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妄想お花見コーデ☆この際、桜になりきろう の巻

星わにこ
2015/03/18 00:00
 春うらら、なんて言葉を思い出すようなお天気が続く東京です。先週は、桜が綺麗だったよ!という言葉に誘われて、装束着付術勉強会の皆様と椿山荘までお散歩に行ってみました。  神田川沿いの江戸川公園を埋め尽くすソメイヨシノはまだまだ先ですが、目白からのお屋敷街の梅を眺めながら椿山荘のお庭に入ると、緋寒桜、寒桜、阿亀桜に河津桜と、あちこちで満開になっている早咲きの桜が。気持ちまで花開くようです。  その桜を背景に結婚式の皆様が記念撮影をされていて、白無垢の花嫁さん、留袖や振袖の親族の方々の美しさにため息がほ~ぅ。特に振袖の帯結びをついついガン見しそうになってしまうわにこ、自制心を保つのが大変でございました(落ち着け)。  椿山荘のロビーで、桜と苺の限定ケーキセットをいただいて春気分満喫。  その後は、池袋に移動して勉強会の新歓でさくら肉をいただいて乾杯。一足早い、桜さくらの桜尽くし。なんか、大人になったなあ、なんて思う一日でございました。  これから春本番! ソメイヨシノの開花が待たれますね。お花見コーデはどうしましょう。いち利モールの試着室でまたまた妄想してみました。 http://bit.ly/18zoSqG  桜模様もいいけれど、花だけならいつでもいいけど枝が入ると時期だけ、花が咲いたらもう着られない、いやいや咲いている間はオッケー、日本の国花だからいつでもオッケー、などなど兎角いろんな意見に悩まされがちな桜の模様、えーい!と模様はやめて、色で勝負!  桜色の結城紬に、木肌と桜を連想させる絞りの帯、灰桜色の半衿と帯締めをして、幹の茶色の帯揚だけに桜吹雪を散らしてみました。  花の模様がなくても、桜コーデの出来上がり♪ まさに自分が桜の木になった気分で!(どんだけ妄想)  桜色のタッセルの帯飾りなどしても気分が盛り上がりそうです! 桜コーデでお花見、楽しんでくださいね!

