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雨の日の着物。裾はウエストベルトで持ち上げて!の巻

星わにこ
2019/07/17 00:00
 心から、お日様が恋しい日々が続いている梅雨の時期。涼しいのは有難いんですが、洗濯ものも困っちゃうし、じめじめすぎて頭からキノコが生えてきそうです。早く梅雨明けしませんかねー。  先日、雨の日にちょっとしたパーティがありまして、着物ででかけた私ですが、「今日は雨だから、着物やめちゃった」という人が何人もいて、ちょっと残念でした。  私の場合、着物以外にそういう場に着て行くものがないので着物を着る選択肢以外ないわけなのですが(爆)、着物が濡れたら困るな、雨コートはどうしよう、暑いかな、雨草履もないし‥‥となると、着物を着ること自体をやめてしまうという気持ちはよくわかります。  もう、多少の雨なら図太く外出してしまうようになった私の、基本雨対策はこんなかんじ。 >正絹着物でもできる雨の日対策  ほとんど変わってはいないのですが、アップデートとしては、着物をめくりあげるときに使う腰紐は、着付クリップで帯にとめちゃう方式もオススメ。大雨の日は撥水モンペを履いてしまう手もあります。  でも最近、ウエストベルトをつかって、ちょっとだけ上げる方式というのをキモトモに教えてもらいました。  着物をめくりあげる方式は、裾がよごれなくて安心なんですが、めくるとき、下ろすとき、人前ではちょっと恥ずかしいですよね(^^;)  ウエストベルトを、ヒップのあたりに着物の上からセットします。ウエストベルトの上から好きなだけ裾をひきあげればOK。その上に雨コートを着てしまえば、裾が短くなっているのも見えません。コートを羽織ってから前を合わせる前に、裾の調整をすると、トイレに行かなくてもささっと身支度できます。  裾を下ろすときも、ウエストベルトをとればそれでOK。コートの紐をほどいたら、脱いでしまう前に、さっと外せば元通りなので、とてもスマートですね。  ウエストベルトは、本来腰紐の代わりに使うもの。平らだし結び目もできないので、おはしょりが短めの着物の時など重宝します。実はゴムがあまり得意でないので買ったけど使ってなかったのですが、雨の日に使えるようになって嬉しいわにこです。梅雨時だけでなく1年中使えるテクニックですので、覚えておいてくださいませ(^^)

帯揚をし忘れて出かけたら!?の巻

星わにこ
2019/07/10 00:00
 梅雨で気温が上がらないので、あまり夏着物を気張って着ているという感じは少なくてそれはそれでつまらなかったりしませんか(我がまま)。  さてこの頃ちょっと自分がヤバイんじゃないかと思う出来事が。信じられないことに先日「帯揚をしないで外出してしまった」という失敗をしてしまいました。  あわてて出かけて、電車に乗って、ふっと帯に目を落とすと、あれ?まくら紐が丸見え‥‥って、えっ、えっ!!  着物人生長いわけですが、帯揚のし忘れは初めてです(@@) こんなときのために、バッグの中に予備の帯揚があるわ!な~んてわけはあるわけなく‥‥。幸いストールを持っていたので、ストールで帯まわりを隠しつつ移動‥‥。そのまま打ち合わせを行い(えっ)、次に移動する時になんとかしようと画策。  なぜこんなことが起きたかというと、わたしは帯揚は、帯枕をしてからあとからかける派だから。帯枕にゴムなどでかけておくより、帯揚がねじれにくいので綺麗に結べるというのが理由です。でもこれ、結構忘れがちで、お太鼓を作ってしまってから、あ!忘れた!とあとから帯揚を差し込むことも時々あったりします(^^;)  でもまさか、それも忘れて外出するとは~~~!! 自分でもびっくり!  確かに、帯締めと違って、帯揚自体はしなくても帯結びができないということはないのですよね~。。。帯締めについては、樹木希林さんが海外の映画祭で着物を着るのに帯締めを忘れて、ホテルの電気ポットのコードを使ったという有名なエピソードがありますが、帯揚のし忘れは、聞いたことがない‥‥。  前から見たときは、帯揚がもぐっている場合もあるのであまり気にならない?かもしれませんが、帯枕が丸見え‥‥。でもまあ、手間も省けるし、帯枕の紐に色をつければいいんじゃない? そしたらもしかしたら流行るかも!?な~んてことはなく(汗)   本当はちょっとそこのデパートで帯揚を買えばいいわ!というのができればいいのですが、先日ちょお~っとお買い物をしてしまっておサイフはピンチ! どうしよう?と思って、前にスカーフを帯揚にしたことを思い出しました。  そうだ~ちょっとお安いスカーフがあればそれで急場はしのげる! 100円ショップで以前手に入れたサマースカーフは今でも重宝してるので、早速Googleさんに「近くの100円ショップ」と聞くと、500メートル先にあるではないですか。早速向かってみると、大手チェーン系ではなく独自色の強い店の前に造花がブワ~っと飾られているタイプの100円均一‥‥でも他にはかなり離れたところにしかない‥‥。  やはり、サマースカーフはなく、手拭でもどうしようもないし‥‥どうしようか‥‥と思ったところ、私の目に飛び込んで来たのは‥‥  ジャーン! レースのカフェカーテン(ドラえもん風に)  サイズをチェックすると120センチ×40センチ。標準的な帯揚のサイズは160センチ×30センチくらいですから、コレ、いけんじゃね? と早速ゲット。  早速移動して、つけてみました! カフェカーテンなので、真四角ではなく、端っこがレースの形にカッティングされているのでそこは中におりこみつつ、なんとか装着!  ぎりぎり結んで先をまっすぐおろせばなんとかなる長さ。もっと細身の人は楽勝でしょう。友達に見てもらったら、「えー! あ、なんとかなってるね(大笑)こういうレースの帯揚って、新鮮! おしゃれかもよ?(爆笑)」と滅茶苦茶うけてくれました(トホホ)。笑いながら写真をとってくれたので、証拠写真です(爆)。  要は帯揚サイズの布があればなんとかできる!ということですね。とはいえ。  この間の背縫い事件といい、今回といい、なんだか私、自分が不安です‥‥。これが老化っていうことなのかしら!? 認知症の始まりなのかしら‥‥? いえいえ、着物を着ることに慣れてきて、前の日からきちんと着物や帯をチェックして準備したりコーディネートを考えたりしていない時に限ってこういうことが起こる(ですよね、ですよね、そうだと言って!)。  一方、やった!コラムのネタになるな!と喜ぶ自分がいるのは内緒です‥‥。  そうこうしている間にもう7月半ば。今着る夏着物はもちろん、次の単衣~袷のシーズンに向けて、もう一度着物のコンディションチェックをすること。コーディネートは前日考えて準備!(当日変更可)ということで、朝、そこらへんのものをひっつかんで着物を着るのはやめよう‥‥と反省した次第です(爆)。  まあ、私が帯揚をしていようとしていまいと、誰も見てないとは思うのですが、これって自分の美意識の問題ですよね(反省)。私のような人はあまりいないかもしれませんが、もしお仲間がいらしたら、一緒にがんばりましょう‥‥orz

