立春もすぎて暦の上では春ですが、まだまだ寒い日が続きますね。寒い時期はウールの和装コートにフェイクファーの襟巻きやストールでしのぐ私ですが、今年はトンビコートに初挑戦してみました。
トンビコートは男性用。女性用のものもありますが、やはり男もののイメージが強いですよね。肩にケープがあるので、ちょっとマントみがあってかっこいい憧れのスタイルです。もともと息子用にどうかなと思って購入したのですが、使う様子もないので私が着ちゃえというわけで(想定内?)

コートの肩にケープがついているような形のトンビコートは、もともと大正20年ごろスコットランドから入ってきたインバネスコートが元になっています。シャーロック・ホームズが来ているあのコートですね。それが和装用のコートになったもの。インバネスコートより、着物の袖を隠す分ケープ部分が長いのがエレガントです。
インバネスコートは、袖のあるコートにケープがかかっている形ですが、トンビコートは着物の袖が通しやすいよう下は袖なしでケープは前側にしかついていません。ケープを広げると鳥のトンビのようだということでトンビコートと呼ばれるようになりました。
トンビコートにも、ケープが後ろまでついているものもあり、それは「二重回し」などと呼ばれます。私のコートもそのタイプです。
「トンビ」「二重回し」「インバ」「エンバ」などと呼ばれるこのコートは、大正から昭和にかけて名士や文豪に愛されたと言います。太宰治や織田作之助などがこのコートを着ている写真を見たことがある方も多いのでは。
インバネスがホームズなら、トンビは探偵の金田一耕助のイメージも強いです。あとは今季放映中の仮面ライダーガヴの3rdライダーヴラム(ラーゲ9)の人間体のときにこのトンビコートを着ていて、長身に映えて怪しさ満点でかっこいいんです~~(特撮オタクですみません汗)。
男性用のコートはずっしり重いものが多いですが、私が入手したものも二重回しなこともあって布地が多く結構な重さ。これは着ていると疲れるのでは?と思ったのですが、袖がないので着てしまえば意外と重さも気にならず、とても動きやすい! そしてケープであったかい。しっかり防寒できるので、寒い日に愛用中です。ユニクロのラウンドショルダーバッグもかけやすい!

ただ、男性用なので衣紋を抜いた形の女性の着物にはちょっとフィットしづらいのが難点。和洋ミックスコーデや男着物、洋服を着た時にはいいですね。衣紋の抜ける女性用のトンビコートもあるようなので、そこは使い分けでしょうか。購入されるときは、後ろの襟ぐりにちょっと注意です。
男物を着てみると、帯の位置も低くて圧迫感なくむしろ腰がささえられるし、着物も対丈ですから余分な紐も少ない。トンビコートもめっちゃ動きやすくてなんだかずる~い!なんて思ってしまったりするのでした。