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ちょっとしたパーティ向けの着物を誕生祝いに着た!の巻

星わにこ
2025/11/26 00:00
私、11月生まれ蠍座の女なんですが、今年は11月生まれの友達と集って美味しいものを食べて自分たちで自分たちの誕生日をお祝いしよう!!という会に参加しました。 素敵なワインバーの個室で7名で乾杯! 京都から来てくれたお友達もいて近況報告から時勢ネタまで気の置けない仲間トークで盛り上がりました。 せっかくだから、自分なりのオシャレをしよう!と思って着物コーディネートを考えていて、10年以上前にあつらえたのに着ていない付下げのことを思い出しました。 黒地に流れ星と星が集まって月の形になっている星の模様で、裾に目つきのいい感じの鷺がいます。「星」モチーフが気に入って、子供の名前に入っている音の「月」があるのとで「わ~!」って盛り上がって購入したのですが……。 柄はカジュアルめなんだけど、正絹で黒地なのでカジュアルに振り切れてなくて、でもフォーマルな場所にはちょっとなあ‥‥という中途半端な着物で、いわゆる「ちょっとしたパーティ」向けなんだと思います。 でも「ちょっとしたパーティ」に出席する機会って、私の人生にはなかったんですよね……。というわけで、まさに箪笥の肥やしになっていたものでした。いつも、出しては仕舞い、出しては仕舞いしていましたが、そうだ、この機会に着ようではないか!としつけ糸をとりました。 今、きもの雑誌『月刊アレコレ』に隔月で連載中の「きもの事典カルタ」という読み物としてもたのしめて役立つきもの用語集のページのイラストを担当させていただいているのですが、ちょうどアレコレの撮影が昭和な家スタジオ近くで行われていたので、お邪魔してついで撮影してもらいました。もちろんカメラマンは渡部瑞穂ちゃんです。紅葉がとっても綺麗でした~。 帯揚げは招き猫なんですが、顔だけ結び目に出してみました! 自分だけが楽しいシリーズ(笑)です。 そして、夜はワインバーの素敵な個室に。4人が着物でした。皆様それぞれとっても素敵なコーディネートで眼福~。美味しいお料理とともに、笑顔はじける楽しい嬉しい会でした。それぞれ、仕事に趣味にと素晴らしい活躍をしている友達の話を聞きつつ、お仲間に入れてもらえるのも自分が頑張ってるご褒美だな~と思ったり。 直前でインフルエンザで参加できなくなった友達もいて、健康も大事だとしみじみ。万象繰り合わせて集まれることもありがたく、来年もまたぜひみんなで揃いましょう!と解散しました。 そんなこんなで無事今年の誕生日も過ぎ、会いたい人には会って、着たいものも着る! そんな1年にしたいなあと思っております。

七五三。男子袴の裾上げの裏技!の巻

星わにこ
2025/11/19 00:00
今年も七五三シーズン真っ盛り。写真スタジオでは連日七五三の撮影が続き、お子様の可愛い着物姿に日々癒されています。和装推しのスタジオなので、兄弟姉妹で全員着物、とかパパもママも着物、なんていう日もあり、着付させていただくのがとっても楽しいです! 着物はレンタルもあり、ご両親が子供の時お祝いで着た着物を受け継いで着ることもあり、またお誂えでお持ち込みもあり。お持ち込みの場合は、足りないものがあってもスタジオのレンタル品と組み合わせて着ていただいたりもします。成人式などもそうなのですが、1つだけでもなにか受け継いだものや、ご自分で用意されたお気に入りのもののお持ち込みがあるとちょっとほっこりしますね。 七五三は数えで祝う場合と満で祝う場合がありますが、どちらがいいということもなく、ご家庭の都合で決めてよいのではと思います。数えだとまだ小さくて、なかなか思うように着物を着てくれないことも。 3歳さんは特に男女とも、お子様によって足袋や草履の指の間に布が挟まる感覚がダメ!とか、髪飾りがイヤ!とか眠い!とかいろいろなNGポイントがあったりするのですが、まあぐずったりするのも「あの時は大変だったのよ~」と一生言われるいい思い出になるので、できる時に祝う!というかんじでいいのではと思います。 数えだとまだ体が小さくて、着物姿がめちゃくちゃ可愛いんですが、着付ける側からいうとちょっと苦戦します。でもあらかじめサイズ調整をしておけば、多少動いても親御さんに抱きついていてもなんとか着せられるので、ここはがんばりどころ。 3歳、5歳の着物はとくに、裄だけでなく身丈も調整しておかなければいけないので責任重大です。 特に袴は、多少長い程度なら、ウエストの紐の部分をくるっと折り曲げて調整するのですが、5歳さんの袴を3歳さんが着る、というようなときはもう裾を上げるしかない、とがんばって調整していました。 ですが……今年! もっと楽な長さ調節の技を発見したのです! それは袴の紐の下を摘んで縫って、上に折り曲げて短くしてしまうという方法。裾を上げる10分の1くらいの労力で済んでしまいます!! 後ろ側は多少形が変わってしまいますが、羽織に隠れますのでよし!というわけで早速実践して成功をおさめました。女子袴でも応用が効きそうです。 思いついたときは「ちょっと!!!私ってば天才!?」と鼻息を荒くしたのですが、ネットで調べたら動画で紹介されている方もいました(ですよねっ)。この技を必要とする人は本当に少ないので、目にすることもあまりないかもしれないし、もう今年の七五三の本番日(11月15日)はすぎてしまったのに……という話なんですが、このあとまだまだ続く後撮りや、来年以降にもしかしたら誰かの役に立つかも?と書き記しておきます。 そのほかの子供着物に関するサイズの話はこちら 七五三の三歳の着物を二歳から五歳まで着る方法の巻 子どもの着物は合理的にできてます! 今年の11月15日は本当にお天気もよく、撮影日和でした。この季節、金色に輝く銀杏や紅葉の中、笑顔のご家族の撮影ができると「この仕事やっててよかったなあ」としみじみ思うのでした。

