いや~まだ4月なのに単に手が伸びる陽気の日も増えてきましたね。あんなに寒いな春よ来いと思っていたのに、春すっとばして夏の気配。着る着物にも悩みます。
さて、今回は先々週から続けてきた「着付けのお悩み原因探索」第三弾、背中のシワ編です。
これは私自身の悩みでもあるのですが、背中によく斜めのシワが入ってしまいます。だいたいは左上から右下に流れるシワです。これはどうしてなのか、体が歪んでいるのかなとずっと悩んでいたんですが、実は背中心がずれているからだったのです。
ちゃんと背中心を真ん中に合わせたつもりなのに、なぜずれてしまうのか。
それは、背中心をあわせた後に衿を整えるとき、上前を引っ張り過ぎてしまうくせがあるから。上前をひっぱりすぎると、背中心が左にずれて、背中で斜めのシワが誕生してしまうのです。
これは、着るときだけではなく、帯を結んだあとに、衿が浮いたりしてぐいぐいと上前のおはしょりを引っ張りすぎても同じことが起こります。
キレイに着ようとするあまりに生まれてしまうこのシワは、手癖もありますし、コーリンベルトが原因のときもあります。
もうどうせ毎回引っ張り過ぎてしまうから、というので、腰紐をしてからコーリンベルトをする前に、掛け襟で背中心を合わせる際あらかじめ右側(下前)を1センチほど長くとっておく、という方法をとっています。
この背中心をあわせるタイミングというのも実はいろいろで、主に着物を羽織ったときにもう背中心をあわせてしまって、クリップで衿をとめてずれないようにする派と、私のように腰紐をした後に掛け襟であわせる派に分かれるような気がします。
クリップで止めていても、長襦袢ごとひっぱって背中心がずれるというのもよく起こること。
この背中心のズレはなかなか鏡を見ても気づけないもの。
でも、背中に斜めのシワがあったり、左右の肩のあたりのシワが非対称なとき、それは背中心がずれている可能性が最も高いです。
胸紐や伊達締めで衿合わせをおさえてしまう前に、今一度掛け襟をさわってみて、左右水平な位置にあるかどうか確認しましょう。水平な状態で胸紐もしくは伊達締めで抑える、もしくは帯をすればOKです。

この方法の落とし穴はひとつあって、掛け襟自体が左右対称でないとできません(爆)まずほぼほぼないとは思いますが100%とは言い切れませんので、あれ?と思ったら掛け襟自体も確認してくださいね(笑)私の着物も古いもので一枚だけ左右の長さがちょっとずれてるのがあります。
なんか背中に変なシワが入るな~と思ったときは、上記お試しくださいませ。
こんなことを言っていても、私もなかなかいつも完璧には着られません。人間だもの(みつを)。でも悩みが多いからこそ、なぜそうなるのか?を考えます。あとは、ちょっとでも楽に着られるために腐心しております(笑)。もうほんとにね、もう一人自分がほしいっ! もう一人の自分に着付けてもらいたいっ!とよく思います。
ゆるゆるに着れば楽だけど崩れる。紐でぎゅうぎゅうに押さえて動きも制限すればキレイだけど辛い。そして自分が「ここで納得」ポイントは人それぞれ。この間は、いつも着物を着ている友人の腰紐のゆるさに度肝を抜かれました。でも、その人がよくて悩みや問題がなければそれでいいわけですよね。私も家でリラックスしつつ着るときはゆるゆるです。
体型や動き方も十人十色ですし、着物に求めるものは人それぞれ。宗派(?)が違う場合は、自分の考えを押し付けないのも大事だなあと思います。そんなこんなで私の意見も、絶対ではなく、参考にしていただければ幸いです。また盛大に話が逸れてきましたが(いつもか)今日も自分的「楽でキレイな着付」について考えてばかりのわにこがお送りしました。