いよいよ気温があがってきましたね。普段お太鼓派のわたしも、このシーズンになると浴衣や、普段着物に半幅帯をあわせるようになってきます。理由は、軽くて涼しいから。。。
帯枕をしないというのがこんなにラクで涼しいものかと毎年思います。冬は逆に背中もあったかいし、お太鼓のボリュームがないとなんだか物足りなく思った利するのですが、夏だけは別。もちろん、年中半幅帯派のキモトモもいます。
半幅帯の魅力は、軽くて涼しいというのの他にも、アレンジが豊富、前結びなので結びやすいなどなど、いろいろあると思います。でも、せっかく浴衣をきちんと着て、帯を前で結んでさあ回すぞ!となったとき、あれっ、なかなかうまく回らない‥‥えいっっと力任せに回したのはいいけどなんか襟元がぐずぐずになっちゃった(涙)なんていう経験はありませんか? 私はあります(涙)。
帯を回すときに持つ場所、方向は必ず右側へ、回すときにおなかをひっこめる、などなどいろいろコツはあると思いますが、回しづらいときの原因は、たいてい着物(浴衣)と帯の摩擦係数が大きいということです。
綿や麻などの素材の場合は表面がザラザラしていて滑りが悪いですよね。それが着ていても着崩れにくいといういい点に作用もするのですが、帯をまわすときにはひっかかりになってしまいます。帯も、博多などは滑りやすいですが、綿や麻などの素材は滑りにくい。
さらに、伊達締めにメッシュやゴムを使ったものを使っていたりするとさらに摩擦係数が上がって回しづらくなります。
じゃあツルツルの正絹の伊達締めや正絹の帯をしたらいいの?ということではなく、ツルツルする状態をつくってあげればよいのです。
よくある、前結び用の胴を一周ぐるりと巻く帯板を使うと簡単に回りますが、あれ、とっても暑いんですよね‥‥。
なのでおすすめの方法は、帯を巻く前に、一枚薄いツルツルの布を巻くというもの。スカーフなどがオススメです。ツルツルの布であるというのが重要です。知り合いにポリ袋を使うという勇者もいますが、まあ要はツルツルならよいということです。
この方法だと先にゴムつきの帯板をしておいても大丈夫。胴に一巻き、ツルツルの薄い布を巻いて(幅は帯より広くしてくださいね)、その上に帯を締めて、後ろに回します。そうすると、摩擦係数が減っていますので、つるり、と後ろに回ります。(このときもおなかはひっこめてくださいね!)
帯をビシっと締める派の人や、痩せていておなかをひっこめても引っ込みが小さい人、などなど回しづらい要因は様々ですが、物理的に摩擦係数を小さくするというのは有効です。
そして、結び目が後ろにまわったら、ツルツル布を下から引き出して、とってしまいます。なので、暑いということもありません。帯板はゴムつきのをしていても、あとから挟み込んでもいいし、してもしなくてもいいし自由です。
ツルツルの布を巻いたとき、落ちないようにするのに私は着付けピンチなどで留めたりしますが、ちょっとコツがいります。後から抜く便利な前結び用補助器具も売っていますので、そういったものを使うのもよいと思います。
いつも後ろに帯を回すときに、「あちゃー」(死語!?)となってしまう方、ぜひお試しください。