この時期になると、夏の和装インナーのご相談をうけるようになります。まず大事なのは「涼しい」ということですが、危険なのが「透け問題」。夏の着物は透け感があるもの、薄いものが多いので、袷のときには気にならなかった肌着のラインや色が響いてしまうことも。単衣でも気になり始めますが、これから本番の夏着物は特に注意が必要です。
前は自分でもよく見えるので、鏡でチェックして気をつけるのですが、問題は後ろ。自分ではまじまじとみることができないのが落とし穴です。
後ろ姿の透けポイントとしては
・首もとの肌着のライン
・えもんぬきのライン(背中&お尻)
・ショーツのライン
・足、裾のライン
があります。
首もとの肌着のラインは、着物や衣紋のラインと沿ってないと、意外と響いたりすることがあります。洋服でも、ブラが透けて見えたりすることがありますよね。着物は襦袢を着ますが、うそつき派の人は注意です。
また襦袢の衿につけてひっぱるタイプのえもんぬきは背中に縦のラインが入ってしまいます。気にする人はつけないほうがよいでしょう。あと盲点なのが、この衣紋抜きが長すぎるとお尻のおはしょり下に見えてしまうことがありますので、要チェックです。
見えたら、着物を着てからでもいいので中で折り曲げておはしょり内に隠してください。
わたしは夏でもうそつき衿で着ることが多いので、おしりのえもんぬきの透けは大事なチェックポイントです。
ショーツのラインについては、着物に居敷当てがついていたり汗よけにすててこを履いたりしていても、意外と頑固に浮き上がって来たりするのが恐ろしいところです。浴衣はさらなりです。機能的にはローライズのものがトイレにいったときに困らないのでおすすめ。もうひとつは下のラインが問題に。レースになっているものか、シームレスのボクサータイプなどが響きにくいです。
夏着物の場合は、襦袢や裾除けが短いと足首がにょっきり透けてみえてしまいますので、居敷当てがついていない着物は、注意ポイントです。
こうやって挙げていくと、「気をつけるとこ多すぎてもうヤダ!」となってしまうかもしれませんが、あえて厳しめのチェックポイントをあえて挙げてみました。自分が「ここが気になる」というところだけ特に気をつければオッケー!
こういうことがあるよ、というのを知っていてあえて楽だからとか涼しいからという理由でチョイスするのと、知らなくて恥ずかしかったあ~というのは違うと思うので頭の隅においておいていただけたらいいなあと思います。
そもそも夏着物は透けるのが身上。どこに透け感を出すか、透けていいところ悪いところの見極めができていればいいと思います。今シースルーのブラウスとかが流行っていますけど、そんなかんじです(どんなかんじ)。
そして、自分は気をつける、人のあら探しはしないというのが、着物レディのたしなみでございます(これ最重要)。
夏の着物姿は見る人の心も涼しくさせる風物詩。注目をあびるだけに、透けポイントにはちょっと気をつけて。素敵に着こなしてくださいね!