袴について考えた。もっと袴を楽しもう の巻

星わにこ
2015/03/11 00:00
 卒業シーズン! ご卒業の皆様、本当におめでとうございます。思えば4年前は、大震災の影響で卒業式が中止になったり、延期になったり……。何事もなく、平穏に卒業式が行えることは改めて有難いことだなあと感じております。  こういった式典で着物を着るのは気持ちが改まってまたよいものですね。卒業する方も、見送る方も、また保護者も。  卒業式での和装の定番といえば「袴」。今年は、友人のお嬢さんの卒業式の袴の着付を頼まれてドキドキワクワクしています。  先日は母校の生協に立寄ったら卒業式を前に、たくさんのレンタル袴のパンフレットが積まれていました。レンタル、着付、記念写真つきでいくら、というようなパックが主流なんですね。利用すればラクラク便利そうです。そして、掲載されている着物と袴がキラッキラなのに、改めてびっくり!!  自分のときは成人式の時に誂えた鮫小紋に、母が用意してくれた紫の無地の袴でした。周りもだいたいそんなかんじだったので、パンフレットの大柄の華やかな二尺袖小紋もしくは振袖に、刺繍&グラデーションの袴に目がチカチカ。盛り盛りすぎて、せっかくの若いお嬢さんの美しさが埋もれてしまいそうでもったいないわ~とおばちゃんは思ったりするのでした。  でも、こういう盛り盛りとキラキラが似合うのも若さならではなんですけどね。礼装の範囲を外れなければ、いいんだと思います‥‥が!! こういうレンタルパックが主流なのだとすると、ニュースで話題になっていた「卒業式での和装禁止」というのも、うっすらと理解できるような気がしました。  せっかくの民族衣装、時代に合わせて変化して行くものとはいえ「着物=華美=贅沢=式典では禁止」みたいな図式になってしまうのは悲しすぎ。昔と違って初めて着物に袖を通す人だっているわけだから、提供する側も、和装の良さを伝えるという役割も少し考えていただきたいな~と成人式に続いて、思ってみるのでありました。  さて。表題のオトナの袴ですが……本来は袴は男性のもの。女性の袴は平安以来宮仕えでしか着用されなくなっていたのが、明治になって宮中の外出着して採用。その後、女学校で女子学生が活動しやすいようにと考案されたのが現代の女袴です。  また、学生だけでなく、先生も着用されていますね。袴には別に年齢制限はないわけです。  袴=女学生という図式にとらわれないで、袴姿がもっと普及してもいいのになぁと思います。  袴をはく時は着物を短く着付けますから、裾さばきが格段に楽になりますし、草履じゃなくてブーツや短靴(パンプスもOK)なんですよ。かなり活動的に動いても大丈夫で便利なものなんです。  でもやっぱり袴で外出するのはためらわれる年齢のアナタ(私のことですね、わはは)。実は卒業式シーズンはオトナの女性が袴をはいて外に出ても「先生かしら」程度でお目こぼし(笑)いただけるので、袴をはいて外出するチャンス! 慣れて来たらその他のシーズンにもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。  そんなワタクシですが、昨年より女子袴普及部の活動に参加しております! 実はまだ外出叶っておりませんが、先輩方が袴姿で街を闊歩されている姿は年齢不問でかっこいい。先入観にとらわれて、袴を楽しまないなんてもったいないという気持ちになって参りました。もっと袴を。  式典では着ませんが、普段着としての袴には羽織もとっても似合うんですよ。  この3月は、袴での外出を目論んでいるワタクシです!! 無論、袴は無地でございますが(爆) あとは、袴を仕舞う紐の結び方を覚えなくては(><)何度やっても説明書を見ながらじゃないとできないんです‥‥。美しい紐の始末の形、マスターするぞ!  生きているうちに、やってみたいことは何でもやってみよう! なんて気持ちになっている、春間近でございました。

