また今週も着物の衿周りについてずっと考えていたわにこです(まだなのか)。といっても、掛け衿ではなくて、衣紋のほうですが‥‥。
皆様肌襦袢はどんなものを使っていらっしゃいますか? 私はたかはしきもの工房の満点スリップを愛用しているのですが、とても衣紋が深くくれているので、まず肌着が衣紋の内側でこんにちはすることはありません。
でも昔ながらの肌襦袢って、結構この衣紋のところが詰まっている形のものが多いです。ぐっと深く抜けているのは、花嫁さん用くらい。
なぜなら、今ほど衣紋を抜いて着なかったから。また見せて着る着方もあったから。
肌襦袢に細い衿(小衿)がついている場合は、その衿に沿って襦袢を着ることでストッパーになって衣紋が安定し、また汚れも防いでくれる役割を果たしてくれます。
その場合、ちょろっと小衿が見えちゃった、というようなことではなく、しっかりと衣紋の内側に小衿が沿って見えているように着付けます。
この小衿が綺麗に見えるように、小衿用の衿芯もあります。紐で結んで止めるタイプの美容衿と呼ばれるようなものは、この肌襦袢の小衿に衿芯を入れたところに沿わせるようにして安定させて使ったりします。
今は、この肌襦袢の小衿を見せて着るという着方をすることが少なくなりました。
また、昔より衣紋をしっかり抜く着方が増えたためか、この小衿のない肌襦袢やスリップ型の肌着が増えています。礼装などでは肌襦袢の衿は見えないように着付けることがほとんどです。
だから、小衿が見えていると「見えてはいけないものが見えちゃってる」みたいな気持ちになることもあるかと思いますが、そういう着方もあると心得ておくといいと思います。
この小衿がついている肌着を見せないように着る場合、衣紋部分をぐ~っと抜いて着てもどうしてもちょろっと見えてしまうことがあります。
見せるならしっかり見せる、見せないなら見せないというわけで、この小衿を取ってしまうと、はみだしが防げます。衿全部を取るのは大変なので、衣紋の部分だけを切り取って縫えばOK。
どうも肌襦袢の衿がこんにちはしてきちゃうというお悩みがあって、肌襦袢に小衿がついている場合はそんなカスタマイズもおすすめです。
あとは、昔書いた記事ですが、脇線の「馬乗り」と呼ばれる部分をほどくことで衿を深く抜くことができるようにもなりますよ。
肌襦袢の小衿が衣紋から見えるときはどうしたらいいの?の巻
簡単に衿が抜けるようにカスタマイズしておくと、着る時あっちこっちひっぱらなくてもいいので、思い切ってやってみるのもひとつの手です。もうそんなの面倒くさ~い!という場合は新しい肌着を買ってもいいかも。
もちろん、そのときは衣紋の部分が抜けた形になっているかも要チェックや!(スラムダンク)
あとは、着るときに自分で衿を詰めてしまうのも原因なので、肌襦袢を着たら後ろに引いて衣紋をすっきり抜いておきましょう。
これも、自分がどれくらい衣紋を抜いて着たいかという好みもありますので、参考にしていただければ幸いです。
着物が普段着だった時代の知恵には、「汚れを防ぐ」ということが重要視されていたんだなあ~と、衿周りについて考えてしみじみと思ったことでした。