枕紐をしっかり帯の中に押し込んだつもりでも、いつの間にか上に上がってきて帯揚げを上に押し上げたり、結び目がみぞおちあたりに当たってしんどくなってしまったり。そんな経験は皆様あるのではないでしょうか。
もう何年前のことになるでしょうか。たかはしきもの工房のアドバイザーさん考案の「枕紐をひっぱって帯の下から抜いてほどき、脇で紐を真下に引き下げてもう一度結んで帯に戻す」という裏技を教えてもらってから、自分で着るときにはずっとそうしています。
ただ、これはよく伸びて、つるつるすべらないたかはしの「空芯才」の枕紐だからできる技。ガーゼなどの伸縮しない枕紐やストッキングのようなつるつるの紐では安定しないのでおすすめできません。
また、枕紐を下に引き抜くときに、伊達締めや胸紐をしているとひっかかってうまく抜けないことがあります。
そんなときの裏技が月刊アレコレに掲載されていて、これが目から鱗。ベルトでつけるタイプの帯板の下に、帯締めを上を輪にしてはさんでおいて帯を巻きます。
帯枕の紐をその輪の中に通して結んで、帯締めを帯の下に引き抜けば、帯枕の紐がひっぱられて下に出てきます。それを解いて、ざっと脇に引いて分けて、さらに真下に引いて再度結ぶ。
毎回帯締めを引っ張り下ろす時に「ちゃららららら~~~♪」とポール・モーリアのオリーブの首飾り(手品のときによくかかるBGM)を口ずさんでしまう私です(笑)。
枕紐は帯のお太鼓の重さを支える役割がありますから、その重さをみぞおちで受けると結構厳しい。この枕紐下に引き抜く技(なんかいいネーミングないのか)は、それをすぱっと解決して、すごく胸元を楽にしてくれます。
普通のガーゼの枕紐でもこの技に近づけるコツは、少しゆるめに結んで、結び目を帯の下のほうに押し下げるとき、真ん中だけでなく脇からしっかりと中に押し込んでみてください。かなり楽になりますよ。
いろんな着付けの裏技がありますが、私的には着物を着ている時間を最も快適にしてくれた最強TIPSです! これ、考えてみたらコラムに書いてなかった!と慌てて書きました。たくさん食べられます(そこ?)
やったことないわ、という方がいらしたらぜひ試してみてください。快適ですよ~~~!