おきものチャリティバザールのおはなし の巻

星わにこ
2015/03/04 00:00
 もうすぐ3月11日。4年前、皆さんはなにをされていたでしょうか。私は休みをとって、午前中に家族でずいぶん遅い七五三の記念写真を撮影し、午後、子どもと二人で家にいるところに2時46分がやってきました。  続々と届く被害状況の大きさの情報に驚き、節電で暗い街中と余震に怯えた日々は思い出すと胸がつまります。東京で、被害はさほどなかったにも関わらずこんなにも気持ちが塞がれるのに、被災された皆さんの気持ちを思うと言葉を失います。失われた命は戻ってこないし、そしてまだ解決していない問題も、復興も、道のりの途中なのです。  震災のすぐ後、所属しているクリエイターグループでグッズを作って売上をチャリティにしようという話が持ち上がり、手仕事で作ったグッズをネットで販売しました。不安な気持ちの中で、やることを見つけて、動いた事は自分たちの気持ちも落ち着きましたし、ほんの少しでも、被災地の役に立てればと始めたことでした。  その後、形を変え、場所を変え、その時に参加できるメンバーで続けて来たチャリティイベント、8回目を迎える事になりました。いよいよ今週末金曜日から「WASRENAI2105」と題して、友人と共同運営している東京・中野の新井薬師前「昭和な家」での開催となります。今までで一番たくさんのクリエイターさんが参加してくれることになり、ワクワクしています。  私のできることが、好きな着物に関連したことということで5回目と7回目は、着物のチャリティバザール(略してきもチャリ)でした。不要な着物を寄付していただき、販売して売上を寄付する。手探りで始めましたが、着物好きの皆さんの気持ちに支えられ、開催することができました。  今回は、6日にプチきもチャリとして、少しだけワンコイン着物などを販売します。それから8日には変身☆写真館として振袖で写真をとるお嬢さん(昔のお嬢さんも含む)の着付を手伝います。  過去のきもチャリを思い起こしてみると「やってよかったな」と思える事がたくさんありました。  売上が被災・津波遺児の未来に役に立ててもらえるのはもちろん、箪笥の肥やしの着物たちが、日の目を見ることができるし、なにより、皆さん自分に似合う着物をちゃ~んと見つけ出してきて、鏡の前で羽織ったときのその笑顔が見られるのが本当に嬉しかった!  自分の好みで「この着物はどうかな?」と勝手に思っていた着物にも、ちゃ~んとピッタリの人が現れるんです。本当に、不思議なんですよ。昨年秋のきもチャリでも、最終日に「とっても若向けの着物と喪服が結構残っちゃったな‥‥」と思っていたら、和太鼓をやってます!という若いお嬢さんが現れて、お似合いの着物達をどっさりと。喪服はスキンヘッドの美女が洋服の上にチャチャッと羽織って「いただくわ!」とお嫁にもらってくださいました。それがまた、喪服には全く見えず、黒がとってもファッショナブルで惚れ惚れ。  どんな着物にも、似合いの人が待っている! そう思いました。着物もとっても嬉しそうで、見ているスタッフも思わずにこにこ。  着物って不思議なもので、皆似合うものが全然違うのですよね~。同じ形のものなのに、着ると個性が鮮やかに浮き上がってくる。  チャリティというと、いろんな考え方があって、自分でも、果たしてこれは役に立っているのかな? ただの気持ちの押しつけでは? イベントをするよりも、直接稼いだお金を寄付したほうが早くない? 偽善? など色んな考えが頭をよぎりますが、自分が生活している場所で311を忘れないで、できることをしていこうという気持ちを,参加してくださる皆さんと共有できたらと思って、自分にできる範囲での参加を続けています。無理をするより、長く続けられるほうがいいと思うからです。  忘れないで、支援の活動を続けている方は全国にたくさんいます。同じ今週末に、大阪で続けられている「東日本大震災チャリティきものバザー」があります。キモトモが毎年スタッフとして参加されていますが、ボランティアでこれだけの規模のイベントを続けられていることに、本当に頭が下がります。そして、着物好きさんたちのパワーを感じます。 http://kimonobazaar.blog.fc2.com/  お近くの方はぜひ、足を運んでみてはいかがでしょうか。好きな着物をゲットして、チャリティにもなったらなんだか嬉しいですよね。  もうひとつ、震災後は余震もあって着物を着る事がためらわれるような空気がありましたね。オトナの振袖♪ なんて遊びができるのも、平穏無事な毎日でなければできないことなんだなと、改めて感じています。そしてそんなことで、無理矢理だって笑顔でいるうちに、本当に笑える日が、絶対来ると信じています。  年を重ねてきて、生きるということはいいことばかりではないし、時には「どうしてこんな目にあわなくちゃいけないのかな」とこぼしたくなることもあります。でも、皆多かれ少なかれ、辛い思いや傷を抱えている。生きている限りは生きていかねばならないのだから、ワハハ!と笑い飛ばしていけるように、強くありたいとこのごろ思います。なかなか思うようにはできない、ヘタレな私ですが……。  また今回のフラーレンのイベントは、着物チャリティは金曜日のみですが、連日素敵なグッズやワークショップが盛り沢山です。興味のある方がいらしたらぜひ、遊びにきてくださいませ。  わにこも会場で、お待ちしております\(^O^)/ http://f-ren.com/pray-for-japan/wasurenai2015/