菊の模様の着物&帯は秋限定?の巻

星わにこ
2025/11/12 00:00
毎年秋になると、菊や紅葉の紋様が気になってお出かけの時に着なくっちゃ……とそわそわします。一般的に菊の柄は9月~11月がよいと言われるのですが、重陽の節句はまだまだ暑く、秋だから……という気分になるのが10月も終わる頃。あわてて11月に着ることが多いです。 12月に入ると冬となり、そこからは松・竹・梅、雪輪など冬の意匠に移っていきます。1月に咲く寒菊などもありますし、意匠としての菊であったり、他の季節の花と一緒に描かれているものは季節を気にしなくてもよいですが、「ザ・菊」というデザインだと、やはり秋に好まれるようです。 そして、菊は桜と並んで国花としても愛されています。桜だけかと思っていたんですが、菊もそうだったんですね。そう言われれば皇室の象徴だったり、パスポートにも菊の紋章が付いているなと納得です。 いただきものの色留袖で爽やかな淡い水色に白菊の花がびっしり裾に描かれているものがあるのですが、秋というには色が爽やかすぎてちょっと違和感があったのですが、着物の達人に「柄がこうだから、と決めつけないで、全体の雰囲気で考えればいいのよ」と言われました。 帯に四季の花があれば、菊だけを見て秋、と思わないし、コーディネートでも工夫ができそうです。「菊は秋の花」という季節感覚はベースにありつつ、応用をしていくという感じでしょうか。 「四君子」という蘭、竹、菊、梅の4種類の植物を組み合わせる吉祥柄もありますし、梅に何が組み合わされているかというようなところからデザインの意図を汲むのもわくわくするものです。 季節の柄を楽しむというようなシーンでは、絶対的な正解がある、というよりは、自分の中に答えがあって納得していればいいし、さらに「なるほど」とわかってくれる人がいれば尚更楽しいというものではないかなと。 さて話を戻すと、意匠としての菊には「不老長寿」「信頼」「高貴」「邪気を払う」などの意味があり、その凛とした拡張高い美しさは古来から愛されてきました。秋を表すだけでなく、めでたい柄としてたくさん使われています。 格調高いし、仏花にも使われたり、あまりにも和柄のスタンダードすぎてなんとなく敬遠していた時期もありますが、最近また温故知新といいますか、好きになってきました。 乱菊、万寿菊、菊水、菊尽くし、むじな菊、菊唐草、横菊などなど、美しい菊のデザインをいろんなところで見たことがあると思います。 私はむじな菊の紋様が大好きです。江戸小紋でもある柄ですが、むじな(ニホンアナグマ)の毛並みのように菊の花びらを表現したもので、なんともいえず柔らかくてほんわかした気持ちになります。もふもふ感……。 乱菊は大胆でかっこいいし、万寿菊はまんまるでお饅頭みたいで可愛いし、菊が描いてあるから秋、なんていうと着る着物がないのでは?と思うくらい、花としていろんなところにあしらわれています。花びらが多く華やかですし、葉の形も特徴的で美しい形をしている菊。洋服ではあまり見かけませんが、着物では本当にポピュラーな柄です。ポピュラーすぎて見過ごしていることもあるかもしれません。 お手持ちの着物にも探せばきっとあちこちに菊が描かれているはず。秋にしか着られない、のではなく、秋だから身につけたら楽しい、と考えてコーディネートにぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか?

