先月のオハナシです。私、かねてから一度行ってみたかった宮城県気仙沼市に初上陸いたしました。行ってみたかった訳はというと、そこにはあの「たかはしきもの工房」があるからです!
気仙沼出身のキモトモ(着物友達)が教えてくれた「満点スリップ」がきっかけで、三年前にいち利モールのイベントへ女将の話を聞きに行き、以来すっかりたかはしファンのわにこ。愛用の和装小物たちがどんなところで生み出されているのか、一度見てみたい!とずっと思っていました。
今回は取材ということで、特別に満点スリップをはじめとする、たかはしのアイデア和装小物を縫製している工場にお邪魔させていただきました。
まずは本店に伺うと、お店のスタッフさんが笑顔でお出迎えしてくださいました。お店の外観はこんなかんじ。じゃーん!
写真撮らせてくださーい!とお願いすると素敵な女将のちょー笑顔!! なんでしょうかこの可愛らしさ! 私もつられてちょースマイルでございます。
そしていよいよ店内へ! わにこの妄想では、たかはしの和装小物がズラリと並んだ店内を想像していたのですが、前面にはあまり並べられておらず、ちょっと素敵な洋服やバッグやスリッパも置いてあったりして、その奥に着物があるような、とってもきさくな店構えでした。
しかしてその奥の事務所では‥‥パソコンを操るスタッフさん、全国へ出荷作業をしているスタッフさん、工場から製品を運んで来るスタッフさん‥‥皆さん忙しく立ち働いています。
お店から車で約10分、工場へ案内していただくと、新しい建物の中で女性たちがきびきびと働いていました。震災後、街はすっかり変わり、土地も嵩上げされ、道路も新しくなり‥‥そんな中で設備を整えたこの小さな工場(「工房」のほうがピッタリくるかも!)から、あの私たちのおキモノ生活を便利にしてくれるたかはし製品が生まれているのですね~。
工場のスタッフさんは皆さん気仙沼の地元の女性達。それぞれ得意の行程をいくつか受け持って作業をしています。ちょうど、楊柳生地の裁断をされているところも見学できたのですが、何十枚も重ねた布を型紙通りにカッティングしていく姿は、かっこ良くって惚れ惚れ。ミシン、アイロン、エトセトラ、手際よく、私も使わせていただいているあれやこれやが出来上がっていく様子をみていたらじーんと感動してしまいました。
出来上がった製品は、きちんと検品されて、畳まれ、赤い風呂敷に包まれて、お店へと納品されていきます。そこからまた、注文した人や、お店に届けられて‥‥。
たかはしの製品に感じるあたたかさは、こうやって互いに目が届く範囲で、スタッフさんたちが一緒につくりあげている、その「ものづくり」の気持ちがこもっているからなんでしょうか。
そんなことを思いながら、お昼ごはん(無論、秋刀魚焼き定食です!)を食べていると、窓から気仙沼港にキレイな虹がかかっているのが見えました!
とてもあの震災の津波があったとは思えない静かな鏡のような水面の内湾。でも、周りにあった家、建物はなくなり、土地が造成されている最中で、巨大な防潮堤も建設され始めており。たかはしのお店にも「ここまで津波がきたんだよ~」という、跡が残っていました。
そんな一言では語れないような大変な状況の中で、女将とたかはしのスタッフの皆が一丸となって「きものをたのしく、やさしく、おもしろく」と、様々な困難を乗り越えて、笑顔で作ってきた、満点スリップをはじめとするアイデア小物の数々。便利でラクなのはもちろん、作られている現場を見てより一層、好きになりました。
着物もそうですが、作っている人の顔が見えるというのは、安心できるし、大切に思えます。どこでどうやって作られたかとか、作り手さんの気持ちとか、職人さんのコダワリとか‥‥。ものづくりの現場を見て納得することは、ものへの愛情もまた、深めてくれるのだなあと感じた気仙沼の旅でした!
<写真撮影:渡部瑞穂(昭和な家)>
いち利モールのたかはしきもの工房ページはこちら
https://ichiri-mall.jp/shop/r/rtakahasi/?display_count=72