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米津玄師のMV『死神』の着物の帯の位置と羽織の脱ぎ方がパーフェクト!の巻

星わにこ
2021/07/07 00:00
今年ももう半分が終わり、いよいよ夏きものの季節がやってきました。とはいえまだまだ梅雨空ですが、雨も暑さも着物を着るのにハードルが上がるコンディションですね。でもそんな中、さらりと着物を着こなしている方をみると素敵だなあと思います。 特に夏着物は、涼しげな透け感が身上。暑いし洗うのも大変だし、といつもうそつきですませてしまうのですが、今年はちゃんと襦袢で絽や紗の着物も楽しんでみたいなと思っています。 さて6月の終わりに米津玄師さんのミュージックビデオ『死神』が夜中に公開されましたね。もうご覧になった方も多いのではないでしょうか。 有名な古典落語『死神』をモチーフとした曲で、ビデオも新宿末廣亭を舞台に米津玄師さん自身が落語家に扮して登場します。内容もあの大ネタを1分59秒という映像にうまく落とし込んでいてすごいのですが、米津さんの着物の着こなしも所作も本当に素晴らしいんです!! 188センチという長身ですから、もうおそらくお誂えだろうと拝察するのですが、ぴったりサイズの単衣の白茶色の着物に、透け感の強い黒の紗の羽織。押込房という房のない羽織紐が、シンプルで粋で涼しさを増しています。白足袋も決まってます! 『死神』というテーマにふさわしく、ちょっと怖い、真夏の怪談をイメージしたのでしょうか。公開された季節にもぴったりです。 高座にあがる様も堂に入っています。上手から現れ、扇子で裾をはらって座り、扇子を前に置いて深く一礼し、扇子を脇に。お尻をあげて羽織の裾を踏まないように後ろにパッ!と払います。ここしびれる。ちょーしびれる。 そして、羽織紐に手をかけ解いてきちんと伸ばしてから、羽織の袖口を持ってツンと引き、さっと肩から外して後ろ手で隠します。めちゃくちゃかっこいい。 落語家さんは二ツ目になると羽織がつけられます。そして羽織姿で高座にあがり、お客さんに挨拶した後、枕噺をして羽織を脱いで本題に入ります。このタイミングはいろいろあるようですが、この客の前で羽織を粋に脱ぐ仕草が、本当にかっこいいんですよね。それを観るのが楽しみ!という方も多いです。米津さんの所作指導には柳亭左龍師匠が入られたそうで、ばっちりと決まっていました。 そ し て ! 着付も師匠ということだったんですが、刮目すべきが帯の位置!!! 最近の着物男子の着姿の帯の位置が高めなのがずっと気になっていて、若い人は足が長いからなんか帯位置がちょっと高くなっちゃうのかなあ~、痩せてると低い位置にならないのかなあ~なんて思っていたのですが、細身でスタイルのいい米津さんであの位置に決まるんや!!と感動しました。やっぱり着付やん!!師匠素晴らしい! もうほんと、男子、見て、この帯の位置見て、これよ、これやでこの位置やで! ウエストやないで、腰骨のとこやで!! これがジャパニーズキモノの帯の位置やで! お若い男子諸君、お若くない男子諸兄も、この帯位置を再現していただきたいのやでえ~。丹田!丹田よ!(コーフンしすぎて、もう何言ってるかわかりませんw) 本当に久しぶりに、高倉健以来かよと思うくらいに、長身男子の粋な帯の位置を見せていただきました。ありがとうございます!!! やっぱり実際かっこよく着物を着てる姿とか所作とか、観ないとわからないもの。 同じくMVで、5月に発表された東京事変の『縁酒』の着物姿も着付がほんと素晴らしくてほれぼれします。あまり着物になじみのない若い方とかも、ミュージックビデオで「着物ってかっこいいな」と思ってくださるといいですね。