実は涼しい!普段着物にレース筒袖がオススメ。の巻
星わにこ
2020/06/03 00:00
着物大好きコミックエッセイスト 星わにこ連載コラム「オトナの着物生活」
実は涼しい!普段着物にレース筒袖がオススメ。の巻
6月になりましたねー。そして東京でも緊急事態宣言が解除されましたが、すぐさま東京アラートが。マスク生活もまだまだ先が長そうですね。ずいぶん手に入りやすくなりましたが、不織布のマスクは暑くて厳しいので、最近は布用のマスクを愛用中です。でもやっぱり暑いですよね(汗)。布でも涼しい素材を追い求めたくなったりして、季節の移り変わりを感じます。
着物も、だんだん涼しさを追い求めたくなるシーズンです。夏になったら何を着ても暑い。絹物を着るときはがっつり汗対策をする私ですが、洗える普段着のときは、涼しさと楽さを優先します。
なにで対策するかというとズバリ、襦袢の省略です。うそつき襟を使って、長襦袢を着ません。1枚減るとマジで涼しい。それから裾除けも省略して、ステテコ。裾除け1枚のほうが風が通って涼しそうですが、実はステテコで足の間の汗を吸ってもらったほうが、涼しく快適に過ごせます。
あとは袖を筒袖にすることです。袖のことはあまり言われないような気がしますが、袖も、角袖ではなく、筒袖に。布の量が減るだけで、こんなに違うのかしら?と思うくらい涼しいです。なーんだ知ってるわよ、とおっしゃる方も多いかもしれませんが、今回はその便利な筒袖のお話です。
筒袖とは、その名の通り、筒型の、振りのないお袖のこと。だいたい幅は21~22尾センチ。ちゃんと身八ツ口が開いているのがキモです。自作するときもこの部分を忘れないで。これも涼しさの秘訣なんです!! せっかく着物に身八ツ口が開いているのに、肌着で閉じてしまっては意味がない。ここに風が通るのも大事です。
透ける着物のときは形が見えてしまいますが、普段着のあまり透けない素材のものや浴衣だったら大丈夫。ひじの裏の汗を着物につけないためにも、肌着の袖としてあるとよいものです。筒袖つきの半襦袢もいいですね。
昭和の昔は、レース袖口(レース替え袖)というものが売っていて、綿レースがついた袖だけが買えまして、それを肌着にちくちく縫い付けたりしたもの‥‥と思い、調べてみたら、今も売ってるんですね。しかもレトロなパッケージです。
あとは、お母さんおばあさんのタンスの中からよく発掘もされますし、歴史ある呉服屋さんのおつとめ品コーナーとか、リサイクルショップなどでも時々売られています。実は、見かけたら買う、ということにしていたため我が家には未使用在庫が3枚あります(意味不明)。おばあちゃんのたんす発掘品も1枚。なんかレトロなレースが可愛いのでつい。。。も、もちろん自作肌着につけたりつけ袖にしたのもありますよっ。
面白いのが、だいたいレースのデザインが同じだというところです。なんか決まりがあったのか?と思うくらい。レトロなパッケージも可愛いですね。
もちろん、自分で綿の筒袖を作ってレースを縫い付けたり、筒袖の半襦袢や肌襦袢にレースをぬいつけてもいいですね。わたしは、マジックテープをつけてつけ袖にしたりもしています。機能的に考えると、ひじをカバーできればいいので別にレースは縫い付けなくてもいいわけなんですが、そこが不思議な女心というやつでしょうか!
ひじを曲げたときに、ちょっと短めの裄の普段着物から、ちらっとレースが覗くと萌えますよね~。ふへへ(危険)
あと筒袖のいいところは、袖の長さが多少短くても長くても、関係ないところです。アンティーク好きの方に愛用者が多いのもうなずけますね。
筒袖にすると袂から襦袢がちらりというおしゃれはなくなってしまいますが、襦袢着てようが着てまいが、袖に襦袢の振りが見えなくても、多分誰も気にしません。私もなにも言われないので、今日は筒袖なの!と振りからレースを見せたり(見せるな)するくらいです。たかはしきもの工房のレース筒袖「花ちゃん」を愛用してるのですが、袖の部分はいろんな袖の部分は白だけでなく、いろいろな柄があって楽しいんです。夏の浴衣の下などに使うときは白や淡い色がおすすめです。
仕事にもよく筒袖で行くのですが、一度、つけ袖の筒袖を左右違う柄でつけていったことがありますね。。。もちろん誰も気づかないので、一緒に働いていた仕事仲間に見せたら「わにこさん、それはヒドイ!!!」と言われてしまいました。ですよねっ、あはははは! でもワタシ、左右違う草履で外出した先輩を知っているので、あんまりたいしたことじゃないと思うわ、と言ったら「そういうのを目くそ鼻くそっていうんです」と叱られました。
でも、左右違う柄の袖とかも、おしゃれで流行るかもよ!(流行らねえよ)
たかがお袖と侮るなかれ。涼しいレースの筒袖体験、ぜひ一度してみてください! あ、夏だけじゃなく、通年便利なので、普段着物にはとてもおすすめです!