振袖や訪問着の伊達衿のゆるみを直す方法☆の巻
星わにこ
2019/12/25 00:00
今年も残りあとわずか! クリスマスも平日でなんだか慌ただしく目を回しながら年を越しそうな予感しかないわにこです。
でも!お正月になれば、晴れ着。そして成人式の振袖と、華やかな着物を着る機会もあるのではないでしょうか。
そういった晴れ着に使われることが多い「伊達衿」。いつもの訪問着や付け下げ、色無地に足すとあら不思議。胸元が華やかになってフォーマル度がぐっとアップしますよね。
振袖には1本挿したり、2本、3本と重ね付けすることも多い伊達衿。伊達衿大好きな私は、十二単風に5本で着付けたりもすることも。5ミリくらいの幅で、一筋色が入るだけなのですが、意外と効きます! 八掛の色が結構効くように、よいポイントになります。
淡い同系色をあわせれば上品に、反対色を合わせればアクセントに。
色あわせも重要なポイント。例えば同じ赤でもちょっとした色の違いで着物がパっとしたり、くすんだりするので、気がついたら伊達衿がちょっとしたコレクションのように増殖してしまっております(阿呆)。
そんな素敵な伊達衿ですが、実は座ったり立ったりしていると、ちょっと緩んできやすいです。こうなると、せっかくのポイントが台無しに。
一番いいのは姿勢を崩さないこと。猫背にならないように気をつけていると、あまり胸元は緩まないのですが、それでもちょっと緩んで来ちゃったな‥‥と言う時に、緩みを直す方法がひとつあります。
それは、コーリンベルトのクリップを上から押すこと!
伊達衿を使う着付の場合、押さえる意味もあって、コーリンベルトというクリップがついた着付小物を使うことが多いです。コーリンベルトを使って着付けた場合、クリップで、衿と伊達衿を挟んで押さえてあるので、衿が緩んで浮いて来たら、帯の中のコーリンベルトのクリップ部分を探して、上からぐっと押すと衿の緩みがなおる、というわけです。
このクリップがある場所は左右の脇から10~15センチくらい(イラスト参照)。帯の上から指を入れると、あばら骨のあたりに固いものがあるはずです。それを指でぐっと押す。結構押すのに力がいるので、指で押せない場合は、扇子やなにかちょっと固いものを差し込んでぐっと下に押し下げると、衿の緩みが押さえられます。(ペンなど使う場合はインクが着物や帯につかないようめっちゃ気をつけて下さい!!)※コーリンベルトを使ってない場合は、この方法は使えません。
伊達衿を挿して着物を着たら、この裏技をちょっと思い出してください。
でも着物を着た時一番大事なのは姿勢。どんなにキレイな着物でも、姿勢が悪いとしょぼぼーんです。胸をはって、素敵な晴れ着姿を楽しんで下さいね。
今年も拙いコラムをお読みいただき、本当にありがとうございました。皆様どうぞよいお年をお迎え下さい。
お正月は家族で着物を!パパ着物もカッコイイの巻
星わにこ
2019/12/18 00:00
あーー今年ももうすぐ終わってしまう! 気ばかり焦ってしまう師走です。4年ほど前から、成人式や七五三など記念写真撮影の着付のお仕事をさせていただいています。家族全員が揃う年末年始は実はご予約が多いのです。
成人式は、男子の凛々しい羽織袴の記念写真も結構多いのですが、パパの和服はほとんど見ません。家族写真で主役やママが着物でもいつも「なぜお父さんだけがスーツなのか」というのが疑問でした。
そこで、お父さんもぜひ和装で! と提案してレンタルを始めたところ、ぽちぽちと着てくれるパパが現れ、今では家族写真撮影のときの半分くらいが羽織袴姿をチョイスしてくれるようになりました。
これが、かっこいいんですねー。
だいたい、着物はよくお召しになりますか?と聞くと、結婚式以来です、とか七五三以来です、とか中には着た記憶がないですとおっしゃる方も。でも、これが似合うんですね~。
実はスーツって、西洋人体型が一番似合うようにできているんですね。逆に言うと、着物は日本人体型に一番合うようにできている。のでので、着物は日本人に一番似合うな~と実感しています。
この冬、七五三、成人式、結婚式とそれぞれのお父様の紋付袴姿の着付をさせていただいたのですが、若くても、年を重ねても、かっこいいのが紋付袴だなあ~としみじみです。
着たことがないものを着るのは、ちょっと勇気がいるかもしれませんが、こういう時にぜひ着てほしいなと思います。最近の着付の課題は正装のときの補整。男性も紋付のときにはちょっと補整を入れるといいかんじになるなということ。お腹まわりだけでなく、胸元もちょっと入れると紋がしっかり出るのですね。女性と同じだけど、体型が違うのでもっと勉強が必要だなと痛感しているところです。
お正月は、家族で着物で迎えるのも素敵ですね。正装とちがってもっと気楽にチャレンジできるとよいと思います。紬やウールもいいですね。タートルネックのセーターやパーカーの上に着物を羽織るミックススタイルから入るのもいいかもしれません。
私もお正月は着物で!という夢があったので、結婚してはじめてのお正月、相方にウールの着物を着てもらったのですが、そのときステテコという秘密兵器を知らなかったため、着物って寒いからやだ、と次の年から着てもらえなくなってしまいました。トホホ。
先日、中学生の息子がパーカーとスパッツの上に着物を着ていましたが、なかなかいいかんじでしたよ。銀魂とかに出て来るキャラみたいでした。あったかくするとか、着たときの快適さや楽さの工夫も大事かと思います(^^;)。そういう姿で、帯の位置とか、袂のさばきかたなんかに慣れると、どんどん所作もかっこよくなりますよね。
ただ着物もまた、昔の着方のままでなく、新しい着方、新しい所作がスタンダードになってくるのかもしれないなあ~と思ったり。
結局なにが言いたいかと言うと、おしなべて日本男子はめっちゃ着物かっこいいので、もっと着物を着て!というお話でした(えええ)
年末セールでオススメ防寒グッズを探せ!の巻
星わにこ
2019/12/11 00:00
もう12月も上旬が終わり‥‥ってマジですか! 気がつくとあれもこれも積み残し‥‥気ばかり焦る師走。クリスマスのイルミネーションを見ると、毎年クリスマスの帯が欲しいな~と思いながら、パーティの予定もないしなあ、とまた今年も暮れていきそうな予感満載のわにこです。
しかし! 世の中は年末大バーゲンのシーズンでもございます。見ればついつい欲しくなる(笑)。今、いち利モールでは年末セールとあったかセールが重なってる時期!(15日まで)。1年がんばったご褒美に、なーんて言い訳しつつ物色している自分が危ないのは重々承知ですが、こういう時こそ後回しにしがちな小物やインナーに注目してみました。オススメの防寒グッズをご紹介です!