私のキモトモ(着物友達)のはなしの巻

星わにこ
2025/11/05 00:00
私の着物生活を語る時、キモトモ(着物友達)の存在は欠かせません。中でも一番密に着物に関して一緒になんやかんやとやっているのが、「昭和な家スタジオ」という和装記念写真館を一緒に運営しているカメラマンの渡部瑞穂ちゃん。このコラムにも、拙著にも数えきれないくらい登場していますし、このコラムで使っている写真も彼女が撮ってくれたものがたくさんあります。着物雑誌『月刊アレコレ』の写真撮影も、ほとんど担当している着物大好きカメラマンです。 彼女は大学の同級生で、語学も専修も同じクラスでした。でも学生時代はさほど仲がよかったわけではなかった(笑)のですが、卒業後15年ほど経ってからSNS(mixi)で再会。彼女のプロフィールに着物が趣味、と書いてあったため、着物好きだった私は連絡をとってみたのです。それが2006年のことでした。 もしプロフィールに着物のことがなかったら、連絡はしなかったかもしれない、くらいの状態から、着物を媒介に一気にあれこれ連絡をとりあうように。また、ちょうど子育て世代だったこともあってワーキングマザーの会『ムギ畑』にも誘ってくれて、入会しました。 もともと幹事体質でマメな瑞穂ちゃん、面倒くさがりで自分からは滅多に連絡もしないような私に、着物や育児、仕事のあれこれまでなんやかやと声をかけてくれ、やがて一緒に古民家を借りて着物を着て記念写真を撮るスタジオを運営することに。仕事だけじゃなく、習い事や趣味、子育てとなんだかんだと一緒にずっとつきあってもらっています。 ちょっと個人的な話で恐縮ですが(個人的でなかったことはあるのかという話はさておき)、ちょうどこのスタジオを始めるころ、私はアルコール依存症になってしまった夫(これまた大学の同級生で瑞穂ちゃんとも同じクラス)と揉めまくって離婚することになってしまうわけですが、そんな時にもそのスタジオの仕事と、このコラムの仕事は続けさせてもらっていて、それが心の支えでした。そのほかにも、着物のイラストの仕事やアドバイザーの仕事などでなんとかやってきたってわけです。 この間、大学生になった息子に「母さんはいろいろ仕事をやっているけど、撮影の仕事は喜んでもらえて本当に意義のあるいい仕事だよね」と言ってもらってなんか胸熱でした。 急に身の上話とかしだして、どうした??? と思われたかもですが、、そんなみずほちゃんと『ムギ畑』で知り合ったクリエイターの仲間たちとチームを組んで仕事をしてきた「フラーレン」というグループが今年15周年を迎えます。このグループに参加した頃はまだ、こんな人生を歩むとは思ってもいなかったのですけれど、気がついたらあっという間の15年でした。 チームといっても、それぞれが独立したフリーランスのクリエイターであり、ゆるく連携をとっている、というかんじなのですが、フリーランスでの仕事というのは基本一人なので、そんなとき同じように子育てをしながら仕事をしている女性たちに、助けてもらったり愚痴を聞いてもらったりできたこの環境は本当にありがたく、なんとか生きてこられた縁のひとつです。みんなには感謝しかありません。 これも、瑞穂ちゃんが「着物が趣味」とプロフィールに書いていなかったら、始まらなかったご縁かも?と思うと、着物よありがとう、と心から思うのでありました。 そんなクリエイター集団フラーレン15周年イベント「ひらく展」が京王線柴崎駅のギャラリーカフェ Gallery&Cafe Warehouse Garden で11月末に開催されます。私と瑞穂ちゃんは、11月30日に「きものを語るお茶会」を担当します。瑞穂ちゃんによるポートレート撮影つきです。着物がつないでくれた二人の着物愛炸裂のお茶会になること間違いなしなので、もしよかったらいらしてくださいませ。 ほかにも素敵なギャラリーカフェでいろいろなワークショップがあります。興味のある方、ぜひ参加してみてくださいね! 宣伝失礼いたしました(ぺこり)