「染の小道2015」開催!のれん染色体験しました\(^O^)/ の巻

星わにこ
2015/02/25 00:00
 急に暖かくなり、自転車を走らせていると梅のふくよかな香りが漂ってきて、春を感じる今日このごろ。三寒四温といいますが、気温の上下を繰り返して本格的な春がやってくるのでしょうね。  そんな早春の今週末、染色産業が盛んな新宿区中井で恒例の「染の小道」が開催されます。昨年は、紅型染めのチャレンジしてのれんを制作したり、いち利モールさんのイベントでも皆様と散歩させていただいたり、楽しかった! 皆さんのお着物姿が、街に溶け込んでいました。着物が似合う街、中井です。 http://ichirimall.ldblog.jp/archives/37327996.html  今年は個人でのれんの制作はしなかったのですが、昨年のワニのれんは、のれんアーカイブとしてギャラリーさくらさんに飾っていただけることになりました。  また、「百人のれん」として、染めの体験ができる講座が毎年秋に開催されています。今回は昨年の秋に友禅の制作過程を東京友禅会の皆様のご指導で体験させてもらいました! のれん作家さんだけでなく、このように体験講座での参加もできるのが嬉しいところ。  友禅は手描き。お絵描きは得意でしょと言われましたが、なかなか思うように線が出ません。まずは糊置きといって、予め描いていただいた下絵を糊でなぞって行きます。ビニールでつくったホイップ絞りのような形の小筒に糊を入れ、先を切って糊を絞り出します。これが均等な太さで出すのが難しい! 細くても防染の役割を果たさないし、太くても美しくない。プルプルと線が震えてしまいました(汗)  この糊を置いた部分は染まらないので、それ以外の部分に色を挿していきます。全体の色のバランスを見ながら、薄い色から挿します。染料を混ぜ合わせて好きな色を作るのですが、色の濃さは水で調整します。混ぜる水が多いと「はしり」といって水シミのような輪シミができてしまうし、濃すぎても塗りにくい。  糊を置いた部分は白く抜けるので、それも想像しながらの色挿しです。ザ☆無難野郎の私は、実際の花の色を想像しながら挿しましたが、他の方は北欧風あり、想像の花風あり、同じ下絵でも全く違うものができていくのが面白かったです。  糊落としや蒸しなどは先生方がやってくださって、受講生は染める楽しさを味わって、ということで、ひたすら色を選んでわくわくしながらの作業。最後には、金や銀でアクセントを入れました。デモンストレーションで、色とびした部分に金粉をまいたり、失敗した部分に金箔を貼って失敗も美しく仕上げたりという技も見せていただけました。  すこ~し金などの輝きが入ると、ぐっと絵に立体感がでてこれまた面白い。ついみっちり色々欲張ってしまいがちですが、やりすぎはNG。お汁粉に入れるほんのひとつまみの塩のような‥‥(すぐ食べる話にしてすみません)  そういう目で、着物や帯を見てみると金銀、刺繍などがさりげなく、本当に絶妙なバランスで入れられて、模様をひきたてているのですよね。日本人ならではの、美的感覚だなあと感じ入りました。  今年もまた、最後に湯のしで作品をべっぴんにしてもらい、皆の作品を縫い合わせてのれんに。「百人のれん」の友禅の花、自分もまだその仕上がりを見ていないので、すごく楽しみです!  名前は入りませんが、実はわたくしこの体験染めの絵の桜の枝部分に、ワニさんを騙し絵のように描いちゃいました(笑)。目にキラリンと金が入っています。ぜひ、こっそり隠れているワニさんを見つけてくださいませ!  いよいよ今週2月27日金曜日からイベントが始まります。街の真ん中を流れる妙正寺川では昭和30年代までは実際に、染め物を水洗いしていたのだそう。その風景が甦ったかのように、川の水面の上にかけられる反物が風に揺れる様は本当に美しく、ぜひ見ていただきたい光景です。  また街には97枚ののれんが一斉に飾られ、街全体が染めのギャラリーに変身。様々な染めの作品の中からお気に入りを見つけて下さい。お店にもいろんな特典やイベントが用意されていて、毎日通っても飽きません。このときならではのお買い得品もいっぱいです。  今年は、学生サークル「ちえの小道」がガイドツアーを毎日無料で行っています。見どころをばっちり案内してくれますよ。染色工房では、染めの体験ができたり、展示会場ではファッションショーも。音楽イベントなども開催されますので色んな楽しみ方ができます。要チェック!  中井には赤塚不二夫プロもあるので、運がよければウナギイヌの着ぐるみにも会えるかも!  当日も充実したパンフレットが配布されています。(ちなみにわにこのイラストも使っていただいてます(^^)v 見てね) 私もウロウロしていますので、どこかで見かけたら、ちょっと内気なので(ええ)どうか優しく声をかけてやってください。すごく喜びます!!  ぜひこの週末は、着物で染の小道のお散歩を楽しんで下さいね!