防寒でなにはなくとも着物の冬に欠かせないというくらい愛用しているのが足袋インナー。足元の冷え防止に必須なのです。ちょっとお色気には欠けますが(笑)スパッツなどを履くより、断然足元の寒さを防いでくれます。
私の愛用はこちら
足袋下ハイソックスのオークルベージュ
ちょっと厚めなので足袋は少し余裕のあるサイズにするのがおすすめです。もうちょっと薄い色もあるのですが、不思議とこの濃いめの色がチラっと見えた時に目立たない。あと絹のおかげか静電気が気にならないんです。
そんなに寒くないときはこちら、足袋インナーロング『ヒート+ふぃっと』。薄手なので足袋サイズも気になりません。薄手だけどよくあるストッキングタイプより断然あったかです。お値段お手頃な上に今セールかよ!(ポチッ)
チラっと見えた時やっぱり靴下が見えたらやだな~という方には足袋そのものが暖かいタイプか、足袋部分だけのインナーがおすすめです。
それから意外と冷えるのが、肘から二の腕。
ヒートテックなどを着込んでしまうと、これがもう脱げなくて暖房の暑いところで辛かったりするので、着脱できる着脱できるロングタイプのアームカバーがオススメ! ヒート+ふぃっとシリーズでありました。
白も可愛いけど、黒やグレーがコートに馴染んで洋服でも使いやすいので濃い色目もほしいところです。
首元はショールで。大判もいいのですが、冬は小さめのもので、コートの中にインしやすいものか、モフモフのファータイプを愛用しています。首を完全にくるんでしまうババスタイル。だって寒いんだもの(しくしく)。
ここまで書いて来て、すっぽりと体を覆う着物の中でチラ見えして美しい、首、手首、足首を完全に覆うスタイルだなと気がつきました(笑)。そのあたりの美学はそれぞれですよね。私はもう、首を出して歩いたら一発で風邪をひくのでがっつり覆う派です。
足袋下ハイソックスも、足袋が厚くなることで、草履の鼻緒が緩むからと履かない方もいます。私自身はそんなに気になったことはないのですが、このあたりもやはり美学というかこだわりですよね。
着物は、普段に着る分には洋服と変わらず、その人の好きに着ればよいと思うのです。そして、ここだけは譲れない!みたいなコダワリやスタイルも、それぞれだと思います。
自分の心地好いスタイルで、あったかい冬をお過ごしくださいませ。
あとはセールのときに肌着などを買って、お正月に着始めるのも気持ちが改まっておすすめですよ~。ちょっとくたびれてきたな、なんてものがあったら、今年のうちにさようなら。スッキリと新年を迎えたいものです。
着衣始め(きそはじめ)といって、お正月に新しいものを身につけるのは昔からよいとされてきました。
そうなるとやっぱり着物もねえ‥‥っと危ない危ない! 見るだけ見るだけ!(笑)でもめっちゃお安くなってる~!なんて誘惑と戦うのも楽しみ。年末のこのシーズン、お正月準備もお忘れなくです!
帯締めの房カバーに付箋紙が使える!の巻
星わにこ
2019/12/04 00:00
七五三、振袖の前撮りなど着付仕事が忙しいこのシーズン。お持ち込みの着物を着付けることも多いのですが、時々アッ!と目からウロコがボロボロ落ちる技に出会うことがあります。
今日は、帯締の房を驚きのあるモノを使ってカバーしていらした方の技を紹介いたします。
それはなんと、付箋紙。帯締の房は実は私もいろ~~んなものを試してああでもないこうでもないと試行錯誤してきました。
和紙でくるんでテープでとめるやり方ですが、付箋紙ならばもうちょうどいい長さにカットされていてしかものりがついているという‥‥トレビアン!!
写真左がお客様のもの。振袖用なので、大きめのスクエアサイズ(75×75mm)の付箋紙でした。
右がわにこのもの。普通の帯締めなので50×75mmのものを使っています。普通の房だったらだいたい5センチくらいで収まりそうです。
試したところ、のりはしっかり止まった方がいいので、強粘着タイプがおすすめです。弱粘着タイプだとはがれてきてしまいました。
また、通常よく使うサイズの付箋紙だと房は1つ1つ包むのでないと大きさが足りないので、2つまとめてくるみたいもののためにしばらく大きな付箋を探すモードに入りそうです(笑)よく売っている大きいサイズのものは、長辺にのりがついているので、短辺についているものが欲しい! また見つけたら報告しますねー。
目ウロコのアイデア、お試しください。