ?)  この飾り房と同じところに、ビラ簪(かん)という銀のびらびらがついているかんざしを飾りとして差し込むこともあります。  七五三の筥迫は、可愛らしい色もいっぱいありますね。帯締めや草履、扇子やビラ簪、バッグなどとセットでトータルコーディネートのものなど、見ているだけで頬が緩みます。  花嫁さんの筥迫は、懐剣や抱え帯、扇子などとセットになっていて、これまた凛とした美しさがあります。  成人式や十三参りではほとんどつけることはありませんが、扇子などと共に、身につけてもおかしくない小物だと思います。  以前取材で、この筥迫を研究している「筥迫工房」の山崎さんにお話を伺ったのですが、お嬢さんの七五三のときに自分で作ってあげたいと思ったことが自作のきっかけだったとか。  山崎さんの筥迫作りワークショップは大人気で、自分の結婚式に自作をしたいという方はもちろん、七五三や十三参り、成人式やお嫁にいくお嬢さん・お孫さんに作ってあげたいという方も多いそう。自作の筥迫にお守りやお手紙、大切なものを入れて、お祝いの正装の胸元に忍ばせるなんて、素敵~~~~!!! これは大切な記念の品になりますよね。  番外編ですが、自分の楽しみのために作っても。お遊びで普段着に薄いタイプのもの、小さなものを作って、名刺入れやプリペイドカードなどを入れておくのも楽しいです。布で出来た名刺入れに房をつけるだけでもなんちゃって筥迫気分を味わえちゃいます。胸元にカード入れが入っていると、結構便利ですよ! 房がついていると取り出しもしやすいです。お茶のときの、お懐紙や帛紗を入れている感覚に近いかも?  小さな箱形に細かく細工をしてある筥迫は、日本人の美意識をぎゅっと封じ込めたかのよう。七五三のとき「開けてはいけない」と言われた記憶がある方も多いのでは。小さな美しい筥迫の宇宙を覗いてみませんか。

七五三の筥迫(はこせこ)と母着物の巻

星わにこ
2013/10/09 00:00
七五三のシーズンですね。デパートの呉服売場に可愛い子ども着物がディスプレイされていたりして、きゅーんとしてしまう今日このごろ。  七五三は11月15日ですが、日にちにこだわらず前後の土日で祝うことが多いようです。 早いと10月の後半から。ピークを過ぎてからゆっくりお参りされる方も。 このシーズンの土日はお祝いされるご家族も多いので、意味もなく神社を覗くのが楽しみだったりします (決して怪しいものではない……つもりです……(汗))  三歳の女の子の被布も可愛いし、五歳男子の袴もりりしい。 七歳女子の四つ身の着物を見ると「大きくなったな……」とじーんとしてしまいます。 それがただ通りがかりで全然知らないお嬢さんだったとしても(笑)、親御さんのお祝いの心が伝わって、感動するのでしょう。  レンタルも気軽ですけれど、十三歳まで長く着られる四つ身を誂えたり、お母様やおばあさまの着物を受け継いで仕立て直したりするのも着物ならではの素敵なお祝いになりますよね。  そして房好きの私としては、被布の房や、七歳の女の子が胸にしまっている筥迫(はこせこ)についているおっきな房がとっても気になります!  先日、筥迫の復刻・製作に取り組んでいる「筥迫工房」のROM筥さんにお話を聞かせていただく機会がありました。作り始めたきっかけが「七五三の娘の筥迫を自作したかった」と伺って、感動。筥迫や、つまみかんざしなど手作りでなにか添えるのも母から娘へ、心のこもったプレゼントですよね。  七五三のものは小さいサイズですが、大人の仲間入りをする十三参り以降、成人式、婚礼のときには大きなサイズのものを使います。胸元から、たっぷりの房がこぼれているのを見ると、うっとりします。 折々に手作りで贈ったら、とてもいい記念品になりそう!!  男子は羽織紐の大きな房がポ~ンと丸くなっているのがこれまたいいんですけども、やはりダントツ女の子の着物のほうが着せる楽しみがいっぱい! 心の底から、女子母が羨ましいな~と思う季節でもあります(笑)。  さてさて、主役の着物はもちろんなんですが、もうひとつリキを入れたいところが母の着物です(`・ω・´)キリッ   色無地、付け下げ、訪問着……。成長を祝う行事の着物ですから、フォーマルに袋帯で。お約束を守る、というのもカジュアルにはない楽しみが、あると思います。  我が家は男の子がいるのですが、五歳のお祝いのときには、私は嫁入り着物の一つ紋色無地を着ました。本番の七五三のお祝いのときは、神社にお参りだけして記念写真を撮らなかったので、改めて翌年の3月11日の午前に撮影をしました。その日の午後、東日本大震災が起きた忘れられない日の想い出です。  色無地は、子供が主役の行事の時、控えめに母としてお祝いする着物として便利なものです。自分の場合、お宮参りに七五三、卒園式、入学式と大活躍しています。お茶席にも着て行けて、色無地って便利! 1枚あると本当に使い回しのきく着物だなあと思います。  自分の場合は嫁入りのとき、一つ紋付の色無地は袷を三枚、絽を一枚持たせてもらったのですが、色は母に任せたところ、不思議と顔映りのいい色ばかり。母ありがたし、です。  1枚だけ、少し似合わないなあと自分で思っていた色のものがあったのですが、40歳を超えたらこれがまた似合うようになってきました。逆に若い頃そればかり着ていたものが少しあわなくなってきたり。色無地は、その色1色勝負ですから、余計にあう色あわない色がはっきりするのかも。  あと、生地の光沢や地紋も、実は重要な要素のようです。同じ色でも、綸子とちりめんでは、違って見えますよね。若い頃は光沢のある綸子が、年齢を重ねるとふんわりとした縮緬のやさしい光が肌を綺麗に見せてくれるようです。  自分で選ぶときは、実際顔にあてて選びたいもの。いち利モールの「さわって選べる」システムは色無地に限らず、いいシステムだなと思います。 お子さんが七五三を迎える方がいらしたら、お子さんの晴れの日の準備に加えて、色無地のお誂えなどいかがでしょうか。お父様は迷うことなく、是非羽織袴で! 想い出に残る素敵なお祝いの日を迎えて下さいね。 =========================== ★いち利モールの色無地 http://bit.ly/19eKcMN ★ほし わにこさん トークイベント&ランチ会開催! 11月24日(日)銀座にて ↓↓イベント詳細は↓↓ http://ichiri-mall.jp/tokushu/05.php