なんだか2月なのにすっかり春みたいな今日この頃ですが、不安なニュースが続いていますね。感染予防のため、様々な対策が講じられておりますが、仕事もあるし外に出ぬわけにもいかず、粛々とやるしかないと今日もよく食べよく眠り、マスク手洗いうがいの毎日です。おでかけ予定が中止になったりする分、少しは家の片付けとかも、落ち着いてできたりするかな?と思いながら、結局寝ちゃったり(だめじゃん)
さてそんな中。着物を着て帯留をしておりましたら、後ろはどうやって結んでいるのかと聞かれました。
みなさまは、どうされていますか?
私もきものを着始めたころ、三分紐の結び目の処理はどうすればいいの? ただ結んで、後ろに回すと後ろで余って帯から飛び出したりするし、なにか決まったまとめ方があるのか? と、着付けの本を見ても、ネットで調べても情報もなく。やはり着物を着ている人に聞いてみたら「え、適当」という返事でずっこけたことがあります。
誰に聞いても、解けなければいい&帯から飛び出さなければいいということで、だいたいは普通に帯締めを本結びにして、余った端の部分をもう一度結ぶことが多いでしょうか。
後ろに回すので、凝ったことをしても途中で崩れたりするし、見えないからまあよしという(適当)
最初は、なんか納得がいかなかったのですが、最近は私も聞かれたら「え、適当です」と答えるようになりました。だって適当なんだもん。。。
そして、着付けって本当はそういうものだと思うのです。洋服で育った私たちは、着物を着ることが特別だし、特別であるからにはなにか決まりやストーリーを求めてしまいがち。着付け教室などでは、着方や順番など、ルールや決まりにしてそれを守ることを大事にしたりしますが、だいたいそういうルールは独自ルール。そのお教室から一歩飛び出したら「なんじゃそれ」ということだって少なくありません。
だから、自分の知識が絶対だと思って、人にこうでなければならないよということだけは避けたいなあとよく思います。その人が気にいるように着ていたら、それで基本は正解なわけです。
でも最初は、それが正解かどうかわからない。全部にきちんとルールがあると思ってしまうから、三分紐の結び方もこれであってるの?と不安になったりするのですよね。
ぶっちゃけなんでもいいわけです。結びがゆるかったり、帯の「て」をおさえられていなかったりしては意味がないけど、きちんと帯締めの役割を果たしていれば結び方は自由。
「それ、間違ってるわよ!」と言われたり「あらあら物知らずねえ」と思われたりするのではないかと、ドキドキする必要はありません。それは被害妄想です。世間にはそんなに着物警察はいません。着れていればいいんです。と開きなお・・いえ自信を持つことです!
もちろん、礼装などでは決まりがありますし、きちんと守ったほうが自分も相手も気持ちがよいものですが、普段着は本当になんでもいいのだーと声を大にしていいたいです。Tシャツの着方にどうこういう人はいませんよね。
大事なのは、自分が心地よいか。自分の美意識にかなっているかだけです。
だけど、三分紐の後ろはどうなってるの?と疑問を持つのはとても素敵なこと。なんでもいい、となんでも適当ももちろんいいのだけど、みんながやっているやり方には、それぞれ蓄積された「そのやり方がいい理由」があるわけです。それを知った上で、自分にあった方法を選んだり、自分で適当にアレンジするのが上達の近道。
なんでもいいからと、最初から我流を通すとそれはそれでなかなか綺麗に着られなかったり、却って遠回りになったりします。徒然草の兼好法師も「なにごとにも先達はあらまほしきかな」とおっしゃってますが、まあ最初は「そんなの私にはあわない!」などと言わず、こんな風に着たいな?という着姿をしている人に教わったりするのが近道。遠慮しないでどんどん聞いちゃうのもいいですよ! だいたい着物を着てる人は、いろいろ着物のことがしゃべりたくてうずうずしてる変わり者が多いはず(?)
それから、着付も本や動画で見てもいいですが、私は最初の基本だけは直接習ったほうが、身につきやすいのではないかなと思います。そして、着られるようになっても、ここはどうしてこうなんだろう?とか、もっとこうしたらいいのでは?と考えるのはとっても楽しいことだし、それも醍醐味だと思うのです。メイクとかと一緒で、やっぱり着付けもおしゃれのうち。情報をアップデートして、どんどん楽に綺麗になっていったらいいと思いませんか?
だから、最初に習ったことをずっとそのままにするのもいいけど、いろんな人に聞いたり調べたり、そういう気持ちは持ち続けて、いいなと思ったやりかたを柔軟にとりいれていく。それが自分の喜びにもつながる気がします。
長々と脱線してしまいました(しすぎだよ)が、とにかく、三分紐の結び方に決まりはないというお話でした。
さらに蛇足ですがそれだけでもなんなので、私のよくやっている本結びアレンジのリボン結びのやり方をイラストにしましたので、よかったら参考になさってください。これだと、結び目が平らにおさまるので帯の後ろで邪魔にならないし、リボンの大きさを調節することであまった部分の長さもなんとでもできます。あと、回しても崩れにくいです。
これも自己満足の世界なので、ぜひぜひ自分の気に入った結び方をみつけてくださいね!