妄想コーデ☆卒業式にお袖の長い色無地をの巻

星わにこ
2015/02/18 00:00
 卒業式シーズンですね。卒業式、謝恩会の華といえば、袴に振袖。振袖はいうまでもありませんが、この時期お嬢さんたちの袴姿は格別ですよね。  女学生といえば「袴」。現在の女性の袴は、明治時代に日本の女子教育の先駆者下田歌子が海老茶色の袴を考案したスカート式のもの。自転車にのったり、外での活動がしやすいため、女学生たちが着用しました。  最近では袴の色も、ぼかしや刺繍など、どんどん華やかになっていて、どこまで盛り盛りになっていくのか、ちょっとどきどきです。  袴に合わせる着物は、華やかな小紋の二尺袖も、最近では振袖にあわせるコーデも見られますね。ちょっと古い女のわくたしとしては、大正時代のはいからさんのような矢絣や、紋付色無地などにきゅんときます。  卒業式に着る礼装と考えると、紋付の色無地がもっと着られてもいいのではないかな~と 今回若い方の色無地コーデを考えてみました!  華やか小紋や振袖に負けない、ビビッドな色無地はいかがでしょうか!  袴をつける場合は半幅帯ですが、謝恩会では袴をとって、華やか袋帯を飾り結びにしても。  伊達衿やビーズの半襟で華やかさアップ! お誂えならば、お袖は少し長く仕立てたいですね。袖丈は49センチが標準ですが、一尺四寸(53センチ)、一尺五寸(57センチ)でもいいかも。レンタルなどで多いお袖は二尺袖(約78センチ)くらいなので、それくらいあってもいいかも。  ただ、反物の長さもありますので、仕立てのときに相談してくださいね!  学び舎を離れる最後のセレモニー、素敵な思い出になりますように。

伊達衿に夢中!礼装のクラスアップにもお洒落にも の巻

星わにこ
2015/02/11 00:00
 最近、振袖やお祝いごとの礼装のコーディネートのご相談をいただくことがあるのですが、伊達衿が意外と大きい働きをするんだな~と改めて感じ入っております。  伊達衿は、重ね衿、比翼衿ともいって、昔は礼装の着物は重ねて着た(二枚襲など)名残です。留袖についている比翼がまさに二重襲の名残ですが、さらに簡易に衿の部分だけを二重に見せるものです。  振袖の襟元には必ずといっていいほど使われていますよね。昔は無地の羽二重地だった気がするのですが、地紋入り、ラメ入りは当然、最近では一連にパールなどを縫いつけてネックレス風に見せたり、レースを使ってヒラヒラにしたり……。なんでもありです(^^;)  私がハマっているのは、本来の伊達衿の使い方からはちょっと外れますが、伊達衿を振袖の衿に添わせて外に出すことをしないで、振袖の中、襦袢の上で何重かに重ねて、十二単風に見せる衿元です。半衿を見せる幅は抑えて、伊達衿を重ねていくのです。襲ねの色目を考えると素敵です!  また、振袖だけでなく、訪問着や付け下げはもちろん、色無地にも使うと礼装感がアップして華やかになります。ほんのちらりと見えるだけのラインですが、襟元に1色プラスするだけで見違えます。  淡い色の着物に濃い色を挿せばキリリと。淡い色をあわせればふんわりと。反対色、同系色、考え出すときりがなく(笑)最近どんどん伊達衿が増殖して‥‥(汗)だれか止めて~(汗)  形自体は非常に単純なものですから、作れちゃうかも?なんて野望まで。  それにお洒落と考えると、礼装だけに限らず楽しんでもいいと思うのです。以前、綾秦節先生に「紬に江戸小紋柄の縮緬の伊達衿を挿す」という超上級ワザを教わったのですが、これがウーンと唸るお洒落さ。  紬などには、礼装とは同じものではしっくりきませんから、似合う素材や色柄を見極めることが大事なのですね。  たかが伊達衿、されど伊達衿。あってもなくてもいい存在だけに、上手く使いこなせるとハっと目をひくコーディネートのアクセントになってくれます。伊達衿のポテンシャル無限大。  そんなわけで、ちょっと伊達衿沼にハマり中のわにこでした。皆様もぜひ伊達衿遊び、お試しを♪

