友人たちと『フォントかるた』という、変わり種かるたを作ってから早7年。『フォントかるた』を世界に広めたい!という野望を胸に、昨年に続きフォントかるた制作チームとしてドイツで行われる世界最大のアナログゲーム見本市SPIER ESSENに参加してきました。
日本からもたくさんのゲームメーカーが出展していましたが、私たちはJapon Blandのブースの共同出展コーナーの一員として渡独。昨年はチームの他のメンバーが参加したのですが、今年は大学生になった息子と二人で参加させてもらうことになりました。
41回目を迎えるこのイベントは年々規模が拡大し、今年は世界53カ国から出展者が集い10月3日~6日の4日間で20万人以上が来場。英語ネイティブの方ばかりではないので、なんとかコミュニケーションを取れるかんじですが、私はかなり難ありのため、デモプレイは息子にお任せ。いや~ほんとに若い頃もっと真面目に勉強しておけばよかったと思う後の祭り感すごかったです。息子よあとは頼む……。
1995年にドイツで生まれた『カタンの開拓者たち』というボードゲームにハマってから、このドイツのイベントのことは噂に聞いており、私にとって密かな憧れでした。夢が叶うことってあるんですね。
昨年もメンバーが袴姿(かるた競技版と弓道版)で売り子をしたので、私も袴を持参。襷掛けをして、袴にはかるたの札をアイロンプリント。自己満足ですが、やった感ありありです。もうこれだけが私の使命と言っても過言ではなかった(違うはず)。
会場にはコスプレイヤーもたくさん。日本の作品では鬼滅の刃が人気なようで、炭治郎も3人くらい見ましたよ。その他の着物姿は残念ながらほとんど見かけませんでした。ハイライトとしては、トランプのクイーンとジョーカーコスプレのお二人が、かるたのデモプレイをしてくれたのが最高!でした。カードゲーム国際交流!
フォントかるたは『欧文版』を販売しており、その名の通り同じアルファベットが書いてあるがフォントが違う取り札を、フォント名と解説(ヒント)を聞いて札をとるかるた。
日本ではかるたと聞くと説明しなくてもルールがわかるので、すぐ「よし、たくさんとるぞ!」と腕まくりをする人が多いのですが(?)、海外では『かるた』は知られておらず、その説明から入ります。ゲームとしては単純と思われることも多く、なかなかかるたのおもしろさ、エキサイティングさを伝えきれないもどかしさはありましたが、「フォントが好き!」という方たちには刺さっている手応えが。このあたりは日本のイベントと同じだなと感じました。
欧文版は英語と日本語のバイリンガル仕様になっていますが、EUで販売するにあたり、ドイツ語版とフランス語版もダウンロードできるよう用意したので、基本お客様にはどこからいらしたか伺うようにしていました。もちろんドイツが一番多いのですが、イギリス、ベルギー、フランス、ノルウェイ、フィンランド、台湾、韓国……と覚えきれない国名を聞きました。中には、息子と他のゲームのデモプレイをして楽しかったからと、次の日わざわざブースを再訪してくれ、フォントかるたを買ってくれたウクライナからポーランドに避難してきているという若者もいました。みんなが好きなことを心から楽しめるよう、世界が平和であってほしいと願わずにはいられませんでした。
そして、このイベントでは各国語版が出版され、国際的に活躍されている他のゲームデザイナーさんたちとお話ができるのもまた大変いい刺激になりました。ゲームを購入してサインをしてもらったり‥‥。日本で遊んだこともある大ヒットゲームの作者さんにも会えたりして、感動。世界は広いな~!
とてもとても、よい体験となりました。私にとっては23年ぶり、息子にとってははじめての海外旅行。この円安の中、送り出してくれたチームのメンバーには感謝しかありません……。フォントかるたも世界に翔けますように……。
フォントかるたは、日本のゲームマーケットはじめあちこちのイベントに参加していますので、もしついでがありましたらブースに遊びにきてくださいね! 和文版もかなりマニアックで楽しめますよ!