急に春めいてきましたね。今年は小さな雛飾りを出してみました。
さて今日は、両面テープでの半衿付けの話題です。半衿をつけるのに、針と糸を使わなくてもいいとか、神かと思う両面テープさん。ご愛用の方も多いのではないでしょうか。しかし、私はいまいちうまく扱えなくて緊急時しか使っていません。
両面テープでの半衿付けのコツは、一度にびゃーっと貼らないこと。基本縫い付けるのと同じように、衿の中心から左右に攻めて行くやり方がおすすめです。ただ、これでつけるとまあまあ綺麗につくんですが、中に入れる衿芯次第ではぶかぶかになってしまうことも。
細めの衿芯を入れると縫いつけた半衿のときより、両面テープは接着面がふわっとなりやすいので、中で衿芯が泳いでしまうのです。
半衿つけのセオリー通り内側の首元をひっぱりながらつけて、最後に表側を貼り付けると結構うまくいったな、と思っても衿芯を入れるとぶかぶか~となってしまいます。衿芯の幅が合わないことと、テープでつけるとどうしても接着したところの布がきっちり引っ張ることができず、ふわっとしかならないのでそれもぶかぶかの要因。
三河芯をつけて土台をしっかりしておいて衿芯をつける必要がないと両面テープでもうまくいくかも。そうすると今度は半衿つけより難しくて固い三河芯つけをしなくてはいけないということになるという意味のなさが生じてしまいますのでこれも現実的ではないですね。
いろいろやってみて、
襦袢の裏で片面貼り付けたら、半衿に衿芯を包んで表側を貼り付ける
首の内側の見えるところは、表側でひっぱって本体にすこし両面テープをはみださせてつける
というやり方に落ち着きました。
あとから半衿を入れないのでシワができにくいのと、ちょっと両面テープを衿と本体にかかるようにつけて貼るとひっぱる力がアップしてシワが減ります。
さらに余裕があれば、半衿を折って接着する部分をアイロンをかけて折り目をつけておくと効果的。そんなことをするくらいなら両面テープとか使わんのよ、時間がないから使ってるのよという話もあるかもしれませんが、まとめて準備しておくというのもありかと思います。
あとは半衿の素材もぶかぶか感に深い関係が。
いろいろためしてみて、うまくいくのはコットンなどの柄半衿系。生地がすべらないので襦袢の地衿にも密着しやすくてあまりテクニックいらずです。ちりめんなども、シワが目立ちにくいのでまあ許容範囲。
一番ぶかぶかになるのはとろみのある厚手の正絹塩瀬‥‥ごまかしも効かないし、難しい! これは私的にはあきらめて手縫いかな、と思っていますがこのあたりは個人差ですね。
あと、両面テープは着終わったらすぐに剥がしておかないととれなくなってしまうことがあるので要注意です!
昔から針を持ちたくないという人の心は変わらぬようで、両面テープが普及する前からワンタッチ半衿という名前で粘着テープつきの半衿が売られていました。母の箪笥でテープつき半衿をつけた襦袢を発掘したことがありますがテープのところがセピア色に変色していて、だめになってしまっていました。キモトモもテープ付き半衿をお母様の箪笥で発見したことがあるらしく、やはり変色していたと言っていました。あくまでもインスタントなものだと思ったほうがよさそうです。
長所短所はありますが、どこまできれいにつけたいか、どれくらいのゆるみなら許容範囲か、テープか糸か、自分はこっちのほうがいいという落とし所を見つけてくださいね。
ちなみに私は、結構あとで剥がすのが面倒なので、半衿がすでについててそのまま洗えるうそつき衿派です!(どんだけ面倒くさがりなのだろうか