帯締の裏表の見分け方、房に注目☆の巻

星わにこ
2015/02/04 00:00
 今日は立春。もう春なのですね。梅の花もほころんで、あちこちで春の気配がしはじめています。日も随分長くなってきました。  去年から友人と共同のアトリエ兼スタジオを借りて仕事をしているのですが、そこに前の住人の「一陽来復」というお札が残されており、調べてみたところ商売繁盛、金運のお守りだそうで。節分に設置するとよいと聞き早速早稲田の穴八幡宮でいただいてきました。立春から商い繁盛といきたいものです。  さてさて今日は、帯締の裏表の見分け方のお話です。なんとなく感覚で締めていましたが、実は、平組の場合は房の部分を見ると一目瞭然なんです。  房の付け根のしぼってある部分が膨らんでいる方が表、凹んでいる方が裏になります。組み模様や刺繍などしてある場合は、表の方がふっくらしているのがわかると思います。  留袖などに使う白と金銀の帯締は、金銀がゴージャスなので表かなと思いきや、白が多いほうが表なんです。  冠組(ゆるぎぐみ)の場合は、真ん中に1本筋が入っているほうが表です。某道明(ちっとも某じゃない)のものはタグがついていますが、そちらが裏側です。わかりやすいですね。ついてないものは、真ん中の筋を探せばOK!  撚り房のものなどは、あとから房を足したものなので帯締の端は平らになっています。組模様の凸凹で判別する方法になると思いますが、わからない場合は好きなほうを使ってよいと思います。三部紐なども裏表のないものが多いです。  今はリバーシブルで裏表で違う表情を楽しめるものが増えていますね。気分で締め分けるのもいいですし、帯のお太鼓の中でくるっと捻って結ぶと左右の色が変わってそれもまた素敵。何通りもの使い方ができます。  ちなみに、片側だけに模様や色などアクセントが入っているものは、華やかなほうを左側にして結びます。  帯締の裏表が違っても、正直人が見てもあんまりわからないもの。でも、知らないで裏表間違えているのと、知っていてきちんと締めている、もしくは崩して楽しんでいるのでは全然違うと思います。ちょっと胸をはって、装えますよ。

