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うそつき衿で秋も浴衣を活躍させよう!の巻

星わにこ
2025/09/03 00:00
9月に入りましたが相変わらず暑くて、とてもじゃないけど夏ものは手放せない今日このごろ。とはいえ、さすがにずっと浴衣でおでかけもどうかなという時に、うそつき衿で浴衣を着物風に着るのは有効技ですよね。 うそつき衿はその名の通り、襦袢は着ていないけど着ている風にうそをつく、見せ半衿のこと。半衿つけの手間がかからないこともあって1年中愛用している方も多いと思います。私もほとんど長襦袢を着ることはなく、うそつき衿で通しています。 なにがよいかというと、長襦袢を着なくていいから、涼しいし楽。半衿をつけたまま洗濯機で洗ってしまって手入れも楽。 襦袢相当の袖をどうするかという問題はありますが、普段着や浴衣であれば袖もなくても平気です。汗の問題がありますから、筒袖か、筒袖相当の袖があればOK。浴衣下スリップにうそつき衿を装着すれば、浴衣も夏着物風に着こなせるというわけです。 さすがに昔ながらの綿の平織で白紺の「ザ・浴衣」はちょっと難しいかもしれませんが、今時の素材の浴衣なら十分着物風で着られると思います。そのあたりは自分がOKと思える感覚と相談してください。 あと、衿をつけたら足元も足袋を履くとより着物感が増します。このあたりはそもそもなんちゃってなわけなので、決まりが明確にあるわけではなく、暑いから今日は素足で下駄にしようかな、とか白足袋に草履でキチンと感アップとかそのシチュエーションで選んでいただいて良いと思います。余談ですが、塗りの下駄に足袋を履くとすべることが多いので、なんでもないところでつまづきやすくなってきた世代以上の方は注意です(真剣)。 浴衣や、暑い時期だけでなくうそつき衿は本当に便利なのでちょっと熱く語ってしまいます。うそつき衿と一言でいってもいろんなものがあり、大きく分けて2種類あります。 一つはかぶせ型で、襦袢の衿にかぶせて使うもの。美容衿や、あずま衿などといわれるちょっとソフトで衿が広衿になっていて2つに折るタイプがそれです。これは襦袢の地衿がないと使えないので、単独だとへにゃっとなってしまいます。「うそつき衿はダメだった」という方はだいたいこのかぶせタイプを単独で使おうとしたためイマイチだったということが多いです。 あとは襦袢にファスナーやスナップで衿をつけるのもうそつきと言われたりします。どちらも襦袢ありき、のうそつきです。 もう一つが単独型で、襦袢が必要ないもの。こちらが「秋浴衣」にはおすすめです。襦袢を着ないと使えないのであれば、結局暑くなってしまいますから、襦袢を着なくても衿だけでOKなものがいいですよね。 単独型にもいろいろな種類があります。 (1)棒状の衿に衣紋抜きと固定する紐やベルトがついているタイプ    最小限の布なので一番涼しい。うまく固定するのにコツがいる   (2)半襦袢の袖なしで脇が縫ってないものに衿がついているタイプ   布地が少ないジレタイプもあり    安定しやすい。布がある分暑い。 (3)Tシャツに衿が縫い付けてあるタイプ    紐で固定しなくていいので楽。体型に合わないと衿が決まらない  市販品もあるし、手作りされる方もいます。私は単独型(1)のタイプでたかはしきもの工房のうそつき衿を愛用しています。ウエストより下でベルトで固定するので、胸紐で固定するタイプより楽だからです。これは本当に好みだと思いますので、使いやすいものを見つけてください。 納得のいくうそつき衿が見つかると、着物ライフの楽さが格段にアップしますよ! 浴衣もまだまだ活躍しますし、ワンピースなど洋服の上にうそつき衿をつけて、着物を羽織るなんていう気軽な着方も楽しめます。1年中まだ試してないな、とかいまいちうまく使えなかったという方ももう一度、ぜひお試しください。