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印刷博物館・ブラックレターの森へ黒い着物とTシャツ帯で巻

星わにこ
2025/05/07 00:00
着物を着る回数を増やすぞ!キャンペーン中の私なのですが、着物をきたらやっぱりお出かけしたいなあということでおでかけが増えています。そしてどうせお出かけするならそのテーマにあった因み(ちなみ)コーデで出かけたいなと思ってしまうのは着物好きあるあるですよね~。 5月はそんな因みコーデの話題を書いてみたいと思っております。よろしければお付き合いくださいませ。 よくお仕事は何ですかと聞かれるんですが、フリーランスでいろいろやりすぎて自分でもすぐに答えられないわにこです。そんな仕事の一つに「フォントかるた」というゲームをグラフィックデザイナーの友人たちと制作販売しているというのがあります。 このコラムでも何度か、かるたといえば袴!とネタにしたこともあるのですが、かるたといってもこの「フォントかるた」は、取り札には全て同じ文言(欧文版はアルファベット)が書いてあり、フォントの違いを見分けて札をとるというちょっとマニアックすぎですよねという代物。最初はデザイナーの友人が新年会の余興で作ってきたのですが、そのマニアさが逆に受けたのか、もう発売から8年経っていますがいまだにお陰様で販売を続けています。 最初は日本語だけだったのですが、そのうち拡張パック、欧文版とシリーズが増え、この春とうとう欧文版にも拡張パックが。その名も『Black Letter』といいます。よくヒゲ文字、亀文字などと言われるような黒々とした書体たちを25書体集めたかるたです。 皆様よく中世の雰囲気とかあとは厨二病ぽい雰囲気(笑)を醸すような場面で目にされたこたことがあるのではないかなと思いますが、聖書の写本などに使われた手書きの文字を元にしたフォントです。とても読みにくいです(笑) この2025年4月26日から7月21日まで、印刷博物館にて「黒の芸術 グーテンベルクとドイツ出版印刷文化」という企画展が行われています。15世紀半ばにグーテンベルクによって活版印刷技術が発明され、それまで主に手写であったテキストの複製に大革命がもたらされました。発祥の地ドイツでは黒いインクの色に準え「黒い芸術(die shiwarze Kunst)」と呼ばれました。 活字を作り、それを組み合わせて印刷する技法は昭和な世代なら目にしたことがあるのではないでしょうか。その発祥と歴史を超クールな展示で見ることができます。 メインビジュアルはブラックレターのマテリアルを組み合わせ黒い森のように表現されていて、まさに黒い森に迷い込んでいくようでゾクゾクします。 ブラックレターをテーマにしたかるたを制作していた我々フォントかるた制作チームはもちろんうっきうきで初日に拝見! マインツのグーテンベルク博物館のウルフ・ゼクター博士とニノ・ナノバシビリ博士の講演会も拝聴。博物館の歴史と、有名なグーテンベルク聖書についてのお話を伺いました。ドイツ語でお話され、それを通訳という形式で最初は難しすぎて寝てまうのでは、と思ったのですが、いやいや印刷好き・活字好きにはたまらない興味深いお話でした! 当然ここにいくなら「黒」コーデですよね!と黒いうそつき襦袢(たかはしきもの工房10周年のときに発売されたもの)に黒い着物、黒い革?足袋に黒い草履で揃え、帯は印刷博物館のグーテンベルクの42行聖書のTシャツをかぶせ(推しTシャツ帯形式)、帯留めはブラックレターの代表選手Wilhelm Klingspor Gotischのピンバッチと気合いを入れていきました。 以前ご紹介した作り帯にTシャツを被せて安全ピンで止め、お太鼓の形に作ってしまって背負う形にしました。 関連記事:布を挟む、貼付けるだけで帯が因み柄に変身!の巻 会場では印刷好きの方に「この帯どうなってるんですか?」「写真とっていいですか?」なんて話しかけていただきました(照)チーム全員黒コーデをしていったので、いいですねえ~とフォトコーナーの前で印刷博物館の方にもお写真をとっていただきました(笑) あと、また次回ご紹介させていただきますが、印刷博物館の新館長にあの!京極夏彦先生が就任されて京極コーナーもできています。こちらも必見です! 久々に因みコーデをしてみて(コスプレともいう)、楽しかったです! 皆様もぜひ印刷博物館に黒コーデでお出かけください! ミュージアムショップでフォントかるた『Black Letter』も販売していただいております(宣伝!?)。