真綿パワー恐るべし!「ねこ」を背負ってあったか着物ライフの巻

星わにこ
2015/01/28 00:00
 大寒過ぎ、少し寒さも緩むのかな‥‥と思っていたらまだまだ冬将軍は居座りそうですね。寒い! 布団から出るのが辛い毎日です。  最近、家にいる間中背負っているのが「ねこ」。動物の猫ではなく、長野県南木曽町で作られている防寒着の名前なのです。木綿綿や真綿の入った長方形の薄い布団のようなものを背中に背負う形です。半纏の袖も前見頃もないバージョンとでもいいましょうか。亀仙人の甲羅が平らな状態です(余計わからんわ!)  いつぞや田舎の叔母が着ていて「そんな背中だけなんで本当にあったかいんかいな」と思ったのですが、これが暖かい!! しかも、袖も前見頃もないので全く動作の邪魔にならず、背負っているのを忘れるほど。すっかり忘れていて、ふと鏡を見てびっくりしたり(笑)  昨年、キモトモのお母様の手作りのねこを譲っていただいたのですが、もう手放せなくなっております。今こうして原稿を書いている間も、背中にはねこです。  上から上着を羽織ると、一層暖かい。おうち着物のときなど、羽織の下にねこを背負うとぽかぽかです。感覚としてはダウンインナーのようなかんじですが、背中だけ、というのがミソなんですね。  背中側の首の付け根のあたりに「風門」というツボがあり、ここはまさに「風邪の門」。風邪の引き始めなど背中がゾクゾクするあたり。ここを温めてあげると、風邪を寄せ付けないそうです。着物の時は、帯があるので腰のあたりは冷えないのですが、首筋から背中の上部が結構手薄。ねこは強い味方です。腰のあたりまで覆うので、本当に温かい!  着物、洋服の上に着るとこんなかんじです。(友情出演:キモトモ&猫) 「ねこ」と似たものに「背負い真綿」があります。布でくるんであるものと、ただ真綿をのばして下着や服の上に置いて、衣類の間に挟んで使うものがあります。挟むだけ? と思いましたが意外とこれがずれないんですね。  真綿は小さくちぎってのばして足袋や靴下の先にいれると暖かいですし、ひじやひざなどにあてる方も。持っているだけでじんわり温かさを感じます。布に挟めばまさに繊維の天然カイロ!  「綿」の素材も木綿綿、ナイロン綿などいろいろありますが「真綿」はシルク100%。軽く、光沢があり保温性も高く、消臭抗菌効果まであるというまさに綿の王様やぁ~なのです。  昔は冬の着物にはこの真綿を薄くのばして入れて防寒にしました。春になると綿を抜いたことから、四月一日と書いて「わたぬき」と読む苗字がありますね。絹は布としてだけでなく、綿としても日本人の生活に密接に関わっていて、半纏や布団だけでなく、いろんなシーンで大切に使われてきたもの。  キモトモが、着物の上に着る道中着型のコートにこの真綿をいれたものを着ていて、本当に素敵でした。もっとこういうタイプの着物コートがあってもいいのにな~。  布団は羽根布団。防寒着はダウン。な現代ニッポンではありますが、ずっと使われてきた防寒の知恵、真綿も見直してみたいなと思っている、わにこ(背中にねこ)でした。

鬼も逃げ出す!?妄想の節分ラッキーコーデの巻

星わにこ
2015/01/21 00:00
 もうすぐ節分。お正月が終わった途端にスーパー等のディスプレイが一気に節分仕様になり、恵方巻きが気になり始めます。「その年の恵方を向いて食べるとよい」という恵方巻きですが、もともとは大阪の風習を1990年代に大手コンビニがとりあげたのが全国に広まったきっかけのようですね。まあ、美味しいので食べてもいいかな~となんとなく食べたり食べなかったりしているわたしです(流されやすい)。  節分に邪気を払うという行事自体はとても古く、中国には二千年以上昔からあったとか。日本には八世紀に遣唐使が伝え、また日本の宮中での儀式と融合して、民間にも広まっていったようです。  豆は「魔目」に通じ、鬼の目つぶしができるのだとか。  地方によって様々な風習がありますが、私の生まれ育った岐阜の山奥では「鬼めくり」というものがありました。節分にはヒイラギやアセボの枝とイワシの丸干しを玄関に吊るし(トゲと生臭い匂いで鬼を撃退)、家の中では、豆を炒り、ヒイラギやアセボの葉を燃やしてパチパチと音をたてて鬼を払います。  また、鬼の絵を描いた板や紙を戸に貼ります。鬼の首と、点々を13個(うるう年は12個)、五芒星を書いたお札のようなものです。鬼はたくさん数を数えられないし、五芒星で方向を迷い、家に入ってこられないというまじないです。  子どもの頃は、夜になるとこの鬼の札を近所の家にめくりにいきました。お父さんのあとをついて家中豆まきを済ませたら、さあ出発。鬼めくりにいくと、そのおうちの人がお菓子をくれたりします。ハロウィンみたいですね。いろんな鬼をたくさん集めて、次の日には学校で枚数比べ。  思い返してみると、せっかくのお札はがしたらいかんのでは? と思うのですが、これが子どもの「鬼退治」だったのでしょうか。寒い寒い夜、滅多にできない夜の冒険、子どもの頃の楽しみでした。そして、やはり鬼の絵が上手な札があると盛り上がります。私の曾祖母(104歳まで長生きしました)がこの鬼めくりの絵を描く名人。筆でさらさら~と描くのがマジで怖い!!! 本当に鬼を追い払ってくれそうな鬼(?)でした。懐かしいです。  さていつもながら前置き長くてスミマセン! そんな節分ですが、まさに季節を分ける日。一番寒い時期ですが、この日が明ければ立春。暖かい春に向かってのけじめの日なのです。  季節の変わり目に現れるという邪気や鬼やらい(払い)をして、明るい春になーれ! そんな妄想コーデをしてみました\(^O^)/ じゃーん! http://bit.ly/1CJ6pBs  この季節にうれしいほっこり米沢の真綿紬。明るい色で春待ち気分と、格子柄で豆を入れる「升」をイメージ。帯はころころ転がる豆みたいなドットが可愛い九寸名古屋帯で。  半衿は刺繍で鱗文様が。鱗文様は厄よけで有名な文様ですね。帯締めも市松で升のイメージ。クリスマスのとき使ったヒイラギの帯留、使ってもいいですね! 帯揚はミヤコレの「こんぺいとう」。子どもの頃もらったお菓子を思い出してみました。  そろそろ自分の年の数プラスワンのお豆を食べるのが厳しくなって参りましたが(><)、今年は頑張って食べてみようかな。ココロの鬼退治して、よい春を迎えましょう!