Kimonoってなんだろう?キム・カーダシアン商標登録騒動に思うの巻

星わにこ
2019/07/03 00:00
 先週6月25日のことです。アメリカのタレントで実業家のキム・カーダシアンさんが自らの矯正下着ブランドの名前を、自分の名前にちなんで「KIMONO」と名付け、商標登録も申請しているというニュースが流れました。この動向について、一着物ファンが思ったことを書いておきますね。  私は最初、フェイスブックのタイムラインに流れて来た投稿でそれを知りましたが、キム・カーダシアンという女性がどんな人なのかも知りませんでした。でも、ニュースを読むと実業家でミュージシャンのカニエ・ウエストのパートナー、そしてインスタグラムで1億4000万以上のフォロワーを持つド級のインフルエンサーとのこと。なにその数字。  まあ、少なくともそれだけの人がその動向をフォローしている人が、「自分のブランドはKimono」というわけですから、日本の着物を知らない人は「KIMONO=下着のブランド」という認識をすることになるわけですね。そしてアメリカで商標登録されてしまうと、アメリカで「これはKIMONOです」と言って着物関連の発信や販売もできなくなってしまうということで、それは大変! と大騒ぎに。  今まで#kimono と検索ワードを入れれば、様々な日本の着物の写真が見られたインスタグラムでも、今後は下着の画像がずらりと並ぶ可能性もあるわけです。早速 #KimOhNo というハッシュタグが作られ、日本の着物はこういうものです、とそれぞれが思う、着物の写真がアップされはじめ、その数は7000以上に。署名運動などのRTも回ってきて、様々な人が様々な意見を述べていました。  またすでに会社名「Kimono Intimates」で商標を取得、ブランドで「kimono.com」というドメインも取得してサイトが立ちあがっており(7月1日現在アクセス不能になっています)、このままだとkimonoで検索すると、最初にブランドがヒットし、「あ、矯正肌着のブランドのことなのね」というサーチ結果になってしまうことにもなりかねない状況。  SNSでの批判があったものの、最初は15年間あたため準備してきたプロジェクトなので、名称変更する予定はないと言っていたキム側も、収まる気配のない炎上、反対の声や京都市長などの声明を受け(返信はないようですが)、7月1日に「名称変更します」と声明。詳細は後日発表、ただし、商標登録申請の取り下げには言及していないので、まだまだ動向からは目が離せませんが‥‥。  これが1週間以内に起こってしまう、SNS時代のスピード感ってすごい。しかも、個人の声が直接本人に届くことも、また集合体となったときの意見の大きさも無視できないものということが示されました。  ちょっと残念だったのは、「矯正肌着なんかに名称を使ってほしくない」「下着と一緒にするな」などという矯正肌着を貶めるような発言もちらほらみられたことでした。  最初に発表された、人種や肌の色にあわせて作られたボディラインをひきたたせる矯正肌着の写真を、わたしは美しいと思って見ました。それにKIMONOという名前をつけることの是非はおいておいて、です。  美意識は様々で、着物のようにボディラインを隠す衣裳を美しいと思う人、ボディラインを強調するドレスが美しいと思う人、様々だと思います。このあと、キム・カーダシアンさんがどんな名前を発表されるかわかりませんが、圧倒的な肉体美を持つ彼女に憧れる人たちが、ハッピーになれる矯正下着を作っていかれたらいいなあ~と思います。まあ、私には関係ないわけですが、こんな日本でボ~っと暮らしているだけのおばちゃんにも、キム・カーダシアンという名前が記憶に刻まれた点では、炎上商法大成功とも言えるのかもしれません。  言霊ってよく言いますけれども、今回のことで、「名称」の大切さを改めて感じるとともに、着物の良さを、今着物に携わっている人や着物が好きな人だけじゃなくて、日本は勿論、世界中のいろんな人に改めて知ってもらえるきっかけにもなったのではないかなと思っています。私も、改めて「自分は着物の何が好きで、何を美しいと思い、何を愛しているのだろう」と考えさせられました。それは、皆さんそれぞれの答えがあるのだと思います。  これからも「Kimono」と言ったら、日本の民族衣裳だなと、そしてその美しさを感じ、また実際に楽しんで着る人が増えてくれることを願います。