雪が降ったらどうする!?雪対策の巻

星わにこ
2015/01/14 00:00
 寒いですね! 今年の成人式は、東京は気温は低かったものの本当によいお天気でしたね。新成人の皆様、おめでとうございます。関係ない私ですけども、まだ記憶に新しい二年前、大雪で大変だったことを思うと、ほっとしました。親御さんたちも、感慨深いものがあったのではないでしょうか。  でも、雪が降った地域もありましたね。雪の日の振袖も、見ている分には風情があって美しいものですが、寒かったのでは。またお手入れのことも想像するとドキドキしてしまいます(^^;)  どうしてもというのではない場合。雪が降った日は着物はあきらめたほうがいいのでしょうか? いえいえそんなことはありません。基本は雨の日対策と同じ。足元の工夫と、防寒対策さえしっかりすれば雪の日でも着物は楽しめます。  防寒対策は、とにかく首、手首、足首をカバーして。着物は重ね着ですし、帯まわりも暖かいですから、下着を着込んでしまうと暖かい室内で暑い思いをすることも。マフラー、手袋、アームカバー、膝下の足袋下タイツなど着脱可能なもので調節するとよいでしょう。  外で過ごす時間が多い場合は、使い捨てカイロを持ったり帯にはさんだりもよいです(これも貼るタイプを背中などに貼ってしまうと暑くなったとき困るので、取り出せる場所に)。  雪対策としては、着物が濡れたり汚れたりしないように、雨コートを着て(二部式なら下だけでOK)、その上から防寒のコートを。もしくは、道行き等を羽織った上から雨コートを着ればOK。気温と相談してプラスマイナスしてください。  寒くてサラサラの雪ならまだよいのですが、ボタ雪や溶けかけで泥はねが懸念される場合は裾をまくっておくか、洗える着物にしてしまうのもテ。  そして足元ですが「雪国の草履」といえば、憧れるのが「アザラシの毛皮の草履」です。アザラシの毛皮は撥水もしてくれ、暖かいのだとか。見た目もゴージャスで暖かそうです! 他にも、底の部分に凸凹加工がしてある、雪でも滑りにくい草履もあるそうです。  ですがですが。雪国の人に聞いてみたら「つま先も足元も寒いし、着物でもブーツはいて移動して、会場で履き替えるよ。普段着だったらそのまま」とばっさり。あ、ですよねー。  荷物は増えちゃうかもですが、一番賢い方法かも。車移動や、クロークがある場所へ行ったりするのであれば問題なし。着物=草履&下駄、と決めつけないで、状況を見て判断するフレキシブルさが大切なんですね。  ついつい着物はお約束がたくさんあって、正解かどうか答え探しにやっきになってしまう部分がありますが、ハードルをあげすぎて着ること自体を止めてしまうよりは、少し外れたってなんだって、着て楽しむ、お洒落をする、そういう気持ちのほうを大切にしたいなと、思う年のはじめでした。